映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

男はつらいよ 忘れな草  浅丘ルリ子

2009-07-30 06:38:51 | 映画(日本 昭和35年~49年)
寅次郎こと渥美清の連作中一番の恋人といわれるリリーこと浅丘ルリ子が最初に登場する作品である。お互いの境遇が似ていることで二人は意気投合してしまう。渥美清の軽快なギャグには大笑いするしかない。

いつも通り葛飾柴又のとらやの叔父の家で、ケンカして飛び出した寅次郎こと渥美清。今度は北海道へと旅立つ。旅立った先網走で出あったのがリリーこと浅丘ルリ子だ。彼女は以前レコードを出したこともあるドサ周りの歌手である。同じように全国を流れていくその姿を見て自分にダブらせる寅次郎であった。二人で語り合った後、寅次郎は少しは堅気に生きてみようと、牧場の下働きをする。ところが朝4時おきのつらい生活ができず、ぶっ倒れてさくらこと倍賞千恵子が迎えに行く羽目に。葛飾に戻った寅次郎のところに、ある日美貌のリリーが訪ねてきてとらやのみんなは驚くが。。。。

昭和48年の作品でもあり、浅丘ルリ子がまだその美貌の片鱗を残している。ヒット曲「愛の化石」のときはすごい人気だった。石坂浩二と結婚してまもないころであろう。そのリリーも末期は厚化粧がきつかった。リリーには飲み屋を経営している母親がいるけれど、金の無尽をされるばかり。戻るべき家庭がない。同じ風来坊の寅さんには戻ることができるとらやの家がある。寅次郎にはあるそういう幸せがこの映画のポイントである。

昭和48年というと、昨日のことのようだが、映画に出てくる風情はやはり少し前の風情を映している。映画の中で五反田目黒川のガード横の飲食街が映されていた。今はビルになってしまって、もう無くなっているところだ。懐かしい風景だ。よくテレビドラマのロケで使われていた。そんな場所のすぐ近くの産婦人科で自分は生まれた。その産婦人科も今は人手に渡りホテルになっているが。。。。
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加山雄三  私の履歴書

2009-07-29 09:02:45 | 偉人、私の履歴書
日経新聞「私の履歴書:加山雄三」も大詰めにかかってきた。ブログでも「エレキの若大将」と「赤ひげ」の2回紹介した。今日の連載はかの有名な「仮面ライダー事件」だ。
昭和61年の紅白歌合戦はリアルで見ていた。司会の加山雄三が少年隊の「仮面舞踏会」を紹介するときに、「仮面ライダー」と言ってしまったのだ。見ている方は「え!」という感じであった。しかし、言い訳もせずにそのまま進んだ。あれはあれでよかったのだと思う。今よりも紅白歌合戦の視聴率は高かったときであるし、NHKの権威も高かったから、いろいろといわれたかもしれない。でも笑えた。

若大将シリーズ全盛の後、叔父の経営する茅ヶ崎のホテルが倒産して、役員に入っていた加山にも借金の請求が容赦なくくる。逃げるようにアメリカに行く。そして女優の松本めぐみと結婚する。結婚式の場面はフジテレビ「スター千一夜」で見た覚えがある。そして、若大将シリーズが中断され、仕事がなくなっていく。スキー場で事故を起こして大怪我をする。たいへんだったと思う。キャバレー周りしかなかったという話もあった。こういうときよくがんばったと思う。

「私の履歴書」にはいろんなパターンがある。小さいときから若いときに極貧だった話は数多くあった。その場合一度浮かび上がるとそのままいってしまうことが多い。加山雄三の場合、リッチな少年時代を経て、大学をでて気がついたら大スターになる。30前半までは順調だった。そのあとのかなりきつい転落である。そこを救ったのが、池袋の深夜映画での「若大将ブーム」だという。映画館の中で加山ソングが流れると大拍手と喝采が起きる光景は話を聞いているだけで興奮する。いい仕事をやっていると誰かそれを思い出してくれる人がいるという訳だ。ただ単に流されていただけでなかった人にはツキも向いてくる。

人生を三角関数のカーブや波動に例える人がいた。加山雄三は大きなマイナスをつくったからこそ、70過ぎてもがんばっていられるのだと思う。マイナスが大きすぎると失脚する。しかし、それまでのプラスが大きかった分、その余韻が残っていた。マイナスをつくっていなかったもっときつい何かが起きたかもしれない。積分の面積計算で考えると、それまで莫大な量の面積をつくっていたのが、ある反動で面積がゼロに近くなってしまう。そこからの再出発である。阿佐田哲也の「9勝6敗説」もこれに近い。
加山さんにはこれからも熱い歌を歌ってほしい。
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神田駿河台 サラファン

2009-07-28 19:23:29 | 食べもの
昨日は東京でYさんと飲んだ。東京でどこかお好きなところと言われ、迷わずロシア料理「サラファン」に行った。
神田駿河台の坂をお茶の水駅から交差点に向かって下っていく。楽器店街と高層ビル化した明治大学を横に見て、通り過ぎるとカレーショップ「エチオピア」の手前に「サラファン」がある。そんなに広くないスペースである。しかも昨日はお客さんがいなくて、静かに食べられた。

コースは、ボルシチ、ピロシキときてメインディッシュを選択する。ロールキャベツを選択。あとはケーキとロシアンティーである。これで3500円、安い。
ロシア料理の定番ボルシチスープは大好物である。ここのボルシチはおいしいと同時に色が美しい。サワークリームが入って酸味も利いている。パンと一緒に食べる。そのあとアラカルトで、ロシア風水餃子を頼む。これも大好物。スープの中に小さい水餃子が入っている。新宿の「スンガリー」の方が水餃子はうまいと思っていたが、昨日はやはり「サラファン」に軍配が上がると実感。そのあとがピロシキ。世界最強のピロシキである。最初に食べたとき、あまりのおいしさに本当に驚いた。焼きたてで熱いピロシキにはひき肉が適度に入っている。あっちちといいながら食べる。飲み物はロシアブランドのビールから赤ワインに変えていた。
そしてメインディッシュのロールキャベツ。独特のトマト系ソースにサワークリームがかかっている。最高!大満足!
そのあとケーキを食べて終了。ケーキは何種類から選べる。女性陣はたまらないだろうなあ。

店を出ると、いつものようにお茶の水駅近のジャズスポット「NARU」にはいる。東京のジャズスポットも無くなった店が多いが、ここはなくならない。初めて行ってから26年以上になる。ここのいいところは、こじんまりとしていること。歌い手、演奏する人間を身近に感じながら、好き勝手に酒が飲めること。落ち着く店である。

気分よく酔った。今までであればもう一軒行くのだが、最近は体力が無くなってきた。そのまま帰る。少し酔いやすくなっているのかもしれない。
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大誘拐  北林谷栄

2009-07-26 19:56:30 | 映画(日本 1989年以降)

紀州和歌山の山林王北林谷栄が誘拐される。身代金はなんと100億円。前代未聞の誘拐事件に全世界が大騒ぎするミステリーではなくコメディである。

和歌山の山奥に住む地主北林谷栄は静かに暮らしていた。そこに狙いをつけたのが大阪刑務所を出所してきたばかりの3人。彼らはスリやこそ泥の比較的軽い犯罪を犯してきた連中。リーダーは風間トオルである。風間は小さいころ新宮の施設にいて、そこに慰問に訪れた北林がいかにすごい金持ちかを知っていた。数週間自宅近くで潜伏した後、北林が孫娘と山歩きに抜け出すのをみて、誘拐を決行する。ストッキングをかぶった3人が山歩き中の二人の前に現れる。そのとき北林は誘拐話には従うが、孫娘は解放するように伝える。誘拐犯3人は彼女だけを連行するが、北林の指令で、北林の元の女中樹木希林のところに潜伏する。いくら要求するのかと北林は犯人たちに聞く。犯人たちは5000万円と伝えるが、自分の価値はそんなはした金ではないと、身代金を100億円に吊り上げさせる。警察側では、昔北林が世話をした緒方拳が和歌山県警本部長に出世していた。彼が陣頭指揮を執り、大捕り物が始まるが。。。。

北林谷栄はまだご存命のようである。しばらく出ていないが、若いころから長い間おばあさん役をしていた。貧乏なおばあさんもうまいが、富豪も演じるのもうまい。緒方拳はまだ若い。どちらかというと、今村昌平監督の悪役の方が似合う。数多くの脇役がここでも存在感を見せる。女中の樹木希林は最高のボケ振りである。

和歌山は海岸線を除くと、山が続くところである。まさにこの映画の舞台となる龍神村は奈良吉野の山々と接して本当の山奥だ。作者がこの場所に目をつけたのはよくわかる。確かに探し出すのは困難だろう。

その和歌山にこの映画ができたころ3年ほど仕事をしていた。異動のときは、いやだったが、みな人柄がよく気分のいい3年を過ごせた。山のほうでよくキャンプをやった。夏は水上スキーをやって楽しかった。この映画でもう少し美しい和歌山の海を見せてもらってもよかったかも?白浜を越えるあたりからすさみから串本にかけて海の色が本当に美しく変化する。和歌山市で仕事をしていたが、和歌山県というのは人口100万で半分以上は和歌山市周辺に住んでいる。あとはどこも過疎地帯。同県の新宮までは特急で3時間近くかかる。すごい広い県だ。
なつかしくなった
 昨日和歌山のとき仕事で関係した人から桃を送っていただいた。おいしかった。おいしい桃は手で皮をむいて食べる。離れて15年たつが、本当に和歌山県人は人がいい。

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赤ひげ  黒澤明

2009-07-25 21:04:42 | 映画(日本 黒澤明)
三船敏郎最後の黒沢作品である。長回しのカットが多く、究極の演技を見出そうとしている。江戸時代の小石川養生所を舞台に、ベテラン医師の赤ひげこと三船に、幕府エリート医志望の若者加山雄三が絡む。演技のすさまじさは黒澤作品屈指である。

江戸時代、小石川養生所にて医者をつとめる赤ひげこと三船敏郎のもとに、長崎で医術の勉強をして、江戸に戻ったばかりの若い医者加山雄三が新任で働くようになる。幕府のお抱え医を目指す加山は当初小石川での勤めを嫌がり、診療をしようとしない。そんな彼の元に狂人と化している香川京子が現れる。香川は富豪の商人の娘である。療養所の隅に親に家を建ててもらって住んでいた。美しい香川を見て、加山は小さいころからの話を聴こうとする。しかし、香川は加山を押し倒し、強い力でかんざしを加山の喉下に向ける。危うく三船が現れ、加山は助かる。事件の後徐々に加山は診療を手伝うようになるが、貧乏患者にはそれぞれに悲しい事情があった。。。。。

この欄でも紹介したが、香川京子さんの今年の日経新聞「私の履歴書」は実に面白かった。その中で香川京子さんがあの美しい顔を狂気の表情に変えている写真が出ていた。新任医師の加山と狂女香川の2人のやり取りはすさまじい長回しである。香川さんに関していえば、溝口健二監督の「近松物語」の名演がある。この作品の狂女の演技は「近松」と同じくらいのレベルだと思う。今月の日経「私の履歴書」に興味深い人生を語っている加山雄三に関していえば、俳優としての最高傑作かもしれないと私は思う。クレジットトップは格で三船敏郎だが、実質主演ともとれる加山雄三の出番は最後まで多い。人間的に成長していく姿をじっくりと描いていく。あまり存在感がない黒澤作品「椿三十郎」と違い、実際の彼の人生でもこの映画の影響は大きかったようだ。

黒澤監督映画では「熟達者と未熟者」の対比が語られることが多い。「野良犬」では志村喬のベテラン刑事に対する新米三船敏郎、「七人の侍」では剣の達人宮口精二に対する若侍木村功を対照的にもってくる。「酔いどれ天使」では町医者志村喬の所に付きまとう遊び人を演じた三船がここでは熟達者だ。この作品で黒澤が描く医師三船は完璧な人格を持った医者ではない。金持ちからはボッタクリ的多額の診療代を受け取り、貧乏人の治療費にあてる。気分は遠山の金さんのようなのかもしれない。ここでの三船敏郎は落ち着いている。いかにも「熟達者」らしいセリフをボソッとしゃべっている。

また、ここでは脇役陣をほめたい。二木てるみ、左ト全、杉村春子はいずれも実にうまい。今でも「渡る世間は鬼ばかり」に登場している野村昭子も賄いの女中役で出ていて、一時期まではホームドラマの常連であった七尾玲子さんたちと一昔前の女中役をうまく演じている。
究極の演技を求めようとした黒澤監督だが、若干凡長気味の感じもある。もう少し短くてもよかったのではなかろうか?そこだけが不満である。
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サイダーハウスルール  トビーマグワイア

2009-07-25 19:49:38 | 映画(洋画 99年以前)

スパイダーマンのトビーマグワイアが孤児院で育った少年を演じる。孤児院で育った少年が、外の世界に触れ、恋を知り人間的に成長していく姿を描く。

舞台となる孤児院は産婦人科に併設している。むしろ中絶をしたり、訳ありで子供たちを育てられない父母から子供を引き取ったりしている。子供たちはたくさんいて、時おり子供のいない親たちが孤児を選んで引き取っていく。その中でトビーマグワイアは泣かないせいか、親たちに気に入られなくて孤児院で育っていった。経営者である医師マイケルケインは、そんなトビーを自分の助手のように使っていた。しかし、自立しようと考えていたトビーは、中絶に訪れていたシャーリーズセロン夫妻についていくことを決意し、孤児院を離れる。シャーリーズセロン夫妻の実家はりんご農家を経営していた。りんご狩りの黒人グループの中でトビーは働き始めるが。。。。

子供がいない親たちが訪れたとき、孤児たちは精一杯親たちに愛想を使う。悲しい性である。ずっと選ばれない子供たちはなんか寂しそうだ。子役たちが見せる表情がいじらしい。この作品でオスカー助演男優賞をもらったマイケルケインも裏筋の医師を実にうまく演じる。いろんな訳ありの人たちが診療所を訪れる。さまざまな人間模様がある。おそらくは日本にもこういうところがあったのであろう。最近は昔ほど養子をもらうこと自体がすくなくなっている気がする。少子化の影響であろう。アメリカの映画スターなどはたくさん養子養女をとっている。違いを感じる。

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ゴーギャン展

2009-07-23 06:54:34 | Weblog
東京竹橋の東京国立近代美術館「ゴーギャン展」へ行った。いつも上野の美術館ばかりでご縁がなかったけれど、この美術館の常設展はなかなかよかった。

ゴーギャンは株の仲買人(証券会社の社員というべきか?)であったことはよく知られる。サマーセット・モームの「月と6ペンス」にも書かれている。その彼がまだタヒチに行く前の作品もなかなかよかった。ただ絵葉書にあまりなっていないのが残念。独特の黄色、朱色、緑色の使い方は同じ流れである。
ボストン美術館所蔵の作品が数多く来ていた。その昔、ボストンの美術館は行きそびれただけに見れてよかった。メトロポリタン所蔵品は一つだけ。彼の作品はモネと同じで幅広くいろんなところにある。30後半から40代の女性が中心。男性はリタイアー組中心と見受けられた。美術学校の学生と見れる人たちも多かった。上野の美術館と違い、人が多すぎて見づらいということもなく落ち着いて見られた。

そのあと常設展をみたが、これが非常によかった。明治から大正にかけての作品に素晴らしいのが目立ち、安田靫彦、伊東深水、東山魁夷の日本画のよさが目立った。原田直次郎という画家の「騎龍観音」というのが、明治はじめに書かれたとは信じられないすさまじさを感じた。古賀春江の作品も面白みを感じた。絵葉書もたくさん買い込んだが、梅原龍三郎の北京を題材にした絵など、実際の絵とイメージが違う絵葉書も多く残念だった。大学の時の仲間が日本画界ではあまりにも有名な女性画家の孫に当たり、安田靫彦はその先生である。この画風が大好きで見ていると落ち着く。絵葉書も多めに買った。
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マンデラの名もなき看守  ジョセフ・ファインズ

2009-07-21 06:28:34 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
中学高校と地理歴史の時間に、世界の中で人種差別政策を改めない非情な国がまだ残っていると教えられた。南アフリカのことである。そんな南アフリカが人種差別政策を改めるきっかけを作ったナショナリズムの指導者ネルソン・マンデラの刑務所生活と看守との逸話を描いた作品。難解な作品ではなく、人情味あふれる傑作である。

ジョセフ・ファインズは南アフリカの刑務所看守。1968年に孤島の監獄島であるロベン島に着任する。アフリカの現地語を知る彼は検閲部に所属する。そこには黒人反抗勢力のリーダーであるネルソン・マンデラがいた。配属の際、政府情報部より黒人たちの動きに注意して報告するように言われていた。たびたび検閲にて反抗勢力による武力闘争の動きを察知して、情報部に報告して昇格していた。しかし、子供のころ黒人の仲間とアフリカ風チャンバラで遊んだ彼は現地人に対する違う思いがあった。ジョセフはマンデラの味方もして、彼から妻へのクリスマスプレゼントのチョコを面談に訪れたマンデラの妻に密かに渡すが、それが知れて大きな問題に。。。。

このあと味方と敵が入り乱れる。ジョセフ看守は黒人寄りとされ立場が悪くなる。妻であるダイアン・クルーガーも村八分にされる。黒人反抗勢力と右翼勢力の対立に加えて、政府の体制変化に伴うマンデラへの待遇変化もあり、次々動きが変わっていく。それを急がず、主要な変化をじっくり語っていくので安心して飽きずにみていられた

ジョセフファインズは90年代最後に「エリザベス」「恋に落ちたシェイクスピア」というオスカー作品で有名になった。しかも兄は「イングリッシュペイシェント」のレイフファインズだ。しかし、彼は映画よりも舞台を選んだ。それが彼のすごいところ。実力派である。
ジョセフの妻役ダイアンクルーガーも存在感があった。夫の出世を願って、上司の妻たちに取り入ろうとする姿。その後黒人びいきと夫が村八分になって自分もまわりに無視される姿。その後も含めて非常によかった。顔がナタリーポートマンに似ている気がする。
マンデラ役デニス・ヘイスバードがよかった。おそらくアフリカ育ちで大学をでて弁護士になるというマンデラの存在は現地では超エリートだったと思う。大暴れするのではなく、どっしり構えて落ち着いて物事を判断する物腰である。そういう姿がわかるようにうまく演じていた。時の政府はアパルトヘイト政策は継続するが、マンデラについては彼を殺せば、周りの反抗勢力がもっと大暴れするであろうという推測の元に、生かさず殺さずの監獄生活を送らせていた。その政府の動きは、太平洋戦争後、天皇を戦犯として裁いたら日本中が大暴れするであろうというマッカーサーの推測の元に天皇を守ったという動きにだぶるものがあった。

南アフリカを映す映画では「ツォツイ」を見たことがある。今回世界遺産である監獄島ロベン島を中心に、美しい風景を映し出していた。特に山がきれいな国だという印象を受けた。大昔バスコ・ダ・ガマ喜望峰を通ってインドに航海したとき、あの美しい山を見て感動したのであろうなあと感じた。
見てよかった映画であった。
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哀愁  ヴィヴィアンリー

2009-07-20 19:36:47 | 映画(洋画 69年以前)
1940年の作品。映画の舞台はロンドンウォータールー橋と駅。第一次大戦前後の将校とバレリーナの悲哀な恋が描かれる。「風と共に去りぬ」を撮り終えたばかりのヴィヴィアンリーが非常に美しい。 古典的悲愛物語である。

バレリーナとしてロンドンで公演中のヴィヴィアンリーが、空襲を受けている最中、ウォータールー橋でロバートテイラー大尉と出会う。恋の吸引作用をお互いに受けたあと、ロバートテイラーはバレエ公演を見に行き、デートに誘う。バレエ団員は非常に厳しい管理を受けていて、ヴィヴィアンは先生に外出禁止を言い渡される。しかし、ヴィヴィアンは抜け出して2人で密会する。楽しい夜をすごす。将校は翌朝出征の予定だったが、2日間出征延期になったため、翌日再度会う。そして、求婚を受ける。将校の上司の許可を受けて、式を挙げようと教会に行くが、3時過ぎで法律では挙式は無理と、翌日に延期といわれる。それでも気分高揚させながらバレエの会場に戻ったとき、突如彼の出征が早まったとの連絡が入る。周りの制止を振り切り公演出演せずに彼の見送りにウォータールー駅に行くが彼を乗せた汽車は出発する。。。。。

このあとストーリーは二転三転する。溝口健二監督が戦後につくった現代劇のような女の悲しさを表わしながら、ロバートの出征直後、職がなく堕ちていくヴィヴィアンリーの姿を描いている。彼女の美しさはいうまでもないが、演技的にも貫禄を感じさせる。世紀の名作「風と共に去りぬ」の影響でアメリカ人と思われがちであるが、実はイギリス育ちである。この作品では前作の強い女性像とまったく対照的な女の弱さを漂わせている。
ロバートテイラーを名門の出身の設定にしているのも、イギリス舞台の映画によくあるパターン。社交ダンスの場面が多い。階級社会のイギリスらしく、イギリス軍の上層部がいかにも上流階級に見えてくる。「アラビアのロレンス」「炎のランナー」「インドへの道」など第一次大戦前後のイギリス人を描いた映画にはいずれも階級社会の強い色彩がある。この作品も同様である

このころの英語は聴いていて非常にわかりやすい。自分が中学高校と学校教育を受けたときの英語に通じる気がする。別に最近の映画の英語が難しくなっているわけではない。このころの脚本が非常に文法的にきれいな英語になっているということなのだと思う。
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ジェシカ・アルバ ダンス・レヴォリューション 

2009-07-19 19:15:38 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
またまた元気印の映画。ジェシカアルバが踊りまくる。

夜はクラブで、昼はニューヨークで街の子供たちとダンスを踊っているジェシカアルバが、プロのダンサーになろうとする。なかなかチャンスがつかめないが、あるプロデューサーの引き立てでチャンスをつかむ。ところが、美人の彼女をプロデューサーは自分のものにしようと考え、彼女を口説いた。仕事だけの付き合いと考えていた彼女は拒絶する。プロデューサーは腹を立て、彼女を今の仕事からはずそうとするが。。。。


映画の一つのパターンとして、上昇志向の女性が上役に取り入り、一気に駆け上っていくパターンがある。「イヴの総て」がその典型である。この映画では、引き立ててくれた人からの誘いを断る。このパターンもよくある。そこからの復讐戦が見モノである。でも、ジェシカアルバのようなかわいい子がいて、口説かないのもゲイを疑われてもおかしくないかも???
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チアーズ  キルスティン・ダンスト

2009-07-19 11:50:36 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
スパイダーマンの恋人キルスティン・ダンストが、チアリーダーとして全米チアリーディング大会を目指す。躍動的なチア・アクションのシーンが多く、気分が高揚する映画である。

全米チアリーディング大会で実績のある高校の最上級にキルスティンダンストが進級して、キャプテンになる。厳しい練習を始めたとたん、メンバーの一人が練習中負傷する。補充のオーディションでは、自薦の多数の応募者の中、器械体操の名手の転校生が際立っていた。他のメンバーは態度のでかさに嫌がるが、キルスティンが強く推薦してメンバーになる。しかし、練習になって転校生はこんな動きは他の高校のコピーだといい、黒人が多い高校の練習を見学する。なんと自分たちが踊っているダンスと同じではないか。。。。

若い俳優が多く、エネルギッシュである。撮影当時はまだ20歳になっていないキルスティンダンストがかわいい。ライバルの黒人チアリーダーもかっこいい。今回この映画を見て、現代のチアリーディングが実にアクロバットな世界だと思った。バック転連発で、オリンピックの体操競技のように大暴れしまくる。非常に高度な動きである。キルスティンの高校の場面もすごかったが、黒人中心の高校生たちの動きはいかにも超絶技巧ですごかった。 美術も明るいトーンの色合いで、気分よく映画を見ることができた。
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犯人に告ぐ  豊川悦司

2009-07-18 06:27:00 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
神奈川県警の凶悪犯捜査責任者から犯人への挑戦状。

連続幼児誘拐殺人事件の犯人を取り逃がした捜査責任者豊川悦司は、足柄署に移されていた。6年の月日がたち、県警本部長が石橋凌に交代し、再度凶悪犯人を追う。テレビの報道番組に登場。犯人に語りかけ、犯人を挑発する。情報を集めると多数の情報が県警に寄せられたが、いたずらも多く、重要なネタはなかった。そんなとき犯人からの手紙が来る。。。。
休みなく働く捜査責任者の家族、子供を亡くした両親の悲しみと復讐の矛先、マスコミの報道合戦の裏側など、この作品では犯人を捕らえるという主目標のほかに描かれていることが多い。単純に進まないところにこの作品の奥の深さを感じる。

長髪の豊川は昔のジーパン刑事を思わせる警察官としてはめずらしいタイプ。この役をよく理解して好演。彼の個性がこの役によくあっている気がする。がんばったのが、小沢征悦である。県警本部長の下で豊川とともに犯人を追う捜査官を演じる。いやみなエリート警視の役である。これがなかなかうまい。

楽しめるミステリーであった。
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5年目の金華山

2009-07-17 06:14:48 | 散歩
宮城県牡鹿半島のはずれ金華山島に行った。
「3年連続で行けば、一生金に困らない。」といわれる金華山に5年連続で行った。

昨年もブログに書いたようにさいたまから車で思い切っていった。疲れた。今回は出張をひっかけ、仙台からレンタカーを借りていった。距離は90km途中までは高速があるが、後は下の道。仙台から港まで約1時間50分かかった。それに加えて船の時間が20分ある。でもこのルートが一番正解なのかもしれない。

昨日は仏滅。夏休み前で参拝に行く人も少ない。船の中はなんと行きも帰りも一人だけであった。神社の境内の中も一人。しかし、逆に気持ちが洗われたような気がする。暑い日であったが、木陰は涼しかった。自分の影響で金華山参りをするようになった人が3人いる。そのうちの2人に島から電話した。

「3年連続。。。」というが、昔の人はたどり着くのがたいへんだったのだと思う。仙台から90kmしかも石巻から鮎川までの道は楽ではない。松尾芭蕉も「奥の細道」で石巻の日和山から金華山の句を読んでいる。そこから金華山は見えないので別の島をみて詠んだのであろう。鮎川からの船は海流が交じり合うせいなのか?いつも荒れている。よく近くで船の事故が報道されている。「3年連続。。」というのは海があれて、目の前まで来たけど行けないことも含む。しかし、今年はさほどでもなかった。思い切って行ってよかった。やはり仙台までは新幹線で行くべきだなあ。用事済ませて普通に家で食事ができた。今日は疲れはない。
毎度のようにいいことが続くことを願う!
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新盆

2009-07-16 05:52:42 | 家族
昨日は会社休んで、実家で新盆のお客さんの対応をした。

妹もよく要領をわかっていないので、近所のおばさんに教えてもらって、仏壇を整えた。提灯は葬儀屋がくれたもので様足した。
こうしてしばらくたってもいろんなおばさんたちが訪ねてくれるのはありがたい。
母も喜んでいるであろう。

ここ何回か家に行くとノミにかまれた。季節がそういう季節なのであろう。猫も飼っている。虫刺されのお世話になることも多く、昨日は駆除をしようと、ネットの記事を見て、キッチンハイターを用意して水に混ぜ、雑巾で拭いたり、庭先にばら撒いたりした。庭の立水栓を使うのは本当久しぶりだ。
思いのほか昨日は大丈夫だったみたいだ。夏の間はしっかりやろう。

上半期もあと2ヶ月とちょっと、ここからは仕事に本腰を入れよう。そのために何をするか、実家で考えていた。やることが次から次に浮かんできた。まさにマインドアップだ。ここで実行に移せれば。
「アメリカ」のベストアルバムを聞きながら、ブログ書いている。最高だ。
特に「シスターゴールデンヘア」は今の心に響く。
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ワールド・オブ・ライズ  デカプリオ

2009-07-14 19:40:42 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)

リドリースコット監督で、常連のラッセルクロウに加えてレオナルド・デカプリオの登場。これは見ごたえありそうと勇んでみた。10000M以上の高所からハイテク機器で地上の人間を探索する「グーグル・アース」がリアルになった世界だ。しかし、中東の映画はどうも肌に合わない。もやもやしながら見終わる。デカプリオは好演だったと思うけど。。。

CIAの諜報部員レオナルドデカプリオは、中東ヨルダンでテロ組織のリーダーを捕まえようと画策している。その上司ラッセルクロウはCIAの本部で彼ら諜報員を操作している。デカプリオは同じようにテロのリーダーを捕まえようとする地元の諜報組織のリーダーとも共謀する。ストーリーは「うなぎの手づかみしようとして悪戦苦闘する人」のようにあたふたするが。。。。

ビン・ラディンがなかなかつかまらない。これだけハイテクな世界でなぜ?と思っている方には、その謎解きのいいヒントになる映画だ。現代の最先端ハイテク兵器も出ているが、それをかいくぐって逃げまくれる土壌がまだまだ中東諸国にはあるというのがわかる。
でもあわないなあ?すべての映画でベストワンを「アラビアのロレンス」とする自分からみて、現代中東舞台の映画はなぜかあわない。これだけは相性だから仕方がない。

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