映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

紅葉の季節に(上田にて)

2016-11-20 17:38:36 | 散歩




上田城に行ってきた。


城址公園の紅葉がきれいだった。




そばがうまい。おはぎはあまり好きじゃないんだけど





別所温泉に泊る。
帰りはこれに乗る




老舗旅館の中庭がいい。でも寒かった。
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映画「ベストセラー 編集者パーキンズに捧ぐ」 コリン・ファース&ジュード・ロウ

2016-11-16 17:36:18 | 映画(洋画:2016年以降主演男性)
映画「ベストセラー 編集者パーキンスに捧ぐ」を映画館で見てきました。


コリン・ファース&ジュード・ロウが出版社の編集者と新進作家を演じる新作。2人のほかにニコールキッドマンとローラ・リニーが出演する超豪華キャストである。でも日本では割と地味に公開されている。

原題は「GENIUS」それ自体はトマスウルフのことであろう。残念ながらトマス・ウルフという作家の名前は知らず、予備知識が少ないままに映画館に向かったが、編集者パーキンズはフィッツジェラルドやヘミングウェイの編集も担当しているので、彼らの出演場面もある。アメリカ文学に詳しい人ならもっと楽しめたかもしれない。

1929年、ニューヨークの老舗出版社のやり手編集者パーキンズ(コリン・ファース)の元に無名の作家トマス・ウルフ(ジュードロウ)の原稿が持ち込まれる。彼の才能を見抜いたパーキンズは、推敲して一部を削除することを条件に処女作「天使よ故郷を見よ」を出版することをトマスに告げる。トマスはパトロンで愛人のバーンスタイン(ニコールキッドマン)とともに大喜び。パーキンズとともに念入りに推敲を重ねた結果、本作品はベストセラーとなった。


その後もトマスは新たな大作に取りかかる。膨大な原稿用紙につづられたトマスの著作をパーキンズが編集にかかる。娘ばかりの子だくさんで美しい愛妻(ローラリニー)に恵まれているにも関わらず、二人は編集に没頭する。パーキンズは家庭を犠牲にし、ウルフの愛人バーンスタインはふたりの関係に嫉妬する。やがて第二作は完成し、評価の結果を恐れてロンドンにいたトマスは著名紙の書評がいいことを知りロンドンから戻ってくる。作品は大ヒットとなるが、徐々にトマスの精神がおかしくなってくるのであるが。。。

1.すぐれた時代考証と美術
まず1929年の時代考証がしっかりとされていて、美術がお見事である。いわゆる大恐慌に突入する年であり、しばらくの間不況が続く。失業者が食料の無料配給に並ぶ映像も出てくるが、パーキンズの自宅については優雅な感じである。


見ていていいなあと思ったのは黒人が多いジャズクラブで軽快なジャズを聴きながらジュードロウがご機嫌になり店にいた黒人とキスをするシーンと、ニューヨークに戻ったトマスが2人でトマスの元住んでいたアパートに行き、その屋上からマンハッタンの摩天楼の高層ビルを見るシーンだ。

2.コリン・ファース&ジュード・ロウ
コリンファースはいかにも冷静な編集者を演じている。部屋の中でも帽子をかぶり続けているのが特徴だけど、ここまでやるかといった感じだ。確かにこの時代は帽子をかぶっている人が多かったとは思うが、極端なんだろう。ジュードロウがジャズバーではしゃぐときには冷静に一人で帰ってしまう。抑揚のないトーンでこの役をこなす。


ジュードロウ演じるトマスはコリンファースと正反対で感情の起伏の激しい男だ。子供もいるニコールキッドマン演じるバーンスタインは彼から離れられない。

何度も癇癪を起こすが、敏腕編集者が横にいなければトマスはまともな仕事ができないという世間の酷評に次第に距離をもつようになる。スコットフィッツジェラルドの前でパーキンズの悪口を言いながら悪態をつくシーンは、自分も見ていて気分が悪くなる。いかにも恩知らずと。。。しかし、そこでは終わらなかった。最後に向けてはホッとしてしまう。


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映画「さよならをもう一度」 イヴ・モンタン&イングリッド・バーグマン

2016-11-13 14:22:39 | 映画(洋画 69年以前)
映画「さよならをもう一度」はイヴ・モンタン&イングリッド・バーグマン主演の1961年の作品


イヴ・モンタンとイングリッド・バーグマンが並ぶ優雅なジャケットをみると、カサブランカのボギーとバーグマンのようだ。元々はフランソワーズ・サガンの「ブラームスはお好き」の映画化である。男性からすると手にとりずらい小説だ。

未婚同士の中年カップルの恋に若い男が三角関係のようにからんでいくなんて、古今東西たくさんつくられている物語のよくあるパターンだ。ここではアルフレッドヒッチコックの「サイコ」で恐怖の屋敷の主人を演じたアンソニーパーキンスを登場させ、イングリッド・バーグマンに憧れる若い弁護士を演じる。彼はこれでカンヌ映画祭で賞を受賞している。

トラック会社の重役ロジェ(イヴ・モンタン)は室内装飾家ポーラ(イングリッド・バーグマン)と5年越しでつきあっている。しかし、ロジェは若い他の女性と浮気をしている。ロジェは最近、仕事が忙しくパリに住むアメリカ人の富豪バンデルベッシュ夫人の邸の室内装飾にポーラを推薦すると彼女を同行しながら自分は先に帰ってしまった。1人で夫人を待つポーラの前に夫人の息子で弁護士のフィリップ(アンソニー・パーキンス)が現れると、25歳のフィリップはポーラに一目惹かれてしまう。一方ロジェは、ポーラとの約束を取り消して他の女と旅行に出た。それをフィリップが目撃しまうとともに、フィリップはポーラに急接近するのであるが。。。


アメリカ映画だが、パリのシーンが多い。当時のシトロエンだけでなく、クラシックカーを数々走らせる。社交界を映しだす部分も優雅で、主役2人の雰囲気によくあっている。

1.イヴモンタン
当時40歳、トラック会社の重役という設定だ。名作「恐怖の報酬」でニトログリセリンをトラックで運ぶ役をつい連想するが、あの時のワイルドな感じとは正反対だ。ハンサムでダンディを地で行くこの時点で、マリリンモンローとも浮気をしていたと言われる。それが発覚しフランスの女優でありながらオスカー女優でもあるシモーヌ・シニョレが自殺未遂を起こしたという。まさにその前後にとられた作品だ。


2.イングリッド・バーグマン
当時46歳、大きな画面でアップに耐えられるその美貌は本当にきれいだ。こんな美女が登場すると、若いいい男がはまっていく姿が絵になる。自分の大学でちょうど卒業25年で同期のパーティがある。だいたい48歳くらいだ。この時点で輝きをもつ女性とくすんでいく女性と大きくわかれる気がした。もちろんバーグマンは前者だ。

もう若くないのとバーグマンが言う。でもこんな美人若くなくても全然OKですよ。

恋多き女といわれる。カサブランカやガス燈や一連のアルフレッド・ヒッチコック作品でその美貌を示した後で、イタリアのロッセリーニ監督と不倫をしてその元へ向かう。これ自体がアメリカ議会でも問題になったことがあるという。そのため、ハリウッドと距離をしばらく置いたあとに、映画「追想」で復活し二度目のオスカー主演女優賞を受賞する。そして57年ロッセリーニと離婚するのだ。この映画はそのあとで撮影されている。


あと振られっぷりが見事なのはアンソニーパーキンスだ。映画「ソフィーの選択」に通じる部分も多い。もっと活躍してもよかったのにという男優だが、ちょっと奇想天外な動きをしたのが残念かもしれない。
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映画「エブリバディ・ウォンツ・サム」リチャード・リンクレイター

2016-11-13 11:51:52 | 映画(自分好みベスト100)
映画「エブリバディ・ウォンツ・サム」を映画館で見てきました。

これはまさしく来た~って感じ
自分自身も大学生だった1980年を舞台にご機嫌な映画だ。


「6才のボクが大人になるまで」のリチャード・リンクレイター監督が野球推薦で入った大学生活の自分自身の体験をもとにつくった映画だ。寮に入って入学する直前のドンチャン騒ぎを楽しく描いている。1980年前後に大学生活を送った不良男子大学生たちには、日本人であっても何ともフィットする映画であろう。当時ディスコで流れていた音楽が映画で流れ続ける中、服装から遊びから何もかも当時の日本の大学生活に通じるアメリカのカレッジスタイルがいい感じだ。

でも昭和40年代前半の学園紛争時に学生生活を送った頭でっかちや最近の異常なコンプライアンス強化に頭を悩ませる大学生たちには受けないかもしれない。

野球推薦で入学することになった新入生のジェイク(ブレイク・ジェナー)は期待と不安を抱き、野球部の寮に入る。お気に入りのレコードを抱え、ジェイクが野球部の寮に着くと、4年生のマクレイノルズ(タイラー・ホークリン)とルームメイトのローパー(ライアン・グスマン)から歓迎を受けるが、寮生活をしている先輩方は野球エリートとは思えない風変わりな奴ばかりであった。


先輩たちはさっそく大学を巡るツアー案内をかってでる。女子寮に行くことから始まり、女の子たちの品定めをする。車で通りかかった2人組の女の子にアタック。強引なナンパは拒否られるが、ジェイクは同じ新入生で演劇専攻のビバリー(ゾーイ・ドゥイッチ)に一目惚れをする。


今度は地元のディスコに繰り出しナイトフィーバー!となるが店でいざこざを起こし、カントリー・バー(ホンキートンク・バー)で踊りまくったのであるが。。。。

1.黄色のラコステ
当時の六本木あたりのメローな曲を流すディスコにはサーフ系が主流だが、ラコステのポロを着ている男女もいっぱいいた。自分も持っていて、映画の中に黄色のラコステを着ている少年を見つけた時は、背筋がぞくっとした。自分は79年と81年にアメリカに遊びに行ったが、お土産には赤のラコステをせがまれたものだ。

ヒゲを生やしている。当時の大学生の流行だ。日米変わらない。それに加えてのアラレ系メガネは日本でもはやったし、このゴキブリのようなメガネをする流れは昭和を通じてだったと思う。映画の中で、口ヒゲが薄くしかはえずに先輩たちにからかわれているシーンは笑える。

2.ディスコ
自分の大学生活とジャスト過去進行形だ。ザ・ナックのヒット「マイ・シャローナ」がいきなり流れて気分がファンキーになり、ジャーマインジャクソンの「Let get serious」やピーチズ&ハーブの「Shake Your Groove」 なんか流れてくると、映画を見ながら身体も動く。サントラのCDが欲しいと思われる映画は久しぶりだ。


映画の中で大学側にあるディスコは伊豆の離島で即席につくられていたディスコみたいな印象をもつが、選曲は抜群だ。日本でいうと最初「キサナドゥ」という名前で「ナバーナ」に代わった六本木セリナ裏のディスコを思わせる曲の流れだ。フランス映画で中年がディスコで踊る「DISCO」という映画がある。アレも悪くないけど、このほうがいい。

カントリーの店は日本ではあまり学生は寄りついていなかったかもしれない。この映画のカントリーバーでのノリは最高だけど、あの当時であればアメリカ特有ではないか

3.飲酒と遊び
いきなり先輩たちがビールをもちこみ、新入生と乾杯する。当時であれば当たり前の光景だ。ところが、異常なコンプライアンスムードに日本は毒されている気がする。選挙権も与えたくらいだからいっそのこと、18歳で飲めるようにしたらいいのではないか。かわいそうだ。女を連れ込み、いきなり部屋でやりまくるシーンも出てくる。最近話題になった大学のサークルでの強姦騒ぎはちょっとそれとは違う。あれは飲酒とは独立した例外だと思うんだけど、自分の母校というのは残念。


大学生の遊びがポパイあたりの影響を受けたせいか、日米であんまり変わらないのが印象的、インベーダーゲームも出てきて、一番下まで来たら撃たないよと「名古屋撃ち」の話をしだしたのは笑える。余興でツイスターゲームもやったよね。

出演者は映画を数多く見ている自分でも、メジャーでない知らない奴が多い。そんな部分もいいのでは?実に楽しい快作だ。
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映画「ジュリエッタ」 ペドロ・アルモドバル

2016-11-06 20:25:38 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
スペインの奇才ペドロ・アルモドバル監督の最新作映画「ジュリエッタ」を見てきました。
深みのある脚本とあわせ、映像美にすぐれる実によくできた作品である。



ペドロアルモドバル作品は久々だ。前作は珍しくコメディタッチでちょっと合わなかったが、アントニオバンデラス主演「私が生きる肌」では思いっきり、ペドロアルモドバルの世界を堪能させてもらった。この映画も音楽編集美術といつものコンビとペドロアルモドバルが組んで、いつもながら色彩設計に優れた映像美を堪能させてくれる。お見事である。

マドリードに住む中年女性ジュリエッタ(エマ・スアレス)はつき合っているロレンソからポルトガルへの移住を説得され、引越しの準備に入っていた。そんな時街で偶然娘の親友だった女性に出くわす。彼女は失踪した娘アンティアに先日会ったという。元気で子供もいるようだと聞き動揺する。娘は18歳になった時に一人で瞑想にふけると言って、飛び出したままだったのだ。


ジュリエッタはポルトガル行きを突如止めて、昔住んでいたアパートへ行き部屋を借りることにするのだ。そして、どこに住んでいるのかわからない娘あての手紙を書きながら、過去を振り返る。

雪の中ジュリエッタ(アドリアーナ・ウガルテ)が列車で一人移動している時、食堂車で一人の男性に出会い、意気投合する。彼は漁師で妻がいたが、五年間寝たきりということであった。その後来た手紙には、妻が危篤状態と書いてある。自分に会いたいと思って手紙をくれたのと、ジュリエッタは彼の住む海辺の町へ向かう。その時はすでに妻は亡くなっていた。久々の逢瀬に2人は熱く交わり合い子供アンティアができた。


その後3人は家政婦とともに暮らしていた。娘が9歳になり、友人とキャンプに出発したあと、ジュリエッタが夫といさかいを起こした直後に彼の乗った漁船が嵐にあい、夫は亡くなってしまう。その後、ジュリエッタは精神のバランスを崩すようになるのであるが。。。

1.深みのある脚本
カナダのノーベル賞作家アリス・マンローの「ジュリエット」という短編集の3つの作品をペドロアルモドバルが巧みに脚本化している。ジュリエッタとその夫、そして娘アンティアという主要三人だけでなく、映画に深みを与える数人の登場人物を放つ。この隠し味が抜群に効く。


元夫の家にいる家政婦、元夫が親しくしていた女性、ジュリエッタの父母、病床につく母を介護するために雇った家政婦兼父の愛人である外国人女性、娘アンティアの友人とその母親、ジュリエッタの今の恋人、列車でジュリエッタを最初に誘った中年男性
登場人物が多いように見えるが、そうは感じさせない。それぞれに役割をもたせ、その関係がジュリエッタの今の精神状態に影響を与えている。ジュリエッタが何人かの死をみて感じる人生の無常感がにじみ出て、重厚感のある脚本となっている。当然ながら原作は読んでいないが、原作はかなり良くできた短編なのであろう。

2.対照的なジュリエッタ
前髪の長い中年女性が主人公として出てくる。どこか色あせた女だ。精神が安定しないので、そうならざるを得ないのであるが、若き日のジュリエッタは実にいきいきとしている。短髪のアドリアーナ・ウガルテは実に魅力的だ。元夫と出会ってすぐに列車の中で騎上位で派手に交わる。そして海辺の町の彼の家に向かい、大胆に肌を合わせる。アドリアーナ・ウガルテはヌードになり、弾力性のあるバストを露出する。美しい。


3.ペドロアルモドバルの映像美
アルモドバル映画の美術と編集の水準の高さは極めて高い。ここでも色合いが美しく、海辺の町の描写とあわせすばらしいものとなっている。また、バックではアルベルト・イグレシアスの不安な心を増長させる音楽が鳴り響く。50年代から60年代までの映画では、バックで高らかに音楽が鳴り響くものが多い。最近はアクションものくらいで、若干抑え気味のものが多いのではないか。でも映像が流れる間ずっと音楽が続くが、映像へのマッチングが鋭いのでまったく違和感がない。というよりも表現を強く見せる効果をもっている。


脚本は次から次へとジュリエッタに苦難の道を進ませる。それでも最後に向けては若干光がさす。スイスの山道の中を真っ赤な車が走る。テーマカラーの赤が効果的に目に焼きつく。





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