映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

2014年読了本

2014-12-31 09:50:27 | 

1.昭和史の深層 保阪正康
2.国家の謀略 佐藤優
3.風景は記憶の順にできていく  椎名誠
4.確率思考のコツ 西内啓
5.日本の景気は賃金が決める 吉本佳生
6.シゴトの渋滞学 西成克裕◎(組織の理想は0.9+0.9+0.9=5、個人が発揮できる能力は0.9が限度)
7.福翁自伝(現代訳) 福沢諭吉
8.読書脳 立花隆
9.数式を使わないデータマイニング入門 岡嶋裕史
10.警察庁長官を撃った男 鹿島圭介◎◎(本年1番の優れ本、警察庁長官狙撃事件の真犯人とは)
11.ノンフィクションはこれを読め2013 成毛眞ほか
12.映画はやくざなり 笠原和夫◎◎(社会の裏を知り尽くした東映ヤクザ映画の脚本家の生き方)
13.財政学から見た日本経済 土居丈朗
14.思考体力を鍛える 西成克裕
15.ネット時代の反論術 仲正昌樹
16.無駄学 西成克裕
17.渋滞学 西成克裕
18.たまたま レナード・ムロディナウ
19.なぜ彼らは天才的能力を示すのか
20.ブラックマネー 須田慎一郎
21.辺境・近境 村上春樹
22.どうして子供は勉強しないといけないの 森満保◎
(子供時代にある領域の勉強を全くしなかったら、勉強するために大脳に準備されていた軸索や樹状突起は、細くなり、終いに消えてしまう。)

23.運は数学に任せなさい ローゼンタール
24.リカと3つのルール: 自閉症の少女がことばを話すまで
25.脳のワーキングメモリーを鍛える トレーシー・アロウェイ
26.RM収益管理のすべて ロバートGクロス◎(閑散期の仕事をしのぐレヴェニューマネジメント)
27.金正日は日本人だった 佐藤守◎(父金日成の戦前戦後の謎を追い金正日のルーツに迫る)
28.特捜検察vs金融権力 村山治
29.その科学が成功を決める リチャード・ワイズマン
30.遺伝子が解く 男の指の秘密 竹内久美子
31.18分集中法 菅野仁◎(本の内容は普通だが、主題の18分法は今年取り入れて成功する)
32.日本を守るには何が必要か 佐藤守
33.世界史の叡智 本村凌ニ
34.あの戦争は何だったのか 保阪正康
35.ウソを見破る統計学 神永正博
36.嫉妬の世界史 山内昌之◎(世界史は人への嫉妬で大きく左右される)
37.経済学の巨人危機と闘う 日経新聞
38.吉行淳之介 人と文学 高橋広満
39.すごい人の頭ん中2 ビジョネット編
40.英文の読み方 行方昭夫
41.晩年の研究 保阪正康
42.頭がよくなる本 トニーブザン◎◎(何回も再読している本)
43.ザ・ラストバンカー 西川善文
44.現場主義の競争戦略 藤本隆宏
45.中国近現代史 小島晋司
46.失敗の本質 戸部、野中他
47.英文快読術 行方昭夫
48.円安シナリオの穴 池田雄之輔
49.続く力 伊藤
50.ひらめきはカオスから生まれる オリ・ブラフマン(ひらめきを生むには「余白」を設け「異分子」を入れることが重要)
51.和僑 安田峰俊
52.構造がわかる世界史 ゆげ塾
53.すごい人の頭の中3
54.行動科学に基づく「復習持続法」 石田淳 他
55.実験心理学が見つけた超効率的勉強法 竹内龍人
56.任せ方の教科書 出口治明○
57.宰相鈴木貫太郎 小堀桂一郎
58.ぼくはなぜ炎上を恐れないのか イケダハヤト◎◎(このブロガーの文章にはまる)
59.女のいない男 村上春樹
60.まるでダメ男じゃん 豊崎由美(書評の仕方が巧み)
61.使える行動分析学 島宗理
62.武器としての書く技術 イケダハヤト◎(実践的文章術に思わず感心)
63.凶悪 新潮21
64.たった一度の人生を記録しなさい 五藤隆介
65.年収150万円で僕らは自由に生きていく イケダハヤト
66.ゼロ秒思考 赤羽雄二
67.「今すぐやれば幸福体質」 高嶋美里
68.狭小部屋 新庄耕
69.ブログ運営テクニック100 コグレマサト
70.「ビジネス書」のトリセツ 水野俊哉
71.勝負論 梅原大吾
72.ヤンキー経済 原田曜平
72.人はなぜ集団になると怠けるのか 釘原直樹◎(運動会の綱引きや選挙のように個人の努力が見えないときに社会的手抜きが発生する。そのために努力の効果を可視化することで作業者の自己効力感を高める)
73.感動集客 松野正寿
74.野心のすすめ 林真理子
75.お金がたまる本 横山光昭
76.仕事で数字を使うってこういうことです 深沢真太郎
77.東京来譚集 村上春樹
78.クイズ王の超効率勉強法 日高大介
79.先を読む頭脳 羽生善治
80.七ヶ国語をモノにした人の勉強法 橋本陽介
81.真相はこれだ 祝康成
82.この道を生きる心臓外科一筋 天野篤
83.心を操る文章術 清水義範
84.勝ち続ける意志力 梅原大吾
85.google革命の衝撃 NHKスペシャル取材班
86.臆病者のための億万長者入門 橘玲
87.居酒屋コンフィデンシャル 
88.サラリーマンでも大家さんになれる46の秘訣 藤山勇司
89.不良のための文章術 永江朗◎
90.お客をつかむウェブ心理学 川島康平◎

91.勉強の鬼原則 板野博行
92.キャラクター小説の作り方 大塚英志◎(「欠けている」→「それを回復する」がお話の根源的なリズム)
93.世紀末の作法 宮台真司
94.本気で小説を書きたい人のためのガイドブック ダヴィンチ
95.運命の人1 山崎豊子
96.ぼくらの頭脳の鍛え方 立花隆 佐藤優
97.外資系金融のexcel作成術 慎泰俊
98.ストーリーメーカー 大塚英志
99.その街の今は 柴崎友香
100.調べて、伝える、魅せる 武田徹
101.勝つために戦え 監督編 押井守◎(高校の柔道の先輩)
102.ルポライター事始 竹中労◎◎(無頼派ルポライター稼業の実態と戦後焼け跡描写の見事さ)
103.物語の体操 大塚英志
104.運命の人2 山崎豊子
105.ハリウッド脚本術 ニール・D・ヒックス
106.浮上せよと活字は言う 橋本治
107.無頼の点鬼簿 竹中労
108.不良のための読書術 永江朗
109.レキシントンの幽霊 村上春樹
110.だから僕は書く 佐野眞一◎(聞き書きの重要なことは「知識」でない「知恵」を書きとめること)
111.ノンフィクションと教養 現代プレミア
112.団塊一人ぼっち 山口文憲
113.勝つために戦え 監督絶叫編 押井守
114.実写映画オトナの事情 押井守
115.中国人と日本人 邱 永漢 
116.完本・美空ひばり 竹中労◎(闇市から這い上がろうとする美空ひばりの人生)
117.読ませる技術 山口文憲
118.荷風さんの戦後 半藤一利
119.絶対音感 最相葉月◎(音楽を聴いた途端に音名がいえて、その音を楽器で奏でることのできる能力のある人たち)
120.この命、義に捧ぐ 門田隆将◎(戦後、蒋介石を助けた日本軍残党がいた)
121.大学論 大塚英志
122.日本の単身赴任 重松清
123.「羊の歌」余聞 加藤周一◎(戦後日本の知性の「羊の歌」その後)
124.人に強くなる極意 佐藤優
125.ハーバードの「世界を動かす授業」 リチャード・ヴィートー◎(各国史の絶好のテキスト)
126.小説作法ABC 島田雅彦
127.脳内麻薬 中野信子
128.ハリウッド脚本術3アクションアドベンチャーを書く ニール・D・ヒックス
129.李鴻章 岡本隆司
130.在日 姜 尚中
131.三重スパイ 
132.日本の路地を旅する 上原善広◎(ノンフィクションの極み)
133.遊ぶ奴ほどよくデキる 大前研一
134.日本の難点 宮台真司
135.知の武装 佐藤優&手嶋龍一
136.学歴貴族の栄光と挫折 竹内洋
137.旗を立てて生きる イケダハヤト◎
138.詐欺の心理学 取違孝昭
139.脳は何かと言い訳をする 池谷裕二◎
(作業興奮のすすめ:やる気がなくても始めてみる。すると脳が次第に活性化し、やる気が出てのめり込んでいく。)
140.ビジネスをつくる仕事 小林敬幸◎
(一度に売れる量は増えない。一度優良顧客と良好な関係をきづくと、長寿になったため、ビジネスを継続できる期間は長くなった。)

141.昭和の終りと黄昏ニッポン 佐野眞一
142.愚民社会 宮台真司&大塚英志◎
(6月末)
143.あんぽん 佐野眞一◎◎(孫正義のルーツ)
144.この国の品質 佐野眞一
145.凡人として生きるということ 押井守
146.特捜検察の闇 魚住昭
147.昭和史発掘1 松本清張
148.従業員をやる気にさせる7つのカギ 稲盛和夫
149.バカが多いには理由がある 橘玲◎
150.思索紀行 立花隆◎(人間の知性は、その人の脳が過去に食べた知的食物によって構成されている。)
151.好き嫌いと経営 楠木建◎(経営者との対談まとめたもの)

152.自分史の書き方 立花隆
153.東大主席弁護士が教える7回読み勉強法 山口真由
154.ドキュメント敗れざるサラリーマンたち 永井隆
155.芸能人別帳 竹中労◎
156.ベイズ確率の基本と仕組み 松原望
157.ふるさと納税生活 金森重樹
158.大人の算数トレーニング 栗田哲也◎(訓練するということはアタリマエ世界をつくるただ1つの方法だ。理屈抜きのアタリマエ世界にだけ、人は安心して住むことができる)
159.数学的決断の技術 小島寛之
160.不思議な数列フィボナッチ数列の秘密 イングマル・レーマン
161.今日も元気だ映画を見よう 芝山幹郎◎◎(私淑する映画評論家が書く近年の映画評)
162.映画は狂気の旅である 今村昌平◎(映画の出来はシナリオ六分、配役三分、演出一分で決まる)
163.アメーバ経営 稲盛和夫◎(小単位での事業採算をみることで構成員の士気をあげる)

164.人は自分が期待するほど  見城徹&藤田晋
165.仁義なき戦いをつくった男たち 山根貞男、米原尚志
166.続 映画を旅する 田沼雄一
167.ヒトラー演説 高田博行◎◎
(大衆にメッセージを伝えるには文字によってではなく、音声によって訴えかけるのが重要)

(7月末)25冊
168.錯覚の科学 クリストファー・チャブリス◎
(知的能力を長く保つ最良の方法は脳を直接鍛えるよりも体を鍛える方が効果がある)

169.喰らう読書術 荒俣宏
170.ノマドワーカーという生き方 立花岳志
171.期待の科学 クリス・バーディング
172.バブル獄中記 長田庄一
173.数学による思考のレッスン 栗田哲也◎◎(日頃から考えていない人にいきなりひらめきの訪れる至福の時間はまず来ない。)
174.書くことについて スティーヴン・キング◎

175.宮本常一が撮った昭和の情景1
176.京セラフィロソフィ 稲盛和夫
177.宮本常一のまなざし 佐野眞一
178.ウォール街の物理学者 ジェイムズ・オーウェン・ウェザーオール◎(数学者でなく物理学者ということに注目)
179.数学に感動する頭をつくる 栗田哲也◎
(覚えるという作業は、今まで自分が学習してきた事項と関連付け、構造化して覚えていかないと、すぐ忘れるし、使い物にならない。)

180.CIA諜報員が駆使するテクニックはビジネスに応用できる
181.反きれいごと学力論 栗田哲也、米谷達也◎◎(栗田先生ほど世の中の現象に対する鋭い目をもった人はいない)
182.東大教授がゼミで教えている人生で大切なこと 伊藤元重◎◎(私の頭脳は短距離型だ。瞬発力はあるが、持続性がない。喫茶店で短時間で集中的に作業する方が、書斎で思索するより向いている。)

183.街を変える小さな店 堀部篤史
184.新目標達成法 小宮一慶
185.決断力 羽生善治
186.勝負脳の鍛え方 林成行
187.反ポピュリズム論 渡辺恒雄
188.東大理Ⅲへの道 岩波邦明
189.カリスマ 上 佐野眞一◎◎(中内功の人生)
190.天才数学者はこう賭ける ウィリアム・パウンドストーン
191.クリエイティブ喧嘩術 大友啓史
192.カリスマ 下 佐野眞一
193.はじめてのGTO ストレスフリーの整理術 デビッド・アレン
194.ギャンブルに人生をかけた男たち M・コニック
195.中国共産党 支配者たちの秘密の世界 リチャード・マグレガー◎◎(中国共産党の怖さがよくわかる名著)
196.トレーディングシステム入門 トーマス・ストリズマン
(8月末)29冊
197.物理学者ウォール街を往く エマニュエル・ダーマン
198.竹中労 没後20年反骨のルポライター
199.ニューリッチの成功法則 高城幸司、原田曜平
200.チャイナ・ジャッジ 遠藤誉
201.トレーダーの生理学 ジョン・コーツ
202.人質の朗読会 小川洋子
203.ダメじゃこりゃ いかりや長介◎
204.悪韓論 室谷克実
205.なぜ女と経営者は占いが好きか 副島隆彦
206.ビジネスで大切なことはみんなレストランで教わった。 岡田博紀
207.ミステリーの書き方 日本推理作家協会◎
208.リスクにあなたは騙される ダン・ガードナー
209.オタクの息子に悩んでます  岡田斗司夫
210.小説家になる方法 清水義範
(9月末)14冊
211.ラーメン二郎に学ぶ経営学 牧田幸裕
212.就職力 齋藤孝
213.そそるマーケティング
214.リアルのゆくえ 大塚英志、東浩紀
215.経済学に何ができるか 猪木武徳
216.中島敦「山月記伝説」の真実 島内景二◎(中島敦の人生にこんな秘話があった。年末の日経連載もグッド)
217.ベストセラー小説の書き方 ディーン・R. クーンツ◎(何回も読んでいる本)
218.下流社会 三浦展
219.工学部ヒラノ教授と七人の天才 今野浩
220.構図がわかれば絵画がわかる 布施英利
221.創価学会と平和主義 佐藤優
222.英会話不要論 行方昭夫
223.自閉っ子のための友達入門
224.日本の地価が3分の1以下になる 三浦展▼(経済音痴というイメージをもつ)
225.三本線ノート術 橋本和彦
226.誰でもできる、いつでもできる、どこでもできる、身のたけ起業 井口晃
227.自閉症の本 佐々木正美
228.ハーバードビジネスレビューBEST10論文◎(よく1冊にまとめてくれた)
229.暴走族だった僕が大統領シェフになるまで 山本秀正
230.超部下マネジメント術 石田淳
231.突破者外伝 宮崎学◎(社会の裏をよく知る突破者)
232.工学部ヒラノ教授 今野浩
233.スル―されない技術 石田章洋◎(妙に納得する生き方論)
234.林修の仕事原論 林修
235.どんどん決めて、どんどん動け 吉越浩一郎
236.組織が大きく変わる「最高の報酬」 石田淳◎(わかりやすいんだよなあ。仕事に役立つ)
237.うほほシネクラブ 内田樹
(10月末)27冊
238.学力低下は錯覚である 神永正博
239.買い物難民を救え 村上稔
240.フリードリヒ・ハイエク ラニ―・エーべンシュタイン◎◎(社会主義崩壊をいち早く読みとっていたハイエクの人生)
241.脚本を書くための101の習慣 カール・イグレシアス◎

242.ケインズ100の名言 平井俊顕
243.映画を書くためにあなたがしなくてはならないこと シド・フィールド◎
244.「やりがいのある仕事」という幻想 森博嗣
245.村上式シンプル仕事術 村上憲郎
246.許永中 日本の闇を背負い続けた男 森功
247.偏差値29からの東大合格 杉山奈津子
248.影響力の武器 実践編 RBチャルディーニ他
249.100年の難問はなぜ解けたのか 春日真人
250.独裁者の教養 安田峰俊
251.エンディングノートのすすめ 本田桂子
252.ルポ電王戦 人間vsコンピューターの真実 松本博文
253.ツキの科学 マックス・ギュンター
254.映像の原則 富野由悠季◎
(11月末)17冊
255.金持ち父さんのサクセスストーリーズ ロバートキヨサキ
256.ノーベル賞経済学賞の40年 トーマス・カリア◎(現代経済学思想の歴史がよくわかる本)
257.経済学をめぐる巨匠たち 小室直樹
258.反転―闇社会の守護神と呼ばれて  田中森一◎◎(特捜検事からバブル弁護士となる人生:今年死んだ)
259.キャンプ論 あたらしいフィールドワーク 加藤文俊◎(街に出てフィールドワークをやる気になる)

260.映画技法完全レファレンス ジェレミー・ヴィンヤード
261.木村政彦はなぜ力道山を殺さなかったか 増田俊也◎(2回目、今回ディテイルいくつか発見。2段600pの大著)
262.33年後のなんとなく、クリスタル 田中康夫
263.フィールドワーク  佐藤郁哉
264.行け行けわがまち調査隊 岡田知弘
265.アウトラインから書く小説再入門 KMワイランド
266.正義の正体 佐藤優&田中森一
267.ゼロからの脚本術 10人の映画監督、脚本家のプロット編
268.実践フィールドワーク入門 佐藤郁哉
269.数字で世界を操る巨人たち スティーヴン・ベイカー
270.素晴らしい映画を書くためにあなたに必要なワークブック シド・フィールド◎◎(映画の構造がよくわかる本)
271.天才たちの日課 メイソン・カリー
272.仁義なき映画列伝 大高宏雄
273.あたりまえを疑う社会学 好井裕明
274.工学部ヒラノ名誉教授の告白 今野浩
275.格差社会のサバイバル術 三浦展
276.愛という言葉を口にできなかった二人のために 沢木耕太郎
277.ヤクザ1000人に会いました。 鈴木智彦
278.「昔はワルだった」と自慢するバカ 小谷野敦
(12月末)24冊

◎◎はかなり気にいる ◎も大好き 

今年はノンフィクションを中心に伝記を多く読んだ。ビジネス本少々、小説はあまり読んでいない。
物語は映像化したものが自分にはなじむ。
目標達成で2014年終了!
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映画「運命じゃない人」 内田けんじ

2014-12-31 09:43:32 | 映画(自分好みベスト100)
映画「運命じゃない人」は内田けんじ監督による2005年のドラマ
この映画は傑作だ。
今まで何で見なかったんだろう。出演者はいずれも映画でよく見かける顔だけど、メジャーな俳優は出ていない。ジャケットもパッとしない。なんか違うのかな?といった印象なのかもしれない。内田けんじ監督「鍵泥棒のメソッド」は面白かったけど、ストーリーを書くのが面倒くさくなってブログにアップしていない。「アフタースクール」は途中で見るのをやめた。だからなのか、今まで「運命じゃない人」見ていなかった。


映画を見始めた時も普通の恋愛モノなのか?としばらく映像を追っていた。ところが、途中でこの映画ものすごく手が込んでいることに気づく。
出演者それぞれにドラマがあり、たった一晩でそれがパズルを解くようにつながっていく。周辺にいる便利屋までがつながっていく。
時間軸をずらしながら、われわれ観客に迷彩をたくさん与える。本当はA→Bの話なのをそうはみせない。
見ていくごとに新事実がわかっていくその展開が実にお見事!!

婚約破棄となり、二人で住む家を出てきた桑田真紀(霧島れいか)。婚約指輪を質屋に持って行ったが3500円にしかならず、一人入ったレストランはカップル、家族、友達同士でにぎわっている。一人ぼっちで寂しさがこみ上げて今に泣きそうだ。そんな時前の席に座っている男から一緒に食事をしないかと誘われる。


サラリーマンの宮田 武(中村靖日)は、頼まれ事は断れず、すぐに人を信じてしまう典型的ないい人。結婚前提でマンションを購入した途端、行方知れずになってしまった前の彼女・あゆみが忘れられない。一人さみしくマンションに帰った時、親友から食事に来ないかと誘いがあった。行きたくないなあと思ったのに、別れたあゆみの話があると聞かされ、あわてて待ち合わせのレストランへ向かう。


そんな宮田の親友で私立探偵の神田(山中聡)は、宮田のことが歯がゆくて仕方がない。いつまでも前の彼女にことを引きずっていても仕方がないと、宮田のために女の子をナンパしてやる。それはレストランで一人で寂しそうに食事をしている真紀だった。


こうして3人が揃う。ちょっと席を外したはずの神田は気がつくとレストランから姿を消していない。宮田と真紀の2人になった。
泊まる家もない真紀に、宮田は自分の家に泊まるようすすめ、二人は宮田のマンションに帰っていく。そこに行方知れずだったあゆみ(板谷由夏)が突如現われる。忘れ物を取りに来たのだというのだ。元婚約者が来たことで、真紀はあわてて宮田の家をでていってしまう。宮田は追いかけるが、真紀はきっと元恋人がよりを戻しに来ただけじゃないかとその場を立ち去ろうとする。それでも、勇気を振り絞り真紀の電話番号を聞くことに成功する。

ここまでは普通のよくあるラブストーリーの一幕でどうってことない。
しかし、それだけではなかった。ここでいったん時間軸をずらす。
神田とあゆみが神田の探偵事務所で会っていたのだ。
あゆみが自分を外国へ逃がしてくれと頼む。神田は、親友がつきあっていた女に怪しいところがあるのでは?ときっちりあゆみを調べあげていた。ヤクザの浅井とつき合っているというばかりでなく、何人かの男を騙していたこともわかっていた。でもヤクザに絡むのが嫌で黙っていた。
浅井のところから持ち逃げしてきた金を目の前に出したあゆみの依頼を神田はどう受けるのか??。。。


この時間軸のずらし方も、後になってみると絶妙と感じる。
単純なずらし方とは違う。重層な物語になっていてきちっとした着地点があるのだ。
構造が固まって、いかに観客をだますのかをじっくり練って見せ方を決めている。

このあとも宮田、真紀の物語の裏で神田、あゆみそれぞれのドラマがあり、そこにあゆみの恋人浅井が絡んでくる。
時間軸のずらしを利用させながら、何度もだまされる。
見終わってこの練られた脚本の見事さに感嘆した。
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2014年見た映画

2014-12-30 10:44:17 | 映画 ベスト
1.25年目の弦楽四重奏◎(雪のニューヨークを舞台に上質な音楽をバックにした中年の恋物語)
2.ナタリー オドレイ・トトゥ
3.箱入り息子の恋
4.奇跡のリンゴ
5.はじめてのみち◎(木下恵介の「陸軍」の迫力に驚く)
6.パーフェクト・プラン
7.バービー
8.バグジー
9.ボックス
10.ゼロ・グラビティ◎(サンドラブロックの身軽さと宇宙空間の描写に感激)
11.存在の耐えられない軽さ◎◎(チェコ政変をからめた編集の巧みさとレナオリンの怪演)

12.陸軍 木下恵介
13.ロストハイウェイ デイヴィッド・リンチ◎(リンチワールドで現実逃避)
14.トゥ・ザ・ワンダー ベンアフレック◎(エマニュエル・ルベツキ撮影の映像美に感嘆)

15.クロニクル
16.殺人の告白 
17. ハンナ・アーレント
18.孤独な天使たち▼
19.悪いやつら
20.ほとりの朔子 二階堂ふみ
21.安城家の舞踏会
22.ある殺し屋 市川雷蔵
23.博徒打ち 総長賭博 鶴田浩二◎(任侠映画の最高峰。鶴田浩二の義理人情こもったセリフが渋い)
24.ツイン・ピークス
25.女経
26.暖簾 森繁久弥◎(山崎豊子の処女作の映画化、森繁と山田五十鈴がクセの強い好演)
27.セディック・パレ 太陽旗
28.セディック・パレ
29.競輪上人行状記 小沢正一
30.王将 
31.武蔵野夫人 田中絹代
32.ニューヨーク恋人たちの2日▼
33.斬る
34.江の島プリズム▼(つまらない)
35.偽りの人生 
36.暗黒街大通り
37.乾いた花
38.日本の男の中の男
39.ディープブルー
40.小さいおうち◎(山田洋次には珍しくミステリーの要素が入る小さな不倫物語)
41.ウルフオブウォールストリート
42.衝動殺人 息子よ▼(間抜けなサスペンス)
43.ラッシュ◎◎(レースシーンの豪快さだけでなく、2人の対決のメンタルな部分に巧みに入り込むロンハワードの手腕に感動
44.ハートボール
45.兄貴の恋人
46.ダラス・バイヤーズクラブ
47.ザ・チャンプ
48.バーニーズ・バージョン
49.ジンジャーの朝
50.シャニダールの花▼(よくわけがわからん)
51.少年H
52.最後のマイウェイ
53.それでも夜は明ける
54.大捜査の女▼
55.ウォールストリートダウン
56.LIFE!◎(アイスランドなど諸国の映像美を楽しむ)
57.ウォルトディズニーの約束◎(父娘の愛情に涙くむ)

58.地獄でなぜ悪い
59.2GUNZ
60.共喰い
61.メリーポピンズ
62.白ゆき姫殺人事件
63.私が愛した大統領
64.ウォールボディーズ▼
65.人生劇場 飛車角
66.オンザロード
67.ムード・インディゴ
68.31年目の夫婦げんか
69.黒い画集 あるサラリーマンの証言
70.タンゴリフレ▼
71.サイドエフェクト
72.けものみち◎(池内淳子の艶めかしいよろめき姿にびっくり)
73.あの頃君を追いかけた▼
74.コンティキ
75.にっぽん泥棒物語
76.謎解きはディナーの後で
77.黒い画集 寒流
78.ぼんち
79.ボルサリーノ
80.東京オリンピック◎(依田郁子の逆立ちインターバルと円谷の国立競技場での激走)
81.黒い画集 ある遭難◎(山岳登山での葛藤)

82.凶悪
83.42 世界を変えた男◎(黒人最初の大リーガーを描いた上質な伝記映画)
84.レインマン○
85.母なる復讐
86.本日休診
87.処刑の部屋
88.コールドウォー 香港警察
89.刺青一代
90.プレイズビヨンドザパインズ
91.暗黒街の対決▼(退屈)
92.あした来る人
93.ヒステリア
94.現金に手を出すな◎(無駄のない簡潔さをもつジャンギャバン主演のフレンチサスペンス)
95.許されざる者
96.愛の渇き
97.浮き雲◎(失職した夫婦が彷徨う姿をえがくアキ・カウリマスキの人情もの)
98.愛のタチアナ
99.大統領の料理人◎(視覚で楽しまさせてくれるフレンチ料理人物語)
100.危険なプロット
101.いつでも夢を
102.ピアノレッスン◎(ホリーハンターのエロぶりとラストのどんでん返しにビックリ)
103.陸軍中野学校 開戦前夜
104.カイロタイム 異邦人
105.黒いスーツを着た男
106.セイフヘイヴン
107.プリズナーズ◎(上質のサスペンス)
108.二郎は鮨の夢を見る
109.ブルージャスミン
110.バレット・オブ・ラブ
111.レニングラード・カウボーイズ・ゴーアメリカ
112.恋のベビーカー作戦
113.オンリーゴッド
114.ワールド・エンド
115.父の秘密
116.謝罪の王様
117.アウトロー
118.お嬢さん乾杯
119.ザ・アイスマン
120.青天の霹靂
121.四十九日のレシピ◎(女流監督によるほのぼのとしたムードが心地良い)
122.キル・ユア・ダーリン
123.白昼の死角
124.疑惑
125.男と女
126.インサイド・ルーイン・デイヴィス
127.そこのみにて輝く◎◎(今年の日本映画ダントツ№1、菅田と池脇の好演)
128.マラヴィータ
129.トリック▼
130.ポリスストーリー レジェンド
131.ルノワール 陽だまりの裸婦
132.グランド・ブタペスト・ホテル
133.オンリーラバーズレフトアライブ
134.春を背負って
135.私の男◎(冬の北海道での浅野忠信と二階堂ふみの近親相姦的愛情)
136.神聖かまってちゃん ロックンロールは鳴りやまない▼
137.指輪をはめたい▼
138.ガマの油▼(二階堂ふみの昔の映画3作見たけど、どれもひでえ映画だった)
139.新しき土
140.裸のいとこ
141.伊豆の踊子
142.名探偵ゴッドアイ
143.利休にたずねよ
144.渇き
145.ザ・イースト
(以上6月末まで)
146.悪の法則
147.ダイアナ
148.her世界で一つの彼女
149.拳銃の報酬
150.ATARU
151.こわれゆく女
152.パッション◎◎(ブライアンパルマ監督は人を驚かせて楽しんでいる)
153.インフォーマーズ
154.ペコロスの母に会いに行く◎(親子の気持の通じ合いと母親の昔のドラマに涙する)
155.恋人たちの食卓◎(オスカー2度受賞のアン・リー監督による究極の中華グルメ映画)

156.もらとりあむタマ子
157.闇金USA▼
158.危険な関係
159.潔く柔かく きよくやわく
160.アメリカンハッスル◎(ジェニファーローレンスのパフォーマンスがド迫力!音楽の選曲も抜群)
161.スノーピアサー
162.ソウルガールズ
163.人類資金▼(つまらん)
164.るろうに剣心 京都大火編◎(佐藤健の剣さばきがカッコいい。藤原竜也も復讐に燃える)
165.野獣死すべし
166.人情紙風船
167.甘い鞭
168.上京ものがたり
169.日本列島
170.ブリングリング
171.ママはレスリングクイーン◎(女子プロレス映画は楽しいね)
172.ドラッグウォー
173.ネブラスカ
174.眠れる美女
175.網走番外地
176.アナと雪の女王
177.もうひとりの息子◎(2000年以上憎しみ合うユダヤとパレスチナで子供の取り違えが起きる)
178.僕は友達が少ない。▼
179.男はつらいよ寅次郎と殿様
180.新しき世界◎◎(韓国クライムサスペンスのレベルの高さを示す、韓国黒社会の跡目争いを描く傑作)
181.アイム・ソー・エキサイテッド▼(ペドロ・アルモドバル監督作品でこんなにがっかりした作品はない)

182.赤×ピンク
183.デンジャラス・ビューティ
184.永遠のゼロ
185.ルーシー
186.ドンジョン▼(スカーレットヨハンソンだけではもたない)
187.スパイラル
188.るろうに剣心 伝説の最期編◎(佐藤健と藤原竜也の船上での対決)
189.17歳
190.昔アナトリアで
191.マリアの乳房
192.はじまりは5つ星から
193.MUD◎(ストーリーのまとまりがよく、マシューマコノヒ―が「ダラスバイヤーズ」よりいい演技見せる)
194.オカンの嫁入り
195.エージェントライアン
196.テロライブ
197.悪魔は誰だ
198.舞妓はレディ◎(京都を舞台にした楽しすぎる和風エンターテインメント)
199.リーガルマインド
200.サイレントウォー
201.鑑定士と顔のない依頼人
202.ファイ・悪魔に育てられた少年
203.ジャージーボーイズ◎◎(「君の瞳に恋している」誕生秘話に感動。イーストウッドは永遠に。)
204.恋する惑星◎(良き時代の返還前香港の恋人たち)

205.ヴァイブレータ
206.私のセックスをバカにするな▼(何でこんなにダラダラした映画なの?)
207.メイジーの瞳
208.とらわれて夏
209.バチカンで逢いましょう
210.アイアム・ニューマン
211.レッドファミリー◎(北朝鮮の工作員が隣に住んだらどうなる?キムギドクが描く北朝鮮の悲劇)
212.ニンフォマニアック№1
213.女番長ブルース 牝蜂の逆襲
214.ある殺し屋の鍵
215.二つの世界の男
216.喜劇 団体列車
217.メカニック
218.戦場のメリークリスマス
219.男はつらいよ 私の寅さん
220.誰からも狙われた男◎(ハンブルグの美しい風景を舞台にした上質なサスペンス)
221.人生劇場
222.ブラックサンデー
223.幸せを呼ぶミナの文房具屋
224.マチェーテ・キルズ
225.レイルウェイ運命の物語
226.隣人
227.マダムインニューヨーク
228.グロリアの青春
229.泣いたらあかんで通天閣
230.エヴァの告白
231.6才のボクが大人になるまで◎(粋なセリフの連発に感動、12年間よくやったなあ)
232.紙の月
233.昭和残侠伝 唐獅子牡丹
234.ションヤンの酒家
235.昭和残侠伝 死んでもらいます
236.インターステラー◎◎(壮大な宇宙ネタをもとに重層構造の脚本、抜群の編集力にしびれまくる。)
237.宮本武蔵 巌流島の決斗
238.太陽の墓場
239.男はつらいよ 真実一路▼(寅さん映画では今イチの部類)
240.遠雷◎(栃木の農家後継ぎのオープンな恋物語。ジョニー大倉追悼)
241.ブルークラッシュ◎(サーファー映画の最高峰、パイプラインの波乗りがしびれる)

242.刑事物語
243.バーティカルポイント
244.ある過去の行方
245.天才スピヴェット
246.メビウス
247.ゴーンガール◎◎(単なる失踪ものが悪女映画に)
248.旅の重さ
249.エネミーライン
250.総長の首
251.テルマエ・ロマエⅡ
252.超高速参勤交代
253.ワンチャンス
254.ぼくたちの家族
255.日本春歌考
256.亀は意外に速く泳ぐ◎(ギャグの連発で映画を構成するカルト映画)
257.運命じゃない人◎◎(練りに練られた脚本を時間軸をずらしながら見せる。お見事)

258.美しい絵の崩壊

映画は銀幕でなければという「映画館原理主義者」がいる。バカだと思う。
そんな哀しいくらいの偏屈な人間ではないで、DVDも旧作も何でも見ます。
新作だけ映画館で見ていたら、その順位を付けるんだけど、そうではないので気にいった度合いで判断しています。

◎◎かなり好き ◎気にいる ▼ ちょっと。。。

新作およびほぼ新作で◎◎をつけたのが7本だ
インターステラー
ゴーンガール
ジャージーボーイズ
新しき世界
パッション
そこのみにて輝く
ラッシュ


今年は年間250本の目標を達成して、昨年の216本を上回った。来年はどうだろう。
2009年 254本、2010年 222本、2011年 210本、2012年 191本、2013年 216本
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映画「亀は意外と速く泳ぐ」 上野樹里

2014-12-30 07:49:12 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「亀は意外と速く泳ぐ」は2005年の上野樹里主演のコメディ映画だ。


上野樹里は昨年の陽だまりの彼女でより一層好きになった。そんな彼女が名作「スウィングガール」のあと主演したオタッキーな作品があるという。公開当時まだ19歳だった上野樹里が、なんと「平凡な主婦がスパイになる」という映画に出演するのだ。興味深いので見たけど、かなりおもしろい。放送作家出身の三木聡監督がこれでもかというくらいギャグを連発する。確かにこれはいわゆるカルト映画といわれるはずだ。

片倉スズメ(上野樹里)は平凡な主婦である。夫は海外赴任中で、電話をくれても話すのはペットの亀の心配ばかりである。
毎日は恐ろしく単調に過ぎていく。


久しぶりに待ち合わせをした幼なじみのクジャク(蒼井優)には、2時間も待たされてしまう始末。同じ日同じ病院で生まれたクジャクには借りがある。そんなスズメは、地元名物の百段階段に貼られた小さな広告を目にしていた。
「スパイ募集!」何じゃこれ??
思わずその番号に電話をかけてしまう。三日後、彼女は指定された安アパートに向かう。そこには、クギタニシズオ(岩松了)とエツコ(ふせえり)夫妻がいた。彼らは自分たちがある国のスパイだと言い、スパイ希望ならと活動資金として、いきなり500万円を渡される。そしてスズメのような典型的な平凡人こそが、スパイ向きだというのだ。スズメはスパイになることにする。これまで通り平凡な生活をすることがスパイ活動なのだ。2人によれば本国からは「もう12年間連絡ない」なのだそうだ。

クギタニ夫妻から変わったスパイ特訓を受けることになった。ファミレスで店員の記憶に残らないようなメニューの注文をしたり、スーパーで高すぎず安すぎない3千円の平凡な買い物を実践してみたりする。商店街のくじ引きをクジャクの代わりに引くことになった。引こうとしてこれにあたったら平凡でなくなると一瞬あせったが、参加賞のティッシュで大喜び。でもクジャクは地引網漁体験を当ててしまい、一緒に出かけることになった。その網に死体が引っかかる。どうもそれは他国のスパイの可能性があると、公安の刑事(伊武雅刀)が町中を調べるように命じる。同時にクギタニ夫妻の動きもあわただしくなるが。。。

1.奇妙なレトロ感がある映画
それはロケ地になった場所の商店街がいかにも昭和の匂いを残しているからであろう。豆腐屋、もなか屋、昔ながらの洋品店、パーマ屋、さびれたラーメン屋どれもこれも平成の店構えではない。スズメは「永久パーマ」という古ぼけたパーマ屋で、アイドルのダンスをする変なおじさんにアフロヘアのパーマをかけられる。名前も変だけど、演じる人間も変だ。そのあたりからこの映画奇妙と感じまくる。


自分の実家のそばには東京でも有名な大きな商店街が2つある。いずれもチェーン店のファーストフード、銀行のキャッシュディスぺ―サー、ワタミや庄屋などの飲み屋チェーン、100円ショップ、こぎれいな美容院などに近年占拠されている。残っているのは刺身が売りの魚屋、一部の老舗和菓子屋くらいじゃなかろうか?この映画の風景とはまったく違う商店街になってしまった。

いったいこのレトロ商店街はどこだ!?思わずネットで調べると、三崎町だ。え!神奈川?
海も近いし、高低差が割とあって急勾配の階段もある。これほどロケ地に適した場所はないだろう。


2.ギャクの固まり
1分程度のギャグを次から次へと爆裂させる。長回しはほとんどない。そしてそれを連続させる。おもしろい芸もあればそうでないのもある。そのギャグは単なるしゃべりでなく、水でしけた最中や水に一晩ひたしたかりんとなどを映して、映像でしっかりわかるようにする。自分にはコーエン兄弟「赤ちゃん泥棒」のような切れ味を感じた。初恋の加東先輩(要潤)のヅラ場面もおかしい。↓



この映画のキーワードは「平凡」である。
スパイというのは平凡に生活するものだということで、主人公が黒いサングラスを「スパイぽい」と思って買ったら、目立つと指導する2人に怒られたりする。主人公は「そこそこ」の味がするラーメン屋が好きだ。いつもそこで食べる。実はそこの店主(松重豊)もスパイなのだ。彼によれば、おいしくするのは簡単だという。でも店が流行ってしまったら目立ってしまう。だから「そこそこ」のものをつくる。なるほど!
こういう生き方ってあるかもしれない。

この映画では俳優がいきいきと楽しんでいる印象がある。
上野樹里がかわいい。撮影した時はまだ18歳だったんじゃなかろうか?彼女が演じる主婦は平凡という設定だが、このかわいさは非凡だ。


蒼井優の個性もきわだつ。
ここでは奇怪な動きをする。地でいっている感じが好感持てる。


他にも岩松了などの脇役の活躍が映画をいい感じに仕上げている。
三木聡監督の映画づくりの極みがよく出たいい映画だとい思う。
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映画「ぼくたちの家族」 妻夫木聡&池松壮亮

2014-12-29 16:44:53 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「ぼくたちの家族」は石井裕也監督による2014年の作品


昨年2013年「舟を編む」では賞を軒並み受賞した石井裕也監督のことを「川の底からこんにちは」からずっと注目している。普通だったら映画館に向かうが、なんか暗そうな雰囲気が漂いDVDスル―にした。母親が急に物忘れが激しくなり、病院の診断ではあと一週間の余命だという。病気の発覚を機に、家族が必死にもがく姿を描くヒューマンドラマである。
長まわしの多い演出はこれまでと同じであるが、今回の場合登場人物に感情流入できない。むしろみんな嫌いな奴ばかりといった印象で、自分には好きな作品ではなかった。しかも石井裕也監督のこれまでの作品のようには元気をもらえなかった。

若菜家の妻・玲子(原田美枝子)は長男の浩介(妻夫木聡)に初孫ができるということで喜んでいた。ところが、夫(長塚京三)と一緒に妻の両親とあった懐妊祝いの会食で長男の嫁の名前を間違えたり、突飛なことを話しはじめた。あわてて父と息子は妻を病院に連れて行く。CT検査の結果、脳に腫瘍が見つかった。医者から余命1週間を宣告され、すぐに入院、家族は唖然とする。


大学生の次男・俊平(池松壮亮)も駆けつける。夫と長男ほど動揺してはいなかった。その一方で玲子の病状は進んでいた。相手が誰だかわからなくなるのだ。治療費の捻出をどうしようかとしていると、妻に消費者金融からの多額の借金があることが分かる。しかも、自宅の住宅ローンはまだたくさん残っていて、脱サラして会社を起こした父親は会社でも多額の借金をしていた。家庭内の問題が次から次へと発覚して、若菜家は問題を数多く抱えていたことが判明する。しかも、病人の扱いが面倒だと入院した病院の医師が退院させて、自宅療養を勧める。2人の息子浩介と俊平は何とか他の病院で預かってもらおうと動き始めるが。。。引き取り手は探すのは困難であった。


自分も母親の病状が悪いのが突然判明するという経験をしている。それなので、こういう映画を見ると、共感を覚えてジーンとすることが多かった。でも違うんだなあこの映画は。。

1.恒常所得仮説(ミルトン・フリードマン)
以前はよかったが、今は家計が火の車というのを説明するには、ミルトンフリードマンの恒常所得仮説が適している。
典型的な貧困家庭はその日暮らしで貯蓄がない。でも貯蓄の少ない理由は収入の違いだけではない。貧困家庭にもかつて裕福だった時期がある。高い「恒常所得」に慣れているので、以前よりも低い金額を「変動所得」として受け取っていても、かつての消費行動が染みついているので貯蓄に回せない。それなので貯蓄率が低いというのだ。実感としてよくわかる。
若菜家も同様だ。父親は自分が営む会社が軌道にのっているという状況でもないのに、車を買い換えようとしている。妻は昔と同じように友人たちと遊び歩いている。しかも、次男の金の無尽にもなけなしの金を払って妻の借金は増える一方だった。。

6500万円も借りていたら、毎月の金利負担だけでバカにならないだろう。しかも、1200万円は長男が保証人になっているという。自己破産したら、息子に責任がまわってくるし、ローンで家も買えなくなる。おいおい今まで何やっていたの?会社なんか成り立つの?数人いる従業員の給料払えるの?突っ込みたくなる設定だ。

2.登場人物を嫌う理由
母親の病気を自分の妻にも最初か正直にら話さない長男のしぐさは見ていてイヤな感じだ。夫婦2人なのに、母親の看病で家に帰ってこない。それだったら、母親の病状を妻に言うのが普通だろう。しかも、会社の上司にも仕事が中途半端になっているのにきっちり話さない。変な奴だ。その妻も義母を見舞いに行こうともしない。変な夫婦だ。いずれも途中で変化があるけど、見ていて不愉快な感じだ。


オヤジも変だ。この家計ちゃんと成り立っているの?次から次へと毎月のショート分を借り入れに次ぐ借り入れでやっているんじゃないの?妻の入院費払えるかどうかわからないのに、夫は車のカタログを見て買い換えようとしている。ダメ人間の固まりだ。

それでも、途中から運が上向く。
病院を出されそうになり、別の病院を探す。いくつかまわる中で、自分のところでは引きとれないが別の病院にという話が出てくる。
病院を6か所まわっている次男の動きを見て、鶴見辰吾演じる医者が同情して助け船を出すのだ。


その後は極度に良くなったわけではないが、少しづつ上向いていく。
住んでいる街を俯瞰するように見渡せる場所で、妻夫木聡と池松壮亮が何とかしようと話し合うシーンはいい感じだった。
石井裕也らしいシーンかもしれない。
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映画「テルマエ・ロマエⅡ」 阿部寛

2014-12-29 07:52:24 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「テルマエ・ロマエⅡ」は好評だった1作目を受けて製作された2014年のコメディ映画だ。


1作目は映画館で見て、このありえない設定と阿部寛のパフォーマンスに笑ってしまった。2作目は「二匹目のドジョウ」かな?と思い、DVDスル―。2作目なのに、本年度興行収入は邦画で第4位、1作目の59億には及ばないものの、44億も稼いだという。大したものだ。
1作目で使っていないお風呂ネタにプラスして、相撲取りを登場させたり、忘れかけていた昔の有名人が脇役として登場するなど観客を楽しませようとする努力は買う。


タイムスリップした先である現代日本の風呂文化から着想を得て斬新な浴場建設をした古代ローマ浴場技師ルシウス(阿部寛)に、コロッセオで決闘するグラディエーター用の浴場を作るよう命令がくだる。頭を悩ませたルシウスは再び現代日本へタイムスリップしてしまう。
銭湯で気がつくと、大勢の相撲取りたちがいた。平たい族だが、やけに太っている。マッサージチェア、ツボ刺激の足ふみくん、バスクリンなどにえらく驚き、力士たちに笑われる。草津温泉では風呂専門雑誌のライターになった真実(上戸彩)と再会する。


一方ローマ帝国では、占領した国々との和平路線を進める皇帝ハドリアヌス(市村正親)とグラディエーターたちの戦いを通して市民の好戦意欲を高めようと企んでいた強硬派の元老院が反発しあう状況にあった。ルシウスの存在が邪魔になり、さらなる陰謀をめぐらせる。

日本に再度ルシウスが戻った早々から風呂ネタギャグが連発する。相撲取りの真ん中で阿部寛が驚くその顔がおかしい。テンポがいい展開だ。加えて温泉でのストリップやラーメンネタそしてウォータースライダーに、のたうちまわるところもいい。どうやって観客の笑いをとろうかとじっくり練っている様子がうかがえる。


コロッセオではグラディエーターたちが本気の決闘を繰り広げている。強い闘士の1人に横綱曙演じるアケボニウスや琴欧州演じるコトオウシュウヌスなんていうのがいる。この戦いもすごいよね。そのために相撲取りがくつろいでいる銭湯にタイムスリップするなんて発想がいい。

1.ハドリアヌスとローマ皇帝
我々は世界史で「五賢帝」というのを習った。ネルヴァ、トラヤヌス、ハドリアヌス、アントニヌス-ピウス、マルクス-アウレリウス-アントニヌスの5人だ。トラヤヌス時代に領土が最大になったと習った。ここではハドリアヌスが占領した土地を地元民にもどそうとしていると映画の中で解説する。

この映画のいいところは、ニセの名前でなく史実の名前で皇帝を登場させるところだ。後継ぎは北村一輝演じるケイオニウスであるが、彼が結核にかかるということになる。それを現代の日本からタイムスリップした上戸彩演じる真実がケイオニウスが風呂に入るとみんなが結核になると阻止しようとして、捕まってしまいそうになる。歴史を後年から見ると、こんなこともできる。


映画を見ている間はわからず、調べてみたが宍戸開演じるアントニヌスってアントニヌス-ピウスのことなのかなあ?今から30年以上前にマルクス-アウレリウス-アントニヌス名前を全部覚えるのに難儀したのでむしろそっちの方かと思ってしまった。でもアントニヌス-ピウスハドリアヌスの後継者に指名され、その後でケイオニウスマルクス-アウレリウス-アントニヌスが共同帝ということで同時に皇帝になっているようだ。この映画でもその設定になっているが、ケイオニウスは相当な放蕩ものだったみたいだ。世界史の時間では彼の名前は習わない。

2.昭和の有名人を絶妙に脇役起用
白木みのるには驚いた。自分はテレビの「てなもんや三度笠」をリアルタイムでみた最後の世代だと思う。藤田まこととのデコボココンビが絶妙だった。何がおかしかったのか記憶に残っていないが、「あたり前田のクラッカー」だけは頭にこびりついている。そんな白木がラーメン屋の店主として登場する。阿部寛扮するルシウスにラーメンや餃子をだすと、ルシウスは怪訝そうな顔をするが、食べてみるとおいしいので一気にガツガツ食べて、ローマに持って帰ろうと餃子を1個持ち帰ろうとする場面がおかしい。


温泉のマッサージ場に、浪越徳治郎の銅像がかかっている。すると本人が出てくる。元気そうだった浪越徳治郎がおじいちゃんになっていたのかとマジに思った。あのじいさんまだ生きていたのかと思ったら、錯覚だった。ネットをみたらもう死んでいる。そうだよな。でもここに出てきたじいさんは、浪越が生きていればああなったのかな?と。。。お風呂ネタなので、自分より年長の人たちがこの映画を見に行ったのかもしれない。きっと自分と同じように浪越がまだ存命と思ったに違いない。「指圧の心は母ごころ」と念仏のように唱えた浪越徳次郎のパフォーマンスは昭和のお人でなければわかるまい。


あと松島とも子も出てきて、猛獣とたわむれるシーンがある。昭和の匂いをプンプンさせて、観客の老人たちへのサービス精神も旺盛だ。

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映画「超高速 参勤交代」 佐々木蔵之介

2014-12-28 21:05:55 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「超高速 参勤交代」は今年2014年公開のコメディ映画


福島磐城の小さな藩が、幕府老中の陰謀で5日で江戸に向けて参勤交代せよという難題を与えられ、それをこなしていくという話だ。奇想天外な発想がおもしろく、飽きずに映画を見れた。主人公佐々木蔵之介の好演が目立つだけでなく、悪役を演じた陣内孝則がうまさが光る。深田恭子がかわいすぎる。

享保20年(1735年)春、磐城国の湯長谷藩の藩士たちは江戸より参勤交代を終えて戻ったばかりであった。そこへ徳川八代将軍吉宗(市川猿之助)の治める江戸幕府から、通常8日かかる道のりにも関わらず突然5日以内に参勤交代をするよう命じられる。湯長谷の金山を手中に入れようとする老中・松平信祝(陣内孝則)の策略によるものだった。


わずか1万5千石の小藩にとって、あまりにも短い日程を強いられたこの参勤交代は到底できようもないものだった。それでも、藩主・内藤政醇(佐々木蔵之介)は家老の相馬兼嗣(西村雅彦)に対策を講じさせる。そして、藩の少人数のみで山中を近道して駆け抜けていき、道中の人が見ている宿場町では、大人数に見せかけるという作戦を立てる。さらに忍びの戸隠流の抜け忍・雲隠段蔵(伊原剛志)が道案内役をかって出て、山の中を進む。しかし、幕府の老中らはこの参勤交代を阻もうと忍びの者を派遣するのであるが。。。


藩主も家来たちも田舎侍でのんびりしたものである。そこへ突然の命令が下る。どう考えても無理な話なのに、知恵を振りしぼって江戸へ向かう。
参勤交代は、チンタラ歩きながら進むというのがよく時代劇で見る光景だが、ここは殿様をはじめとして長距離走のように走っていくのだ。


登場人物は内藤政醇や老中・松平信祝をはじめとして実在の人物である。この話のモデルのような実話があったかどうかは知らないが、フィクションであってもひたすら面白い。

この物語の葛藤を引き起こしているのが、陣内孝則演じる幕府老中の松平信祝だ。金山があるのにそれを申告せずに隠しているとみなす。あわよくば藩をつぶして金の利権をゲットしようとするのである。5日で来いというのも酷だが、そればかりでなく忍びの達人を送り込んで途中で始末しようとする。それに対して山を越えて向かおうと作戦をたて、しかも少ない人数をカバーするために現地で人を雇って大行列に見せかけようとする。西村雅彦のご家老ぶりにはひたすら笑ってしまう。コメディだとすごく光るねえ。
藩主はお尋ね者のようになり、命を狙われる。そこに深田恭子演じる酌婦が絡んでくる。


こういう男くさい物語に色を添えているのが深田恭子だ。
牛久の宿で酌婦のような女を演じている。これがいい。彼女も色っぽいなあ。しかし、最後のオチがいい。
元々同じ町民でも位の低いでであった彼女が側室になってしまうのだ。昔の殿様はいいねえ。
イスラムじゃないけど、一夫多妻制のようなものだもんね。



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映画「ゲットスマート」 アン・ハサウェイ

2014-12-27 05:39:47 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「ゲットスマート」はコメディ俳優スティーヴ・カレルと美人女優アン・ハサウェイによるアクションコメディ映画だ。なんと8000万$もかけたコメディというのも凄い。公開が2008年いかにもリーマンショック前の金余り映画ともいえるが面白い。


極秘諜報機関「コントロール」で情報分析官を務めているスマート(スティーヴ・カレル)が主人公だ。ある日、本部が犯罪組織「カオス」に襲われ、すべてのエージェントの身元が知られてしまう。そこで顔が知られていないスマートはエージェントになる。全身整形した美人エージェント99(アンハサウェイ)と組んで、カオスの陰謀を暴く使命を受ける。張り切るスマートだが、失敗の連続だ。それでも相手の組織の謎を解くカギをみつけるが。。。


その昔のテレビシリーズ「それいけスマート」はイントロが印象的だ。でも内容は少ししか覚えていないが、当時見た電話ボックスのシーンに記憶がだぶるデジャブ感がある。

今回は2人の主役を見せるためのものだ。
特に「40歳の童貞男」ことスティーヴ・カレルのコメディアンぶりが生かされる。美女アンハサウェイもこういったエージェントが似合う。「ダークナイトライジング」で見せた超かっこいいキャットウーマンの前哨戦だ。現代的なセンスあふれるコメディに仕上げてある。

スティーブカレルのおデブちゃんとのダンスシーンやその昔相撲の大内山に似た怖い男とのギャグまがいの関わりあいなど腹を抱えて笑えるシーンが続き、ラストに向かっては007やミッションインポッシブルにほんのちょっとだけひけを取るくらいの凄いアクションシーンもある。スティーブカレルだけでなく、アンハサウェイも大立ち回りだ。


気楽に楽しめると同時にスティーブカレルの巧みなコメディアンぶりに感心する。「ラ・ミゼラブル」の宣伝で来日したアンハサウェイは緩急自在に幅広い配役をこなし、完全にハリウッドのメジャーな存在になったなあ!
もちろん今もきれいだけど、女性としての絶頂はこの映画あたりかもしれない。


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映画「ブルークラッシュ」 ケイト・ボスワース

2014-12-24 06:13:06 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
映画「ブルークラッシュ」はハワイを舞台にした2002年のサーファー映画だ。
女性の天才サーファーが子供のころからあこがれていたサーフィン大会に出場しようとする姿を、恋物語とあわせて描いていく。


取引先にサーファーがいて、彼と飲みながらサーファー映画談議になった時にこの「ブルークラッシュ」の話が出た。自分は「ビッグウェンズデイ」は不滅の傑作だと思っている。脚本家として名高いジョン・ミリアスはサーファーで、彼によるストーリーも味があるが、大波にのりまくるサーファーの映像が実に素晴らしい。それが好きなら一度見てみたらという話でこのDVDを手に取った。ジャケットは何度も見たことがある。健康そのものの明るそうなサーファー女性がニッコリ笑っているものだ。でも見る気になれなかった。

しかし、見てみてビックリとはこのこと。絶好の巻き波をとらえて水中から映す映像は本当に素晴らしい!


ハワイのオアフ島ノースショアが舞台だ。
プロ・サーファー志望のアン・マリー(ケイト・ボスワース)は、親友のエデン(ミシェル・ロドリゲス)とレナ(サノー・レイク)、妹のペニー(ミカ・ブーレム)の4人で、サーフィン漬けの毎日を送っている。小さな頃から天才サーファーと呼ばれたアンは、サーフィン大会、「パイプ・ライン・マスターズ」で優勝するという夢があった。ノースショアは、パイプラインと呼ばれる大きな巻き波で有名だ。
しかし大波に巻かれて海底のサンゴに打ち付けられおぼれかけたサーフィン中の事故がきっかけで、アンは恐怖心が残っていた。。


それでも大会出場を決意するアンだが、バイト先のホテルで出会ったプロ・フットボールのスター選手マット(マシュー・デイヴィス)と恋におちる。アンは彼に夢中になっていき、サーフィンを忘れかける。そんな彼女に対し、親友二人はもう一度夢を思い出させようとする。自分の本分に目覚めたアンは、大会に出場することにしたが。。。

正直ストーリーはどうってことない。
ケイト・ボスワース、ミシェル・ロドリゲスという2人の若手女優を起用している。2人は現在ではメジャーになってしまったが、当時無名だった。その2人を中心に海の上で繰り広げられる映像が凄すぎる。


パイプラインにのまれないようにサーファーがダイナミックに波にのるシーンはスピード感にあふれ、見ている方が思わず手に汗握るという感じになる。しかもこの10M程度はあろうという大波は日本では台風の時くらいにしか来ないだろう。それだけではない。波にのまれて海の中でもがくシーン、海中でサンゴに足をからまれてしまうシーンなど海の中の映像もよく撮れたなあと感心してしまう。

これ以上語るよりも映像をみたほうがいい↓


 
まさにこの撮影はプロの仕事、恐れ入りました。
見ているだけで元気が出てくるなあ!
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映画「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」 高倉健&三田佳子

2014-12-23 21:25:23 | 映画(日本 昭和35年~49年)
映画「昭和残侠伝 唐獅子牡丹」は1966年(昭和41年)の高倉健主演作品だ。
高倉健の持ち歌でよくスナックで歌われるのは、「網走番外地」とこの主題歌「唐獅子牡丹」だろう。けっしてうまいとは言えない。むしろ音痴の部類かもしれない。でも味がある。そんな映画「唐獅子牡丹」を見たことがなかった。


大谷石の産地栃木宇都宮近郊の大谷を舞台に、利権争いをする一方の組の親分を渡世の義理でやむなく殺すこととなった男が、その親分の妻子に対して自分の身分を隠して尽くす姿を描く。高倉健もこの当時は三田佳子とのコンビが多い。若き日の三田佳子が美しい。


大谷石の産地では左右田組と榊組が縄張りを繰り広げていた。左右田組の組長寅松は榊組をつぶそうともくろんでいた。この寅松には弥市、宗二、徳三の三人の息子がいたが、いずれも暴れ者揃いだった。そのなかで左右田組の客人花田秀次郎(高倉健)の弟分清川周平(津川雅彦)の許婚者くみに、弥市が横恋慕した。周平を思う秀次郎の弱味につけこんだ寅松は、周平、くみの縁結びを条件に榊組の親分秋山幸太郎(菅原謙二)を秀次郎に斬らせた。

それから歳月が流れ、秀次郎は刑務所を出た。石切場は、左右田組がはばをきかせ、幸太郎を失った榊組は、未亡人八重(三田佳子)が後を継いだが、勢力が衰えるばかりであった。秀次郎は出所するとすぐ、自分が斬った幸太郎の墓参に寄った。そこには八重と幸太郎の忘れ形見和夫(保積ぺぺ)の姿があった。何も知らない和夫は自らを名乗らない秀次郎になついた。八重も心よく秀次郎を家に招いた。そのころ榊組には、この山の持主田代栄蔵(芦田伸介)の口ききで陸軍省から大量の注文が舞いこんでいた。榊組はこれで一気にもり返そうとしたが、一方の左右田組は榊組の仕事を妨害した。ちょうどその時、満州に渡っていた榊組の元幹部畑中圭吾(池部良)が帰ってきた。事情を知った圭吾は秀次郎と対決した。しかし八重が必死に二人を止めるのであるが。。。


こんな話どっかで見たことあるぞ?!と腕組んで考えてみる。そうだ!同じく高倉健主演「冬の華」だ。
同じように渡世の義理で父親を殺した男が刑期を終えて帰ってくる。男は刑務所から殺した男の娘に手紙を出していた。戻ってきて娘は男になつくが、自分の立場を話せないままにいる。おいおい同じような話だな。「冬の華」倉本總の脚本だけど、元ネタをちょいといじっただけじゃないか。「冬の華」って池上貴美子がまだ若い頃の作品で、ムードはなかなかいい感じ。同じような節回しが続く演歌の曲と同じようなものだ。いいんじゃない。


高倉健の歴史でいうと、64年に飢餓海峡、日本侠客伝、65年に網走番外地、昭和残侠伝1作目、宮本武蔵巌流島決闘の佐々木小次郎役などと初期の代表作が並んでいる。男っぷりもいいわけだ。どちらかというと、江利チエミの夫ということで有名だった存在から東映の看板になったわけだ。、

出演者は昭和40年代としては豪華メンバーである。でも津川雅彦、三田佳子を除いては、ほとんど鬼籍に入ってしまった。
すぐさま殺されてしまうのが、新派では安井昌二と並ぶ男役看板スター菅原謙二はここでは活躍できずに終了。最後に渋く出るのが池部良だ。高倉健とはいいコンビである。彼は軍隊に行っていて、少し年長である。でもそう見せない。しかも、チンピラとは違うヤクザの迫力が満ちあふれている。殺し屋が発する殺気もある。ヤクザ映画では殺されてしまう役柄も多いが、渋いことには変わりはない。


ストーリーはどうでもいい。
高倉健の男っぷりが堪能でき、味がある主題歌を聴けるだけで満足だ。

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映画「旅の重さ」 高橋洋子

2014-12-21 07:24:10 | 映画(日本 昭和35年~49年)
映画「旅の重さ」は1972年(昭和47年)公開の青春ロードムービーだ。


16歳の少女が家出をして四国遍路の旅に出る。少女がママに宛てた手紙を読みながらその感情を示すナレーターを入れながら、途中で出くわす未知の世界を映像で表わす。オーディションで選ばれた高橋洋子が主演、オーディション2位が秋吉久美子で本名の小野寺久美子名で出演している。まだ思春期真っ盛りだった自分にはまぶしい映画だった。当時高橋洋子がもう少し大人に見えた気がしたが、今回見るとその初々しい表情に驚く。


「ママ、びっくりしないで、泣かないで、落着いてね。そう、わたしは旅に出たの。ただの家出じやないの、旅に出たのよ」
四国に住む十六歳の少女(高橋洋子)が、貧しい絵かきで男出入りの多い母(岸田今日子)と女ふたりの家庭や、学校生活が憂うつになり、家を飛び出した。

四国遍路の白装束で四国をぐるりと廻って太平洋へ向う。宇和島で痴漢に出会い、奇妙なことに痴漢にご飯をおごってもらう。足摺岬の近くで、旅芸人・松田国太郎(三國連太郎)一座と出会い、一座に加えてもらった。少女は一座の政子(横山リエ)と仲良くなり、二人でパンツひとつになり海に飛び込んだりして遊ぶ。一座には他に、色男役の吉蔵(園田健二)、竜次(砂塚秀夫)、光子(中川加奈)がいて、彼らの内輪もめにもつきあった。やがて、少女は、政子に別れを告げると、政子が不意に少女の乳房を愛撫しだした。初めて経験するレスビアン。政子は、少女の一人旅の心細さを思って慰さめてやるのだった。

やがて一座に別れを告げ、ふたたび少女は旅をつづける。数日後、風邪をこじらせ道端に倒れてしまった。四十すぎの魚の行商人・木村(高橋悦史)に助けられた。調子が悪いままいったん行商人の家を出るが、すぐ木村に戻される。木村の家に厄介になり、少女の心には木村に対して、恋心のような思いが芽生えてきた。ある日から数日、木村の姿が消えてしまったのであるが。。。

テーマソングが吉田拓郎の「今日までそして明日から」である。四国の海辺を走る列車の風景とあわせてこの曲が流れる。思わずジーンとくる。デビューしたての高橋洋子がヌード姿を披露したことでも有名な作品で、当時の自分から見ると彼女が大人に見えた気がする。動きがまったく危うくてこんな子に四国遍路なんてできるわけないだろうと思いながら、映画を見ていく。


そして、旅芸人一座に出会う。お客からの投げ銭で生計を立てているような連中が内輪もめしたり、一座の男女で近親相姦のように交わっている姿に出くわす。16歳の女の子にとっては、こういう大人の世界はドッキリすることばかりだが、1人の女性が親しくしてくれる。
でも旅立たねばならない。こういう場にいると、男に誘われるのである。当然その男とできている他の女がいる。嫉妬を浴びるのだ。でも金なし一人旅はきつい。ぶっ倒れて老婆に自分のリュックを取られそうになる。そんな時一人の中年男性に助けられるのだ。男は子供のような少女に男女の関係を迫る気がしない。次第に助ける中で芽生える感情が恋に代わっていくという少女の成長物語だ。

今年四国に行ったけど、映画の中の段々畑風景や海辺の風景は大きくは変わらない。ただ、40年前の四国の都市部は現在と比較するとかなりの田舎だという印象をもつ。




1.吉田拓郎
ちょうど自分がラジオの深夜放送を聴き始めたころである。夜起きていることになれなくて、聴いているうちに眠くなっている。11時を過ぎると起きているのはむずかしい。自分はアメリカのヒットチャート曲に関心をもったが、当時字余りのフォークがはやり始めてきたところだった。「赤い鳥」なんかはヒットチャートをにぎやかにしていたが、フォークソングというと髭の生えた歌手が歌う反戦歌というイメージが強かった。


その中でこの曲が妙に印象に残った「私は今日まで生きてみました。」で始まるこのメロディは今でも好きだ。ラジオの深夜放送では圧倒的な支持を受けていた。「今日までそして明日から」は一部の若者に受けただけだったが、次の「結婚しようよ」は大ヒットした。そして続く「旅の宿」がヒットチャート一位をとる。人気は頂点を極めた。でも執拗にテレビに出ない。当時の若者にはその生き方がカッコよく見えた。当時はロック好きもギター片手に拓郎だけでなく、泉谷とか古井戸の歌を歌ったものだ。

深夜放送では文化放送の落合恵子、土居まさるが印象深い。若き日のみのもんたも「カムトゥゲザー」という番組をもっていた。その番組は9時台だったので眠らないで聴けた。オールナイトニッポンの時間まで起きていられるのは、高校生になる寸前かもしれない。

2.三國連太郎
ここでの三國連太郎の顔を見て驚いた。息子の佐藤浩市そっくりなのである。この2人が似ているなんてことあまり思ってことない。


息子に似ている。逆じゃないの?といわれそうだが、我々が知っている佐藤浩市の顔と同じ表情をする場面があり驚く。旅芸人一座というのが、社会から低い位置に見られていたという話は恥ずかしながら最近知った。「伊豆の踊子」でも踊り子の所属する一座が受ける扱いはよくない。ここでも本能むき出しで所属する役者たちが葛藤をつづける。でも他に生きる道がないから離れずに芸をやるしかない。そんな構図が垣間見れる。昭和40年代くらいまでは、旅芸人一座というのは今よりも数多く地方巡業していたんだろう。

3.横山リエ
最近「遠雷」を見直した時も出演していた。妖艶な魅力をもつスナックの女性役で、人妻なのに永島敏行とジョニー大倉演ずる農家の青年を誘惑する。そこでも軽い濡れ場があったが、ここではオープンエアの中、高橋洋子と一緒に裸で海に泳ぐ。開放的なシーンだ。一人で心細い主人公の心のよりどころだ。その役が実にうまい。

でもまだ当時23歳なのだ。横山リエは大人のさばけた女性や悪役がうまい素敵な女性だったとおもう。良いキャスティングだ。

ここでの高橋洋子は化粧もほとんどなく素顔をさらす。初々しい感じがいい。それでも高橋悦史と徐々に接近していく場面では大胆な絡みも出てくる。この当時はまだヌードになること自体、ピンク映画やにっかつポルノ以外ではあまりなかった時期である。まだ20歳になっていない彼女にとっては大冒険だったのであろう。そんな彼女に好感をもつ。

(参考作品)
旅の重さ
ういういしい高橋洋子をみる
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矢沢永吉2014武道館最終日132回目2

2014-12-17 10:11:50 | 矢沢永吉


いかにも矢沢永吉らしいロックンロールが続く
「 Rambling Rose」だ。
そしてオープニングでもよくかかる「レイニー・ウェイ」につながる。
この曲もみんなよく知っていて、合唱する声がよく聴こえる。照明も意識して雨模様
念押しするように「苦い雨」この曲もヤザワファンが大好きな歌だ。
昨年発表されたヤザワのライブで「今、一番聴きたい曲」で第10位
思わず自分も歌ってしまう。

でもこんなに矢沢が雨雨いうから最終日雨降っちゃったんだよな。
朝はなんともなかったのに。。傘買っちゃったよ。

3回目のMCだ。
最初の矢沢のコンサートは男性の比率が97%くらいで、ポマードの匂いがプンプンしていた。
でも今は男女半々くらいで、民主主義だよね。なんて言っている。

でも自分の見た感じでいえば7:3くらいじゃないかな?
少なくとも自分の周辺を見回すと、年齢層は高い。平均年齢は50を超えているんじゃないか?

そうしているうちにアコースティックギターに持ち替える。
思わず「やるのか!」と「二人だけ」を期待するが「Sweet Rock'n'Roll」だ。
でもこの曲いいよね。優しいロックンロールという感じで気分がくつろぐ。
「IT'S UP TO YOU!」では一転70年代前半のストーンズを思わせる正統派ロックを歌う。
この曲はライブで映える曲だ。
矢沢ファン大好きな「YOU」ではファンのノリもよくなる。
昨年発表されたヤザワのライブで「今、一番聴きたい曲」で第9位
その曲の途中でようやく衣装を替える。


そしてバラードが2曲続く。これが抜群によかった。
「Please,Please,Please」では雪の上で歌っているような舞台に代わる。これがきれいだ。
「東京雪も降るのさ」という歌詞にぴったりだ。歌も情感がこもる。
「CITY LIGHTS」都会のネオンを意識したこの照明もきれい。今回の舞台照明設計はうまい。
バラードを熱唱する矢沢の横でバイオリンが鳴り響く。これが実にいい。

この2曲にうっとりしてしまう。やっぱり矢沢はバラードだよね。
今回は緑のイアフォンをつけながら歌っていた。

メンバー紹介あったが、柳ともう一人のギターリストはジェフコールマンというそうだ。
このリズミカルなギターは最高だ。

「夜間飛行」を歌った後は「コバルトの空」
一昔前のロックンロールビートを基調に矢沢がノリノリで歌う。
手拍子しながら自分でリズムをとる。

そのあとはメドレーだ。いずれもカラオケでよく歌う矢沢の定番で、観客が合唱するように合わせて歌う。
「チャイナタウン」、「ラスト・シーン」、「I LOVE YOU,OK」、「YES MY LOVE」と続いていく。
そしてようやく「JEALOUSY」だ。オープン二ング曲も予想されたが意外なところで使う。
「PURE GOLD」でいったん終了
この曲は旅に行くような気分にさせてくれて、大好きだ。


白い矢沢スーツに着がえて始まったアンコールは「サイコーなRock You!」でスタート。
他の曲でバックダンサー出ていた曲あったけど、この曲はない。近年の曲では一番浸透しているのでは?
ギターのイントロで「止まらないHa~Ha」とわかると、タオルを用意しようと観客がソワソワする。
タオル投げがいつもより思いっきりはじけている感じでいい。そのあとで「止まらない!離れない!」となると全員が演歌歌手のように歌う。
陶酔しているのがよくわかる。
「トラベリン・バス」2階なのでトラバステープをしっかり探すお兄さんたちがよく見える。
最後と思うと観客も感慨ひとしおだ。
いつものように「帰りにおいしいビール飲んでよ」と途中でいう。
「キリンもアサヒもやめてよ」と矢沢もしっかりしているんじゃない。
思わずふきだしてしまう。
もう一曲やると思ってけど、客だし曲で終わる。外をみると雨は止んでいた。
あの2曲で雨がすっ飛んだのか??


帰りに反省会をした。矢沢には悪いけど、モルツはなかった。
そして、一体いつまでやるのか?という話になった。
150回の武道館はできるんじゃないかと。松田聖子、藤井フミヤが武道館100回こえたという。
追いつかれないようにやるだろう。

コンサートの帰り道「二人だけ」やらなかったねと言っている声が聞こえた。
ジョニー大倉追悼というのはもう終了だったんだよね。矢沢は引きづらない。
自分はジョニーを追悼する意味で、俳優としての彼に関わりのある人がやっているバーに一人寄った。
矢沢コンサートの帰りに寄ったと自分が言うと先方は喜んでくれた。
客がちょうど引けたところで、2人で映画談義ができて、最高に素敵な夜を過ごせた。
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矢沢永吉2014武道館最終日132回目1

2014-12-17 09:07:26 | 矢沢永吉
矢沢永吉2014年武道館コンサート最終日に参戦してきました。


雨が降る中、九段下の駅を武道館に向かう。
いかにも矢沢のコンサートに向かうというような服装の男女が大勢きている。

雨が降るのって初めてだなあ。黄色に色づいたイチョウもいつもよりたくさん落ちている気がする。
6時に友人と待ち合わせ、一緒に入る。雨も降っているせいか、恒例の飲酒検問でハ―と吐くことなくに済んだ。

E-YAZAWAの着物を着た人もいて、いつもより女性に、大胆なヤザワルックで来ている人が目立つ。
同じく恒例のエーチャンコールが7時まで鳴り響き、絶好のタイミングで矢沢が登場する。


「さまよい」でスタートすることが多いと聞いていたが、意表をつかれる。

一瞬これなんだっけと思うが、「FLESH AND BLOOD」だ。
エーチャンコールの大きな歓声の中で始める。ブルーのシャツを着た矢沢は声の張りもよく気持ち良さそうに歌う。
あれ、向かって右側のギター見たことないなあ?外人のようだ。初めてみる彼がリードするギターの音色がいい感じだ。

次の「闇の中のハリケーン」も同じようなロックンロールだ。
そして「SOMEBODY'S NIGHT」知っている人も多いので、みんな矢沢の声に合わせて歌っている。
そうだよね。カラオケの定番だもんね。いかにもロック演歌といった様相だ。
マイクスタンドをビュンビュン飛ばす。


最初のMCでは、今回が132回目になると言っていた。すごいよね。
ついこの間99回目行った気がするけどあっという間だ。
スタッフからは200回やってくれといわれているという。そうするとあと14年かかるそうだ。
さすがにそれは無理と言っていたが、もしかしてもしかしてやっちゃったりして

続いて「TAKE IT TIME」とロックンロールが続く。
照明が変わってそろそろバラードかと思ったら誰も座らない。テンポはリズミカルに「ゆきずり」を歌う。
バックはいかにもアメリカのブロードウェイのようなネオンに変わり、「But No」だ。
スネイクのサックスが抜群にいい。


ここまでやってようやくバラードになる。「あ・い・つ」天井のミラーボールが点滅して、星屑のようになる。
矢沢コンサートでいちばん素敵な場面だ。
やっと席に座れた観客も静かに矢沢の声を聴く。
「この曲が終わるまで泣いちゃいけない」ジーンとくるなあ!!

2回目のMCだ。
ある若い子から来ていたメールに「お父さんわしゃエーチャンと同級生だよ」と書いてあった。
エーチャンが広島出身なので、お父さんも広島ですごいなあといっている若い子のメールに苦笑い。

つづく


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映画「ゴーン・ガール」 ベンアフレック&ロザムンド・パイク

2014-12-14 06:40:24 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ゴーン・ガール」はデイヴィッド・フィンチャー監督の新作、早速映画館で見てきました。
149分の長尺だが、飽きずに見れた。実に面白かった。最後までどう展開するのか、ドキドキしながら映画の銀幕を追った。


若干ネタばれありで語りたい。
デイヴィッド・フィンチャー監督作品は必ず見るようにしている。近作の「ドラゴンタトゥの女」と「ソーシャル・ネットワーク」いずれも好きな作品だが、どちらかというと、初めて「セブン」を見た時の衝撃の方が強い。あのやるせない感触が忘れられない。今回はアカデミー賞を監督として受賞したベンアフレックが主演、相手役は英国の美人女優ロザムンドパイクである。超有名人物を並べているわけではないが、他のキャスティングも絶妙だった。

妻が失踪する物語だという先入観のみでこの映画をみた。ところが、途中からイメージが変わってくる。
気がつくと、一連の「悪女映画」に通じる作品であった。
自分的にはベンのオスカー作品「アルゴ」よりも断然おもしろかった。

アメリカ・ミズーリ州。幸せに満ちた理想的な結婚生活を送るニック(ベン・アフレック)とエイミー(ロザムンド・パイク)だったが、結婚5周年を迎えたその日にエイミーの姿が忽然と消える。


家には争った形跡があり、さらにキッチンからエイミーの大量の血痕が見つかった。警察は失踪と他殺の両面から捜査を進めるうちに、アリバイがあいまいなニックを疑う。美しい若妻が失踪したこの事件は注目され報道は過熱、ニックは全米から疑いの目を向けられカップルの知られざる秘密が明るみになる……。(作品情報より)

ニックはミズーリ州の田舎町で、「ザ・バー」という店を妹(キャリー・クーン)と経営している。妹とだべった後に家路につくと、誰もいない。しかも、家の中が荒らされているようだ。あわてて警察を呼ぶ。担当の女性警部が男性の助手を連れてくる。血痕が残っているようだ。ニックはそのまま警部とともに警察署へ行く、指紋を取られて取り調べを受ける。妻の情報を意外にも知らないことがいくつかあった。妻エイミーの実家へ電話して父母を呼びだす。

映像は2人の付き合いをきっかけから追っていく。パーティで知り合い、恋愛結婚をする。
この夫婦は愛し合って結ばれているということを最初は示す。これ自体軽い迷彩を与えている。この時点では悲劇的な結末もあるのかと自分は予測する。次第に夫が罠にはまり疑われてもおかしくない状況になるが、そうでもなさそうだと感じる。
しかし、夫にはピチピチの若い彼女がいることもわかってしまう。
さあどうなるのだろう。


そう思っているうちにエイミーの姿が現れる。同時並行で失踪したあとを追っていく。
そして、次第にエイミーが何かを仕掛けているのでは?と感じさせるシーンが出てくるのだ。

1.悪女映画
悪女映画といえばレナオリンの「蜘蛛女」、レベッカデモネイの「ゆりかごを揺らす女の怖さが際立つ。ある意味「エスター」もそうかもしれない。この映画はそれに加えて、「氷の微笑」のシャロンストーンの要素が入ってくる。
これはまったく予想外の展開だった。脚本のこの迷彩作りはうまい。それをうまく映像に加工するのはさすが、デイヴィッドフィンチャーである。ロザムンド・パイクは英国の名門オックスフォード大学をでた美貌のインテリ女性でこの役柄にぴったりだ。


激しい恋愛で結ばれても、男が外でつまみ食いしてしまうのはよくあること。浮気相手との激しい情事の中で、ふと離婚をにおわすことを言ってしまうことはあるかもしれない。でも余程のことでなければ、それは離婚にはつながらない。日常を変えない中で、男は火遊びの中で刺激を求めているにすぎない。でも女からすると違うだろう。ここでは証拠はあがっているし、バッチリ見てしまうのだ。

男もずいぶんと抜けているという設定だが、彼女は実に周到に準備する。「危険な情事」のグレンクローズのように単に大暴れするだけじゃない知能犯だ。警察が夫のカードを調べると、贅沢品をたくさん買っているという実績がある。本人に問い詰めると、まったく記憶がない。他にも男をはめていることがたくさんある。相当なワルに仕立てられていることがわかってくる。

いつ何時こんな目に会うかはわからない。家庭内の平和のために、一杯飲まずに早く帰るのがいちばんだよね。

2.ベンアフレックと双子の妹
映画のはじめで、お店で1人のメガネの女性と話し込んでいる。懐かしい「人生ゲーム」で遊んでいるのだ。何これ?と思っていたら、バーを共同経営する妹との会話だ。ニューヨークで暮らしていた夫婦が、夫の母親ががんと分かり、ミズーリ州に引っ越してくる。ミズーリ州は死刑容認の州だ。妻が失踪した後、家が家宅捜索にあい、実家に戻る。


そこで妹と暮らすわけだが、夫に疑いの目が向けられる。双生児でグルになっていると疑われる設定だ。妹と妻の仲は決してよくはない。まったく懲りないと言いたくもなるが、ベンアフレック演じる夫は女を妹と暮らす実家に連れ込む。おいおいよくやるよと思いながらストーリーに伏線を与える。

この妹役キャリー・クーンがいい味出していた。個人的にはロザムンド・パイクよりも好きなタイプだ。その双子の妹に疑いを持つ捜査責任者である警部役のキムディケンズという女優も良い存在感をだす。女性の犯罪責任者なんて日本にはいるのかな?と思いつつ、パフォーマンスがずっと気になる。


3.浮気相手
実家に連れ込む浮気相手を演じるのが、エミリー・ラタコウスキーという女性だ。夜中に「すぐ近くにいるよ。」とメールが来ると実家のすぐ目の前だ。まわりに捜査関係者たちがいるのでやばいとすぐ家に入れる。久々だという彼女は発情している。こんなときにヤバイと思いながら、哀しい男の性でピチピチのボディを抱いてしまうわけだが、そのボディにはビックリ。男をやる気にさせるスーパーロケットバストだ。


すごく目に焼き付きネットで調べると、すごいヌード画像が出てきた。少し興奮してしまうが、目の前で本物を見るベンアフレックの方がやばいだろう。

この映画面白かったなあ!
夫婦とは何?なんて理屈っぽく見る人もいるけど、所詮は世の中ってこの主人公のような女性は多いと思う。
さすがにここまで大胆なことをしないとは思うけど

(参考作品)
ゴーン・ガール
世紀の悪女をみる


セブン
後味が悪すぎるデイヴィッドフィンチャーの傑作


蜘蛛女
悪女と言えばレナオリンだ。
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映画「メビウス」 キムギドク

2014-12-13 05:22:35 | 映画(韓国映画)
映画「メビウス」は韓国の鬼才キムギドク監督の新作、早速映画館で見てきました。


キムギドク監督の前作「嘆きのピエタ」は2013年では自分の№1だった。待望の新作ということで見に行ったが、なんとセリフがない。字幕もない。しかし、うめき声、叫び声など人間の肉声は発っせられる。そしてここまでやるかという位、キムギドクらしい残虐なムードが漂う。
前作と違い、これは傑作だという感覚はない。1つの実験としてキムギドクが挑戦したという印象だ。一人二役のイ・ウヌの演技には驚く。

両親と息子3人で暮らす家族があった。夫(チョ・ジェヒョン)は外に女をつくっていた。携帯の着信音をきいて、夫から妻(イ・ウヌ)が携帯を奪い取ろうとして大ゲンカしている両親を息子は冷ややかな目で見ていた。嫉妬に狂った妻は、夫の性器をナイフで切り取ろうとする。しかしあえなく失敗すると、母親はなぜか矛先を息子に向け、性器を切ってしまい、そのまま家を出ていってしまう。


病院で応急処置をしてもらうが、排尿はできる状態だった。しかし、不完全だ。学校のトイレで同級生におしっこが靴に漏れているのを気づかれ、3人がかりで脱がされて、ペニスがないのに気づかれてしまう。以来イジメを受けるようになる。
雑貨屋で働く父の浮気相手の女と父親は事件後接触しないようにしているが、逆に息子の方が接触する。
雑貨屋の近くで再び同級生たちにズボンを脱がされそうになった時、あやうく年上の不良グループによって助けられる。しかし、その不良グループは、父の愛人に色目を使い、そのまま輪姦してしまうのです。


その場に居合わせた息子はチンピラ達と一緒に逮捕される。
自分のせいでこんなことになってしまったと父親は罪悪感を覚えて、留置所にいる息子に別の快感を感じる方法を教えようとするのであるが。。。

まず、息子の性器を切ろうとする母親の動きを見て、気分が悪くなった。思わず目をそむけてしまう。この時の母親の狂気にみちた表情がすごい。実に薄気味悪い。その後、妻が家を飛び出してしまった後は、夫が浮気した女を中心にストーリーが展開する。広末亮子によく似たかわいい女の子だなあと思っていた。ところが、しばらくして妻が帰宅する。化粧を落としたその顔は浮気相手と同じ顔じゃないか!!!
恥ずかしながらそこで初めて、一人二役ということに気づいた。

このイ・ウヌという女優の演技力は凄い。キムギドクが執拗に激しい演技を要求しているのであると思うが、それに応えている。
ただ、彼女が見せるバストはどうみても不自然な形をしていて、自分には整形しているんじゃないかと見えるんだけど。。。

1.男の快感
父は自分の足を石で傷つける自傷行為の苦痛で快感を得るという話をネットで発見する。そして自分でも試し、息子にも教えるのだ。おいおいこんなんで気持ちよくなるのかよ?!と思ってしまう。当然試すつもりはない。痛そう


留置所からでて息子は再び父の女のところへいく。息子と女は抱き合うが、女が息子の背中に思いっきり刃物を突き刺す。血があふれて卒倒してしまうんじゃないかと思ってしまうが、自傷行為で快感を得る息子は違う。彼女が背中に刺した刃物をグリグリさせて興奮しているのだ。こういう変態ぶりが続いていく。このあたりはキムギドクの真骨頂だ。

2.近親相姦
息子の性器がないことを憐れんだ父親が、自分のものをカットして、息子に整形することを思いつく。そして手術が成功する。しかし、エロい動画をみても、アソコは少しも反応しないのであった。そんなとき、母親が帰ってきた。母親は息子の性器をカットしたことを後悔していたはずだが、息子に性器があることに気づき、驚く。その際まったく反応しなかった息子のアソコがエレクトしてしまうのである。母親は興奮する。
そして息子に性的行為を迫るのである。父親は懸命にガードしようとするが、母親の性欲は収まらない。すごいテーマだ。




いつも問題作をつくるキムギドクがまたまたやってくれたという印象、気味は悪いが一見の価値あり。
ただ、最後の場面の意味が今もよくわからない。
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