映画「青春ジャック 止められるか、俺たちを2」映画館で見てきました。
映画「青春ジャック止められるか、俺たちを2」は1983年の若松プロに入ろうと志願した脚本家井上淳一の若き日の成長物語である。自らメガホンを持つ。「福田村事件」でも脚本を書いていた井上は左翼思想を感じさせる男だ。荒井晴彦中心に討論会形式でまとめた本「映画評論家の逆襲」での左巻き発言は、どうも好きになれない。
それなので,今回見ようかどうか迷ったが,若松プロの監督志望の女性を描いた「止められるか、俺たちを」の1作目が良かったので、とりあえず観てみようかという軽い感じで映画館に向かう。最近出番が多い若手の芋生悠の存在も気になる。でも、予想外によかった。
1983年、ピンクの巨匠若松孝二監督(井浦新)が名古屋で自分の作品を上映するシネマスコーレという名の映画館を経営しようとする。ビデオ機器のセールスマンだった木全(東出昌大)が人伝てで紹介されて映画館の支配人に起用される。バイト志望を募ったところ、映画研の女性金本(芋生悠)が入ってきた。名画座として、二本立ての名画を上映しても、客がなかなか入らない。新東宝から名古屋でピンク映画の上映館を探していると言う話を聞きつけ,若松監督は番組編成を変えた。
シネマスコーレに挨拶で来ていた若松監督に向かって河合塾の予備校生の井上(杉田雷麟)が弟子入りを志願する。東京に帰ろうとする若松監督が乗る新幹線に井上が飛び乗り,東京で助監督業をするがうまくいかない。1度は名古屋に帰っていたが、若松監督と和解して監督が頼まれた河合塾のセールスプロモーションの短編映画を大学生になった井上が監督として作品を作ることになる。
久々に笑いころげる映画に出会った。
若松監督のパフォーマンスを巧みに演じた井浦新の演技がむちゃくちゃ面白かった。何度もハラを抱えて笑った。
前回も門脇麦演じる女性映画監督の成長物語であった。この映画も同様に予備校生から大学に進学する脚本家井上淳一の成長物語である。左巻きの強い井上の嫌な部分は感じない。在日韓国人の外国人登録のための指紋について言及する場面があるが,さほどいやらしくはない。まだ大学生なのに、助監督を頼まれても、大人の仕事ができるわけがない。ドジを踏んでばかりで、若松監督に怒られる。1度は放り出されるが、また戻され、鍛えられる。でも完全に任せられない。その任せる任せない部分のパフォーマンスが実に面白い。映画館内も笑いの渦となる。
若松孝二も慈善事業で映画館経営をやっている訳ではない。映画館名シネマスコーレは「映画の学校」を意味する。東出昌大演じる映画の支配人が,大林信彦監督作品の3本立てのような普通の映画の名画座としようとするが,それでは儲からない。若松監督はピンク映画を中心の上映に染めようとするのだ。客の入りは、ピンク映画と普通の映画では全く違う。それでも支配人は普通に戻そうとする。この辺の映画館の上映事情が語られている。
固有名詞が実際の名前で呼ばれる映画である。河合塾もその通りの名前で出てくる。結局,監督志望の井上が作った脚本は,偏差値30の女の子が予備校で頑張って、東大に入ろうとする話である。演技指導を井上監督に任せているはずなのに、見ていると、若松監督が口出しをしてくる。仕方ないだろう。ただ,若松監督のパフォーマンスにあまりに理不尽な話が多すぎるので、笑えてしまうのだ。
理屈っぽい井上監督の自戒のような言葉が,井浦新演じる若松監督のセリフによって語られる。人の映画を批判してばかりとか、結局監督でモノにならず、脚本家になろうとしたけど、うまくいかなかったとか、井上監督を評価するそんな話が出てくる。「映画は言葉でなく映像で語れ」とか。「理屈は映像では伝わらない」など若松監督語録の気になる言葉が随分と多い映画だった。
新宿ゴールデン街でばったりあったということで,若松監督が赤塚不二夫を出演させようとしてどこかに出番はないかと電報を持ってくる郵便局員役で登場させる。それがモデルになった映画の実際の映像として、エンディングロールのところで本物の赤塚不二雄が出てきたときには、さすがに感動した。
映画「青春ジャック止められるか、俺たちを2」は1983年の若松プロに入ろうと志願した脚本家井上淳一の若き日の成長物語である。自らメガホンを持つ。「福田村事件」でも脚本を書いていた井上は左翼思想を感じさせる男だ。荒井晴彦中心に討論会形式でまとめた本「映画評論家の逆襲」での左巻き発言は、どうも好きになれない。
それなので,今回見ようかどうか迷ったが,若松プロの監督志望の女性を描いた「止められるか、俺たちを」の1作目が良かったので、とりあえず観てみようかという軽い感じで映画館に向かう。最近出番が多い若手の芋生悠の存在も気になる。でも、予想外によかった。
1983年、ピンクの巨匠若松孝二監督(井浦新)が名古屋で自分の作品を上映するシネマスコーレという名の映画館を経営しようとする。ビデオ機器のセールスマンだった木全(東出昌大)が人伝てで紹介されて映画館の支配人に起用される。バイト志望を募ったところ、映画研の女性金本(芋生悠)が入ってきた。名画座として、二本立ての名画を上映しても、客がなかなか入らない。新東宝から名古屋でピンク映画の上映館を探していると言う話を聞きつけ,若松監督は番組編成を変えた。
シネマスコーレに挨拶で来ていた若松監督に向かって河合塾の予備校生の井上(杉田雷麟)が弟子入りを志願する。東京に帰ろうとする若松監督が乗る新幹線に井上が飛び乗り,東京で助監督業をするがうまくいかない。1度は名古屋に帰っていたが、若松監督と和解して監督が頼まれた河合塾のセールスプロモーションの短編映画を大学生になった井上が監督として作品を作ることになる。
久々に笑いころげる映画に出会った。
若松監督のパフォーマンスを巧みに演じた井浦新の演技がむちゃくちゃ面白かった。何度もハラを抱えて笑った。
前回も門脇麦演じる女性映画監督の成長物語であった。この映画も同様に予備校生から大学に進学する脚本家井上淳一の成長物語である。左巻きの強い井上の嫌な部分は感じない。在日韓国人の外国人登録のための指紋について言及する場面があるが,さほどいやらしくはない。まだ大学生なのに、助監督を頼まれても、大人の仕事ができるわけがない。ドジを踏んでばかりで、若松監督に怒られる。1度は放り出されるが、また戻され、鍛えられる。でも完全に任せられない。その任せる任せない部分のパフォーマンスが実に面白い。映画館内も笑いの渦となる。
若松孝二も慈善事業で映画館経営をやっている訳ではない。映画館名シネマスコーレは「映画の学校」を意味する。東出昌大演じる映画の支配人が,大林信彦監督作品の3本立てのような普通の映画の名画座としようとするが,それでは儲からない。若松監督はピンク映画を中心の上映に染めようとするのだ。客の入りは、ピンク映画と普通の映画では全く違う。それでも支配人は普通に戻そうとする。この辺の映画館の上映事情が語られている。
固有名詞が実際の名前で呼ばれる映画である。河合塾もその通りの名前で出てくる。結局,監督志望の井上が作った脚本は,偏差値30の女の子が予備校で頑張って、東大に入ろうとする話である。演技指導を井上監督に任せているはずなのに、見ていると、若松監督が口出しをしてくる。仕方ないだろう。ただ,若松監督のパフォーマンスにあまりに理不尽な話が多すぎるので、笑えてしまうのだ。
理屈っぽい井上監督の自戒のような言葉が,井浦新演じる若松監督のセリフによって語られる。人の映画を批判してばかりとか、結局監督でモノにならず、脚本家になろうとしたけど、うまくいかなかったとか、井上監督を評価するそんな話が出てくる。「映画は言葉でなく映像で語れ」とか。「理屈は映像では伝わらない」など若松監督語録の気になる言葉が随分と多い映画だった。
新宿ゴールデン街でばったりあったということで,若松監督が赤塚不二夫を出演させようとしてどこかに出番はないかと電報を持ってくる郵便局員役で登場させる。それがモデルになった映画の実際の映像として、エンディングロールのところで本物の赤塚不二雄が出てきたときには、さすがに感動した。