いつも通り葛飾柴又のとらやの叔父の家で、ケンカして飛び出した寅次郎こと渥美清。今度は北海道へと旅立つ。旅立った先網走で出あったのがリリーこと浅丘ルリ子だ。彼女は以前レコードを出したこともあるドサ周りの歌手である。同じように全国を流れていくその姿を見て自分にダブらせる寅次郎であった。二人で語り合った後、寅次郎は少しは堅気に生きてみようと、牧場の下働きをする。ところが朝4時おきのつらい生活ができず、ぶっ倒れてさくらこと倍賞千恵子が迎えに行く羽目に。葛飾に戻った寅次郎のところに、ある日美貌のリリーが訪ねてきてとらやのみんなは驚くが。。。。
昭和48年の作品でもあり、浅丘ルリ子がまだその美貌の片鱗を残している。ヒット曲「愛の化石」のときはすごい人気だった。石坂浩二と結婚してまもないころであろう。そのリリーも末期は厚化粧がきつかった。リリーには飲み屋を経営している母親がいるけれど、金の無尽をされるばかり。戻るべき家庭がない。同じ風来坊の寅さんには戻ることができるとらやの家がある。寅次郎にはあるそういう幸せがこの映画のポイントである。
昭和48年というと、昨日のことのようだが、映画に出てくる風情はやはり少し前の風情を映している。映画の中で五反田目黒川のガード横の飲食街が映されていた。今はビルになってしまって、もう無くなっているところだ。懐かしい風景だ。よくテレビドラマのロケで使われていた。そんな場所のすぐ近くの産婦人科で自分は生まれた。その産婦人科も今は人手に渡りホテルになっているが。。。。