映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「クライマッチョ」 クリントイーストウッド

2022-01-14 20:19:48 | クリントイーストウッド
映画「クライマッチョ」を映画館で観てきました。


クリント・イーストウッドの新作「クライマッチョ」がついに公開になった。グラン・トリノの時最後だという話があり、その後もいくつか出演作が続いた。90過ぎて一体いつまでやるの?と思ってしまうが,早速行くしかない。

いきなりカントリータッチの音楽で始まりカウボーイ姿のクリント・イーストウッドが登場すると心ときめく。穏やかな流れで急がず焦らずストーリーが展開していく。イーストウッド作品が持つ独特のムードは変わらない。心地がよい雰囲気に身を任せて快適な2時間を過ごせた。

その昔ロデオの名手だった男が恩人である元雇い主からメキシコにいる息子を探してくれと頼まれる。やっと見つけた少年を引き連れて右往左往しながら、アメリカまで連れ出そうとする話である。


ロードムービーといってもいいのでは?
主人公マイク(クリント・イーストウッド)はテキサスから愛車を運転し国境を越え、メキシコに入る。恩人の昔の女に会って息子の行き先の心当たりを探ると、闘鶏の場で少年を見つける。ヤンチャな世界に身を投じているようだ。母親はアル中気味で色きちがいだ。男もころころ変わってきたようだ。その母親にもマイクは誘惑されそうになるが拒否。そのままメキシコを立ち去ろうとしたら、少年が車の中に乗っていた。

そこからは、裏社会にも通じる母親の手先に追われたり、警察に追われたり、ひょんなきっかけで滞在することになった町の保安官にマークされたりずっと追われながら、田舎町の気のいいレストランの女性店主に助けられる。


もともとは,カウボーイハットのクリント・イーストウッドを見て,ウェスタン的な要素が異常に強いと思っていた。思いがけずのメキシカンテイストも悪くはない。

⒈クリントイーストウッド
若き日は、モテすぎてファンのストーカー女に追われる「恐怖のメロディ」や女性のみの全寮学校で誘惑されたりする白い肌の異常な夜でのモテ役のクリントイーストウッドもさすがに90を超えると女がらみの話が似合わなくなる。それでも、メリル・ストリープ演じる田舎の主婦とのひと時の激しい恋を描いたマディソン郡の橋のように、すてきな出会いと純愛をこの歳にして見せるのは初老の域に入った自分たちにも励みになる。


父に連れられてダーティーハリーを観に行った時から知っている自分からすると、当然動きは緩慢だ。90にもなればそれも仕方ない。それでも、追っ手の一人にパンチを食らわすシーンも用意されている。取っ組み合いはまあ無理だろう。それでも、荒馬や動物をてなづけるシーンのやさしさがいい感じだ。

音楽に造詣の深いクリント・イーストウッドだけに,所々で流れる音楽は非常にセンスが良い。特にテキーラのお酒の味を連想させるメキシコ系ラテン音楽の響きがいい感じだ。

⒉色っぽいエスニック系の女たち
結局ニューメキシコ州で撮影されたようだが、設定ではメキシコ国境を越える。今までの系統とはちょっと違う色っぽいエスニック美人を2人用意する。元雇い主で恩人の昔の女の出会う。これは色っぽい。最初はペネロペクルスかと思った。息子を可愛がるが、淫乱女で男を取っ替え引っ替えなので、息子は呆れて飛び出している。イーストウッドもベッドに誘われる。そういうエロ女がフェルナンダ・ウレホラだ。


もう1人は、レストランに入ったイーストウッドと少年を追手から遮るレストランの女性店主を演じるナタリア・トラヴェンだ。メキシコ女優のようだ。彼女もエキゾチックでエロい。何気なく助けてくれたのに、気がつくと彼女の娘や孫とも親しくなっていく。そして,イーストウッドに恋心を寄せていく。好きだと絶叫するような恋ではなくひっそりと盛り上がる恋だ。


エスニック美人とのダンスは「マディソン郡の橋」を連想する。
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映画「リチャード・ジュエル」 クリント・イーストウッド

2020-01-22 20:01:28 | クリントイーストウッド
映画「リチャード・ジュエル」を映画館で観てきました。


クリント・イーストウッドの新作。1930年生まれで今年はいよいよ90歳だ。近年は「ハドソン川の奇跡」「運び屋」など、実際にあった話を題材に映画化している。題材の選択がナイスというだけでなく、実在の人物に合った俳優をキャスティングして、彼らのいい面を引き出す。「リチャード・ジュエル」ポール・ウォルター・ハウザーの好演もあってさすがクリント・イーストウッドがメガホンをとった甲斐があるという映画である。


アトランタ・オリンピック開催中の1996年7月27日。警備員のリチャード・ジュエル(ポール・ウォルター・ハウザー)は、ケニー・ロジャースやジャック・マックの屋外ライブに大勢の観客が集まっているセンテニアル公園のベンチの下で不審なリュックを発見する。あわてて警察に電話すると爆弾処理班が急いで現場に向かう。調べるとリュックの中には無数の釘が仕込まれたパイプ爆弾が入っていた。ジュエルたち警備員は公園内から人々を退避させるにもかかわらず爆破してしまう。それでも、不審物に気づき被害を最小限に抑えたリチャードは、一躍英雄としてマスコミで報道される。


しかし、第一発見者としてのジュエルに対してFBIが注目する。それを地元新聞社アトランタジャーナル紙の記者キャシー(オリヴィア・ワイルド)が察知、わずか3日後にリチャードを容疑者であるかのように実名報道すると世間は大騒ぎ。FBIはリチャードを別件で呼び出し取り調べをして追い詰める。


母親のボビ(キャシー・ベイツ)は英雄視された息子が一転犯罪者扱いされ落胆すると同時に、ジュエルから依頼を受けた弁護士のワトソン(サム・ロックウェル)はリチャードの無実を確信して、罪を晴らすために動き出すのであるが。。。

1.リチャード・ジュエルと腕利き弁護士
下流階級ではないが、ブルーカラー並みのレベル。これまで保安官とか警備員などの職歴がある。きっと甘いものに目がないタイプなんだろう。かなりのデブである。正義感にあふれる一方で頑固者である。若干融通が利かないことがあり、これまでの職場も追い出されたことがある。

爆弾を発見したことで世間から英雄視されても、以前いた職場の上司からあいつはおかしいとFBIに連絡が入り問題視するきっかけになった。ずっと以前に、職場の備品係としてエリートのワトソンと知り合いになったことがあり、お互いに好感を持っていたことが今回の弁護依頼につながる。


怪しいと思ったFBIに証拠もなく連行されて、取り調べをうける。調書にだましだましサインさせようとするFBIの捜査官に対して、弁護士を呼び出してくれとジュエルが言いワトソンを電話で呼ぶと、ワトソンが強硬に指示していったん事情聴取が終了する。アメリカの弁護士は強い。このやりとりが日本だったらどうなんだろう?と思ってしまう。

しかし、リチャードジュエルは以前警官を装って逮捕された経歴がある。税金も2年間支払っていない。爆破事件の現場で知り合ったFBIの職員がジュエルの家によると、爆破に関するうんちくをジュエルが語る。それでも事件当日のジュエルの動きで脅迫電話をして爆破に及ぶことは不可能とワトソン弁護士はジュエルを信用してかばうのである。

2.アトランタジャーナル紙の記者キャシー・スクラッグス
どこのマスコミの記者も記事ネタには飢えている。アトランタジャーナル紙の女性の敏腕記者キャシー・スクラッグスもそうだ。彼女はFBIの捜査官と内通していた。密会した場所で第一発見者のジュエルをFBIが追っていることを聞く。翌日会社で報告、若干早いけど速報で疑惑を報道する。映画には記者とFBI捜査官の肉体関係を匂わせるような場面がある。これって本人とか会社は大丈夫なのか?と映画を見ながら感じてしまう。

映画を観たあとでネット記事を確認したら、やはり問題になっているようだ。キャシー・スクラッグス記者はすでに死亡しているという。この女性記者をオリヴィア・ワイルドは好演していると思う。ワトソン弁護士の車に忍び込んでインタビューするシーンまである。エロさをプンプンに感じさせるところがすごい。


3.キャシー・ベイツ
キャシー・ベイツと言えばスティーブン・キング原作「ミザリー」での怪演であろう。自動車事故に遭った流行作家を監禁する狂気のパフォーマンスはまさにホラー映画的である。個人的にはフライド・グリーン・トマトでのジェシカ・ダンディとのやりとりが好きだ。彼女も71歳になる。安定した演技をみせるので、出番は全く減らない。さすがである。クリント・イーストウッドもまさに彼女こそが適役と思ったのである。英雄から一転して容疑者になったジュエルとの母子関係を巧みに演じている。最後に向けて、息子を救済するためのスピーチはベテランの味と言うべきであろう。


これが最後かといつも思いながら、一作一作を積み上げるクリント・イーストウッドには頭が下がる。ご本人の登場はなかったが、映画の後味はよかった。

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映画「運び屋」 クリント・イーストウッド

2019-03-17 16:00:29 | クリントイーストウッド
映画「運び屋」を映画館で観てきました。


今や89歳になろうとしているクリントイーストウッドが監督兼主演でこの映画に取り組む。予備知識若干でこの映画を見たが、ラストに向け、涙がでて仕方なかった。明らかに男性が見ていてジーンとくる映画であろう。一度も警察のお世話になったことのない90歳に近い老人が麻薬の運び屋として検挙されたという新聞記事に基づいたフィクションである。メキシコ系の怪しい組織の人間が登場するが、クライムサスペンスというよりは主人公の家庭の話もクローズアップさせるヒューマンドラマといえよう。

フランスの高速鉄道の中でのテロを防いだ事件を描くイーストウッドの前作はあまりいいとは思えなかった。フランスで起きた事件も「ハドソン湾の奇跡」での着陸事件も短時間での事件ということでは変わりはない。ただ、作品としての質には差があると感じた。しかし、この映画の情感はいかにも後期クリントイーストウッド作品の持つ趣きで心にジーンと響く。素晴らしい。


90歳になろうとするアール・ストーン(クリント・イーストウッド)は園芸でデイリリーという品種を作っていた。しかし、インターネット販売に押され、廃れ気味で自宅も差し押さえをくらう状態に陥っている。家族からも見放され、孤独な日々を送っていた。ある日、偶然知り合った男から「車の運転さえすれば金をやる」と話を持ちかけられる。なんなく仕事をこなすが、それはメキシコ犯罪組織によるドラッグの運び屋。気ままな安全運転で大量のドラッグを運び出す。麻薬取締局はメキシコマフィアの体制破壊に乗り出していた。司法取引を企てるメキシコ人の内部通報を得て、麻薬取締局の捜査官(ブラッドリー・クーパー)の手が迫るのであるが。。。

1.主人公のパーソナリティ
自宅近くでリリーを育てている。きれいな花である。アメリカではインターネットによる生花販売が進んでいるのであろうか、それに押されるように商売も傾いている。気が付くと自宅は差し押さえられている。これまで家を顧みず、全米を股にかける商売をしてきた。娘の結婚式すら出席していない。悪いことはしたことはないし、警察のお世話になったこともない。


そういう男が何気なくメキシコの麻薬売人から運転さえしてくれれば金になる仕事があるよと言われ、カー用品販売店のガレージに向かい依頼を受ける。言われたとおりに仕事をしたら、車のサイドボックスには多額の金がある。驚く。一度きりにしようとしたが、またやってくれよと言われ、自宅を取り戻すための金や子供の歓心を得るための金など入用で再度メキシコマフィアのアジトに行くのだ。

2.クリントイーストウッドの想い
この映画を観て、クリントイーストウッドが泥棒を演じた「目撃」を連想した。ローラ・リニーが娘役を演じる。泥棒稼業というアウトローのクリントイーストウッドが、今や弁護士となっている娘と熱い交情をかわす話の流れにこの映画がダブる。家庭を顧みず、色んな女たちと浮名を流したイーストウッドが、この映画の主人公に自分をだぶらせる。そんな想いを妙に感じる。


「アメリカンスナイパー」で主演を演じたブラッドリー・クーパーが麻薬捜査官を演じる。追う側と犯人が偶然にも出くわし、会話を交わす。普通のお爺さんであるイーストウッド演じる主人公のことを全く疑っていない。その時の会話に妙味を感じた。



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映画「ハドソン川の奇跡」 クリントイーストウッド&トムハンクス

2016-09-25 16:17:14 | クリントイーストウッド
映画「ハドソン川の奇跡」を映画館で見てきました。


クリントイーストウッドの新作は、全エンジン停止のトラブルでやむなく旅客機をニューヨークハドソン川に着地させ、乗員乗客全員155名を助けたパイロットの物語である。パイロットをトムハンクスが演じる。この顛末をテレビで見てアッと驚いたし、全世界で報道されたので、誰もが知っている話だろう。しかし、運輸当局よりその判断が正しかったのかと操縦士が事情徴収を受けていることを知っている日本人はほとんどいないと思う。


数多いイーストウッド映画の中で、実話に基づく作品はいくつかある。ドキュメンタリータッチではあるものの、当代きっての名優トムハンクスが奇跡の救出劇をしたにもかかわらず、疑いをもたれてしまうことへのパイロットの苦悩を実にうまく演じている。原題の「sully」は機長のニックネームだ。イーストウッド作品の中では小品に位置されるであろう作品だが、見る価値は十分ある。

2009年1月15日ニューヨークのラガーディア空港をUSエアウェイズ1549便の旅客機が離陸した。離陸後まもなく鳥の大群がエンジンに飛び込み、全エンジンが完全停止してしまうトラブルが発生する。サレンバーガー機長(トム・ハンクス)は、管制塔からは別の空港への着陸の指示が出ていたにもかかわらず、状況を判断してハドソン川への着水を決意する。スカイルズ副操縦士(アーロン・エッカード)と巧みに連携したことにより、ハドソン川に無事着水ができた。


「乗員乗客155名全員無事」という奇跡の生還であった。着水後も、機長は浸水する機内から乗客が避難するのを指揮してから脱出した。この事実は全世界に報道され、サレンバーガー機長は国民的英雄として称賛を浴びる。しかし、空港に戻る選択を選ばなかった彼の判断を巡って、事故直後から国家運輸安全委員会の厳しい追及が行われていたのであるが。。。


事故の状況をまず映像で映すのかと思ったら、違っていた。事故後厳しい追及を受けて、機長が苦悩するシーンからスタートする。「片側のエンジンは動いていたのではないか」、「シミュレーションをしたらラガーディア空港に戻れているぞ」など尋問を受けるシーンが続く。一般市民からは至る所で行動を称賛されるのに、事故調査委員会の追及はきびしい

1.クリントイーストウッドの皮肉
クリントイーストウッド「ダーティハリー」の頃から体制的、官僚的なものへの反発を表現してきた。異常犯罪者を取り締まることができず、街にのがして治安をよくしていないサンフランシスコ警察への反発が「ダーティハリー」の中で読みとれる。西部劇であれば、自警団のような集団が本当のワルを抹殺するのに、何でそうしないの?とばかりにイーストウッド演じるキャラハン刑事には自警団的正義の味方を演じさせている。イメージはちがうが、運輸当局という官僚組織への痛烈な皮肉がこの映画でも充満している。


2.配役
エンディングロールでは配役のところで、himself,herselfというのが目立った。本人が自ら配役を演じているのである。これは珍しいケースだ。機長の機転が155人の命を助けたのは言うまでもないが、女性乗務員や救助するフェリーの船長、救援ヘリコプターの乗員などかかわった人たちが多い。みんなでこの奇跡を分かち合いたいということなんだろう。クリントイーストウッドもエアバス一台購入してこの映画に臨んだという。さすがだ。


それにしてもこの機長神がかっているね。本当にすごい!
最後に向かって,音楽のムードはいかにもクリントイーストウッドらしいセンスのあるもので、ああやっぱりイーストウッドだな!と感じながら映画を見終えた。この人には晩節を汚すという言葉はありえない。まだまだやってほしいなあ。



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映画「アメリカンスナイパー」 クリントイーストウッド&ブラッドリー・クーパー

2015-02-25 20:29:28 | クリントイーストウッド
映画「アメリカンスナイパー」を映画館で見てきました。


クリントイーストウッドの新作なので、当然のように足を運ぶ。アメリカでは3億ドルを超える戦争映画としては史上空前のヒットだという。イラク戦線に従事する射撃の名手の話である。イーストウッドの一連の名作ほど娯楽の要素は少なかった。しかも、この題材は平和ボケしている日本人の感覚ではどうしても理解できない要素があると思う。アメリカで大ヒットするのには、日本と違う背景があるからなのかと感じた。「ミリオンダラーベイビー」の時のようにおっかけリーチでイーストウッドがこの作品を出してきたのでアカデミー賞もひょっとすると!?とも思ったが、別の作品にさらわれた。たしかにいい映画だけど、作品の出来はイーストウッドの他のオスカー受賞作品ほどではない。


イラク戦線で射撃の準備に入っているブラッドリークーパー演じるクリス・カイルをいきなり映す。民間人の母親と子供の2人がおかしな動きをしているのに注目している。どうも武器をもっているようだ。クリスの狙いが定まったところで、主人公の小さい頃の姿を映しだす。そのルーツが彼の人となりを作り上げていて、関心をもってみれた。18kg体重を増やしたブラッドリークーパーがいい俳優に育っているなあと感じた。

米海軍特殊部隊ネイビー・シールズに入隊し、イラク戦争に狙撃手として派遣されたクリス(ブラッドリー・クーパー)。その任務は“どんなに過酷な状況でも仲間を必ず守ること”。狙撃精度の高さで多くの仲間を救ったクリスは “レジェンド”の異名を轟かせるまでになる。しかし、敵の間にもその腕前が知れ渡り、“悪魔”と恐れられるようになった彼の首には18万ドルの賞金が掛けられ、彼自身が標的となってしまう。


一方、家族はクリスの無事を願い続けていた。家族との平穏な生活と、想像を絶する極限状況の戦地。愛する家族を国に残し、終わりのない戦争は幾度となく彼を戦場に向かわせる。過酷なイラク遠征は4度。度重なる戦地への遠征は、クリスの心を序々に蝕んでゆく……。(作品情報より)

1.祖国への思い
戦前の日本は「お国のために」「天皇のために」と小さい頃から教育されていた。いやいやながら戦場に向かった人間も数多かったと思うが、自ら志願した兵隊さんも数多くいただろう。この映画の主人公クリスは心から祖国アメリカのため軍に従事したいと考えている青年である。こんな青年は今の日本にはいないと思う。シールドの厳しい訓練に耐え、最前線に従事する。死と背中合わせである。思わずすげえなあと感じてしまう。


イーストウッドが厭戦的映画としてつくったのにもかかわらず、アメリカでは好戦的な映画と評価する人も多く論戦になっているという。自分からすると、祖国のために自ら進んで兵隊になろうとするその姿が今の日本人からはまったく理解できないと感じてしまう。

2.物語的構造
ノンフィクションでクリスの伝記をもとにしてつくられたのであろうが、イラクの現地に狙撃の名手がいたりして、強力な敵の存在は物語的な要素を強めている。圧倒的に勝ちまくるわけでなく、訓練されつくしているシールズの部隊の身内からも負傷者や死亡者が出ていく。しかも、強い砂嵐のもと、ビルの周囲を現地部隊に囲まれ絶体絶命のピンチ。なかなかスリリングだ。

3.印象に残るシーン
アメリカ軍の味方的な存在だった現地人に夕食に誘われ、シールズ軍の兵士がくつろいでいるときに、クリスが現地人のひじに傷を発見して、こっそりと彼の家の中で武器を探すシーンだ。ヒッチコック的ドキドキ感がなんとも言えずいい感じだ。イラク側の狙撃名手の追いかけ方もうまかった。


最初に狙いを定めた母子はクリスに狙撃されてしまったが、クリスに狙撃された男が持っていた武器を小さい子供がもって射撃しようとしているところをクリスが狙いを定め、武器を捨てろ捨てろと言いながら、子供が武器を置いてその場を離れ、撃てなくてよかったとつぶやくシーンも印象に残る。

先入観なしに映画を見たので、最後の場面は「何これ?」という感じだった。ちょっとビックリだった。
音声のないエンディングロールも印象的。クリスに対しての黙とうをささげた。

(参考作品)
父親たちの星条旗
アメリカ側から見た硫黄島の戦い
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映画「ジャージーボーイズ」 クリントイーストウッド

2014-09-28 16:07:47 | クリントイーストウッド
映画「ジャージーボーイズ」を映画館で見てきました。
これは最高!今年一番の興奮でした。84歳のイーストウッド本当にごくろうさまでした。



世に出るにはギャングになるか、スターになるか、軍隊に入るしかない。そんなことを言う不良少年たちがスターになるためフォーシーズンズを誕生させる。全米ヒットチャート1位の絶頂期を経て身から出たサビで衰退する話を中心に4人が90年にロック殿堂入りをする場面までを描く。
アメリカでコケたというコメントも見られるが、実際米国内の興行収入は「インビクタス」以降「人生の特等席」までの各作品よりは上だ。(Box Office Mojo調べ)別にこけてはいないし、これから海外で荒稼ぎだ。評論家筋の印象が悪かっただけなのかもしれない。
実際日本では高評価のようだ。芝山幹郎は自分がもっとも信頼する映画評論家であるが、彼も評者の1人である「週刊文春」のシネマチャートの点数が25点満点中24点、ここまでの高評価は「ジャンゴ」以来久しぶりだ。

オールディーズポップス好きの自分からすると、絶対に好きなタイプの映画と思っていたが、その盛り上がりは想像以上だ。名曲「君の瞳に恋してる」の誕生秘話が語られて、リードボーカル・フランキー・ヴァリが失意の中立ち上がろうとする場面には目がうるるとなってしまった。この曲は日本人好みで、カバー曲がCMや劇中などあるゆる場面でかかっている。でもこれ自体がもともとフォーシーズンズのヴォーカルが歌う曲と知っている人は少ない。その他の曲についても、これもそうだったのか?!と思う人が多いだろう。そういった意味でもよかった。

ニュージャージー州の貧しい地区に生まれたイタリア移民の息子フランキー・ヴァリ(ジョン・ロイド・ヤング)は理髪店の見習いである。トミー・デヴィート(ビンセント・ピアッツァ)ニック・マッシ(マイケル・ロメンダ)と組んで窃盗などの悪さをはたらいている。トミーが組んでいるバンドにフランキーが歌い手として参加すると、そのファルセットヴォイスが受ける。非行少年のトミーは刑務所に入ったりするが、マフィアのボス(クリストファー・ウォーケン)もフランキーを気にいり、上向きにキャリアを重ねていく。


そして作曲も手がけるボブ・ゴーディオ(エリック・バーゲン)と出会う。彼らはちょっとした思いつきでフォー・シーズンズというバンド名を付ける。そしてボブがつくった『シェリー』が大ヒットして全米ヒットチャート1位に輝く。『恋のヤセがまん(Big Girls Don't Cry )』、『恋のハリキリ・ボーイ(Walk Like a Man )』とヒット曲が続き、一気に人気スターとなる。

その一方でコンサートツアー続きで家を留守がちになり、メンバーの家庭は崩壊する。トミーは借金がかさみ、借金取りがテレビ局まで押し掛けてくるようになる。バンドのリーダーの金遣いが荒いためにメンバーに波風が立ちはじめるが。。。


正直イーストウッドらしいかと言えば、そうではない。
でも84歳にしてこの映画のメガホンをとるイーストウッドの執念みたいなものを感じた。音楽好きのイーストウッドはミュージシャン主役の映画を何度も作ってきた。これは彼の音楽映画としての集大成ではないか。ミュージカルの締めらしいエンディングは見ていてわくわくする。
1.君の瞳に恋してる(Can't take my eyes off you)
今でも生バンド演奏でオールディーズや昔のディスコミュージックを主体に演奏する「ケントス」のようなライブハウスではよくかかる。しかも、この曲が一番盛り上がる場面にかかる。我々も若い美人女子社員をつれて「ケントス」にいくが、彼女たちもこの曲のことはよく知っている。転調して一気に盛り上げるときには、手をたたきながら大はしゃぎする。クラブでもかかるのかな?

80年代前半のディスコで「ボーイズタウンギャング:Boys Town Gang」のカバー曲がはやりまくった。今40代半ばから50代後半にかけての中年遊び人なら誰もが知っているバージョンだ。



どちらかといえばボーイズタウンギャングの曲だと思っている人がほとんどかもしれない。このディスコ調のアレンジは今もってディスコミュージックの古典である。
「恋のサバイバル」のグロリアゲイナー版もいい。映画ではミシェルファイファー「恋のゆくえ」で彼女自ら歌ったのが素敵だ。日本ではミーシャがコンサートで歌っているのが一番いいかもしれない。
ともかくみんなに好かれている名曲で日本人が好む曲だけに中年男女はとっつきやすかっただろう。



2.シェリー
どんなにフランキーヴァリのファルセットヴォイスが良くても、ボブ・ゴーディオがいなかったらフォーシーズンズはこれほどまでにならなかったし、「シェリー」のヒットは存在しなかっただろう。それがこの映画をみるとよくわかる。オールディーズには欠かせない曲である。「ケントス」ではこの次のヒット曲「恋のやせがまん Big Girls Don't Cry 」もよくかかるよね。「悲しきラグ・ドール」はある時期までビーチボーイズの曲だと思っていた。「バイ・バイ・ベイビー」ベイシティーローラーズのリバイバルがすごいはやっていたので、これもフォーシーズンズと思っていなかった。
(悲しきラグドールとバイバイベイビーを演奏するフォーシーズンズ)



こんな感じで、この映画見てこの曲フォーシーズンズだったの?と自分と同じような感想を持つ人多いんじゃなかろうか?CMとかで曲が採用されることも多いからボブ・ゴーディオは印税で一生金に困らないだろうなあ




3.クリストファーウォーケン
この映画で一番名の売れている俳優は彼だろう。マフィアとはっきりとセリフには出ていないが、ニュージャージーの顔役ということはすぐわかる。この手のヤクザ顔がうまくなってきた。イーストウッドはその役にあった俳優に直接電話してくどくという。クリストファーにもたぶん電話が来たのであろう。


「ディアハンター」におけるロシアンルーレットのシーンは一度見てしまうと目について離れないシーンである。本当に薄気味悪いシーンだった。あれから36年たって現役でがんばっているのは称賛に値する。そういえば「ディアハンター」の前半、結婚式でメリルストリープやロバートデニーロが大はしゃぎする場面で「君の瞳は恋してる」流れているんだよね。
フィナーレで他の俳優と一緒に彼も登場するときは思わず吹き出してしまう。

4.ジョーぺシ
売れない時期のマネジャーをジョーぺシがやっていたというのはビックリだ。しかも、この映画でトミーが没落する姿が語られるが、なんとそののちジョーぺシの世話役をトミーがやるようになったと言っている。ビックリだ。


ジョーぺシと言えば、ロバートデニーロとマーチンスコセッシ監督コンビの初期の傑作「レイジングブル」での怪演が印象深い。「グッドフェローズ」「いとこのビニー」も大好きだ。アメリカ映画ではまれにみるチビなのに大暴れをする。

白黒のテレビが出てきて、若き日のクリントイーストウッドが画面の中に映るのはカメオ主演のようなものだ。でもこの作品は何だろう?テレビだから「ローハイド」なのかな?

まだまだやってほしい!と思って数年たつ。
高倉健と同じ年のクリントイーストウッドは永遠に不滅であってほしい。
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映画「人生の特等席」 クリントイーストウッド

2012-12-04 06:02:25 | クリントイーストウッド
クリントイーストウッドの新作映画「人生の特等席」を劇場で見た。
「グラントリノ」で俳優業卒業と言われていたイーストウッドがメガホンをとらずに、俳優に専念する。
予想よりもよかった。
父娘の愛情をこんなに素晴らしく描いた映画はそうはない。見ていくうちに引き込まれていった。
どちらかというと、娘をもつ父親が感動する映画のような気がする。

主人公ガス(クリントイーストウッド)はアトランタブレーブスの老スカウトだ。ガンコ一筋の性格で妻と死別して27年の一人暮らしだ。弁護士の娘ミッキー(エイミーアダムス)とは別々に暮らしている。老いて最近は目の調子も悪い。検査してもらったら失明の危機すらある状況なのに、そのままスカウト業を続ける。体調の異変に気がついた同僚(ジョングッドマン)は娘に連絡する。娘は弁護士事務所のパートナーになれるかどうかの瀬戸際で、次の裁判に勝ったらパートナーに推挙すると言われていた。そんな多忙の娘であったが、病院に問い合わせて父親の目が悪いことを知る。娘は父に勧告するが、父娘ともに頑固で話はいつものように決裂だ。


主人公は有望選手の出る試合を見にノースカロライナに向かう。そんな主人公を見て、同僚は娘に一緒についていってあげたらという。自分の昇進がかかった大事な時であるが、娘は休暇を取り追いかけて行った。
その有望選手は強打者でドラフトの目玉だ。他のメジャーリーグのスカウトも黙ってはいない。そこには以前主人公がスカウトした男フラナガン(ジャスティン・ティンバーレイク)もレッドソックスのスカウトとして来ていた。投げすぎて肩を壊してブレーブスからはトレードされて、今はスカウトだ。主人公は昔の仲間と旧交を温めにバーへ行く。娘も一緒についていった。そこで娘は店にいた男にからまれた。すぐさま助けに来る父親が男の胸ぐらをつかみ修羅場になる寸前、止めに入る。それをきっかけに娘とフラナガンは近づくようになるのであるが。。。

英題は「Trouble with the curbe」という。curbeはこの映画の中にいくつか出てくる。人生でもあり、車道でもあり、ピッチャーの投げるカーブでもある。一瞬なんだ?という英題が見終わるとなるほどと思えてくる。

野球映画でもある。
「マネーボール」の舞台となったアスレチックスはID野球の本場のようなチームだった。今回はまるで反対で主人公はパソコンは一切触れない、自分の触感だけしか信じられないスカウトとして描かれる。娘もその父の元で育ったので野球好きである。名前のミッキーはミッキーマントルからとられたのは明白、それ以上に野球オタクの域に達している。
劇中に野球の記録知識に関するクイズをレッドソックスのスカウトである恋人とバーで語りあう場面が出てくる。「20勝投手4人いたのに優勝できなかったチームは何処?」「両リーグでMVPを取ったのは誰?」なんて質問を語りあう。この場面、背筋がぞくっとした。少年時代野球の記録オタクだった自分は知っていた。こんな楽しいデートってないだろう。自分も大学時代こんな話を飲み屋で後輩たちと語り合った記憶がある。相手は男だけど、楽しい瞬間なので30年たっていても記憶から抜けない。最後に出た「レジーがワールドシリーズで3本打った時のピッチャーは誰?」しびれるなあ!!レジージャクソンだよね。自分は答えがわからなかった。
そんな娘ミッキーが途中から野球で重要な役どころを見せる。
これは見てのお楽しみだが、楽しい展開だ。

そんな娘との父娘愛も語られる。強い遺伝子があるせいか、2人とも頑固だ。すぐケンカしてしまう。それでも仲直りというか、普通の状態で話ができるというのもやっぱり親子だからであろう。突如小さい時のつらい思い出を普通の食事の時にべらべら話出して、楽しい場面を台無しにしてしまういかにも女性的混乱のシーンを見せたりするのが象徴的だ。

イーストウッドは明らかに「グラントリノ」から年を取っている。そりゃそうだろう、82歳だ。40年以上親しんだ彼の声も老いでかすれてきた。前回俳優業卒業を宣言した後のこの作品は本当に最後になるかもしれない気もした。劇中はほぼ出ずっぱりだったが、この声のかすれは限界に近付いている印象だ。

エイミーアダムスはいつもながらかわいい。今回は弁護士役でインテリだ。父親に距離を置きながら自立する女性を演じる。エリート弁護士に求愛されながらもふん切れない。相手との壁をつくってしまう。30過ぎの美人でインテリだけど結婚しない女の典型をうまく演じている印象だ。

映画「目撃」でも似たような親子愛があった。あの時泥棒役のイーストウッドはローラリニーと素敵な親子を演じた。自分が好きなイーストウッドの一つだ。今回の親子愛はもっと自分の心に響いた。
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Jエドガー  イーストウッド&ディカプリオ

2012-02-01 17:18:46 | クリントイーストウッド
「Jエドガー」はクリントイーストウッド監督の新作である。
早速に劇場で見てきました。前作「ヒアアフター」は霊媒師の話でちょっとどうかと感じたが、本作は主役であるディカプリオの演技が実によく出来は上々。


アメリカ連邦捜査局FBIの長官をなんと48年にもわたって牛耳ってきたジョン・エドガー・フーバー長官の伝記だ。フーバーは1924年から1972年まで政治から独立した強大な権力を手にしていた男だ。彼はアメリカのあらゆる秘密を掌握し大統領の誰もが彼を恐れた。そういう権力者の若いころの逸話から、死ぬまでをじっくりと語る。いつもながらしっとりとしたイーストウッドの音楽をバックに裏のアメリカ史が語られる。個人的には大好きなテイストだ。


FBIのジョン・エドガー・フーバー長官ことレオナルド・ディカプリオが、部下に命じて回顧録を書き取らせるシーンからスタートする。
まずは1919年に記憶は遡る。ロシア革命のあと、共産主義者がアメリカ国内でテロ行為を行っていた。フーバーの司法省の上司が危うく爆発事故で死にそこなうシーンが映し出される。アメリカの共産主義者を打ちのめすために、徹底的に摘発していく。当時は警察の資質も悪く、捜査もまともに行われなかった。そういう中フーバーが頭角を現す。そして司法長官から捜査局の局長代理に任命される。
秘書には司法省内では美人で目立つナオミワッツがなる。彼女は自らを独身主義だと称していて生涯フーバーに仕える。
まずは、捜査にそぐわない人間がすぐさま追放された。蝶ネクタイ、ヒゲ、服装、素行などでチェックアウト。採用の人選も厳しく統率のとれた組織を作り上げていった。そんな中一人の長身の紳士トムソンことアーミーハマーがフーバーの参謀役となり、マフィア摘発やリンドバーグの息子誘拐事件などにかかわっていく。ケネディ兄弟、キング牧師、ニクソンまでアメリカ現代史の重要人物がでてくる。


非常に面白かった。
いきなり共産主義者がおこす革命じみた爆破行為に憤慨した若き日のフーバーことレオナルド・ディカプリオがコテンパンにやっつけるシーンが出てくる。痛快である。煽動する共産主義思想家を国外追放にしたりする。法律も変えたりして強引だ。しかも、彼自体が捜査局の局長代理になる時、司法長官に注文を出す。「政治が関与しない組織にしてくれ」と。そうして彼は若くして権力をつかむ。
まずはここで共産主義をやっつけたからこそアメリカの黄金の20年代があった。

しかし、禁酒法と裏腹にのさばる裏社会の全盛時となり、フーバーの標的が共産主義者から裏社会の人間へと変わる。治安の維持のため、彼は捜査組織を動かす。でも彼の動きをよく思わない政治家から聴聞を受けたりもする。でもそれには彼は負けていない。大統領を始めとする要人たちの秘密を調べ上げ、その極秘ファイルを自身で所有し、そのファイルの内容をもとに政治家たちにプレッシャーをかける。脅しぶりが高度だ。フランクリンルーズベルトをはじめ、ケネディ兄弟などみんなフーバーを引きづりおろそうとして返り打ちを食らう。
そんな凄い男をレオナルド・ディカプリオがうまく演じた。今回の彼は特にいい。


フーバー長官はFBI科学捜査の基礎を確立した。全国から犯罪者の指紋を集め、州をまたがる指紋管理システムを作ったのも彼なら、マフィア退治をはたすFBIを映画やテレビ媒体でヒーローに押し上げたのも彼だった。
映画ではそういう彼の私生活にずいぶんと入っていく。マザコンとも称していいようなジュディディンチ演じる母親への強い愛情、フィーバーの片腕役の長官代理との同性愛めいた私生活の話などはどこまでこの映画で取り上げるのか脚本段階では微妙な葛藤があっただろう。

80歳過ぎて創作意欲のおちないイーストウッドは相変わらず凄い。イーストウッド自身が出ていなくても彼の作品と感じてしまうムードがある。マイルスデイヴィスのバンドで、マイルスがトランペット吹かない曲なのにウェインショーター、ハンコックがマイルスがいる雰囲気を醸し出す曲と同じようなものだ。個人的にはイーストウッド監督作品としては「ヒアアフター」や「インビクタス」よりはよくできていると感じる。
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ファイアーフォックス  クリントイーストウッド

2011-12-14 20:49:54 | クリントイーストウッド
「ファイアーフォックス」はイーストウッドにはめずらしいタッチの作品だ。まだ東西冷戦が続いていた時代に、ソビエトで開発された新型戦闘機を盗もうとする退役軍人を演じる。前半はスパイ風タッチで、後半に入って徐々に戦闘機の場面が増える。

ソ連が最新鋭の戦闘機ミグ31を完成させた。イギリス秘密諜報局がテスト飛行をするという情報を入手、NATO側がこの情報を基にミグ31の奪取作戦を企てた。そのミグ31を操縦し奪い去る任務がベトナム戦で活躍した主人公ことクリント・イーストウッドに課せられた。ファイヤーフォックスと名付けられた戦闘機は、最高速度マッハ6、アンチ・レーダー・システムを持ち、思考誘導兵器装置を装備するといった驚異的な性能を持つ。輸出代理業者になりすましてモスクワ空港に降り立つ。その夜、尋問してきたKGB局員をイーストウッドは殺してしまう。翌朝、トラック運転手を装ったイーストウッドらは、偽造した通行証を手に目的地へ向かう。途中でトラックを飛び降りたイーストウッドは、ファイヤーフォックス設計の中心的科学者で今回の作戦の協力者に会う。KGBは、KGB局員殺害の犯人の正体がイーストウッドであることをつきとめる。。。。

普通かな?
東西冷戦が続いているころは、対ロシアを意識した映画がたくさん作られていた。007の初期の作品も露骨にKGBとの対決を映し出している。モスクワに行って、戦闘機を盗み出すという設定がちょっとありえないなあと思うせいなのか?のりきれない。
ファイアーフォックスの機体自体が出てくるのは凄味はある。最後に近づき、TVゲームを連想させる空中戦のシーンが出てくる。もともとこういうのはちょっと苦手
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ヒア・アフター  クリントイーストウッド

2011-10-12 17:09:27 | クリントイーストウッド
クリントイーストウッドの新作である。劇場で見ようとしていたが、東日本大震災の影響で急きょ上映中止となり見ることができなかった。その後名画座等でもやっていないようだったので、DVD化を待った。上映開始10分程度であるが、津波の描写がある。これはこれでよくできた表現であるが、現実としての津波映像を何度も何度もテレビなどで見せつけれたので、さすがに地震直後の状況では上映中断はやむを得なかったのかもしれない。


パリ、サンフランシスコ、ロンドンの3か所で繰り広げられるストーリーが並行して進んでいく。
パリで活躍するジャーナリストことセシル・ドゥ・フランスは、恋人と一緒に休暇で訪れていた東南アジアのリゾート地で、津波に遭遇する。波に飲まれて生死の境を彷徨ったものの、何とか一命を取り留める。しかし、帰国した後も、呼吸が停止した時に見た臨死体験を忘れることができず、TVキャスターの仕事がちぐはぐになってしまう。。。。
サンフランシスコでは、かつて霊能者として活躍したマット・デイモンが工場で働いていた。今でも彼のところには死者との出会いを求めて依頼者が絶えない。しかし、疲れ切った彼は引き受けようとしない。人生を変えようと通い始めた料理教室で知り合った女性に好意を寄せる。彼女の手を握るとそこには不思議な世界が見えてしまう。彼女はそれは何かと彼に問いただすのであるが。。。
ロンドン。ヘロイン中毒の母親が双子の少年と住んでいる。児童相談所にマークされている家庭である。双子の弟は、突然の交通事故で兄を亡くす。弟は母と別れ、里親に預けられたが、どうしてもなじめない。もう一度兄と話したいといろんな霊能者を訪ね歩くがいづれも胡散臭い。そんな時、ネットで霊媒者マットデイモンのHPを見つけるのであるが。。。。
3人の人生が交錯し、そして静かに接近していく。


スピルバーグが制作にかかわっているせいか、死後の世界の話となるが、いつものイーストウッド映画とは違うイメージを持つ。しかし、映画を流れる基調は今までとは変わらない。いつも通り音楽は静かに流れ、上品だ。ラフマニノフのピアノ協奏曲2番の2楽章を思わせるピアノの響きがいい。でも正直他のイーストウッド作品ほど感動することはなかった。
マットデイモンの役は東北の恐山の霊媒者のような存在である。こどもの時に病気になり、霊媒者の能力を持った。こんな人っているかもしれない。自分は霊媒者だと周囲にいいまわって、金を稼ごうとする人は多いが、この映画のマットデイモンは積極的にはやりたがらない。我々が知らない人で、爪を隠す鷹のごとく本当にこういう能力を持った人はいるかもしれない。
臨死体験というと、全身麻酔で手術をしたときのことを思い出す。夢の中に入っていく夢を見ながら、手術中たくさんの夢を見た。不思議な体験だった。麻酔から覚めしばらくたった時、激痛が走って大変だったが、麻酔中は何かが聞えている気もしたが穏やかだった。死に直面しさまよう女性のシーンを見ながらて自分の体験を思い起こした。死ぬときはぎりぎりのところでさまよいながら無になっていくのであろうか?母が死ぬ間際我々の声は聞こえていたのであろうか?
イーストウッドも80をすぎ、当然自分の死が近づいていると感じているのであろう。だから今までと違う異色の映画ができたのかもしれない。
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アイガー・サンクション  クリントイーストウッド

2010-08-24 04:46:17 | クリントイーストウッド
75年のイーストウッド作品である。元殺し屋で今は足を洗おうとしているイーストウッドがやむなく黒幕の仕事を請け謎のターゲットを追うというお話である。中盤は西部劇で有名なモニュメントバレー、後半はスイスのアイガー北壁を舞台にした映画である。CG時代になっていないころの、あっと言わせるようなリアルな撮影シーンがいくつかある。



クリント・イーストウッドは、元殺し屋で、今は美術の大学教授をしている。しかも、趣味は高価な美術品の蒐集で、2度までもアイガーの岩壁に挑んだ登山家でもある。
殺し屋稼業からも足を洗いつつあった彼のもとに、アメリカのスパイ機関の黒幕から殺しの依頼があった。依頼を断ったが、黒幕はイーストウッドが所有している絵画の資金ルートを税務当局にパクルぞと脅す。絵画を正当なルートで手に入れたという政府発行の保証書を手に入れんがために、イーストウッドはその依頼をひきうけ殺し屋を難なく始末した。イーストウッドは、報酬の小切手と証書を手にした。だがその帰途、飛行機のなかで美人スチュワーデスに心を許し一夜を楽しんだ。目をさましたときは既に小切手と証書は消えていた。彼女は黒幕が派遣したスパイ機関の女諜報員だったのだ。それは黒幕の思惑で、報酬をふいにしたイーストウッドは第二の殺人をひきうけることになった。
目標の名前や人相は一切不明、唯一分かっているのはその男が近々アイガーに挑戦する国際登山チームの一員であることだけだった。イーストウッドはまず昔の登山仲間でホテルの経営者におさまっている旧友ジョージ・ケネディのところで登山トレーニングに励んで、国際登山チームに参加することにした。

映画の序盤は、007的スパイ映画の色彩でイーストウッドが黒幕から依頼された仕事を成功させるまでを描いている。中盤はモニュメント・バレーでの登山訓練。そして終盤がいよいよアイガー北壁への挑戦だ。


前半のアクションはそんなに凄みを感じない。中盤の登山訓練からエンジンがかかる。イーストウッドは若い女性の体力トレーニングのコーチと登山訓練に励む。モニュメント・バレーで迫真の登山訓練を見せてくれる。高い岩山でイーストウッドとジョージ・ケネディを映し出すシーンには観る方がドッキリさせられる。アイガーの登山シーンもドキドキだ。
撮影もかなりたいへんな映画だと思う。カメラにも殊勲賞を上げたい。

ともかく実際に困難な山登りに挑戦したイーストウッドに感心した。
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ダーティ・ハリー3  クリントイーストウッド

2010-08-20 05:29:14 | クリントイーストウッド
「ダーティハリー」シリーズの3作目、はみ出し刑事イーストウッドが毎度のごとく上司と市長とケンカしながら異常犯罪者に立ち向かう76年の作品である。当時46歳のイーストウッドの動きは若い刑事と比較すると華麗とは言えないが、サンフランシスコ市内を縦横無尽につかった映像で楽しませる。彼の映画では異例の女性刑事が出てくるところも見どころの一つだ。

サンフランシスコ市警殺人課のハリーキャラハンことクリント・イーストウッドは、相棒とパトロール中、強盗事件に駆り出された。現場に直行したハリーは強盗の要求の一つである車で店の中に突っ込み、犯人たちへ銃弾を見舞い鎮圧した。しかし、いつも通り行き過ぎ刑事ハリーの事件処理にクレームがつき、上司に怒られ人事課に転属される。そしてその職務で面接をして婦人警官を刑事に昇進させることになる。
そのころ若い過激派グループが、ガス会社の人間と偽り、陸軍の兵器庫に押し入り、兵器を盗み出そうとしていた。パトロール中に異常に気付いたハリーの元相棒に重傷を負わせ、そのまま逃走した。彼らは殺人を好む異常なテロリスト集団だ。殺人課に戻ったハリーの新しい相棒として、刑事に昇進したばかりの女性、ムーアが付けられた。一緒に過激派の行動を追うことになるのであるが。。。



少年時代に父と昔観たことがあったけれど、内容を全く忘れていた。はみ出し刑事が上司にいつものように、その破天荒のふるまいを注意される。それに反抗しながら、犯人を撃退する。ワンパターンだけれど、「水戸黄門」を観るがごとく後半活躍して相手を打ちのめす姿は痛快だ。

坂の多いサンフランシスコはロケ地として取り上げやすい場所が多いところだ。古くはキムノバックがヒッチコック映画に出演した「めまい」の情景が美しい。映画「ブリット」でスティーブマックイーンが自らハンドルを握ってぶっ飛ばした場所がここでも出ている。またこの3年後にイーストウッド自ら取り上げるアルカトラズ島の牢獄も出てくる。
単に犯人を追うだけでなく、どこで追うのかが大切だ。行ったことのない場所に映画が何度も連れて行ってくれる。これも映画の醍醐味だ。
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ペイル・ライダー  クリントイーストウッド

2010-08-15 17:47:12 | クリントイーストウッド
村上春樹がエッセイで絶賛したクリントイーストウッドの西部劇がある。
オスカー作品賞「許されざる者」より7年前につくられた85年の西部劇「ペイルライダー」である。基本的な流れはイーストウッドが圧倒的に強い「牧師」を演じ、攻め入られている集落を助ける話である。よくできた映画だと思う。



ゴールドラッシュのころのアメリカ西部、一攫千金を狙って金採掘をする集落に、他の集落の人間が攻め入る場面から映画はスタートする。15歳の少女ミーガンと母のサラは、サラを求婚するハルやその仲間とともにこの集落に暮らしていた。この日も山を支配する鉱山会社のラフッド社のいやがらせに遭ったのだ。その後、ハルが町に行き、買い出しに行ったところラフッド社の人間からまたいじめを受けていた。そこを通りかかったのがクリントイーストウッドだ。棒と素手で6人ほどいたメンバーたちをコテンパンにやっつけてハルを助けた。ハルはお礼にイーストウッドを集落に誘った。そこには恋人のサラと娘が待っていた。嫌がらせをする人間を撃退した話を聞いたので、暴力的な男と思った恋人のサラだったが、イーストウッドが牧師だということがわかり彼を歓待する。
その後コテンパンにやられた鉱山会社の御曹司がアンドレ・ザ・ジャイアント風の力の強い男をつれてお礼参りに来るが。。。。。

西部劇の名作「シェーン」を思わせるところもある。この映画では最初から拳銃のドンパチが続くという訳ではない。あわてずじっくりとストーリーを作っていく。85年の作品だが、70年代前半の作品と比較して現代的なスマートさを感じる。25年たった今と大きく変わらない。

なんせイーストウッドがかっこいいし、強い!
余計なセリフは排除して短い言葉で簡潔に話す。それがまた味がある。
「神と金両方には仕えられないぜ」「女の決心を待っていたら時間がかかるぞ」など
メモに書いておきたいくらいだ。

自分の記憶に薄いイーストウッド作品をちょいとまた追いかけるか
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インビクタス クリント・イーストウッド監督

2010-02-19 19:12:59 | クリントイーストウッド
クリントイーストウッド監督の新作「インビクタス」を観てきました。
驚いたのがいわゆる日本の70年代のスポーツ根性物のようになっているということ。実話に基づきできている話であるが、あまりに話ができすぎている印象を受けた。ここしばらく続いていたイーストウッド映画の中にある無常観はない。でも年をとってこういう映画を一度つくってみたかったのであろう。前作に続いて高い一般の評価はちょっと過大評価の印象を持った。



ネルソン・マンデラことモーガンフリーマンは27年間の留置期間を経て釈放され、黒人を中心に推挙されて大統領となった。就任後多々ある国内問題の処理に追われる一方で、95年に南アフリカで行われるラグビーワールドカップの準備も気にしていた。しかし、マットデイモンがキャプテンとして率いる南アフリカのラグビー代表チームは不振にあえいでいた。
長い間のアパルトヘイト政策への反感から黒人勢力の意見がいろいろな面で通るようになったために、弱いラグビー代表チームのチーム名やジャージを変えようと議決された。それに反発したのがマンデラ大統領である。黒人たちの反発する姿は国家の統一によくないと、彼はあえて白人たちのチーム名やジャージを残す方向としたのだが。。。。

できすぎた話と思うと同時に、マンデラ大統領の人心掌握に感心した。
大統領の気持ちにこたえたラグビーチームのメンバーの振る舞いも立派である。
大人が見るというよりも、文部省推奨的映画の色彩が強い。
こういうパターンは日本人が昔大好きだった匂いである。いつもいつも足の引っ張りあいでしらけムードになった日本人にはかえって合わないのかもしれない。

以前のひ弱さを脱却して最近では「ボーン」シリーズでたくましさを増しているマット・デイモンには適役だったと思う。今回はハーバード大出身でエリートカラーの持つ表情ができる彼をかってのことだと思う。「グラントリノ」はむしろ白人ブルーカラー階級の持つ匂いをぷんぷんさせたが、今度は南アフリカの特権白人たちを前面に出して逆であった。マット・デイモンが一時代前の森田健作風のまじめな、熱いセリフを語って、青春ドラマを彷彿させるのが滑稽に見えた。

そういえばラグビーがこれほど前面に出る映画は今まで見たことない。
アメリカでマイナーだからであろう。各国のラグビーの選手たちはそれなりにらしい顔をしていた。キャスティングで映画は決まってしまうと考えるイーストウッド監督もうまくいったと思ったであろう。マンデラということだけで観ると「マンデラの名もなき看守」の方が良かった。ただ、今回は大統領になったあとの話なのでやはり配役はモーガンフリーマンでよかったのだと思う。

あとはスタンドのものすごい大観衆、ケープタウンの美しい風景とその正反対の貧民街を撮るカメラがいつもながら良かった。
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マディソン郡の橋 クリント・イーストウッド

2010-01-01 21:55:46 | クリントイーストウッド
イーストウッドとメリルストリープの超一流共演でベストセラー小説を描く。アメリカ中南部の田舎に暮らす普通の主婦の4日間の恋の物語である。イーストウッド映画特有のムードで騒がず、しっとりと二人の世界を描く。

1989年母メリルストリープが亡くなった後、子供たちの遺産整理の場面からスタートする。遺物を整理していて、鍵付きの封筒を見つける。その鍵でケースを開けると、カメラと手紙が入っていた。その手紙には1965年の母の秘話が語られていた。

アメリカアイオワの主婦メリルストリープは夫と高校生の息子、娘と暮らす普通の主婦であった。家族3人が牛の品評会で4日ほど留守にすることになった。そんな時、一人の男クリントイーストウッドが道に迷って訪れてきた。カメラマンの彼は屋根付きの橋を撮影に来たけれど、場所がわからないと言う。メリルは場所を言葉で教えるが、結局は近くなので一緒に車で橋に向かった。その橋に着き、素晴らしい被写体と彼は気に入りしばらくいることになった。二人は移動途中の会話で意気投合する。そして夕食を彼女の家で食べることになるが。。。。。

公開当時劇場で見た。ベストセラー小説の公開なので客入りも良かった気がする。不倫映画という印象が強かった。でも細かいストーリーはすっかり忘れていた。こうしてみると、美術、撮影、音楽含めていかにもイーストウッド映画という印象である。

イーストウッドは配役を非常に重視する。その役にふさわしい人を配役に持ってくることで映画が決まってしまうくらいの考えもある。メリルストリープイーストウッド自ら電話をして口説いたそうだ。元々アクション映画の主演がほとんどだった彼と文芸映画中心のメリルは正反対だっただけにおそらくは初めての共演だと思う。メリルは実際にはもう少しきれいな女性だが、わざと中年らしい風貌を装い、田舎の普通の主婦を演じていた。それが一般の観客に共感を与えたと思う。

屋根付きの橋もそうだが、メリルの自宅はいかにもアメリカンスタイルの良い家を選んだと思う。60年代の世相にあわせた風景といい美術はセンスがいい。それを撮影がしっとりと捉える。また、メリルとイーストウッドの会話は小津安二郎監督得意の切り返しショットで二人を捉えている。観返して気づいた。二人を一緒にとらないところがポイントである。むしろ会話の内容よりも、二人の表情をじっくり捉える。
加えて音楽が風景にしっくりなじむ落ち着いたもの。途中で街から離れたところにあるジャズクラブに行く。黒人だらけのジャズクラブだ。いかにもジャズ好きのイーストウッドの趣味だ。そこで曲にあわせて踊る二人の姿が素敵だ。

デイヴィッドリーン監督の「逢びき」と似たような話である。途中からの展開はいかにも女性の涙を誘うような展開。それをしっとりと描くイーストウッドは幅が広い。60半ばから特にしっとりした展開が得意になった気がする。そうして2009年の2作につながっていく。
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