映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

座頭市物語  勝新太郎

2009-02-26 20:51:03 | 映画(日本 昭和35年~49年)
その後26作も続く座頭市の第一作である。
小さいころ五反田の大映で座頭市を見た記憶があるが、これかどうかはわからない。勝新太郎もまだ若かったけれど、すごい迫力だ。剣の扱いがちがう。

目くらの座頭市は昔ひょんなことで知り合った親分を訪ねてくる。
その町は二つのやくざ勢力がしのぎを削っている。映画「用心棒」のような設定。
やくざの身内に目くらだと最初は馬鹿にされるが、座頭市の剣の実力を目にして一目置かれる。
そんな時反対勢力の用心棒天知茂と釣り場で一緒になる。座頭市と天知は気が合い杯をかわすが、やがて両方の勢力の対決の中に巻き込まれていく。。。

のちにテレビ朝日の「非情のライセンス」で渋みを発揮する天知茂もまだ若い。「明智小五郎」もよかったなあ。うまい歌ではないが「昭和ブルース」が渋すぎた。
確か新東宝所属だった気がするので、この作品は移ったばかりか?
本当は対決するはずではなかった二人が斬りあうシーンは見ものである。

大映は映画の斜陽と放漫経営でつぶれてしまうが、初期の勝新、市川雷蔵が描く、東映時代劇と比較すると暗めの時代劇が好きだ。女性も若尾文子、直後に離れるが山本富士子と色気をむんむんさせる美人が目立つ。

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魚影の群れ  緒方拳

2009-02-25 13:26:00 | 映画(日本 昭和49~63年)
この映画がロードショーになったとき、十朱幸代がヌードになったことが大きな話題になっていた。それだけの映画と思ってしまい、長い間縁がなかった。
しかし、見てみるとすばらしい映画であった。

青森下北半島の漁村でマグロの一本釣りをやっている緒方拳は、口より手が早い荒っぽさが災いして妻に逃げられ、娘の夏目雅子と二人で生活する。夏目は飲食店を経営する佐藤浩市と恋仲にある。佐藤は漁師になって、娘さんと結婚したいと緒方を説得する。緒方は「お前には漁師は無理だ」と拒絶するが、熱意に負けて仕事を教え始める。二人でマグロ漁に出たとき、大マグロに出会い、佐藤は身体を張ってマグロを獲ろうとするが、身体は瀕死の重傷を負う。命はとりとめたが、人命救助よりマグロ獲りを優先した緒方の振る舞いを、娘の夏目は非難し縁を切る。
その後緒方は青森近海でマグロが獲れないので北海道に遠征する。マグロを引き上げ北海の港に停泊しているとき、別れた元妻十朱幸代を見かけ彼女に声をかけようとする。追いかけられた十朱は懸命に逃げるが。。。。

吉村昭の原作がしっかりしているのであろう。ストーリーは単純にはいかず、最後までいくつかの波をつくる。仕事に乗り切れない佐藤浩市の心理描写も見所だ。
何より緒方拳がすさまじい迫力を見せる。マグロ一本釣りというのは、暴れまわる大マグロを吊り上げるのであるから大変な仕事だ。下手をするとマグロの力に飲まれて海に沈められてしまう恐れすらある。命がけの演技である。彼もまだ40台半ばでパワーもあったのであろう。この時代いろいろな賞を受賞して、油の乗っているころだが、一番大変な役はこの映画の主人公ではなかろうか。

海上の撮影もさぞかし大変であったろう。地元の漁協の協力を得ているとは思うが、大マグロとの格闘の撮影はそうたやすいことではないと思う。スペンサートレイシーがヘミングウェイの「老人と海」の主役を演じた。彼自体の演技はよかったが、海上撮影の迫力はこの作品より落ちると思う。

夏目雅子も晩年で抜群の演技を見せるし、十朱幸代の出番は少ないが、体当たりで汚れ役を演じて美乳も見せる。長まわしのカットが多く、俳優さんたちはさぞかし大変だったと思う。下北半島の塩のにおいがぷんぷん伝わる見所たくさんでいい映画だった。

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読んだ本2/23

2009-02-24 20:35:19 | 
先週は「氾濫」読むのに時間がかかったので4冊

1.氾濫  伊藤整  (3回目)
小説を読んだなあと実感できる長編
それぞれの登場人物の心理描写が丹念に書かれている。
後で詳しく述べたい。

2.世界潮流の読み方  ビルエモット
英国「エコノミスト」誌の元編集長が、日本の視点で時事の経済を論ずる。
この数年にいくつかの雑誌に寄稿しているものなので、コメントが経済危機後の現状に即していないものもいくつかある。
しかし、大局的な経済観はさすがである。中国、インドに関する見方、ブッシュに対する批判やブレア首相に関する厳しいコメントなどはイギリス人ならではのものである。最低賃金に関する話は橘玲の本にも同じようなことが論じられていたが、欧米諸国と違い日本に関してはもっと上げるべきだとする。でも今だったらこういうかな?

3.あなたの苦手な彼女について  橋本治
これは実におもしろい。日本戦後女性史のような色彩もある。
日本の専業主婦が60年代を境に家電の普及とともに家事が少なくなり、その空いた時間を教育に時間をかけたりするようになったと論じる。
妻と夫の関係を労使関係と同じようにたとえて、財布のひもを握るのが妻なので、消費を促進するには妻からお金を引き出さないと難しいとする。
橋本治の本は正論をつく。だからおもしろい。

4.それでも脳はたくらむ  茂木
何かの雑誌の掲載の寄せ集めか?軽く読めるものですぐ読了
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おくりびと おめでとう

2009-02-24 18:40:47 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
「おくりびと」がオスカー受賞して本当によかった。
本木君が「納棺夫日記」を読んでこの作品がつくられたと聞く。
本当にうれしかったであろう。心から祝いたい。

母の葬儀のとき、妹の希望で死化粧をした。
そのとき若い女性が母にきれいな着物を着せてあげて、化粧をしてくれた。
3万円也であった。がんと戦っていた醜い姿のまま母もみんなにその姿を見せたくなかっただろう。
死人にメイクをするというのもたいへんな仕事だと思ったが、
それが映画になるときいてそれもすごいと思った。
本木もすごいけれど、山崎努がいい。

昨日は不動産屋さんたちと所沢で会食だった。
風呂屋を改造して作った店だそうで天井が高く、広々としていた。
ふぐを食べた。捌いたばかりのふぐがぴくぴくしていた。
日本酒を飲んでいるうちにわけがわからなくなった。
2軒目のお店はまったく記憶がない。タクシーに乗って帰った。
日本酒は翌日がしんどい。

会社に行ってもボーとしていた。
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ビージーズ大好き

2009-02-22 05:52:16 | 音楽
父親の部屋のステレオがそのままになっている。
整理しようにもお母さんが死んでしまって、どうにもこうにも進まない。

ビートルズ「ホワイトアルバム」のCDを見つけて、しばし楽しんでいた。この間整理したときビージーズのベストアルバム2枚組のCDを見つけた。これはいい!
マサチューセッツの時代から「小さな恋のメロディ」を経て、大フィーバーした「サタデーナイトフィーバー」の一連の曲から後期まで網羅される。

実家にあるサタデーナイトフィーバーのレコードは聴きすぎて、最悪の状態
この映画ではトラボルタが歴史的ダンスを見せる。主人公トラボルタはブルックリンそのもので、すべてを週末のディスコにかけて脳天気な生活を送る。そのディスコに現れるマンハッタンガールとコンビを組んでダンスコンテストを目指すという話。しかし、そのマンハッタンガールも実際にはかなり背伸びをしていて本当の意味での洗練された女性ではない。当時のニューヨークの人物模様がよくわかる。
ベトナム戦争が続いていて、悲観主義が根本に流れていた中、主人公トラボルタが米国映画のムードを一変させた。ベトナム戦争前のアメリカングラフィティの世界に戻した。そういう意義がある。
日本が学生運動の暗いムードから変わったのもこの映画のころからであろう。左翼系思想と何でも難しく話することがよいとされた時代から脱却したころに、自分の大学生活をすごせたのもこの映画のおかげであると心から思う。
「モアザンアウーマン」を聞いていて、映画のダンスコンテストでのデュエットダンスシーンを思い出した。いいよな

音楽的には「トゥーマッチへヴン」「ラヴユーインサイド」「トラジェディ」「ギルティ」といったナイトフィーバー直後の曲が今は聞きやすい。このころはアンディギヴも活躍していて、彼の「シャドーダンシング」は六本木のディスコあたりでは流れていたなあ。
「ギルティ」はバーバラ ストライサンドとのデュエット、バーバラの歌が実に間があって素敵である。バーバラのCDって買ったことないが、「追憶」も好きだったし、ドナサマーとのディスコデュエットもよかったなあ

当分離れられそうもない。
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今の中学生と学力低下

2009-02-21 21:08:51 | Weblog
娘は普通の公立中学に通っている。
中学受験勉強は何もしなかった。もちろん塾へも行かなかった。
それはそれでよかったと今でも思っている。

それにしても周りは中学受験話が多い。
でも自分の周りに第一志望に通ったという話を聞かない。
今年は大変だったというのを異句同音に話している。私立の付属が難しかったようだ。2月1日が日曜日だったため、キリスト教系の学校の受験日がずれて受けやすくなったので、倍率が急に高くなったといっていた。青学あたりなのであろうか?

確かに付属に入ってしまえば大丈夫なのであろうが、一部落第する学生もいるだろう。自分が出た学校は高校大学とも「ホッポリ」といって落第が多かった。高校で落第して、入学のときからみんなに「さん」づけで呼ばれている人が割りと多くいた。貫禄があってかっこよくも見えたが、今思うと親不孝なのかな?という気もする。

会社にアルバイトできている主婦が数人いて、誰も皆熱心だ。塾に行く学費のためにアルバイトをしていると言っている。たいへんだなあ。「うちはお金がないから塾は行かないんだよ。」と自分はとぼける。
こっちは親が教える。僕自身はそれが一番自然だと思う。東北大の川島先生の本じゃないが、頭の体操にもなる。世の母親連中には自力で教えられないくせにえらそうなこと言うなと言いたい。

学生時代は塾の講師もしたことがあった。できの悪い生徒はたくさんいた。理解してもらおうと一生懸命だった。個別指導もやった。中学で終わりの生徒が、高校に入って落第して、もう一度見てあげたことがあった。やろうと思えばまだできる気もする。学窓を離れて久しいが、数学というのは大学の抽象的な世界のものでなければ何とかなる。英語も学生時代から比較すると日本語力がついているので何とかなるだろう。あとは気合だ。でも理科がやばい。特に生物系。。。

最近の学生の学力低下が言われるが、私はそうは思わない。
一時期に比べて学校が荒れなくなった。中学受験するお母様方の話を聞くと、近くの中学が荒れているからという人がいるが、最近いわゆる「ツッパリ系」の生徒の姿は学校でまったく見ない。そのせいかどうかわからないが、学校ではみんなまじめに勉強しているようだ。普通にまじめにやっていれば学力はつくと思う。
「今の学生は。。。」というのは昔から言われていたようだ。哲学者三木清も戦前に同じようなこといっている。
駿台予備校に伊藤和夫という英語の名物教師がいた。彼の言葉で忘れられない言葉がある。「今年の学生はダメだということが毎年のようにささやかれていることがあるけれど、自分はそうでないといつも思う。ダメだという人たちは以前の生徒が一年たって成長した姿を見て言っているけど、実際には変わらないんだ」と。。。丸めがねでおなかを突き出しながら独特の口調で話す姿が眼に浮かぶ。
学力低下がささやかれているけれど、そういうほどにはなっていないのでは?
なぜなら最近の中学校の生徒はびっくりするくらいまじめであるから。。。
(大学生の数学力の低下うんぬんの話は別として)
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事業計画でメロメロ

2009-02-21 06:54:42 | Weblog
今週は事業計画でメロメロ
12月の見込み数字を下回りそうでまいった。
バタバタが続いている。前回は母の入院から葬儀で頭が細かい数字を捉えていなかった。下方要因を折り込んでいなかったのがまずかった。
あと一ヶ月どたばたが続く

映画も「フィクサー」を見たが、ちょっとわかりづらく面白くなかった。
「下町の太陽」なんて古い映画を見たが、これも山田洋次監督にとっては初期の作品でもう一歩だ。同じ時期の成瀬監督の作品に比較すると、脚本も映像もおちる。
両方とも批評するにいたらない。

今週は伊藤整「氾濫」をじっくり読んでいる。
これはいかにも小説らしい文章的にも内容も重みのあるすばらしい作品だ。読むのは3回目だが、大枠はともかく詳細はすっかり忘れていて、この間の映画鑑賞で思い出した次第。全部で900ページくらいになるのでさすがに時間がかかる。

あとは中一の娘の期末テスト
数学はコンパスを使っての作図、やりだすと面白い
代数的に解析幾何を解くことがあっても、コンパスを使うのは久しぶり。ベクトルとかでやるような問題もコンパスを使って解くと意外にあっさりして面白い。
酒を飲まずに家にいるほうが楽しみが増えるかも

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円相場動き変わる?

2009-02-19 06:17:33 | Weblog
ここ数日ドル円相場の動きが変わった。
円安への動きが顕著に見られる。ユーロ円はそうでもないが、ドルに対しては久々の93円台に下がる。チャートの節目まできた感じである。

国内政治の大混乱があるので、相対的に政治がうまくいっているアメリカとの比較からすると売られるのはやむをえない。
米国株もかなりの重症で、厳しい状態が続くが、ハイテク株の影響度合いの強い日経平均は多少戻す可能性が出てきた。私自身は95~96円までの円の下落はあると見ている。

それにしても政治はむちゃくちゃだよね。
小泉さんまで口出しするし、どうなっちゃうんだろう。
保守合同の動きはもうないのかしら?
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めし  原節子

2009-02-18 19:29:29 | 映画(日本 昭和34年以前)
成瀬巳喜男づいている。
昭和26年の大阪が舞台。成瀬らしくロケが実にうまい。ミナミの繁華街、阿倍野の住宅街、大阪城、北浜、中ノ島と大阪の風景がでてくる。
「くいだおれ」の人形まで出てくるのには驚いた。このころもあったのかと感心。リドリースコットの「ブラックレイン」と対比すると面白いのではないか?この映画の少し後に森繁の「夫婦善哉」があるが、映画の中身はともあれロケの巧みさはこの映画が大きく上回る。
昭和20年代半ばの大阪をこんなによく画像化したものは他にないのではないか

北浜の証券会社に勤める上原謙は東京出身の原節子を妻に迎えて、大阪市内南部付近に所帯を持つ。しかし、子供もいない二人は倦怠期に入っている。そんな時東京から上原謙のめい島崎雪子が家出してきたと訪ねてくる。自分勝手な島崎は、そのまま大阪の家に居候する。島崎は上原にすりより上原も彼女をかわいがり、原節子は嫉妬して、東京に戻ろうとする。。。。
原の嫉妬、上原の脳天気さの対照がおもしろい

成瀬映画の常連小林桂樹、杉村春子、中北千枝子などの脇役に加えて、若き日の怪優大泉晃がでてくる。いかにも大阪らしい長屋の風景と脇役の好演が盛り上げる。

平成のはじめに大阪阿倍野区に住んだ。住みやすいいいところだった。そのときの家のまわりの板塀の門構えが続く風景と映画の風景はあまり変わらず、いかにも大阪市内の住宅地の風景である。なつかしい。

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モンパルナスの灯  アヌーク エーメ

2009-02-17 20:29:11 | 映画(フランス映画 )
この間ある業者さんと話をしていたら、うちの母がジェラールフィリップの大ファンなんでという話をしていた。
驚いた。
確かにアランドロン出現前のフランスの二枚目俳優といえば彼だ。
年をとられてもファンだという方がずいぶんといるらしい。そんな彼が画家モジリアニを演ずるのが「モンパルナスの灯」である。

売れない天才画家モジリアニは、彼の才能を認める数人の女性との関係を続けながら、堕落した生活を送っている。しかし、画商の一人だけは彼を認めていた。
その彼の前に現れるのが富豪のお嬢さんアヌークエーメである。彼女は親の反対を受けるがモジリアニの元へ行く。しかし自堕落な生活は変わらない。。。。。

何せアヌークエーメの美しさを見るだけでもこの映画は価値がある。
ストーリーも映画の脚本的にも特筆すべきものはない。本当に美しい。
このあと30代になり「男と女」を見事に演じるが、イヤーこれはきれいだ
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白鯨  グレゴリーペック

2009-02-15 15:23:37 | 映画(洋画 69年以前)
ジョンヒューストン監督といえば男気あふれ喧嘩早かった人と言われている。
クリントイーストウッドが彼が「アフリカの女王」を撮るときのエピソードを映画にしている。それを見るとヒューストンの性格がよくわかる。
そんな彼が男気あふれる文芸大作「白鯨」をとるんだからすごいのはわかる。
しかし、時代は1950年代、「モビーディック」といわれる巨大鯨をどうやって特撮するのかずっと気になってはいたが、初めて見た。

ストーリーは鯨船に乗り込もうとする場面からスタート
何人かのエピソードがあり、そのあと主演のグレゴリーペック船長が出てくるまでは少し時間がかかる。勿体つけるのは「ジョーズ」と同じである。
グレゴリー船長は白鯨との戦いで足を義足としている。自分はこの船では神だとすべてを自分の指示に動かそうとする。100匹もの鯨がいるにもかかわらず、あるところに白鯨がいると聞くと鯨漁を辞めさせ、船の方向を変えさせる。
そして白鯨に再度立ち向かうのだが。。。

割りに暗めの映画の展開、宗教的な色彩が強いせいか、登場人物が比較的労務者が多いにもかかわらず観念的なセリフも多い。
それでも白鯨がでてからの展開は「ジョーズ」をおもわせるところがある。というよりも逆にこの映画を受けて「ジョーズ」ができたのがよくわかる。
特撮もあるが、凝り性のヒューストン監督だから、かなり鯨漁の実態に近いロケでとったのであろう。そんなリアリティは十分感じる。

ペックは男っぽい役はちょっと違うかな?インテリの役のほうが似合う。
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女の中にいる他人  小林桂樹

2009-02-15 06:55:09 | 映画(日本 昭和35年~49年)
成瀬巳喜男の作品
ミステリータッチで描く。昭和40年の東京横浜が舞台である。

出版社の管理職小林桂樹と設計事務所を経営する三橋達也は親友同士。二人で酒を飲んでいるとき、三橋が妻の親友に呼び出される。行くと妻若林映子が殺されていた。犯人探しに警察も動くがつかまらない。そんな時三橋は妻の親友草笛光子の訪問を受け、葬儀の際会った三橋の親友小林が以前若林と一緒にいるのを見たことがあるといわれる。三橋は軽い疑念を抱くが、まさかとそれ以上には捉えない。
小林はノイローゼ気味になっていた。そして妻の新珠三千代に実は若林映子と付き合っていたと告白する。新珠はショックを受けるが、もう死んでいるからと気を取り直す。それでも気になる小林は仕事が手がつかず旅に出る。途中から新珠を呼び出し楽しいひと時を過ごすが。。。。。。

小林桂樹が殺人犯人だというのはすぐわかる。しかし、この映画の肝はその犯人探しではなく、小林とその妻新珠三千代の心の中の葛藤がテーマである。
画像的には驚いたときのアップの表情がポイント。前作「乱れる」での高峰秀子のアップもポイントであるが、ヒッチコックの「サイコ」ばりに撮影の手法で脅威の表情を強調する。新珠三千代も美しく、そのアップに十分耐えられる。「細腕繁盛記」をテレビでやり始める前である。

あとは殺される若林映子が思いっきり小悪魔的表情を見せる。「007は二度死ぬ」でボンドガールを演じる。あの時も殺されてしまうが、美しさの絶頂の時期なのであろう。ゾクゾクするような色っぽさである。それも見ものであった。
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四川料理とのみ会

2009-02-14 06:35:07 | 食べもの
今週は火曜日と木曜日飲んだ。
火曜日は大宮で、木曜日は東京だった。

木曜日は白金の都ホテルの「四川」で夕食をとった。
父の四十九日のときは、法要でコースだった。半分以上辛いものなので、母のときは「香港園」に変えたが、基本的には辛いほうがいいのでちょっと入ってみた。

今度は単品で、前菜の「蒸し鶏の四川風」これは蒸し鶏が絶品、味付けとあわせて抜群。「牛肉のオイスター炒め」おいしいがオーソドックスかな?
辛いものばかりとなると自分以外の人が大変なので頼む。
「大正えびのチリソース」カラのあるえびのチリソース、適度な味付け
おいしいがもっと辛いものを頼んだほうがよかった。
「中国野菜の炒め」オーソドックスな味
「五目あんかけ」普通のあんかけ、四川料理のオーソドックスなメニューなので頼む。これはちょっと酸味利いているかな。ないほうが好きだ。
「四川風マーボー豆腐」辛いけど食べられないほどではない。ライスと一緒に食べる。デザートの前にギブアップ食べすぎだ。一品多かったかも

変な話、一番おいしいと思ったのが蒸し鶏
中華街の「海南飯店」で蒸し鶏を食べたときを思い出した。広東料理なので味付けなしだが、あれもよかった。チリソースでなく辛子系のものにして、中国野菜の炒めでなく、イカとかホタテと一緒に野菜をいためたものでもよかった。
いずれにせよ高い!
食べ物は仕方ないとして、飲み物は激的に高い。あの価格を見るとちょっと躊躇する。ホテルだから仕方ないけど

香港の「南北楼」なつかしいなあ。あの鉄板エビチリ食べてみたい。
坦々麺もおいしいし、鳩のお茶蒸しも最高だった。

そのあと六本木行って飲んでから帰ったけど、終電間際に道路上にタクシーの多いこと。
みんな電車で帰るのか?酒場に出ている人が少ないのか?
いずれにせよ不景気を象徴しているのは間違いない。

23日までしばらく飲みにいかずにまっすぐ家に帰るつもり、そのほうがいいや。



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プロバンスの贈りもの  リドリースコット

2009-02-13 20:22:03 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
これがリドリースコット?というような作品
彼はプロバンスにブドウ畑を持っているそうな。フランスを舞台にのどかな作品
相棒ラッセルクロウもいつもと違う展開にのっているなあ。

ラッセルクロウは、ロンドンの金融トレーダーである。果敢なトレーディングで大きな収益を上げている。その彼にフランスのプロバンスにいるおじさんがなくなったという知らせが入る。身寄りがいないので、所有するお城とブドウ畑がクロウに相続される話となり、現地にクロウが向かう。
そこには20年以上叔父の使用人として働いていた夫婦がいた。もともとはプロバンスに関心がないクロウは、プロバンスの土地を売ろうと考えていたが、ブドウ畑で働く使用人たちは反対する。本当はすぐ戻るつもりであったが、プールの飛び板で写真をとろうとしたとき、飛び板が割れて水のないプールに落ちて、ロンドンに帰れなくなる。本当はオーナーと会う予定だったが、すっぽかして停職処分となり、プロバンスにしばらくいることになる。
そんな時、叔父さんがある女性と知り合いつくった娘がアメリカから訪れる。奔放な彼女はワインにも造詣があり、そこで居候をする。また、家を売る方向で動いていたクロウの元には、地元のレストランで働く美女が現れたりして、次第にプロバンスに楽しみが増えてくるが。。。

美女二人に存在感があり、フランスの田舎ののどかな町の風景もいい。
食事の場面は妙に食欲をそそる。音楽もセンスがあり、ハリー二ルソンが効果的に使われている。センスがいい。
癒し系の作品で気分がすっとした。

デイヴィッドリンチが突如「ストレイトストーリー」をつくったのと同様に、自分の作風と違うものをつくりたくなることってあるのであろう。そんな感じ

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氾濫  伊藤整

2009-02-11 20:21:56 | 映画(日本 昭和35年~49年)
伊藤整の名作の映画化
ここしばらく伊藤整の小説が書店に文庫本として売っているのを見たことがない。高校の授業で取り上げられていたし、チャタレー夫人の恋人のわいせつ裁判はあまりに有名。「女性に関する十二章」はものすごい大ベストセラーだ。昔は新潮文庫にたくさんあったのに、時代を感じる。
この小説は非常に重厚感があり、恋愛小説としてだけでなく経済小説風にも読める名作だ。

増村保造、若尾文子の名コンビだが、主人公を演ずるのは佐分利信、ただ不思議なことにクレジットでは佐分利が脇役とも言うべき順番で出てくる。
これは永田雅一社長の意向か?
でもいかにも佐分利らしい名演である。

主人公は化学会社の重役。単なる一研究者だったのが、接着剤を研究して著名な賞を受賞する。同時に彼の研究の成果で多大なる利益をあげて取締役に昇進した。
もともと質素な生活をしていた主人公は、会社から多額の報奨金を受け取り、家を建て、家族の生活も一変する。邸宅には妻や娘のお客がたくさんきて派手な生活に変わる。
妻沢村貞子は娘のピアノ教師船越英二に誘惑されたり、娘の若尾文子を貧乏研究者川崎敬三が追いかける。主人公は昔工場の勤労に駆り出されていた左幸子の突然の訪問をうけ次第に魅かれていく

金を突然手にしたときの生活の変化と、金に渦巻く人の流れを説く原作を基にしている。ただエンディングはちょっと小説と変えている、映画のほうがどつぼにはまっている感じだ。

渡部昇一の「知的生活の方法」に「氾濫」の主人公の話が出てくる。
映画では触れられていないが、主人公は接着剤に関するあらゆる文献を20年間カード化し地道に研究していた。推計学すなわち統計学の手法が進歩したときにそれを利用して論文を書いたという伊藤整の原作のニュアンスを知的生活の見本のように記していたのが印象的だった。

絶版になっているが、家には大切にとっている本がある。
読み返そう!
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