映画「ハケンアニメ!」を映画館で観てきました。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/69/d6/c789158c150d5b01c1e4388f3f46adf6.jpg)
映画「ハケンアニメ!」は「朝が来る」の辻村深月原作の映画化である。「ハケン」という言葉がカタカナで派遣社員を想像し、日本映画で最近得意の格差社会を描いた映画かと勘違いしていた。ある人の映画評を読んで、それが誤解とわかり気になったので映画館に向かう。アニメの覇権をとるという「ハケン」である。
国立大学をでて県庁に勤めていた主人公斎藤瞳(吉岡里帆)は、アニメ界で活躍している人気監督王子千晴(中村倫也)を凌駕する作品を作ってやろうと、業界で働きはじめて7年、ようやく新作の監督の座をつかむ。土曜日の5時というアニメのゴールデンタイムにはライバルのスタジオえっじも王子監督の新作で臨み視聴率対決するという話だ。
よくできた快作である!
予想以上に映画の出来は良かった。おもしろかった!この映画には「好きをつらぬけ」という副題がある。この映画にでてくるアニメ制作関係者はともかくよく働き、まさに好きを貫いて働いている。すばらしい!逆にアニメの世界ってこんなに大勢のスタッフがいて、会社の利益収支がうまくいっているの?と思ってしまうくらいだ。外注が多いのかな?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/a3/bad733d780a32ebd5439fa97aed68615.jpg)
日本では生産性向上が誤って解釈されている。残業を少なくすれば良いということで、労基署の臨検も厳しく、「働き方改革」という名のもとに日本人が働かなくなった。総務系部署が残業時間の表を出して説明してくると複雑な気持ちになる。
確かに、ひと時代前のオフィスには帰りたくないおじさんたちがいて、みんなつられて帰れないでムダに無償残業させていたことは間違いない。でも、今は働きたい人も働かせてくれないのだ。日本も社会主義国のようになってしまった。分配ばかり気にして、競争を避けようとする日本社会ばかり描いても良いことがない。
こういった真摯に働く人たちを描く映画を観ていると気持ちがいい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/9a/c26fcfabfa49966ee49ebbfafdf3e61d.jpg)
⒈吉岡里帆演じる斎藤瞳監督
県庁から中途入社でアニメ制作会社に入社して、演出や助監督をやってきた。7年でようやく掴んだ監督の座だ。TVのゴールデンタイムに同時間に放送するライバルは目標としていた王子監督の作品だ。
それぞれにクセのある美術や作画や撮影のスタッフの意見調整だけでも大変だ。理詰めで数字を重んじる人もいれば、感覚的な人もいる。声優もアイドル系で押し付けられた女の子で、思い通りに吹き替えができない。それなのに柄本佑演じるプロデューサーは次から次へとスケジュールを入れて、斎藤瞳監督をマスコミの話題にしようとしたてる。
主演の役柄設定に関するエピソードは十分すぎるほどあって、吉岡里帆演じる斎藤新監督のプロフィールが浮かび上がる。吉岡は期待に応えていると思う。仲野大賀と共演した「泣く子はいねえが」では、別れた前妻役で性格的にもイヤな役だったが、今回は心から応援したくなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/e3/2859ba5cd0b9d9cc54e81c46e28c0892.jpg)
⒉柄本佑演じるプロデューサー
アニメプロダクションの背広組で、冷静沈着なプロデューサーだ。マスコミ、TV局などからのあらゆる情報収集に長けていて、斎藤瞳監督を売り込もうとして、最終的に視聴率での優位を目指す。
柄本佑がここまで冷静沈着な役柄ってあったかなあ。どちらかと言うと、うまくいかずに表情変えて叫んでしまうシーンの方が多い気がする。似たような漫画が題材の「先生、隣に座って。。。」なんて映画はずっとオドオドしたままだったな。真骨頂をみたと感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/23/de6a48cea34d61daa11d95aa48d6dbf2.jpg)
⒊尾野真千子演じるプロデューサーと王子監督
強烈なライバルがいないとストーリーは引き締まらない。同じ時間に放映される番組の監督は主人公斉藤瞳がこの世界に入る前から目標としていた王子監督だ。でも、王子監督は製作発表の直前になっても姿を消していた。行方もわからない。TV局からこんな男を起用して大丈夫かと責められる。プロデューサーの有科(尾野真千子)は大慌てだ。でも、直前に現れる。怒ってぶっ飛ばす。
そんな感じで、わがままな王子監督の姿を何度にわたってクローズアップすると同時に、有能なプロデューサーぶりを尾野真千子が演じる。昨年、女優賞を総なめしたが、口でいかせる風俗嬢やキャバクラ嬢も演じて、むしろレベルが低い役柄も多かった。今回のキャリアのあるバリバリ仕事する女もなかなかいける。いろんな役柄を演じて、今回は主役でないが、尾野真千子は大女優への道を歩んでいる感がある。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/43/53/35c78634110a2c360e870462abe6fd86.jpg)
⒋最後のオチと職人魂
良いアニメをつくってもヒットしないこともあるし、大したことなくても流行ることもあると柄本佑演じるプロデューサーが言う。確かにそうだ。ただ、この映画にでてくるアニメの製作関係者はほとんど職人気質である。斎藤瞳監督も王子監督も納得できずに手直しを要求する場面がでてくる。結局はいいものを世に出すことがいちばん重要だと考えて、場面が進む。それはそれでいい。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/66/0c/54b82d5ed4432b5e459885aa435ceca4.jpg)
TVの連続シリーズのオチをどうするのかも最後までそれぞれ混乱する。ここでも職人魂が生きていく。こんな感じは悪くない。エンディングまで目が離せない。ちなみにエンディングロールまで観ても帰らないように。オマケがある。
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映画「ハケンアニメ!」は「朝が来る」の辻村深月原作の映画化である。「ハケン」という言葉がカタカナで派遣社員を想像し、日本映画で最近得意の格差社会を描いた映画かと勘違いしていた。ある人の映画評を読んで、それが誤解とわかり気になったので映画館に向かう。アニメの覇権をとるという「ハケン」である。
国立大学をでて県庁に勤めていた主人公斎藤瞳(吉岡里帆)は、アニメ界で活躍している人気監督王子千晴(中村倫也)を凌駕する作品を作ってやろうと、業界で働きはじめて7年、ようやく新作の監督の座をつかむ。土曜日の5時というアニメのゴールデンタイムにはライバルのスタジオえっじも王子監督の新作で臨み視聴率対決するという話だ。
よくできた快作である!
予想以上に映画の出来は良かった。おもしろかった!この映画には「好きをつらぬけ」という副題がある。この映画にでてくるアニメ制作関係者はともかくよく働き、まさに好きを貫いて働いている。すばらしい!逆にアニメの世界ってこんなに大勢のスタッフがいて、会社の利益収支がうまくいっているの?と思ってしまうくらいだ。外注が多いのかな?
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/27/a3/bad733d780a32ebd5439fa97aed68615.jpg)
日本では生産性向上が誤って解釈されている。残業を少なくすれば良いということで、労基署の臨検も厳しく、「働き方改革」という名のもとに日本人が働かなくなった。総務系部署が残業時間の表を出して説明してくると複雑な気持ちになる。
確かに、ひと時代前のオフィスには帰りたくないおじさんたちがいて、みんなつられて帰れないでムダに無償残業させていたことは間違いない。でも、今は働きたい人も働かせてくれないのだ。日本も社会主義国のようになってしまった。分配ばかり気にして、競争を避けようとする日本社会ばかり描いても良いことがない。
こういった真摯に働く人たちを描く映画を観ていると気持ちがいい!
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/50/9a/c26fcfabfa49966ee49ebbfafdf3e61d.jpg)
⒈吉岡里帆演じる斎藤瞳監督
県庁から中途入社でアニメ制作会社に入社して、演出や助監督をやってきた。7年でようやく掴んだ監督の座だ。TVのゴールデンタイムに同時間に放送するライバルは目標としていた王子監督の作品だ。
それぞれにクセのある美術や作画や撮影のスタッフの意見調整だけでも大変だ。理詰めで数字を重んじる人もいれば、感覚的な人もいる。声優もアイドル系で押し付けられた女の子で、思い通りに吹き替えができない。それなのに柄本佑演じるプロデューサーは次から次へとスケジュールを入れて、斎藤瞳監督をマスコミの話題にしようとしたてる。
主演の役柄設定に関するエピソードは十分すぎるほどあって、吉岡里帆演じる斎藤新監督のプロフィールが浮かび上がる。吉岡は期待に応えていると思う。仲野大賀と共演した「泣く子はいねえが」では、別れた前妻役で性格的にもイヤな役だったが、今回は心から応援したくなる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/30/e3/2859ba5cd0b9d9cc54e81c46e28c0892.jpg)
⒉柄本佑演じるプロデューサー
アニメプロダクションの背広組で、冷静沈着なプロデューサーだ。マスコミ、TV局などからのあらゆる情報収集に長けていて、斎藤瞳監督を売り込もうとして、最終的に視聴率での優位を目指す。
柄本佑がここまで冷静沈着な役柄ってあったかなあ。どちらかと言うと、うまくいかずに表情変えて叫んでしまうシーンの方が多い気がする。似たような漫画が題材の「先生、隣に座って。。。」なんて映画はずっとオドオドしたままだったな。真骨頂をみたと感じる。
![](https://blogimg.goo.ne.jp/user_image/28/23/de6a48cea34d61daa11d95aa48d6dbf2.jpg)
⒊尾野真千子演じるプロデューサーと王子監督
強烈なライバルがいないとストーリーは引き締まらない。同じ時間に放映される番組の監督は主人公斉藤瞳がこの世界に入る前から目標としていた王子監督だ。でも、王子監督は製作発表の直前になっても姿を消していた。行方もわからない。TV局からこんな男を起用して大丈夫かと責められる。プロデューサーの有科(尾野真千子)は大慌てだ。でも、直前に現れる。怒ってぶっ飛ばす。
そんな感じで、わがままな王子監督の姿を何度にわたってクローズアップすると同時に、有能なプロデューサーぶりを尾野真千子が演じる。昨年、女優賞を総なめしたが、口でいかせる風俗嬢やキャバクラ嬢も演じて、むしろレベルが低い役柄も多かった。今回のキャリアのあるバリバリ仕事する女もなかなかいける。いろんな役柄を演じて、今回は主役でないが、尾野真千子は大女優への道を歩んでいる感がある。
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⒋最後のオチと職人魂
良いアニメをつくってもヒットしないこともあるし、大したことなくても流行ることもあると柄本佑演じるプロデューサーが言う。確かにそうだ。ただ、この映画にでてくるアニメの製作関係者はほとんど職人気質である。斎藤瞳監督も王子監督も納得できずに手直しを要求する場面がでてくる。結局はいいものを世に出すことがいちばん重要だと考えて、場面が進む。それはそれでいい。
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TVの連続シリーズのオチをどうするのかも最後までそれぞれ混乱する。ここでも職人魂が生きていく。こんな感じは悪くない。エンディングまで目が離せない。ちなみにエンディングロールまで観ても帰らないように。オマケがある。