映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

高倉健 映画「あなたへ」 

2012-08-27 22:25:21 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「あなたへ」を劇場で見た。

81歳になった高倉健がついに登場だ。いつもながらの演技スタイルは変わらない。以前「夜叉」で一緒だった田中裕子、ビートたけしの明治大学出身の後輩たちが脇を固める。このところ3年前に自分がブログアップした「夜叉」へのアクセスが異様に多い。みんな映画「あなたへ」を見ているんだろうなあと思いながら、今の高倉健を応援するつもりで映画館を訪れた。
ロードムービーは大好きだ。それぞれの地方のいいところを映しつつ、いろんな場所で出会う人たちの触れ合いを映像で語る。雪山を借景にした富山市の風景からスタートして、長崎平戸の古い町並みや風の音を感じさせる灯台の映像など、監督と撮影者は映像コンテの選び方がうまい。抒情的肌合いがある。ここのところ「ダークナイト」「アベンジャーズ」などの末梢神経をとことん刺激する作品を劇場で見てきたので、妙に落ち着いて心地よい。

主人公倉島英二(高倉健)は富山刑務所の刑務官である。受刑者の木細工の手伝いをする技官だ。病気療養中だった妻(田中裕子)が亡くなり、遺言の手紙を添えた女性が訪ねてきた。手紙は2通あった。その一つには自分の遺骨を故郷の長崎平戸の海に沈めてくれないかということが書いてあった。もう一つはすぐ封を切らず郵便局留めにしてくれという。

もともと妻は刑務所に童謡を歌う慰問に来ていた女性だった。刑務所の囚人の一人が恋人だったが、死んでしまい失意だった所を主人公が慰めたのが2人が一緒になるきっかけだった。
映画ではその回想が少しづつ入ってくる。
主人公は刑務所の総務部長(長塚京三)に辞表を提出して、遺言を果たすためワンボックスカーで長崎へ向かうことにした。富山を出発して、飛騨路で高校の国語の教師だと名乗る男(ビートたけし)と知り合った。彼も同じように妻を亡くしたという。慣れない主人公とキャンプ場で一泊したが、目を覚めると本を一冊置いたまま姿を消していた。

そのまま、関西へ向かい京都の駐車場で車を止めていると、バッテリーケーブルを貸してくれと一人の男(草剛)に頼まれる。結局車は動かない。主人公は頼まれるまま、大阪まで男を連れていく。男は北海道の駅弁イカめしを各地のデパートで展示販売する仕事をしていた。人のいい主人公は頼まれるまま、弁当作りの手伝いをする。男には相棒(佐藤浩市)がいた。飲んだ後再会を約束する。
車は九州に向かう。その途中で関門海峡でもう一度国語教師にあう。主人公と国語教師は旧交を温める。その時、なぜかパトカーが近づいてくるのであるが。。。

映画史上に残る傑作というわけではない。ストーリーが起伏に富んでいるわけではない。ビックリするほどの演技が見られるわけでもない。泣ける映画でもない。でもこの映画の根底に流れる独特のムードに2時間安らぎの気持ちを持った。日本映画史を支えてきた大スター高倉健がもつ言葉にいえないオーラを強く感じた。
高倉健はその昔殺し屋やヤクザだった過去のある男性を演じると実にうまかった。「夜叉」もそうだ。顔立ちの奥にそういう連想をさせる凄味を残していたのだ。でもさすがに80をすぎそういうテイストがなくなった。まじめで朴訥な人生を過ごしてきた姿が連想されるようになった。この映画で見せる役は今の健さんの普段の姿なのかもしれない。そんな気がした。

クリントイーストウッドは日本式に言うと高倉健と同じ学年である。彼の俳優としてのラスト映画「グラントリノ」を見た時、これで俳優イーストウッドとお別れと思うとジーンとして、60年代の西部劇、ダーティハリーなど昔の映像が目に浮かんできた。健さんも同様である。佐々木小次郎を演じたサムライ姿、網走番外地や任侠もので見せた凄味、愛妻故江利チエミとの仲の良い姿、マイケルダグラスと男を張りあう「ブラックレイン」の刑事姿、過去のある男を演じた80年代以降の作品と次々目に健さんの姿が浮かんできた。これが最後なのかなあ?同じ思いで映画館を訪れる老人たちも多いのかもしれない。


田中裕子についても触れたい。映画「いつか読書をする時」を見てびっくりした。無表情な顔つきにその昔の妖艶さが全く見えないのである。「夜叉」や「天城越え」で見せた色っぽさがない。演技とはいえ、驚いた。この映画もその流れをくむ。明らかに彼女の顔が変わっている。結婚で苦労しているのかなあ?上の写真の笑顔はここではめずらしい。これは往年の笑顔と同じだ。演技のレベルはもともと高い。ここでも安定している。
あとの出演者は日本映画を代表する人たちだ。ビートたけしはその強い個性を少ししかあらわにしない。佐藤浩市は先だって父親と一緒に原田芳雄の遺作に出演、ここでも高倉と共演する。存在感がないかと思ったら、少しづつ重要性を増す。そういえば父上三国連太郎高倉健共演の歴史的名作「飢餓海峡」から50年近くたつ。

もう一作くらいやってもらえないかなあ
健さんより年上の名優大滝秀治が踏ん張っているのを見て、もう少し頑張ってもらえるといいんだけど。。。

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セクレタリアト ダイアン・レイン

2012-08-26 18:42:16 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「セクレタリアト」は日本未公開の2010年のアメリカ映画だ。
1973年、25年ぶりのアメリカ三冠馬となったセクレタリアトと情熱を注いだ人々の実話の映画化だ。

1969年のアメリカが舞台になる。4人の子を持つ主婦のペニー(ダイアン・レイン)は、幸せな暮らしを送っていた。そこに母親の訃報が届く。久々に帰った故郷の牧場では、経営する父親はすでにやる気を失っていた。経営難の上、調教師もやる気を失っていた。そんな状態で、父親が脳卒中で倒れる。このまま父親が死ぬと600万$の相続税がかかるという。売却するしかない状態だ。
結局彼女は自分が競走馬の生産牧場を受け継ぐと言い張る。主人公は新しい調教師を探す。目当てのルシアン(ジョン・マルコヴィッチ)はゴルフ三昧でやる気を出さない。しかし、牧場には牝馬としてはいい血統をもつ馬がいた。父親がオスよりも良いメス馬を育てるのにこだわったのだ。その馬がオス馬を生んだ。生まれると同時に立ち上がろうとする力強い馬だった。その後も馬は立派に育っていく。それを見て調教師のルシアンもやる気を出す。馬はセクレタリアトと名付けられる。

期待を込めて登場したデビュー戦では4着と敗れる。後のない主人公は騎手と調教師にあたり散らす。それでも、主人公はあきらめきれず、調教師と心中のつもりで次に勝負をかける。
次のレースでも凡走なスタートぶりだ。最後尾を走る馬を見て目を伏せる2人。ところがレース途中からセクレタリアトが突如まくり始める。最後のコーナーをすぎてから一気に先頭にあがりトップになる。


その後セクレタリアトは快進撃を続ける。7連勝だ。そんな時、相続に伴う資金不足を知り、馬を700万$という高額で買いたいという話が出てくる。主人公はこの馬の価値はこんなものではないと強気の姿勢だ。調教師や主人公の身内はこれから勝てないと価値は半分におちると不安がる。そうして出走した前哨戦で負けてしまう。あせる2人、しかも馬に食欲がない。
そしてセクレタリアトが、3冠レースに向けて登場する。そこにはライバルの強馬がいた。そこでも後方一気の追い込みで勝ってしまう。栄誉あるダービーを制覇!しかし、三冠に向けては距離特性が大丈夫かという不安があったが。。。。


dvd借りようとして、ダイアンレインとジョン・マルコヴィッチの2人の顔が目に入った。でも日本未公開だという。競走馬に関する映画って割と面白いのにと思いながら、何で?未公開と思う。映画好きだとメジャーだけど、一般にはちょっとインパクトのない配役だからか?
競走馬に関する映画では「シービスケット」がある。個人的に大好きな映画だ。レースを映し出すカメラの位置取りが抜群によく、自分が馬群の中に入ってしまう錯覚を感じさせる。あの映画で感じたようなレースとの一体感は若干落ちるかもしれない。


でも悪くはない。元になった実話の面白さだろう。後方一気の差し馬の動きって見ていてドキドキする。
結果がわかっているだけに、いづれ前に走る馬を次々抜こうとするだろうなあと思うのであるが、当然勝つと思われながら負けたレースをストーリーに入れ込む。負け戦での馬主、調教師、騎手の精神的な葛藤を組み込んだ所にストーリー展開のうまさを感じた。

三冠目のレースで、差し馬が突如として逃げ切り型にチェンジするところも面白かった。
競馬好きは楽しめるんだろうなあ。
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佐藤健 るろうに剣心

2012-08-23 06:10:26 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
佐藤健くん主演映画「るろうに剣心」早速劇場で見てきました。

5月に佐藤健君主演のミュージカル「ロミオとジュリエット」を見に行った時は、チケットの値段も高いせいかおばさん熟女たちがずいぶんと観客に目立った。今回は年齢層は急激に若くなり、若い男性客も多い。ロミオの時は8割以上女性だったが、今回は若干女性が多いくらいの比率だ。人気の佐藤君だから若い女性もいたけれど、もともとこういうアクション時代劇は男の世界だ。

予想以上のアクション劇で、佐藤君も熱演、脇役に江口洋介、吉川晃司と主演級の猛者がそろい見応えがある。今回は幅広い人たちに受けそうな内容だ。

映像は明治維新の1868年1月、鳥羽伏見の戦いで討幕側の刺客として戦う主人公を映す。幕末に“人斬り抜刀斎”として恐れられていた伝説の剣客・緋村剣心(佐藤健)だ。
明治維新となり、姿を消す。「不殺(ころさず)」の誓いをたて、流浪人として旅をしていた。
10年後の1878年を映す。その頃、街では剣心のかつての呼び名・抜刀斎を名乗った人斬り事件が勃発していた。亡父から継承した神谷道場を切り盛りする神谷薫(武井咲)が無謀にも似顔絵に似た男に立ち向かおうとしているところを、剣心が助ける。

偽者の人斬り抜刀斎は、貿易商の武田(香川照之)に用心棒として雇われた鵜堂刃衛(吉川晃司)だった。金の亡者の武田は女医の高荷恵(蒼井優)に阿片を作らせ、それを元手に得た莫大な金で武器を買い漁っていた。元・新選組で今は警察幹部を務める斎藤一(江口洋介)が気付くものの、なかなか手出しができない。神谷道場に道場破りが来た。ハチャメチャにされているところを再度剣心が助ける。剣心は道場でしばらく一緒に暮らすこととなったが。。。


いきなり主役が剣の腕を見せる。ともかく動きが素早い。数多い相手をなぎ倒すと同時に中国の武侠映画のように跳ねまわる。2次元でなく3次元空間をうまく活かす。牛若丸のようだ。動きが激しい。佐藤健の奮闘ぶりがクローズアップされる。
それと同時にライバルの剣士たちの実力も示される。


吉川晃司が印象的だ。非情なまでに性根がすわった悪役として剣をふるう姿が「大菩薩峠」の市川雷蔵を連想させる。長身でがっちりした体格で存在感をむき出しにする。アイドル歌手から個性俳優へ実にうまくイメージチェンジしたものだ。終わりは若干不満だが。。。武井咲はかわいいけど普通、蒼井優がいい。映画を見て最初は彼女だとはわからなかった。普段の映像と違った一面を見せてくれた。香川照之はあしたのジョーの丹下段平役に引き続き強い個性を見せる。悪役はうまい。機関銃を打ちまくる構図が明治維新間もないというより戦中の大陸の野蛮な軍閥的要素を持つ。

間合いを取って、静のスタイルが以前の時代劇の基本だった。この映画は比較的早く剣を合わせる。そして実力が均衡している戦いでは剣と剣が何度もぶつかり合う。まともに剣が体を切りつけようとすると、ワイアーアクションのように跳ねあがる。元来の時代劇にかなり中国系のアクションスタイルの血が混じる。でもそれがいい。これまでにないスピード感のある時代劇になっている。新しいスタイルの傑作だと思う。

もしも?でいえば、大映のスタジオで故宮川一夫のカメラでこの作品撮ったらどうなるのかな?あの独特の夜のムードをむき出しにすると、妖気が強くなり、佐藤健はもっと映えるのではないか。
そんなことを考えていた。
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マリリン7日間の恋  ミシェル・ウィリアムズ

2012-08-22 19:41:56 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「マリリン7日間の恋」はミシェル・ウィリアムズがマリリンモンローを演じオスカー主演女優賞の候補になった作品だ。

思った以上に素敵な映画で快適な時間を過ごせた。
イメージで普通の女性映画だと思っていたが、若い青年が年上の女性に憧れをもつというような青春ものとしても解釈できる。どちらかというと男性の方が楽しめるのではなかろうか。

舞台はロンドンだ。
今回の回想録の作者であるコリンクラーク(エディ・レッドメイン)が映画界に入ろうとするシーンからスタートする。名門出身であることをうまく使い、彼は売り込みをかけて、名優で監督もこなすローレンスオリビエ(ケネス・ブラナー)のもとで働くことに成功する。その作品「王子と踊り子」はローレンス自ら監督し、マリリンモンローをアメリカから呼んで共演する作品だった。


マリリンはアーサーミラーと3回目の結婚したばかりで、2人でロンドンにやってきた。セクシー女優としてすでに名高いマリリンが町を歩くと、大騒ぎだ。映画のけいこがはじまった。台本読みがはじまったが、なじめない。ローレンスは何とかとりなそうとするが、うまくいかない。同行する米国アクターズ・スタジオのポーラ・ストラスバーグ(ゾーイ・ワナメイカー)が中に入って何
とかしようとするが、彼女の情緒不安定は続く。
英国に滞在するマリリンの面倒をみるのに第三助監督コリンクラークが雑用をこなす。精神が不安定のマリリンも年下の彼には心を許すようになる。ちょうど用ができて夫のアーサーミラーもアメリカに帰国して、一人になったマリリンは彼を頻繁に呼びつけるようになるが。。。。


セクシー女優マリリンモンローの行く先には、一般の人たちや報道陣が付きまとった話は有名だ。日本に来た時は夫のヤンキースの大スタージョーディマジオが一緒だったのに、注目を浴びるのはいつもマリリンでずいぶんとやきもちをやき、離婚のきっかけとも言われている。

またマリリンが情緒不安定で監督、共演者、スタッフが舞台裏で苦労した話は何度も聞いたことがある。コメデイの名作ビリーワイルダー監督ジャックレモン、トニーカーチス主演の「お熱いのがお好き」はいつ見ても腹抱えて笑ってしまう。

でもその舞台裏はマリリンが薬漬けでセリフが覚えられず大変だったそうだ。でも主演2人はマリリンがからんだ時が一番楽しそうだ。マリリンは演技しているというより地であの独特の個性をつくるある意味天才的なところがある。
そういう扱いづらい女優だったマリリンの舞台裏をクローズアップする。
ミシェル・ウィリアムズは見事に演じたものだ。

共演者で目立ったのはローレンスオリビエを演じたケネス・ブラナーである。
これは実にうまい。マリリンが自分の思うように動いてくれず、いらいらする様子をうまく演じている。ケネスは映画監督でもあり、演技者の演技がうまくいかないケースには何度も出くわしているだろう。地でイケているせいかいい感じだ。ローレンスオリビエの妻としてヴィヴィアンリーが出てくるところも御愛嬌

ウィンザー城やイートン校のロケは英国らしくてよかった。マリリンが全裸で池に入って行くシーン、これはこのロケでやったのかなあ?あとは音楽のセンスが抜群だ。風景に合わせた落ち着いた音楽がいい。いかにも50年代らしくナットキングコールの歌声が聞こえた時は鳥肌が立つような感じを覚えた。ミシェル・ウィリアムズの歌も実にうまい。
快適な時間を過ごせた映画だった。
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戦火の馬 スピルバーグ

2012-08-19 20:15:59 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「戦火の馬」はスピルバーグ監督によるハートフルドラマだ。
第一次大戦の戦場を舞台に、戦馬として戦いを生き抜いた馬の物語だ。動物と人間の触れ合いというテーマがいかにもスピルバーグ監督らしい設定だ。

第一次世界大戦前夜のイギリスの農村が舞台だ。村で馬のセリがある。貧しい農家の主人が1頭の美しい馬を競り落とす。地主もセリに参加していいてさんざん皮肉を言われる。この家の少年アルバート(ジェレミー・アーヴァイン)は馬に一目ぼれ、“ジョーイ”と名付けられたその馬とかけがえのない友情を結ぶ。
しかし第一次大戦が始まる。ジョーイは英国軍の軍馬として無理やり連れて行かれ、フランスの戦地に送られる。アルバートはジョーイを探すため、徴兵年齢に満たないにもかかわらず入隊し、最前線フランスに向かう。ジョーイは死と隣り合わせの過酷な日々のなか、軍馬を誰よりも大切にするイギリス人将校、ドイツ軍を脱走した少年兵の幼い兄弟

両親を失ったフランスの少女らと巡り合う。過酷な運命に立ち向かう人々との出会いと別れを繰り返すのであるが。。。

雄大な光景が美しい。スピルバーグなので当然音楽はジョンウィリアムスのスケールの大きな音楽が高らかに奏でられる。英国の大地の広がりや清澄な空気を感じさせる。その中で優雅に馬が走る場面があり、戦火の中を本能のまま走るシーンもある。ここではCGに頼らず実写で勝負する。
この映画では主人公である馬「ジョーイ」の演技に驚く。緩急つけた走りもさることながら、足を痛めた馬の代わりに、自分が荷車をひくとばかりに訴え、替わるときに見せる目の演技には驚いた。
絶えず馬を見ていくべき映画であろう。

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アベンジャーズ 

2012-08-16 20:21:01 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「アベンジャーズ」を早速劇場で見た。

アメコミヒーロー勢ぞろいという触れ文句と驚異的な興行収入というのが気にはなっていた。
このヒーローの勢ぞろいは、ウルトラマンとマグマ大使と鉄人28号がそろったようなものなのか?いや違う。そんなにジャンボなヒーローではない。若干大きめの超人ハルクを除いては人間並みの大きさだから、鉄腕アトムと仮面ライダーとエイトマンが勢ぞろいで宇宙からの敵に立ち向かうという感覚なんだろう。


もう少し子供のころだったらドキドキしたかもしれない。格闘場面は確かに楽しめた。
「ダークナイト」を除き、ここしばらく初老のおばさんたち好みの作品ばかり劇場で見てきたので、観客に若者特に若い青年が多いのは新鮮だった。

まずは宇宙から地球略奪を目指す宇宙人の姿を映す。
地球滅亡の危機の通達を受け、地球防衛組織の司令官ニック・フューリー(サミュエルジャクソン)から召集されたヒーローたち6人がそろう。
億万長者にして天才発明家トニー・スタークことアイアンマン、70年の眠りから覚めた伝説の戦士キャプテン・アメリカ、神々の国から追放された雷神・マイティソー、怒りによって巨人に姿を変える科学者・ハルク、魔性のロシア系女スパイ、ブラック・ウィドウ、そしてエリート・エージェントにして弓の名手、ホークアイ。決して相容れるはずのない彼らが、司令官の指揮の下、一つのチームとして戦うこととなるという話だ。


単純そうに見えるが、映画がはじまってしばらくセリフの字幕を見ていてもよくストーリーが理解できない。このヒーローたちの映画すべてを見ているわけではないので、彼らの真実の気質がわからないと意味不明になるのではないかなあ。オタクの連中はすべて理解しているんだろうけど、このオールスター戦よくわからない。ふと気がつくと不意にウトウト寝てしまった。おっといけない。


しかも、ヒーローたちが正義の味方として早い段階から志を同じくすればいいんだけれど、なかなか仲良くならない。そういう迷彩がかなりかくされているので、映画を見る人は予習をした方がわかりやすいんじゃないかと感じた。

戦う相手の宇宙人って、ここしばらくの映画を見ると大体同じような風貌に見えてくる。アップし損ねた「カウボーイ&エイリアン」や「スーパーエイト」の宇宙人を連想してしまった。メインになる怪獣じみた生きものはアメリカ版「ゴジラ」の映画を連想した。日本の怪獣は日本版ゴジラが基本になっているんだけど、アメリカの怪獣は爬虫類のトカゲ系の形をしていることが多い。竜とトカゲを足して二で割ってエイリアンの要素を強くした感じだ。

こういうヒーロー、怪獣ものは日本の特撮技術が大きく世界をリードした映画の分野であった。でもこれを見てしまうと、映画予算をあまりかけられない日本ではこのレベルに達する映画って作れないんだろうなあと感じた。

最後にこの映画エンディングクレジット始まってからもう一度映像を映すと聞いていたので、終わってからも席でじっとしていた。早速に帰る人も多かったけど、情報通り映像が流れた。未見の方は帰られないように注意したい。


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上野 韻松亭にはビックリ

2012-08-15 20:39:36 | 食べもの
上野公園 韻松亭
上野公園の中にこんなに凄い割烹があるとは夢にも思わなかった。
食べる場所の紹介は実名をあげると自分の正体が割れそうであまり取り上げていなかったが、東京のど真ん中でのこのサプライズはピックアップしたい。



上野駅公園口から歩いてすぐ
西洋美術館の方に向かわず、向かって左を進む。
まさに公園の中に韻松亭がある。こんなに長く東京にいるのにいやー知らなかった。





建物の中も和のテイストだ。
数寄屋造りの典型というべきであろう。




個室を予約していた。
お店の対応は値段なりにいい。

鳥すきコースで頼んでいた。
コースにつく手羽先だ。


部屋につくお姉さんがお世話してくれる。
こちらは見ているだけ。酒がすすむこと。。。。



おいしいなあ!
この雰囲気にのまれてしまう
湯葉がおいしい!

この後も
つくねにぞうすいと食べきれないくらいにたくさん出る。
腹いっぱいで身動きできない。
気がつくと、6時に入ったのに、時計を見ると9時をすぎている。ゆっくりした。


夜の雰囲気がなんとも言えずすばらしい。
店の前にはお迎えのハイヤーが止まっている。
あまりの感激に酒がすすみすぎ、ついつい2次会へ突入してしまう。

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「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」 ミシェル・ヨー

2012-08-14 22:13:50 | 映画(アジア)
映画「The Lady アウンサンスーチー ひき裂かれた愛」を劇場で見てきました。


ビルマ(ミャンマー)の独裁軍事政権に立ち向かう民主化運動のリーダーであるアウンサンスーチーの物語だ。自分が敬愛するリュックベッソン監督とアジアンビューティーの象徴のようなミシェルヨーが組むという。聞いただけでわくわくするような組み合わせで劇場に行くのを楽しみにしていました。


アウンサンスーチーの顔はニュース映像で誰もが見たことある。でも実際にどういう人生を歩んできたのかを知っている人は少ないのではなかろうか?ニュースで聞く「軟禁状態にある」という状態もどういうことなのかを知らなかった。

まずは主人公アウンサンスーチーの幼児のころを映し出す。ビルマ民主化運動を進めていた主人公の父アウンサン将軍は民衆から敬愛されていた。彼が志半ばで反対派によって1947年射殺されるシーンからスタートする。

時がたち、主人公アウンサンスーチー女史(ミシェル・ヨー)は英国に留学する。学内で知り合った学者マイケル・アリスと結婚し、2人の子どもをつくり幸せな生活を送っていた。1988年、母の危篤の知らせが主人公の元に来た。看病するために久しぶりに生まれ故郷のビルマに戻った。ビルマでは軍部が独裁を敷いており、空港ではアウンサン将軍の娘だというだけで、主人公は軍事政権からマークされていた。そこでは学生民主化運動を武力制圧する凄惨な光景が広がっていた。アウンサン将軍の娘の帰国を知った民主主義運動家たちは、主人公に選挙への出馬を懇願する。不安を抱きつつも50万以上の民衆を眼前にして、立候補を決意するスーチーだったが。。。。

その後軍事政権との過酷な戦い、15年にわたる自宅軟禁生活が映像で映される。91年にはノーベル平和賞も受賞した。残念ながら授賞式には夫と二人の息子が出席した。

離れて暮らした英国人夫マイケルとの交情が語られる。ドラマの基調は主人公と英国人の夫とのラブストーリーだ。とはいうものの正直アウンサンスーチー女史の民主運動の振る舞いについてはあまり関心がなかった。
彼女の父親は暗殺されたが、母親はインド大使まで務めた女性としてはエリート中のエリートだった。彼女自体の育ちはいい。デリー大学からオックスフォード大で学んでいる。あの世代でオックスフォードとは一歩抜けた毛並みでないと学べない。映画では主人公がピアノを弾くシーンが何度も出る。下積みから這い上がった運動家ではない。日本人も毛並みがいい人を好きなのと同様に、ビルマでもそうなのであろう。そんな彼女もいつの間にやら民主運動家になってしまうのだ。鳩山元首相が反原発デモに参加するのと似たようなものだが、アウンサンスーチー女史の精神力の強さはアホ鳩山とは比較にならない。

リュックベッソンがこのノンフィクションドラマをどうこなすのが気になった。
リュックベッソン監督作品というと「ニキータ」「レオン」の2つの傑作で一気にファンになった。同時に「taxi」「トランスポーター」のプロデュース作品におけるアクション映画制作の巧みさが光る。90分前後で簡潔に映像をまとめて隙がない。この映画でも短いカット割りを続けながら、簡潔にストーリーを語る。リズミカルで非常に分かりやすい。長年のコンビであるエリックの音楽もアジアンテイストをいれた躍動感のあるリズムでストーリーを盛り上げる。

ミシェルヨーが熱演である。「グリーンデスティニー」からファンになった。「サユリ」も「レインオブアサシン」も楽しまさせてもらった。20代から現在に至るまでの長年にわたるアウンサンスーチー女史の映像を徹底的に研究したという。それがよくわかる演技である。

観客には比較的初老の夫婦が目立った。死にかかった英国人の夫を見舞う英国への帰国に対して、一度ビルマを離れると二度と入国させてくれないので帰国できない様子を見て、ご婦人たちのすすり泣く声がずいぶんと聞えた。でも自分は泣けなかった。だって旦那さんかわいそうだもん。
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北海道旅行4(札幌)

2012-08-11 05:29:26 | 散歩
札幌の時計台に入ったのは初めてだ。


目の前は何度も通っていても中に入ろうとは思っていなかった。
時計台は札幌農学校のちの北大の演武場だったのだ。
時計台の歴史、建物の構造の展示をみながらなるほどと思う。

2階が天井まで吹き抜けになっているこんないい空間になっているとは知らなかった。


道庁に向かう
これも横で一瞥するだけだった。シンメトリーの崇高な外観である。


どこの県庁の旧庁舎に行ってもエントランス入ってすぐの構造は一緒だ。
宮崎の時もそうだった。


北方領土の資料館
わかりやすかった。返還要求の署名のところに中国人の署名がたくさんあるのには笑えた。

憲法上戦争放棄となっていて、もともと固有の領土というだけで無血での返還を要求するのは虫がいいとおもう。たまたまアメリカとは同盟関係にあり沖縄は無血で戻った。しかし、ロシアはそうはいかないだろう。


樺太の資料
この資料館はじっくり見た。自分の知らない事実がたくさん書いてあったからだ。
戦前南樺太で日本から行った人たちが開拓をおこない、鉄道などの整備を行った。人口も40万人ほどいたらしい。それがポツダム宣言を受諾し領土ごと引き渡す。8月15日ですべてが停戦になっていたのに、8月いっぱい樺太では懸命に自分のたちの領土を守るためにソ連と戦っている人たちがいたという事実に胸を打たれた。
ここで戦うことで北海道北部を自分の領土にしようとするソ連の野望から守った人たちがいたのだ。
しかも引き揚げ途中で民間船が沈没されたりしたのだ。

思わずこの資料館で長時間立ち止まってしまった。日本を守った人たちに感動した。
北方領土返還話でついつい樺太の話は少なくなっている。でも歴史を顧みて、樺太がロシアの固有の領土であったとは言い切れない気もする。もっとクローズアップされるべきではと思う。

北方領土を軍事行動なしに奪い取ることは不可能だ。竹島についても同様だ。最近改めてクラウゼヴィッツの「戦争論」を読み返しながらつくづく感じる。日本は平和ボケしている。今回の日本政府の対応のように大使を返すだけでは何にもならない。自分たち固有の領土といいながら、結局は1952年から韓国に竹島を占領されているのだ。韓国に対して軍備を使えないのなら、韓国製品不買運動や韓国経済を窮地に落し込める策を取るしか方法はない。サムソンの携帯も買うな。もう少し頭を使った方がいい。
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北海道旅行3(札幌市内)

2012-08-10 10:09:00 | 散歩
4日目
札幌市内をまわることにした。
「白い恋人パーク」と言われた時は、数年前の食品汚染問題を連想した。あのときはたたかれまくった。
そんなところ行くの?!という気持ちもあったが、前日自分の好きなようにまわったので従った。
地下鉄東西線で大通から宮の沢に向かう。少し歩くと白い恋人パークがあった。

なかなかきれいな建物だ。
庭にあるローズガーデンが美しい。


工場見学してお菓子作りの工程を見るだけでは面白くないと思っていた。でもそれだけではない。チョコレートにかかわる資料を全世界から収集した痕跡がある。味わいのあるパネルがたくさんかけられている。

まわりを見ると、中国人が多い。もしかして入場者の半数以上が中国人ではなかろうか?
それはわかるような気がする。
数年前起きた食品汚染問題もことを観光客の中国人が知るはずがない。しかも、中国人は甘いものが大好きだ。そう考えると、白い恋人パークが中国人だらけになってもおかしくない。

そんなこと考えながら、お茶休憩をした。
娘たちは白いティラミス

自分は犬のエクレアを食べた。いずれもおいしい。

アールグレイの紅茶を飲んだがこれが実においしい
外を見ると、サッカー練習場でJリーグの選手が練習していた。快適な空間だった。

あとは蓄音機のコレクションやアニメ系フィギュアのコレクションの陳列を見た。
かなりたくさん収集している。想像するに、創業家のお坊ちゃんがかなりのオタクであったのではなかろうか?金にものをいわせてあらゆるところから集めた気がする。それはそれで結構なことである。
何も買い物をしない自分でも割と楽しめた。

また地下鉄に乗って「北海道開拓の村」という所へ行った。
新さっぽろという駅からバスに乗る。
この駅には新しい大きなシェラトンホテルがあった。町自体が郊外のニュータウンという印象だ。

いきなりシンボリックな洋風建築が迎える。




明治のころに建てられた建物を移築して出来ている。
名古屋にある「明治村」と同じ形式だ。「明治村」ほどは大きくはないが、見応えがあった。

ニシン御殿だ。小樽から移築しているということだ。
建物の形が小樽にある有名なニシン御殿と同じような形をしている。

漁村を再現
庭園の設計がごとく、配置設計がうまい。


古い建物だけど屋根のラインがきれいな設計
長くつづく下屋が美しい。


これは昨日行った古平町にあった医院を移築したものだ。
大量の書籍のある書庫もあり、壁に掛けられた絵画は古平町の美しい風景をスケッチしたものだ。
自分の祖先もこの診察所で診療してもらったのかと思うと妙な感慨を覚えた。


このあと大通に戻って
スウィーツの店や時計台、道庁へ行った。
旅行中かなり甘いものを食べた。週に一回も食べるかどうかの自分がこんなに食べるなんて自分でもびっくりだ。「きのとや」という店のオムカフェなんて食べ物にはビックリするしかない。

札幌はスウィーツの街になっているようだ。独創的なスウィーツが多く、意外に思った。
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北海道旅行2(小樽~余市~古平)

2012-08-09 20:02:59 | 散歩
3日目はいよいよ今回の目的の小樽へ

父が亡くなって4年がたつ。父が亡くなった時、戸籍を小学校1年までいた小樽から取り寄せた。
そこに記せられているルーツをたどると、余市と古平につながることがわかった。
余市は行ったことがあるけれど、古平は行ったことがない。
車で札幌から古平を目指した。

札幌から高速に乗ると、かなり高い所を走って小樽に向かう。
そこから見る札幌の街は広い。海が見える。雄大だ。
列車で小樽へ向かうときは海に近いところを走る。それなのでこのルートは初めてだ。

高速を抜けて、小樽の街をみる。ずいぶんと変わったなあ!
運河の横を抜けて5号線を走る。

東京ロマンチカの名曲「小樽のひとよ」に塩谷の浜辺という歌詞が出てくる。
その浜辺に近いことろは波が荒い。

余市を抜けて、積丹半島のベイラインを運転し古平町に入る。
漁村のある田舎町だ。
ルーツをたどるのに役場に入る。建物も古い。
役場の職員も首都圏の役所と違って暇そうで、親切だ。

国定公園になっているだけあって、海辺に奇岩が多い。
ペンシルみたいな岩だ。
他にもこういうのがいくつもある。実にきれいだ。

積丹半島には縁がなかった。用がないと思っていたのが、思いがけず縁があり来た。
美しいエリアだと思う。

余市へ向かう。
余市の道の駅でトイレ休憩をしたら、近くにニッカウイスキーの蒸溜所がある。
余市といえばニッカだが、今まで縁がなかった。
工場の前で記念撮影だけしようとしたら、どうも中に無料で入れるみたいだ。
タダなら入ってみようか。そんな不純な動機だったけどこれが抜群に良かった。

蒸溜所の見学だけでなく、ニッカウィスキーの歴史を教えてくれるウィスキー館で創業者竹鶴政孝氏とスコットランド人の妻リタさんとの触れ合い話などがよくわかった。

竹鶴社長の旧宅は素敵な洋館である。ここに戦前戦後住んでいたという。

それだけではない。
この工場内の建物の配置、グリーンの計画が無秩序でなく非常に素晴らしい設計となっている。

これには驚いた。プロの仕事だ。この蒸溜所内は予想以上に素晴らしい空間だった。

試飲コーナーでは、高級酒「鶴」や「余市」の試飲までできる。
ニッカはずいぶんと気前がいい。
自分は運転だったので入場時に「酒は飲めないというシール」をもらってウーロン茶だったけど、酒好きにはたまらない場所だと思う。

高級酒「鶴」は9650円で売っていたけど、銀座だと一本3万以上だよね
(上の写真は銀座のクラブでのショット)

昼食はラムシャブ組とジンギスカンに分かれて食事する。
肉の量も多い。実にコストパフォーマンスが高い。これにも驚く。食べ応えがあった。

めずらしく得した気分になった。いい期待外れだった。

小樽へ向かう。
まずは昔祖父や父が住んだ家を探すことから始める。
自分が初めて小樽へ行ったのが小学校1年の時、その時初めて羽田から飛行機に乗った。祖父と祖母と一緒に行き、10日間くらい滞在したと思う。小樽に長くいたが、石狩の方も行き最後は登別温泉にも泊った。
高校1年の北海道旅行では小樽へは寄っていない。
大学生の時、親戚の葬式があり父といった。夏のまっ盛りで飛行機の予約ができなかった。それなので車で行った。まだ青函連絡船で渡ったころである。父と交代で運転したが、東北自動車道は盛岡までしか完成していなかった。残りの国道4号、5号線も長くて凄い旅路だった。
その時に父から自分が住んだ家がここだと教えられた気がするが自信がない。その時気づいたのは、小学校1年の時に行ったときも、15年位たって大学生のころ行った時も街並みに変化がなかったということだ。でも今は明らかに変わっていた。
住所をたどってその家に向かう。花園町の色街の方である。観光客が飲みによろうとは思わないような古い飲み屋が近くに並ぶところだ。特定できなかった。やはりもう少し準備すべきだったろう。

そのあとでいわゆる美観地区へ向かう。

ぶらぶら歩くが、すし屋が妙に増えた。どうもぼったくり店のようだ。
普通の店を覗くと、値札の値段が高い。10数年前に行った時、すでに小樽運河が脚光を浴びていた。観光地化していたがこれほどまでではなかった。
昨年行った飛騨高山、地元埼玉の川越どこもみんな同じようなものである。
違うのはウォール街といわれる銀行の建物群か。

北のウォール街と言っている銀行の古い建物はどれも趣がある。

なぜか戦災の影響を受けていないのもラッキーだった。
戦前は札幌よりも小樽の方が商業的に栄えていた。樺太も満州も自分たちの領土だったころは貿易港としての重要性は高かった。日銀ばかりでなく大手銀行の支店はすべて小樽にあった。その時の遺産がいまだ残っている。そんな時代に祖父はいた。そして父が生まれ、昭和10年代半ばまでいた。父と同じ年の石原都知事も船会社の支店長の息子として小樽にいた。隣の幼稚園だったようだ。
上海の川沿いに外灘というレトロな建物が立ち並ぶエリアがある。比べるのは酷だが、建物のテイストは同じである。でも自分の小さい頃までは銀行というとこういう建物が残っていたものだ。


運河通り近くのぼったくり店に嫌気がさして、レトロ建物を改装した店「小樽バイン」に入ったらこれが当たりだった。
旧北海道銀行を改装したという。
内装の雰囲気もよいが、ケーキセット630円とリーズナブルだ。しかもおいしい。


でも小樽の美観エリアに何度も来たいという感じじゃないなあ。
自分のルーツを探しに来る旅には関心があるけど。。。

夜はススキノへ行く。
日本を代表する繁華街を見て、初めてみた家人と娘はびっくりだ。
ラーメン横丁をすぎながら、お勧めといわれたみそラーメン屋Kにはいる。

かなりの行列人気店といわれ期待して行ったが普通だった。
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北海道旅行1(札幌~旭川)

2012-08-09 20:02:46 | 散歩
札幌連泊の北海道旅行へ行ってきました。
映画「探偵はBARにいる」を見たら、無性に行きたくなっていたところに家族と意見が一致
父が生まれた小樽の街も長くいっていないこともあり4泊5日で北海道へ行ってきました。

札幌の駅に大きなビルが建っていて、ビックリだ。
駅の近くには40階級のマンションも建つ。街が変わっている


娘は絶対に行くことないけれど、ちょうど北大のオープンキャンパスをやっていて中を見学
北大は広い!

高校一年の時、友人二人と2週間の北海道縦断の旅に出た。
友人の一人が北大志望で、一緒に行った大昔の写真がある。
あのときも広い所だと思ったけれど、今も広すぎるくらい広い。


テレビ塔近くの大通り公園は変わらない。
友人といった時食べた焼きトウモロコシのおいしさが口に残っていて思わず食べる。
おいしい!


大通り公園そばに北海道の地銀の大きなビルがあり、その階上にあるすし屋「すし○」に入った。
高級なたたずまいだけど、ネタが悪い。そりゃないよという感じだ。
佐藤健のミュージカルに行った時、赤坂の「美登利」で鮨を食べた。安くておいしかった。
その味を知っている娘は特に食べるのがおっくうな印象、家人は不機嫌
ビール一杯で済ませ、ホテルでオリンピック観戦とした。

2日目
特急列車で旭川へ向かう。旭山動物園に向かうためだ。生まれて初めて行った。
高校一年の時は、サッポロビール園でジンギスカンを食べながら、飲み放題のビールを飲みまくった。
ふらふらになりながらオールナイトで走る稚内行の急行に乗った。礼文島に向かう船でへろへろになった。
それなので旭川駅を以前通る時は列車の便所横で寝ていた。
未成年の確認がうるさい今であればありえない話であろう。おおらかな時代だった。

旭川駅はずいぶんとでかい駅だ。


駅からバスに揺られて、約25分程度か?
旭山動物園の入口へ着く。
来場者はさすがに多い。


傾斜を使ってうまく設計してある動物園だ。
ペンギン、アザラシ、ホッキョクグマの前は行列になっている。

ホッキョク熊がきれいだ。上野動物園の白熊はきたない。
すぐそばで見れるポジションは大行列なのでやめる。

コメント解説も丁寧で分かりやすい。
キリンがゆったりしている。
いい感じだ。

見ているうちに雨が降ってきた。
これにはまいった。

早めに切り上げてバスで駅に戻り、旭川ラーメンを目指す。
東京にも支店がある有名店へ。本店だそうだ。
気分は塩ラーメンだ。

これはまずまずおいしい。チャーシューがうまい。家族の面々も満足だ。
地方都市の駅前らしいたたずまい。旭川は北海道第二の都市だ。
1階から5階にわたって売り場のある「ジュンク堂」書店の支店があるのに驚く。


帰りは特急「旭山動物園号」にのる。
この電車が凄い。夢があるデザインの車両だ。

気分が大人の自分でもHIGH!!になってくる。



座席から見渡す風景は北海道そのもの、旭川から滝川に向かうあたりがいい。
大好きな石狩川が印象的だ。
車窓から外をずっと見つめたまま、札幌へ向かう。
夜は駅に近い炉端系の店でホッケやイカ刺しを食べる。
昨日よりずっとましだと家の連中は言う。
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屋根裏部屋のマリアたち 

2012-08-01 21:53:58 | 映画(フランス映画 )
映画「屋根裏部屋のマリアたち」を渋谷文化村で見た。
すがすがしいドラマで後味が良かった。

劇場内は熟女というより初老のご婦人で超満員であった。最近いわゆるベビーブーム世代と思しき女性群が映画館を占拠することが多い。この映画では彼女たちの笑い声が終始絶えない中、コメディの色彩を含んだアットホームなフランス映画を堪能できた。これほどまでに映画館内が笑いに包まれるのは珍しい。渋谷文化村では初めての経験かもしれない。

1962年のパリが舞台だ。証券会社を経営する主人公ジャン=ルイは妻と二人で広いアパルトマンに暮らしている。息子二人は全寮制の学校に通っていた。前のメイドが辞めて、スペイン人のマリアをメイドとして雇うことになった。卵料理がうまいマリアを夫婦は歓迎した。

マリアたちスペイン人メイドは主人公夫婦が住むアパルトマンの屋根裏部屋に住んでいた。ある日屋根裏部屋の住人たちがトイレが使えなくて困っているのをみて、主人公は水道屋を呼びトイレ修理の手配をしてやった。それがきっかけで、主人公はメイドたちと仲良くなっていった。
主人公は母国との連絡が取れず困っているメイドに電話を貸したり、メイド仲間にアパルトマンの管理人の仕事を世話したりと面倒を見るようになった。メイドたちとの信頼関係ができてきた。あるとき入浴中のマリアの裸身を見てしまった主人公は彼女に特別な感情を抱くようになる。そんな時、主人公のアパルトマンでホームパーティが開かれ、主人公の顧客や夫婦の友人が招待された。その中に社交界で有名なご婦人ベッティーナ夫人がいた。妻のハイソな友人たちは主人公に近づく彼女を見てケアせよといっていた。

管理人部屋を世話してあげた主人公はメイドたちに招待された。そこではスペインから来たメイド仲間たちの楽しいホームパーティが開かれていた。パエリアなどのスペイン料理を食べながら楽しいひと時を過ごし、自宅に電話連絡ができず帰宅が遅れた。妻は心配した。主人公は上機嫌で家に戻ってきた。夫が魔性の女ベッティーナ夫人と浮気していると思い込んだ妻から「家を出て行って!」ときつい一言を。主人公は6階屋根裏の物置部屋で1人暮らしを始めることになった。坊ちゃん育ちの主人公が今までと違う環境に身を置き、妙に居心地がいいのに気づくが。。。


流れの基調はやさしい。
スペイン人のメイドたちは主人公宅のメイドであるマリアを除いては、みんな特徴のある顔をしている。どちらかというと上方お笑い系のタッチだ。ここのところフランス映画を見ていて、妙に人情味あふれる映画が多いことに気づく。高尚なセリフというよりも、笑いを誘うセリフが多く、多くの初老のご婦人にも十分に楽しめる映画であったと思う。みんなゲラゲラ笑っていた。松竹人情物に通じる系統だ。
車の選択も60年代を象徴していて、自分が大好きな亀型シトロエンやプジョーのスポーツカーが繰り返し現れる。衣装もこの時代を明白に表わしていて、時代考証も絶妙だ。
フランコによる独裁政権が1939年よりはじまっていた。それに嫌気をさした亡命者が数多くいたことがこの映画からもよくわかる。

(アパルトマン)証券会社を代々経営している主人公の家族はフランスではブルジョアジーというべき階級であろう。田舎娘と自分で言っている妻もハイソサエティな奥様たちとカードゲームをして遊んだりしている。そんな家族とメイドたちが同じ屋根の下で暮らすとは凄い話だ。もっともメイドたちが住む6階にはシャワーもなく、洗面の水を共用している。屋根裏部屋だから夏は暑いだろう。住むには条件の悪い所とはいえ、ブルジョアとの同居はあること自体凄い話だ。

(投資の勧め)仲良くなったメイドたちが、稼いだ金をタンス預金をしているのに主人公が気づく。「もったいないじゃないか、家を母国でもちたいならもう少し増やせるよ」とばかりに彼女たちにいい、株式の購入を勧めるシーンが微笑ましい。共産主義にかぶれるメイドの一人が株式は資本主義の悪の象徴のようにいうのに対して、主人公がやさしく株式の重要性を説明していく。彼女たちが現金を持って主人公が経営する証券会社に行って口座を開く。自分たちが購入した銘柄の値動きを新聞でチェックするシーンは面白い。

中盤から終盤にかけてのつなぎ方も巧みだ。小さい笑い話をちりばめ主たる話をフォローする。
余韻を残したのもいい。
力を抜いて気楽に楽しめるいい映画だ。
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