今日で2013年も終わりだ。
あっという間に駆け抜けた感じだ。
今年は読書200冊、映画鑑賞200本の年間目標を達成した。インプット過剰の頭をこなしきれなかったせいか、年末に向けてブログ更新がおろそかになってしまった。それもあるが、娘の勉強につきあったのも大きいかもしれない。最後休みに入ってから、見たいと思っていた映画を見に行けなかった後悔が残る。矢沢永吉のクリスマスディナーは見に行った友人によると物足りなかったそうだ。
仕事は好調なようで、今一つだった。給料は上がったけれど、ボーナスが下がった。これはどうも調整されているようである。下請けの人手不足が深刻化したのがつらいところだ。仕事が消化不良をおかしているようで嫌な感じだ。でもこうやって映画と読書の年間目標を達成できたのは多難なく1年が過ごせたからだろう。
映画については、12月に入ってからあまり行けなくなった。今年見た中で一番良かったのは「ゼロダークサーティ」だ。最終ビンラディンを襲撃するシーンの緊迫感が良かった。年末見た「キャプテンフィリップス」も同じような実録ものでいい出来だったと思う。「タイピスト!」の躍動感もよかった。前年を上回る鑑賞本数だったのに、ブログ記載記事が減ったのは読書にも注力したからかもしれない。アジア系の映画では「嘆きのピエタ」が抜群にいい。キムギドクの世界に引き込まれた。ついでに刺激的な韓国映画もいくつか見た。「悪魔を見た」なんて映画は凄かったなあ。日本映画では「さよなら渓谷」かな?でも一番泣けたのは「陽だまりの少女」だ。書物だが、「映画もまた編集である ウォルターマーチとの会話」マイケル・オンダ―チェ著がすばらしい。
今年は読書スタイルを少し変えた。前年はケインズ、ハイエクやミルトンフリードンマンなど経済の古典を中心に読んでいた。本屋に寄るのも経済やビジネス系のフロアだった。今年の半分くらいしか読んでなかったかもしれない。
一橋大の楠木建教授の「戦略読書日記」や彼のエッセイを読んで、ノンフィクションに魅せられるようになった。楠木教授がブックオフの100円本を中心に自伝本やノンフィクション本をたくさん買い込み、気楽に読んでいるのを「戦略読書日記」で知り、いい方法と思った。映画の旧作の100円レンタルと同じ感覚で楽しむことができるのだなと思った。楠木教授の本に彼が読了した本が雑然と題名だけのっていた。彼は何を読んだのか忘れてしまうので、ツイッターに題名だけインプットするようにしているそうだ。自分も同じようにブログに題名と著者名だけ書くようにした。
以前は読んだ本名を手帳に手書きで書いていた。いつの間にやらやらなくなった。確かにこれは電子系で保存した方がいいのかもしれない。
読んだ本の中で取り上げられている本を読むという手法は以前からとっていたけれど、今年はそれが顕著になった。連鎖して本を読んでいった。202冊のうち5冊以上読んだ作者は星野博美、保阪正康、小谷野敦、栗田哲也、佐藤優といったところだ。まったく関連のない5人だ。
特に自分と同郷の星野博美さんのエッセイにいやされた。「コンニャク漂流記」は実家のある品川、平成の初めにいた和歌山の加太と湯浅、今の勤め先である千葉の自分に関わりある3か所を中心に話が進む。和歌山に自分のルーツを探る旅をする場面には目当ての人が見つかるかどうかドキドキしてしまった。昨年妻の父が亡くなり、加太線に乗ったばかりなのでなおさらだ。読んだ後千葉の御宿海岸に行き、江戸時代のはじめに来たというメキシコの人たちがどう振る舞ったか想像したりしたのも楽しい。彼女は同郷なので中に出てくる登場人物で知っている人もいて、妙な親近感を覚えたものだ。
小谷野敦、佐藤優という2人は自分と同世代だ。育ちや出身校もちがうし、思想も自分と違うけど「知の巨人」と言うべき2人の書物は読んでいておもしろい。嫌味もあるけど、このくらいアクが強い方がいい。佐藤優は一時は世紀の悪人扱いされていたが、北方領土返還に向けて懸命に外交交渉をしていたという話を読んで、田中真紀子の極悪大臣ぶりに憤慨した。
保阪正康氏は昭和史の本をたくさん残している。彼の書物を重ね合わせながら読んでいくと、自分なりの昭和史観が生まれてくる。初めて知った歴史的事実がたくさんある。戦争に関わった旧軍人などにかなりの取材を重ねて書かれている。ただ、終戦付近までの記述には凄味を感じるが、戦後に入ってしばらくしてから高度成長時代への記述はそんなに深みを感じなかった。彼の本を読んで知った堀栄三という元大本営情報参謀が書いた「大本営参謀の情報戦記」は今年読んだ本の中で一番よかった。クラウゼビッツを読んだ時のような衝撃をおぼえた。
栗田哲也氏の本は率直に面白かった。大検をへて東大に入る。「大学への数学」などの受験数学の殿堂である東京出版に寄稿しているのに文学部出身だ。しかも中退で略歴を見ていったいこの人どういう人?と思っていた。現在の教育界をバッサリ切るわけだが、そのアプローチの仕方が痛快だ。70年代後半から現在に至るまでの教育に関わる生徒や親や教師の動きをここまで本音で書いている人は少ないだろう。別に教育問題と限ることなく、論理よりも想像力を重視する彼の考えには大きく影響させられた。
ノンフィクションではファイティング原田のことを書いた百田尚樹著「黄金のバンタムを破った男」を部下に薦められた。これが実に良かった。まさに自分の小学生時代の話で、白井、矢尾板、海老原と知っている固有名詞も多く外国人ボクサーとの対決にドキドキさせられた。
来年は映画を150本くらいにして、読書250冊を目指そう。
あっという間に駆け抜けた感じだ。
今年は読書200冊、映画鑑賞200本の年間目標を達成した。インプット過剰の頭をこなしきれなかったせいか、年末に向けてブログ更新がおろそかになってしまった。それもあるが、娘の勉強につきあったのも大きいかもしれない。最後休みに入ってから、見たいと思っていた映画を見に行けなかった後悔が残る。矢沢永吉のクリスマスディナーは見に行った友人によると物足りなかったそうだ。
仕事は好調なようで、今一つだった。給料は上がったけれど、ボーナスが下がった。これはどうも調整されているようである。下請けの人手不足が深刻化したのがつらいところだ。仕事が消化不良をおかしているようで嫌な感じだ。でもこうやって映画と読書の年間目標を達成できたのは多難なく1年が過ごせたからだろう。
映画については、12月に入ってからあまり行けなくなった。今年見た中で一番良かったのは「ゼロダークサーティ」だ。最終ビンラディンを襲撃するシーンの緊迫感が良かった。年末見た「キャプテンフィリップス」も同じような実録ものでいい出来だったと思う。「タイピスト!」の躍動感もよかった。前年を上回る鑑賞本数だったのに、ブログ記載記事が減ったのは読書にも注力したからかもしれない。アジア系の映画では「嘆きのピエタ」が抜群にいい。キムギドクの世界に引き込まれた。ついでに刺激的な韓国映画もいくつか見た。「悪魔を見た」なんて映画は凄かったなあ。日本映画では「さよなら渓谷」かな?でも一番泣けたのは「陽だまりの少女」だ。書物だが、「映画もまた編集である ウォルターマーチとの会話」マイケル・オンダ―チェ著がすばらしい。
今年は読書スタイルを少し変えた。前年はケインズ、ハイエクやミルトンフリードンマンなど経済の古典を中心に読んでいた。本屋に寄るのも経済やビジネス系のフロアだった。今年の半分くらいしか読んでなかったかもしれない。
一橋大の楠木建教授の「戦略読書日記」や彼のエッセイを読んで、ノンフィクションに魅せられるようになった。楠木教授がブックオフの100円本を中心に自伝本やノンフィクション本をたくさん買い込み、気楽に読んでいるのを「戦略読書日記」で知り、いい方法と思った。映画の旧作の100円レンタルと同じ感覚で楽しむことができるのだなと思った。楠木教授の本に彼が読了した本が雑然と題名だけのっていた。彼は何を読んだのか忘れてしまうので、ツイッターに題名だけインプットするようにしているそうだ。自分も同じようにブログに題名と著者名だけ書くようにした。
以前は読んだ本名を手帳に手書きで書いていた。いつの間にやらやらなくなった。確かにこれは電子系で保存した方がいいのかもしれない。
読んだ本の中で取り上げられている本を読むという手法は以前からとっていたけれど、今年はそれが顕著になった。連鎖して本を読んでいった。202冊のうち5冊以上読んだ作者は星野博美、保阪正康、小谷野敦、栗田哲也、佐藤優といったところだ。まったく関連のない5人だ。
特に自分と同郷の星野博美さんのエッセイにいやされた。「コンニャク漂流記」は実家のある品川、平成の初めにいた和歌山の加太と湯浅、今の勤め先である千葉の自分に関わりある3か所を中心に話が進む。和歌山に自分のルーツを探る旅をする場面には目当ての人が見つかるかどうかドキドキしてしまった。昨年妻の父が亡くなり、加太線に乗ったばかりなのでなおさらだ。読んだ後千葉の御宿海岸に行き、江戸時代のはじめに来たというメキシコの人たちがどう振る舞ったか想像したりしたのも楽しい。彼女は同郷なので中に出てくる登場人物で知っている人もいて、妙な親近感を覚えたものだ。
小谷野敦、佐藤優という2人は自分と同世代だ。育ちや出身校もちがうし、思想も自分と違うけど「知の巨人」と言うべき2人の書物は読んでいておもしろい。嫌味もあるけど、このくらいアクが強い方がいい。佐藤優は一時は世紀の悪人扱いされていたが、北方領土返還に向けて懸命に外交交渉をしていたという話を読んで、田中真紀子の極悪大臣ぶりに憤慨した。
保阪正康氏は昭和史の本をたくさん残している。彼の書物を重ね合わせながら読んでいくと、自分なりの昭和史観が生まれてくる。初めて知った歴史的事実がたくさんある。戦争に関わった旧軍人などにかなりの取材を重ねて書かれている。ただ、終戦付近までの記述には凄味を感じるが、戦後に入ってしばらくしてから高度成長時代への記述はそんなに深みを感じなかった。彼の本を読んで知った堀栄三という元大本営情報参謀が書いた「大本営参謀の情報戦記」は今年読んだ本の中で一番よかった。クラウゼビッツを読んだ時のような衝撃をおぼえた。
栗田哲也氏の本は率直に面白かった。大検をへて東大に入る。「大学への数学」などの受験数学の殿堂である東京出版に寄稿しているのに文学部出身だ。しかも中退で略歴を見ていったいこの人どういう人?と思っていた。現在の教育界をバッサリ切るわけだが、そのアプローチの仕方が痛快だ。70年代後半から現在に至るまでの教育に関わる生徒や親や教師の動きをここまで本音で書いている人は少ないだろう。別に教育問題と限ることなく、論理よりも想像力を重視する彼の考えには大きく影響させられた。
ノンフィクションではファイティング原田のことを書いた百田尚樹著「黄金のバンタムを破った男」を部下に薦められた。これが実に良かった。まさに自分の小学生時代の話で、白井、矢尾板、海老原と知っている固有名詞も多く外国人ボクサーとの対決にドキドキさせられた。
来年は映画を150本くらいにして、読書250冊を目指そう。