パリ郊外の大邸宅で老婦人が亡くなり相続が起きた。その相続人の3人、兄妹弟のふるまいを描く。著名な画家たちの美術品を数多く貯蔵された古い邸宅での3人の姿をじっくり描くフランス映画だ。監督は香港の女優マギーチャンの夫オリビエ・アサヤス、撮影はエリック・ゴーティエで、このブログでも「イントゥザワイルド」「モーターサイクル・ダイアリーズ」の2作の素晴らしい撮影を絶賛した名手である。個人的にジュリエット・ビノシュとの相性がよく観た。地味な作品だが印象に残る。
母親の75歳の誕生日に3人の子供が誕生日祝いに来ている場面からスタートする。パリ郊外にある緑美しい大邸宅である。価値ある美術品がたくさんある家だ。娘のジュリエット・ビノシュは美術学校を卒業した後デザイナーとなり、現在はアメリカに滞在している独身女性、兄シャルル・ベルリングは経済学者となりそのままパリにいる。弟ジェレミー・レニエは経済発展著しい中国に行って、事業をしている。バラバラの家族であるが、母親は長男を呼んで、自分が死ぬときにはおまえが相続をまとめてくれと話をする。
そして母親が死んだ場面に移る。家族の誰もがその家に住むことを望まない。かなりの相続税がかかることがわかり、美術品をオークションにかけたり、オルセー美術館に寄贈することも相談することになる。でもパリに残る長男はさびしそうだ。。。
最後まで大きな起伏はない。相続をめぐって大きな争いが起きるわけではない。
静かにストーリーが流れる。
オルセーにある美術品を実際に使っているとのふれこみであるが、そんなに素晴らしい作品が前面に出ているわけではない。でも映像は非常に上品にまとまっている。
妙に整理整頓が行き届いているわけでなく、どことなく乱雑に小物をちりばめていて、美術担当のセンスのよさを感じる。そこを巧みに名手エリック・ゴーティエが撮影している。取り合わせの良い料理といったところか?
この映画は観る立場によって感じることが異なる気がする。
自分は同じように父母に家のことを託されたことを思い出しつつ、長男としての思いに共感した。品川の家にまだ大量にいろんな雑多なものがある。この映画と違ってオルセーに寄贈するような素晴らしいものは何もない。でも遺品に対する思い入れは強い。
であるから整理されないままになっている。
同じように70くらいの女性が観ると、被相続人である母親に自分の気持ちを照らし合わせるのではなかろうか?老いた母親が3人の子供とのパーティを終え、見送り別れるときのさびしげな後ろ姿が妙に印象に残る。
傑作とは思わない。でも兄弟3人の演技はいずれもよく、脚本もダブりなく表現した簡潔なセリフでいろいろなことを観ている我々に何かを考えさせる作品であった。
母親の75歳の誕生日に3人の子供が誕生日祝いに来ている場面からスタートする。パリ郊外にある緑美しい大邸宅である。価値ある美術品がたくさんある家だ。娘のジュリエット・ビノシュは美術学校を卒業した後デザイナーとなり、現在はアメリカに滞在している独身女性、兄シャルル・ベルリングは経済学者となりそのままパリにいる。弟ジェレミー・レニエは経済発展著しい中国に行って、事業をしている。バラバラの家族であるが、母親は長男を呼んで、自分が死ぬときにはおまえが相続をまとめてくれと話をする。
そして母親が死んだ場面に移る。家族の誰もがその家に住むことを望まない。かなりの相続税がかかることがわかり、美術品をオークションにかけたり、オルセー美術館に寄贈することも相談することになる。でもパリに残る長男はさびしそうだ。。。
最後まで大きな起伏はない。相続をめぐって大きな争いが起きるわけではない。
静かにストーリーが流れる。
オルセーにある美術品を実際に使っているとのふれこみであるが、そんなに素晴らしい作品が前面に出ているわけではない。でも映像は非常に上品にまとまっている。
妙に整理整頓が行き届いているわけでなく、どことなく乱雑に小物をちりばめていて、美術担当のセンスのよさを感じる。そこを巧みに名手エリック・ゴーティエが撮影している。取り合わせの良い料理といったところか?
この映画は観る立場によって感じることが異なる気がする。
自分は同じように父母に家のことを託されたことを思い出しつつ、長男としての思いに共感した。品川の家にまだ大量にいろんな雑多なものがある。この映画と違ってオルセーに寄贈するような素晴らしいものは何もない。でも遺品に対する思い入れは強い。
であるから整理されないままになっている。
同じように70くらいの女性が観ると、被相続人である母親に自分の気持ちを照らし合わせるのではなかろうか?老いた母親が3人の子供とのパーティを終え、見送り別れるときのさびしげな後ろ姿が妙に印象に残る。
傑作とは思わない。でも兄弟3人の演技はいずれもよく、脚本もダブりなく表現した簡潔なセリフでいろいろなことを観ている我々に何かを考えさせる作品であった。