映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

中山美穂死す

2024-12-10 21:23:43 | 偉人、私の履歴書
中山美穂さんが亡くなったと報道されている。悲しい。
悲報を聞いてから何もかも手がつかない。映画も観に行けないし、体調を崩して寝込んでしまった。37.5度前後の熱が続いた。調子が悪い。

80年代後半から90年代前半までの中山美穂はまさに絶頂期で歌にドラマに大活躍だった。男のくせにカラオケで「世界中の誰よりずっと」「CATCH ME」などの彼女の歌を歌いまくった。紅白歌合戦にたった1曲か2曲のヒットでずっと出続ける歌手がいるけど、全盛時の中山美穂ほどヒットを出し続けた歌手はいない。考えてみると、インターネット普及前が中山美穂の絶頂期なので当然Z世代は彼女の存在は知らない。

辻仁成との結婚は驚いたが、函館の刑務所を舞台にした「海峡の光」が心に残る作品で2人が一緒になった時は良かったと思った。こういう孤独死は身の回りにもあるが、たいてい連れ合いと別れて1人の時に起こっている。

自分のブログでも「波の数だけ抱きしめて」のアクセスが急増した。やはり中山美穂といえば「Love letter」が突出してすばらしい。岩井俊二監督による雪景色の中の中山美穂がすばらしい。「遠い街ののどこかで」などの歌もそうだが、映画も冬が似合っている。そんな彼女が冬に入ったばかりの今年12月亡くなったのが悲しい。歌声が頭にこびりついて離れない毎日が続く。
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映画「山逢いのホテル」 ジャンヌ・バリバール

2024-12-07 13:32:05 | 映画(フランス映画 )
映画「山逢いのホテル」を映画館で観てきました。


映画「山逢いのホテル」はフランス、スイス合作のスイスの山間部にあるホテルを舞台にした物語だ。原題はLessez moiだ。 主演はフランスのジャンヌ・バリバールでフランス語で会話が展開する。直近で「ボレロ」のダンサー役が趣きがあってよかった。監督・脚本は、ファッションデザイナーであったスイスのマキシム・ラッパズだ。場所はてっきりフランスの山間部かと思ったら、地図を見ると舞台となるグランド・ディクサンス・ダムスイスのかなり山奥だ。予告編を見るとホテルの部屋に男を誘う売春婦のようだ。


サングラスをした白い服を着た女性が山間部を走る高原列車に乗って大きなダムのある場所に向かう。湖と裏にある山々を望む素敵な景色の中颯爽と歩いてホテルに入る。座った後で、ボーイに宿泊している男性がどのくらいの滞在期間か聞いてチップを渡す。長期滞在の客は避けて、近日中に発つ予定の男性客を確認した後で声をかける。しばらく雑談した後で「あなたの部屋へ」と一緒に向かう。ジャンヌ・バリバール50代の裸体をあらわにして使い込んだ乳輪のバストを見せる。

1997年、スイスアルプスを望む小さな町で、仕立て屋のクローディーヌ(ジャンヌ・バリバール)は障害のある息子を1人で育てていた。毎週火曜日には、息子を隣人に預けてダムのそばにあるリゾートホテルへ向かう。そこで短期滞在で単身の男性客を誘って情事にふける。
ある時彼女は水力発電の技術者であるハンブルクから来たドイツ人、ミヒャエル(トマス・サーバッハー)と出会う。これまでと違い女に目覚めて情熱的になる。ミヒャエルは次の出張先のアルゼンチンに向かおうとする。クローディーヌはついて行くかどうか迷う。


東電女性社員殺人事件の主人公を思わせる自傷的な女性が女の本性に目覚める。
わかりやすいフランス語で映画にはスッと入っていける。センスのある映像とやさしいピアノの音色でいかにもフランス映画らしいが、熟女AVのような展開だ。熟し切った50代の裸体は若い男性が見ても楽しめないだろう。50代女性の肢体がどんなものかを理解する自分は同窓会で同世代の女としけこむ感覚でとりあえず受け入れる。かなりエロティックで大胆だ。解説には軽い情事のように書いているが、完全に売春婦といっていいだろう。でも、男からお金を受け取らないこともある。


普段は自宅を作業場にして洋服を仕立てている。家には生まれつき障がいのある息子、バティストがいる。ジョニーローガンのファンだ。男たちから得た海外の街の情報を、父親からの手紙として読み聞かせてきた。息子への献身的な愛情の傍で、出会って惹かれたドイツ人男性に心を寄せて息子を置いて飛び出そうかと決断する。


映画館には熟年の女性が数多くいた。ジャンヌ・バリバールを見てどんなことを思うのか興味を覚える。ジャンヌ・バリバールが話すフランス語の響きはファッショナブルな名作「去年マリエンバートで」デルフィーヌ・セイリグを連想させる。あの時のデルフィーヌはこの映画の題名「Laissez moi」(一人にして)を連発する。作者に何か意図があったのかもしれない。
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映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」

2024-12-04 17:57:24 | 映画(日本 2022年以降 主演男性)
映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル 劇場版」を映画館で観てきました。


映画「オートレーサー森且行 約束のオーバル」はオートレーサーへの転身を果たした元SMAPの森且行に注目したドキュメンタリーである。穂坂友紀監督が3年間にわたって事故後の療養から復帰に向かう森且行を追い続ける。SMAPを抜けたのが1996年で今の若い人はもう1人のSMAPのメンバーがいた頃を知らない人も多いだろう。当時話題になった記憶がある。

そもそもオートレース場に行ったこともないし、車券も買ったことがない。川口オートレース場最寄駅の西川口駅にいるいかにもギャンブルおじさんは中央競馬などへ行く面々と雰囲気が違う。見ようによっては浮浪者にも見えるヤバい感じだ。ただ、カーブで靴を路上につけながらバイクが走るレースの場面を見ていると引き寄せられる部分がある。予告編を観て大画面で味わいたい気持ちになった。

1996年「SMAP」のメンバー森且行が「オートレーサーになる」夢を叶えるために、22歳でグループを脱退した。5人のメンバーに「絶対に日本一になる」と誓った森は、24年後の2020年11月3日、日本選手権で悲願の初優勝を勝ち取り、その約束を果たす。


ところが、その82日後、福岡の飯塚オートレース場での落車で選手生命が脅かされる大怪我を負ってしまう。その後5度の手術と壮絶なリハビリに2年間を費やす。足に麻痺がのこった状態で復帰戦に勝利して再びプロの第一線に返り咲く姿を描く。


よくぞ撮りきったと感じるドキュメンタリーだ。
若き日にオートレーサーに転身して、上位クラスのS級には長くいたが46歳にしてようやく日本一の頂点に立つ。元同僚のSMAPのメンバーから祝福されたと聞く。旧SMAPのメンバーは出演していない。ところが、それほどたたない時の大事故による悲劇である。カメラは負傷後の森且行を追っていく。

今回初めて知ったが、レース用のバイクにはブレーキがない。最大時速約150km/hだそうだ。競輪競馬のレースよりはるかに速いスピードだ。その危険度は高まる。森且行が落車するレース場面が映っていた。自ら転倒したわけでなく、他の選手がバランスを崩して転倒して背後にいた森が巻き添えを喰らったのだ。


幼い頃に父親とオートレース場に行った時の想い出が強いようだ。ただ、小学校の時に父親は亡くなり兄弟が多かった親の兄弟の家をぐるぐる回ったようだ。育ちがいいわけではない。ただ、明るく育った姿が写真からわかる。そして容姿淡麗だった森且行はジャニーズ事務所に入所して芸能界デビューする。SMAPのメンバーとして活躍する姿は映さない。もともと肖像権にうるさい事務所だったし、なくなったとはいえ余韻はあるだろう。退団後養成所に入って頭を丸刈りにした姿からオートレース界での頂点までの姿を見せてくれる。


何度も手術した結果、身体の中に250gものボルトが入っていたという。レントゲン写真での体内の金属がむちゃくちゃ多い。よく助かったものだ。しかも、強靭な意志を持ち続ける。ようやく復活して初めてバイクに乗っても足に力が入らない。とてもレースに出られる状態ではない。それでも踏ん張る。カメラがずっと追っていく。実兄や同期レーサー仲間、事故で絡んだ選手、担当医らの証言も織り交ぜ構成する。過去のレースの写真をずっとストックしている熱烈なファンがいるのが伝わる。その期待にも応える。

復帰後のレースで外からインに向けてスッと入っていくレース展開を見ながらレース巧者なんだろうなあと感じる。さすがに50にして限界もあるだろうが「強いやつとレースするのが楽しくてしょうがない。」という言葉にはすげえ奴だなと感動する。観てよかった。
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