映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「グレイテスト・ショーマン」 ヒュー・ジャックマン

2018-02-25 17:19:53 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「グレイテスト・ショーマン」を映画館で観てきました。

予告編で観る躍動感あふれるサーカスの場面が気になる。スタートから観ている我々を引きつけるショーの場面がうつる。連続性にあふれる映像が活気をもつ基調の音楽だけでなく、それぞれの恋愛に合わせたデュエット曲が素敵だ。ヒュージャックマンだけでなくミシェル・ウィリアムズやザック・エフロンにも歌う場面がでてくる。

「地上最大のショウ」という1952年のアカデミー賞作品がある。これもサーカスが舞台で「地上最大のショウ」という名称はこの映画の主人公バーナムが口にするセリフだ。今回は現代の映像技術で躍動感あふれる映像を見せる。しかし、ストーリーは極めて単調で先が見える。これは仕方ないんじゃないかしら?結末の決まっている日本の時代劇のような決まり切った文法に忠実だ。それでも、心地よい時間を過ごせた。監督はジェームズ・マンゴールド

19世紀半ばのアメリカ、P.T.バーナム(ヒュー・ジャックマン)は幼なじみの妻チャリティ(ミシェル・ウィリアムズ)を幸せにしようと挑戦と失敗を繰り返してきたが、オンリーワンの個性を持つ人々を集めたショーをヒットさせ、成功をつかむ。しかし、バーナムの型破りなショーには根強い反対派も多く、裕福になっても社会に認めてもらえない状況に頭を悩ませていた。

そんななか、若き相棒フィリップ(ザック・エフロン)の協力により、イギリスのヴィクトリア女王に謁見するチャンスを得る。バーナムはレティ(キアラ・セトル)たちパフォーマーを連れてビクトリア女王に謁見し、そこで美貌のオペラ歌手ジェニー・リンド(レベッカ・ファーガソン)と出会う。彼女のアメリカ公演を成功させれば、一流のプロモーターとして世間から一目置かれる存在になると考えたバーナムは、ジェニーのアメリカ・ツアーに全精力を注ぎ込むため、団長の座をフィリップに譲る。


フィリップは一座の花形アン(ゼンデイヤ)との障害の多い恋に悩みながらも、ショーを成功させようと奮闘する。しかし、彼らの行く手には、これまで築き上げてきたものをすべて失うかもしれない波乱が待ち受けていた……。(作品情報より)

格差社会が以前よりも現代日本でも話題にされる。19世紀となれば、その格差はべらぼうなものとなる。主人公バーナムは仕立て屋の息子、小さいころに知り合った妻チャリティとは階級差があった。チャリティの父母は公然とバーナムを差別する。それでも恋を貫き、2人は結ばれ2人のかわいい娘ができる。

ミシェル・ウィリアムズ「マンチェスター・バイ・ザ・シー」での好演が記憶に新しい。別れた妻が本当の私の気持ちは違ったの!でも仕方なかったの!と主人公に言い寄るシーンはなかなかの見ごたえあった。今回はスウェーデンの著名歌手のプロデュースをしているうちに、主人公バーナムは相手に言い寄られ、それが世間のゴシップになってしまう。すかさず実家に逃げ帰る設定だ。いずれも、単純にはいかない夫婦生活という話で共通、今回は歌うので新鮮。


商船会社に勤めていたバーナムは突然解雇。なんと船が沈没してしまい会社が倒産。バーナムは沈没した船の権利書をこっそりピックアップしてお金を借り、蝋人形や珍しい剥製などを展示する「バーナム博物館」をはじめるが、客は来ない。娘から生きている動物をみたいという話を聞き、動物や小人や大男、ヒゲの生えた女、曲芸が得意な兄妹などを集めてショーをはじめるとこれが大当たりだ。


あっという間にバーナムは上昇気流となる。英国ではビクトリア女王と面会、欧州を代表する歌姫とも会い、彼女とのコラボにも成功する。それだけでは物語にはならない。そこから一気に急降下の転落だ。



そんな単純なストーリーでもしっかりと聞かせる歌が続く。個人的にはザック・エフロンと躍動感あふれる動きを見せるゼンデイヤとの恋歌デュエットのシーンが気に入った。この2人にはもともと階級差があり、男の父母に何でこんな女と付き合っているの?というシーンが出てくる。日本も駅前で共産党のババアどもが時代錯誤的に資本家が労働者から搾取して格差が広がるなんてスピーチをしているけど、この映画の時代設定ならあてはまるね。


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ポーランド映画「残像」アンジェイ・ワイダ

2018-02-12 21:23:34 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「残像」は2017年日本公開のポーランド映画である。


「灰とダイヤモンド」「鉄の男」といった不朽の名作をつくったポーランドの巨匠アンジェイ・ワイダ監督の遺作である。神保町の交差点横にある知性の殿堂「岩波ホール」手前の大きな看板に映るじいさん顔をみて、なんか暗いなあとDVDスルーにしてしまう。

二次大戦後というのポーランドはソ連が関与する共産党支配となり、共産党の宣伝にならない作品はブルジョア文化とされて統制されることになる。そこで被害をうけるのがこの主人公である。アメリカの赤狩り映画で共産主義者が弾圧されるのと全く逆の話である。なかなか考えさせられる作品だ。

それにしても救いようのない話だ。最初は大学教授としての権威を持って、官憲たちと渡り合っている姿が映し出される。ただ、一番タチの悪いのはスターリン時代から続く共産主義の粛清だ。気の毒としかいいようにない主人公の落ちぶれ方に、資本主義社会に生まれてきた自分の幸せをつくづく感じる。


第二次大戦後、ソヴィエト連邦の影響下におかれたポーランド。スターリンによる全体主義に脅かされながらも、カンディンスキーやシャガールなどとも交流を持ち、情熱的に創作と美術教育に打ち込む前衛画家ヴワディスワフ・ストゥシェミンスキ(ボグスワフ・リンダ)。しかし、芸術を政治に利用しようとするポーランド政府が要求した社会的リアリズムに真っ向から反発したために、芸術家としての名声も、尊厳も踏みにじられていく。けれども彼は、いかなる境遇に追い込まれても、芸術に希望を失うことはなかったが。。。状況はどんどん悪くなっていく。

1.ソ連のポーランド占領と主人公の落ちぶれ
世界史の教科書では1939年9月にナチスドイツがポーランドに侵攻したことが第二次世界大戦の始まりと主に記述されている。しかし、その前月にヒトラーとスターリンは手を組み、独ソ不可侵条約を締結し世界をあっと言わせた。ポーランドでは戦争中ソ連はドイツ以上にポーランドでむごいことをしたと伝えられている。その流れで、戦後もポーランドで影響力をソ連がもつことになる。本当に悲劇としか言いようにない。


「残像」はポーランドの社会主義化が最も過激な形を取り、社会主義リアリズムが芸術表現に必須の様式となった、1949年から1952年までの重要な4年間を描いている。 アンジェイ・ワイダ監督は、人々の生活のあらゆる面を支配しようと目論む全体主義国家と、一人の威厳ある人間との闘いを描きたかったとしている。

2.ダルトン・トランボとの比較
1947年トルーマン大統領のソ連への封じ込め政策がとられ、マッカーシズムが台頭し赤狩りがはじまる。そのあたりは失脚した脚本家ダルトン・トランボの伝記をはじめとして、いくつかの映画で語られている。しかし、仕事が完全になくなることはなかった。クレジットに名前は出ていないが、オスカー作品「ローマの休日」、「黒い牡牛」の脚本を提供している。映画会社は抜け道を工夫し、ブラックリスト作家を起用できる環境を整えて、結果的に作家たちの自由を守った。

ノーベル経済学賞自由主義の泰斗ミルトン・フリードマン博士の「資本主義と自由」を引用する。
もし、ハリウッドをはじめとする映画産業が国営であったり、作家への発注がBBCのように公営企業にゆだねられていたとしたら、ハリウッドテンに挙げられた作家が仕事にありつくチャンスはほとんどなかったであろう。国が事業主だったら。。。どんな思想の持ち主も雇ってもらえないだろう。
結局彼らを救ったのは市場経済だった。政府から放りだされても、市場で職を見つけることができたのである。(村井訳p59~60)



ここでの主人公は完全に干された。職すらもなくなった。このドツボはやり切れない。知性の殿堂岩波ホールには、最近駅前でビラを配っているのが目立つ共産党系ババアぽい人がいつも多数来ている。学生運動の洗礼を受けたクズババアか?この映画を見て全体主義、共産主義に対してどうおもったんだろう?
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10年目の雑感2

2018-02-12 20:02:55 | Weblog
それにしても咳が止まらない。この数日は少しはましだが、もう1か月だ。

咳の原因はアレルギーか?ここ数年春先アレルギーにやられることがある。目のまわりがしわくちゃになったり、首に湿疹ができたりすることがあった。今度は咳じゃないだろうか?

もしかしたら、株の下落も要因の一つかもしれない。それにしても、下げるなあ。実は1月26日に評価益はピークを迎えていた。世間的にはすでに変調を迎えていたが、自分の持ち株だけは上がっていた。ところが、1月29日からおかしくなる。前週急騰した株がその上昇分を少しづつ減らしていった。あれよ、あれよと下がって行ったが、2月2日現在ではまだ被害は少なかった。日経平均の25日移動平均線マイナスもすぐ戻るだろうと思っていたが、そうは問屋はおろさない。

ニューヨークが2月2日大きく下げた。長期金利の上昇が原因だという。さて、5日はどういう寄り付きか?寄り付き後軽く押し目買いが入るが弱い。10時過ぎに一部売却の決断。利益が出ている2つと含み損を抱えた1つだ。中長期的に持とうとしているDとT2つについてはそのまま。ここでいくつかある他の株も売っていればよかった。最初の決断はむしろ遅すぎたくらいだが、これはそのあとの大幅下落を踏まえると大正解だった。

もっとも下げた6日は静観、一度戻すのは間違いない。そう考えると、あわてない。そのままにする。すると、翌7日反発、これは予定通りだ。しばらくは行方を見送るが、持ち玉は寄り高のじり安というパターンだ。いやだなあと思いながら外出。日経先物をみると、昼休み中に下がっている。それも日経平均ベースで200円も。おい、これはやばい。ということで後場を見る。しばらくすると、じり安のパターン。これは持ち株全部売却で仕方なかろうということになる。含み益がかなりすっ飛んだが、黒字で退出できた。

これですっきりするはずだが、虎視眈々と復活戦を狙う。
でもうなぎの手づかみみたいにうまくいかない。まだまだだと思うが、どうなんだろう。

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映画「くも漫」

2018-02-12 19:28:22 | 映画(日本 2015年以降主演男性)
映画「くも漫」は2017年公開の日本映画


中川学の漫画の映画化である。なんとなく面白そうという感覚で観た。低予算がにじみ出る構成だが確かに笑える。自閉症の子供を担当する代用教員が、遊びに入った風俗店でくも膜下出血になってしまう。幸い命に別状なく回復するが、どこで倒れたということもなかなか言い出せずにいることを面白おかしく語る。

29歳の中川学(脳みそ夫)は長年のニート生活を経て、父親(平田満)のコネでようやく教育現場の職を得る。初めて人生の歯車がかみ合い始めた高揚感と抑えきれない性欲から風俗店へと繰り出す中川。ところがNo.1風俗嬢ゆのあ(柳英里紗)から最高のサービスを受け、絶頂を迎えようとしたまさにその瞬間、中川はくも膜下出血を発症してしまう……。


やがて完治率わずか30%の病から生還した中川は、風俗店で倒れたことをひたすら周囲に隠そうとするのだが……。 (作品情報より)

小品だけどいい感じだ。
中学の教員だったけど、生徒たちに相手にされず、逆登校拒否で引きこもりになる。父親の紹介で自閉症の子相手の特殊学級で教えはじめ、最初はうまくいかなかったが、ようやくなついたことで自分へのご褒美で風俗に抜きに行く。最初はババアがでてきて、これじゃ無理だと店をかえていくと今度はかわいこちゃんだ。


いわゆる地方都市の転勤もしてきたけど、人口10万程度の街であれば、商店街の一角にこういう風俗街がある。救急車で運ばれた病院で手術をうけ、両親が見守る中、九死に一生で助かる。ヘルス嬢は洋服をたたんで渡してくれたが、靴は忘れたままだった。それを母親がおかしいと言い出す。何で靴がないの?商店街で倒れたなら、どこかにあるはずだと。ヘルスに行かれたらヤバいとひやひやする主人公だ。

親戚も見舞いに来てくれたが、何かおかしいと言い出す。それにもドッキリだ。こんな話が続くわけだが、とにかく笑える。

年末、大宮のソープで火事があり、お客とソープ嬢が焼け出されてしまう悲しい出来事があった。いわゆる大宮北銀座で中山道の街道沿いを少しづれたエリアにある。おそらくは江戸の昔から宿場で遊郭があったのであろう。もはや、建て替えもできないところだから、いったん火事となると閉塞的な空間から逃げ出すことができず、こういう悲劇になってしまう。ちょっと抜きにというのは元気な男性諸氏の生理的行為だが、こんな話があると怖くなってしまう。

ここではクモ膜下出血の大病で倒れてしまう。先ほどの話同様にこんなことになったら、ヤバいなあと思うが、それでも血気盛んな男性たちは懲りずに行くでしょう。


それにしてもこの風俗嬢実にかわいい、本当にやさしそう。。といっても普通の女性にはこの気持ちわからないだろうなあ。
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映画「マンハント」 ジョン・ウー&福山雅治

2018-02-11 19:09:48 | 映画(アジア)
映画「マンハント」を映画館で観てきました。


香港アクション映画の巨匠ジョン・ウー監督福山雅治が組むという。しかも、高倉健と原田芳雄共演の日本映画「君よ憤怒の河を渉れ」をリメイクして、大阪ロケを中心に撮られたという。これは観に行くしかない。もともと「SCOOP」「三度目の殺人」をはじめとして福山雅治主演の作品は相性がいい。アクションはあくまで香港流だが、楽しめた。

酒井社長(國村隼)率いる天神製薬の顧問弁護士であるドゥ・チウ(チャン・ハンユー)がパーティの翌朝、ベッドで目を覚ますと、社長秘書・希子の死体が横たわっていた。現場には自身の指紋が付いたナイフが置かれるなど、突如として殺人事件の被疑者となった彼は、何者かにハメられたことに気づき、その場から逃走。そんなドゥ・チウを大阪府警の敏腕刑事・矢村(福山雅治)は、新人の部下・里香(桜庭ななみ)とともに独自の捜査で追っていく。

カギとなるのは、天神製薬研究員だった婚約者を3年前に失った謎の美女・真由美(チー・ウェイ)。次々と警察の包囲網を潜り抜けていく被疑者に近づくほどに、この事件に違和感を覚え始め、次第に見解を変えていく矢村だったが、ついに真由美の実家である牧場にいるドゥ・チウを捕らえることに成功。だが、手錠をかけた彼とともに、女殺し屋・レイン(ハ・ジウォン)たちからの襲撃に立ち向かった矢村は、彼の無実を確信する。

何者かによって捜査が妨害されるなか、身分や国籍を超えた“強く熱い絆”が芽生えた2人はともに手を組み、事件の真相に立ち向かうことを決意する。だが、そこには恐ろしくも、巨大な陰謀が待ち受けていた――。(作品情報より)

いきなり日本の漁港らしき風景の映像が映し出される。バックは演歌もどきの音楽だ。弁護士の主人公は場末の飲み屋に入っていくと飲み屋で働く2人の着物女性が待っている。どうやら中国人のようだ。やくざ関係者と思しき組員たちが店に入っていく。どうなるんだろう?すると、2人の女性が両手に拳銃をもち、座敷の来客をボコボコに撃っていく。そのアクションは香港流だ。


そのあと、キルビル出演以来の国際俳優になってしまった昨年は傑作「コクソン」を生んだ國村隼演じる社長を務める主人公ドゥの顧問先の薬品会社の創立記念パーティのシーンが映る。近代的なビルディングの中で、ディスコまがいのダンスを踊りながら盛り上がっている。

主人公はどうやらかなりモテるようで、いろんな女性からちょっかいを出されている。モデルまがいの美人秘書が今日は部屋に行くわと。そうして、狂乱の夜がふけたとき、ふと目を覚ますと何と横で美人秘書が死んでいるではないか?すぐさまドゥは警察を呼び出す。ただ、第一発見者ということで当然重要参考人になる。刑事に追いつめられる中、ドゥはその場から逃げ去るのだ。


こんな感じのスタートである。
あとは、大阪の街を舞台に香港流の派手なアクションが続く。次から次へと続く針のむしろのような銃撃の激しさも特徴的だ。しかも、いかにも香港人が好きそうな顔をした美女が次々へと登場する。例外は恰幅のいいジョン・ウーの娘くらいだ。でも日本語がこれだけ使われているのに、徹底して香港テイストに見えるのはどうしてなのか?

クレジットに倉田保昭の名前があった。ブルース・リーのカンフーブームのころは香港映画だけでなく、日本の映画、テレビにもずいぶん出ていたなあ。途中、派手なカンフーキックをつかっている男がいてそれかと思ったら、ドゥを匿う町の浮浪者の親玉の役だった。これは気が付かなかったなあ。どうりで中国語を流ちょうに話す訳だ。てっきり中国人だと思ってしまった。

1.君よ憤怒の河を渉れ
大映倒産後影を潜めた永田ラッパこと永田雅一大映元社長が復活してプロデューサーをつとめるということで、製作段階から話題になっていた記憶がある。馬が新宿の街に放たれたということで、一悶着も起きている。高倉健と原田芳雄の共演だが、細かいことは別として、中野良子の偽オッパイのシーンが脳裏に残る。

中国では文化大革命後初めての外国映画公開ということで、大変な話題になったようだ。この映画のファンだという巨匠チャン・イーモア監督高倉健を映画『単騎、千里を走る。』の主演に迎える。それと同じようにジョン・ウー監督もこの映画の大ファンだという。何とすばらしい話ではないか。

この映画で追う福山雅治演じる刑事が被疑者のドゥと手錠でつながるシーンがある。高倉健の出世作「網走番外地」でも同じように逃走者同士が手錠でがつながったまま逃げるシーンがでてくる。ジョン・ウー監督も観ているんだろうなあ。シドニー・ポワティエとトニー・カーチスの映画「手錠のまゝの脱獄」にしても囚人同士だが、刑事と逃走犯の手錠つながりは観たことがない。

2.大阪ロケ
一流薬品会社といえば、大阪道修町に本社をもつ。この映画の設定なら大阪が舞台のほうが自然だ。大阪ロケと言えば、マイケルダグラス、高倉健主演リドリー・スコット監督作品「ブラックレイン」がもっとも有名だ。猥雑な大阪の夜をこれだけ巧みにとらえた作品はそうはない。逆に、この映画ではミナミ界隈などの夜の光景はあまりみられない。カーチェイスというよりも水上バイクの攻防も昼の堂島での撮影で、むしろ水の都大阪として映し出している気がする。


大阪城付近の京橋あたりで、追いかけっこをしているのに、すぐさま梅田駅エリアにいる設定はご愛嬌か。その昔「007は二度死ぬ」は日本ロケの作品だが、国技館の裏口を出るといきなり銀座の街になってしまうシーンが出てくる。それと同じ感覚である。だんじり祭りを連想させるお祭りシーンが大阪城付近で繰り広げられたり、同じような不自然さはいくつもあったが、仕方ないだろう。

年々大阪へのインバウンド客は増加している気がする。そういった意味では中国人に対して格好の宣伝になるのでは?

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10年目の雑感1

2018-02-05 21:47:35 | Weblog
一か月ブログサボってしまった。
正月明け、若干体調不良気味のなかで各種行事があり、人ごみの中にいる機会が多かった。4日に同じ系統の会社グループの新年会が昼にあり、そのまま同じ会社の人と夕方まで居酒屋で痛飲。翌日は東京の責任者たちと会議後新年会。飲んでしまう。そのあと、体調は良くない。

9日の神社参拝及びそのあとの懇親会でうつされたんだろうか?11日に恒例の会社参拝で、寒い中コートを脱いでお祓いを受け、そのあと昼から互礼会。乾杯の音頭で少しだけ飲むが、受ける酒も断る。でも体調厳しいのでタクシーで帰宅して16時ごろ病院直行。インフルエンザの診断キッドをみてB型と判明。

その翌日から日曜はさんで3日休んで会社出社。その日は会社でぼーと一日過ごすが、翌日は本社会合の後、飲み会。顔が真っ赤と言われる。これはすぐ帰る。木曜日は関連会社含めた大勢とボーリング、なんでこんなに下手になったんだろうというスコア。そのあと懇親会。すぐ帰ればいいものを歌舞伎町の谷間に誘われクラブ活動。勢いにのってあと2軒。これもよくなかったかな?

もっとよくないのはその週末、大学のOB会に出席。地方から2人来て、同期6人が久々全員そろうという快挙でこれは楽しみにしていた。自分の時はいなかったほぼ20期下の女性後輩と会話かわしていたら、すぐさま応援歌を歌う時間になる。肩を組むのがなぜか気恥ずかしかったが、30代女性の色気に気分は高揚。2次会に突入、そのまま痛飲。ふと気が付くと熊本から来てる同期のホテルの部屋で寝ている始末。彼の部屋で目が覚めたのが2:30で家には4時前くらいについたのか?ダメじゃこれ。

22,23日は飲み会。特に22日は営業部署の責任者たちと会議。その日、東京は大雪。夜のオフィシャル懇親会を中止にしたにもかかわらず、新宿駅が入場制限になっていると聞き、どうせ今日はメシないだろと会社地下のそば屋でそば焼酎を会議メンバーを誘って飲む。雪が収まるのを見ながらも、どうせまともに帰れないと別の店を2軒はしご。日付の変わりそうな時間に数少ない流しのタクシーに乗り帰る。高速使えないから時間はものすごくかかる。翌23日は神楽坂、24日全然咳が収まらないので、もう一度医者へ。少し強めの咳止めをもらったけれど、完全には治らない。

そのあと26日から和歌山出張。ゆったりした新幹線のグリーン車に乗りながら、岐阜~滋賀付近の大雪に驚く。特急くろしおの先頭車両がずいぶんとよくなっていた。和歌山に行ってからもこれも24年ぶりに会った昔の仲間と痛飲してしまう。ブリがおいしかった。ここでも4軒はしごだ。

それから今日までいっさい飲んでいない。2回目の東京雪の日は同席予定者からキャンセルの連絡。それは珍しく素直に受け、家でふるさと納税で送ってきたフグを食べる。晩酌はもともとしない。それ以外の休みの日は外出もしない。本は少し読むけれど、頭脳の回転が悪く進まない。映画は当然見ない。最終日近くにdvdを借りて1月映画鑑賞ゼロを免れたが、映画館には行けない。昨日初めての映画館だ。でもその「スリー・ビルボード」がよかった。


こんなこともあったのかと思いだすために書いておく。
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映画「スリー・ビルボード」 フランシス・マクドーマンド

2018-02-04 15:24:23 | 映画(自分好みベスト100)
映画「スリー・ビルボード」を映画館で観てきました。

これはすばらしい!傑作である。
1月の第2週にインフルエンザB型にかかってしまい、この1月は悶々とした生活を送ってしまった。まだ咳が止まらない。なんと映画館で一本も観ていない月というのは何十年ぶりだろう。そろそろと思ったところで、ホームグラウンドの映画館で大好きなフランシス・マクドーマンドの新作が上映していることに気づく。久々に映画を観たという実感にあふれた作品に出合う喜びを感じる。


レイプに会い娘を殺された母親が、警察の捜査が進まないことに腹を立て、さびれた道路に看板を立てる。町中に波紋を起こす。そして、母親、警察の署長、担当警察官の3人を中心にストーリーが進んでいく。こうなるかな?と連想するとそうならないで別の展開へ進む。善人と悪人の境目があいまいで脚本家が次から次へと我々を肩透かしにかける。意外性は常に厚みをつくる。そして意外性でそれぞれの登場人物が際立つ効果が生まれ、映像に感情流入してしまう。実にすばらしい映画だ。

アメリカはミズーリ州の田舎町エビング。さびれた道路に立ち並ぶ、忘れ去られた3枚の広告看板に、ある日突然メッセージが現れる。──それは、7カ月前に娘を殺されたミルドレッド・ヘイズ(フランシス・マクドーマンド)が、一向に進展しない捜査に腹を立て、エビング広告社のレッド・ウェルビー(ケイレブ・ランドリー・ジョーンズ)と1年間の契約を交わして出した広告だった。自宅で妻と二人の幼い娘と、夕食を囲んでいたウィロビー(ウディ・ハレルソン)は、看板を見つけたディクソン巡査(サム・ロックウェル)から報せを受ける。


一方、ミルドレッドは追い打ちをかけるように、TVのニュース番組の取材に犯罪を放置している責任は署長にあると答える。努力はしていると自負するウィロビーは一人でミルドレッドを訪ね、捜査状況を丁寧に説明するが、ミルドレッドはにべもなくはねつける。
町の人々の多くは、人情味あふれるウィロビーを敬愛していた。広告に憤慨した彼らはミルドレッドを翻意させようとするが、かえって彼女から手ひどい逆襲を受けるのだった。(作品情報より)

1.フランシス・マクドーマンド
コーエン兄弟作品の常連であり、「ファーゴ」でアカデミー賞主演女優賞を受賞している。ジョエルコーエンの妻である。個人的には「あの頃ペニーレインで」で演じた主人公の母親役の演技が脳裏に焼き付く。ロッカーに同行する主人公に身を案じる少しヒステリックな母親の感情描写が絶妙にうまかった。この映画ではあの時の母親のキャラクターがかぶってくる。

娘殺しの捜査が進まないことへの腹立ちで母親が起こす行動はこんなものかもしれない。でも、やり玉に挙がった警察の署長も悪人ではない。周りも同情して、聖職者を送ったり、歯医者に意地悪させたりする。でもこのお母さんたくましい。そんなことは意にもとらない。それは「ファーゴ」にも通じるたくましさだ。ここでの演技でアカデミー賞2度目の主演女優賞をもらったと聞いても誰も全く不思議に思わないだろう。

2.アメリカの田舎町
アメリカの田舎町が舞台なので、こんなことってあるの?!と思わせることが多々ある。
まずは暴力描写が多いということ。最近の日本ではちょっとした教員の体罰でも大げさに報道されるが、ここでは民間人同士の殴り合いが日常茶飯事に出てくる。傷害でで訴えるなんて言葉は、田舎のアメリカでは存在しないものなのか?

フランシス・マクドーマンド演じる母親が警察に深夜電話しても誰もでない。留守番もいない。そんなことあるかしら?しかも、マクドーマンドはもっと悪いことをするが、犯人が特定されない。今の日本では至る所に防犯カメラがあって、一部始終をとらえるけど、アメリカってどうなんだろう。途中まで、この題材1980年代くらいかと思っていたら、ネットで検索なんて言葉もあるので、そうじゃなさそう。そのほかにも同じようなことがいくつかある。だからと言ってこの映画が陳腐なものに感じられてしまうことはないのであるが。。。

この映画をすばらしいものとしているのは、フランシス・マクドーマンドのうまさだが、それ以上に敵役となる警官、警察署長、元夫そしてその若き恋人の描き方のうまさであろう。ウディ・ハレルソンのうまさが光るし、ストーリーが進むにつれて敵役たちのキャラクターに変化が生じる。あれ!こうなるの?と思ってしまう動きがある。その変化の過程に思わず心を動かされた。そして、真犯人は誰か?という期待感をわれわれに抱かせる。そこでも逆転を与え、意外な手打ちでわれわれに想像力のテストをする。

最後の余韻も素敵だな

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