映画「わたしに会うまでの1600キロ」を映画館で見てきました。
実話に基づく話で、リース・ウィザースプーン演じるバツイチの女性主人公が母親の死にも遭遇し、自分を見つめなおすためにアメリカの長距離自然歩道を3ヶ月超かけて歩くロードムービーである。メキシコ国境の砂漠地帯からオレゴン州のワシントン州との境まで延々歩き続ける。
比較的淡々としたリズムである。別れた夫、母親(ローラ・ダーン)、弟との回想シーンが過酷なハイクの間に織り込まれる。一時はすさんだ生活をしてしまったこともある主人公がひたすら前に進んでいく。ものすごく感動するといった映画じゃないけど、ロードムービー好きの自分にはいい感じだ。
岩山で主人公シェリル(リース・ウィザースプーン)がひどい靴擦れで靴を脱ぐと、バランスを崩して谷底に片方を落としてしまうシーンからスタートする。ムカついてもう片方の靴を谷底に放り込むけど、おいおいこんなことくらいでむきになるなよと思わせる。
メキシコ国境の砂漠地帯からパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)のハイキングをスタートする。まわりはいかにも乾ききっている感じだ。荷物は重い。きゃしゃな身体に似合わない荷物を背にする。
いきなり燃料を間違えてコンロが使えないことがわかるが、まわりに店は何もないし、人もいない。死んだ母ボビー(ローラ・ダーン)のことを思い出しながら途方に暮れる。ようやくトラクターで畑仕事をしているおじさんに会い、家に泊めてもらう。燃料を翌日仕入れてもう一度歩きはじめるが、なかなか進まない。シェリルの1日で歩く距離は17、8キロがせいぜい、途中でベテランハイカーにあいこの先のネバダ山脈の雪山情報を得るがなかなか大変そうだ。
こんな出会いを重ねつつ、一歩づつ先に向かうのであるが。。。
1.ロードムービー
この映画の原題は「WILD」である。ショーンペンがメガホンをとった「イントゥ・ザ・ワイルド」というロードムービーの傑作がある。ある意味意識した題名だ。インテリ青年の1人旅が題材だが、ロケハンが非常に巧みと思われる映像が撮影の名手エリック・ゴーティエによりすばらしく仕上げられている。
ただ、自分としてはデイヴィッド・リンチ監督が撮ったロードムービー「ストレイト・ストーリー」を見た時のような映像の匂いを感じた。トラクターに乗った老人が病気になった自分の兄に会いにいく映画だけど、旅の途中で主人公が善意を受ける人情味に共通点が多い。夕日や夜を描く映像も似通っている。
それにしても美しい映像が続く。特にこれがいい。(クレーターレイク↓)
2.リース・ウィザースプーン
なかなかたいへんな撮影だっただろう。ギャラの高さでは有名だった彼女がプロダクションをつくって製作にも回っている。重い荷物を身体がキズだらけになっている姿を、率先してヌードになることできっちりと見せている。サービス精神旺盛だ。30後半になり、そろそろ裸を見せるのも最後と思っているのかもしれない。
ヘロインに手を出し、男と浮気をしてすたれた生活をしている。結局離婚するが、自分が悪いと自覚している。元夫とは愛はないが、まだつき合いはある。DVの父親の元から母親と弟と逃げ出したが、弟は難病で死んでしまい、大学に一緒に通っていた母親も若くして死んでしまう。人生に疲れきっている自分を見つめ直す旅に出たのだ。何でこの映画が15禁なのかな?と思っていたけど、すたれた時代のどん底ぶりをエロ丸出しのきわどい映像で映しているからだろう。
3.コンドルは飛んでいく
この歌が何回も流れる。エンディングロールの締めもこの曲だ。サイモン&ガーファンクルの空前のヒットアルバム「明日に架ける橋」のA面の2曲目で、アート・ガーファンクルの圧倒的歌唱力で盛り上がる「明日に架ける橋」のあとで、ポールサイモンのヴォーカルで南米のリズムのこの曲が流れる。歌詞はきわめてシンプルで英語習いたての自分も懸命に追いついていこうとした気がする。自分の記憶に間違えなければ、日本ではシングルカットされたんじゃないだろうか?ともかく良く聴いた。
周囲に何もない真っ暗な場所で夜を過ごす主人公の孤独な心を表わすように南米の楽器の序奏が何度も流れる。しばらく序奏だけだったので、これしか流れないのかな?と思ったときにポールサイモンのヴォーカルが聞こえる。
I'd rather be a forest than a street.
Yes I would.
If I only could,
I surely would.
「道になるくらいなら森になった方がいい。」この歌詞の真意がわからないけど、主人公シェリルは大好きなようだ。
(参考作品)
実話に基づく話で、リース・ウィザースプーン演じるバツイチの女性主人公が母親の死にも遭遇し、自分を見つめなおすためにアメリカの長距離自然歩道を3ヶ月超かけて歩くロードムービーである。メキシコ国境の砂漠地帯からオレゴン州のワシントン州との境まで延々歩き続ける。
比較的淡々としたリズムである。別れた夫、母親(ローラ・ダーン)、弟との回想シーンが過酷なハイクの間に織り込まれる。一時はすさんだ生活をしてしまったこともある主人公がひたすら前に進んでいく。ものすごく感動するといった映画じゃないけど、ロードムービー好きの自分にはいい感じだ。
岩山で主人公シェリル(リース・ウィザースプーン)がひどい靴擦れで靴を脱ぐと、バランスを崩して谷底に片方を落としてしまうシーンからスタートする。ムカついてもう片方の靴を谷底に放り込むけど、おいおいこんなことくらいでむきになるなよと思わせる。
メキシコ国境の砂漠地帯からパシフィック・クレスト・トレイル(PCT)のハイキングをスタートする。まわりはいかにも乾ききっている感じだ。荷物は重い。きゃしゃな身体に似合わない荷物を背にする。
いきなり燃料を間違えてコンロが使えないことがわかるが、まわりに店は何もないし、人もいない。死んだ母ボビー(ローラ・ダーン)のことを思い出しながら途方に暮れる。ようやくトラクターで畑仕事をしているおじさんに会い、家に泊めてもらう。燃料を翌日仕入れてもう一度歩きはじめるが、なかなか進まない。シェリルの1日で歩く距離は17、8キロがせいぜい、途中でベテランハイカーにあいこの先のネバダ山脈の雪山情報を得るがなかなか大変そうだ。
こんな出会いを重ねつつ、一歩づつ先に向かうのであるが。。。
1.ロードムービー
この映画の原題は「WILD」である。ショーンペンがメガホンをとった「イントゥ・ザ・ワイルド」というロードムービーの傑作がある。ある意味意識した題名だ。インテリ青年の1人旅が題材だが、ロケハンが非常に巧みと思われる映像が撮影の名手エリック・ゴーティエによりすばらしく仕上げられている。
ただ、自分としてはデイヴィッド・リンチ監督が撮ったロードムービー「ストレイト・ストーリー」を見た時のような映像の匂いを感じた。トラクターに乗った老人が病気になった自分の兄に会いにいく映画だけど、旅の途中で主人公が善意を受ける人情味に共通点が多い。夕日や夜を描く映像も似通っている。
それにしても美しい映像が続く。特にこれがいい。(クレーターレイク↓)
2.リース・ウィザースプーン
なかなかたいへんな撮影だっただろう。ギャラの高さでは有名だった彼女がプロダクションをつくって製作にも回っている。重い荷物を身体がキズだらけになっている姿を、率先してヌードになることできっちりと見せている。サービス精神旺盛だ。30後半になり、そろそろ裸を見せるのも最後と思っているのかもしれない。
ヘロインに手を出し、男と浮気をしてすたれた生活をしている。結局離婚するが、自分が悪いと自覚している。元夫とは愛はないが、まだつき合いはある。DVの父親の元から母親と弟と逃げ出したが、弟は難病で死んでしまい、大学に一緒に通っていた母親も若くして死んでしまう。人生に疲れきっている自分を見つめ直す旅に出たのだ。何でこの映画が15禁なのかな?と思っていたけど、すたれた時代のどん底ぶりをエロ丸出しのきわどい映像で映しているからだろう。
3.コンドルは飛んでいく
この歌が何回も流れる。エンディングロールの締めもこの曲だ。サイモン&ガーファンクルの空前のヒットアルバム「明日に架ける橋」のA面の2曲目で、アート・ガーファンクルの圧倒的歌唱力で盛り上がる「明日に架ける橋」のあとで、ポールサイモンのヴォーカルで南米のリズムのこの曲が流れる。歌詞はきわめてシンプルで英語習いたての自分も懸命に追いついていこうとした気がする。自分の記憶に間違えなければ、日本ではシングルカットされたんじゃないだろうか?ともかく良く聴いた。
周囲に何もない真っ暗な場所で夜を過ごす主人公の孤独な心を表わすように南米の楽器の序奏が何度も流れる。しばらく序奏だけだったので、これしか流れないのかな?と思ったときにポールサイモンのヴォーカルが聞こえる。
I'd rather be a forest than a street.
Yes I would.
If I only could,
I surely would.
「道になるくらいなら森になった方がいい。」この歌詞の真意がわからないけど、主人公シェリルは大好きなようだ。
(参考作品)
イントゥ・ザ・ワイルド | |
ロードムービーの傑作(参考記事) | |
明日に架ける橋 | |
「コンドルは飛んでいく」を含む世紀の大ヒットアルバム | |
ストレイト・ストーリー | |
アメリカ南部を舞台にしたロードムービーの傑作 | |