映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「藁の楯」 大沢たかお&松嶋奈々子

2013-05-31 21:53:27 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「藁の楯」を劇場で見た。

気になっていた映画だが、娯楽作品としてはそれなりに楽しめた。
ただ、状況から見てこれってありえないよなあ?という場面は多々あり
それだけが気にはなった。

7歳の幼女が惨殺される事件が発生した。
以前少女暴行殺人事件を起こした清丸国秀(藤原竜也)に容疑がかかり、警察による捜査が行われた。しかし、清丸の足取りはわからない。
事件から3ヶ月後、事態が大きく変わる。殺された幼女の祖父・蜷川隆興(山崎努)は大手新聞3紙に、清丸を殺した者に10億円支払うとの全面広告を打ち出した。蜷川は政財界を意のままに動かす大物で数千億円の資産があるといわれる。広告が掲載されると同時に大手新聞社の担当は辞表を出す。裏金が動いているようだ。この前代未聞の広告を見た国民は一気に殺気だった。
身を潜めていた清丸を映す。その隠れ家を訪ねる親友がいつもの接し方をするふりをして襲いかかる。これが最初の襲撃であった。その場は危うく逃げたが、身の危険を感じた清丸が福岡県警に出頭する。
幼女の殺人容疑で東京の警視庁が清丸の身柄を確保することになった。しかし、清丸殺害に賞金がかかっており、護送する最中に彼が狙われる可能性がある。

そこで警視庁の幹部は精鋭のSP2名(大沢たかお)(松嶋奈々子)と刑事2名(岸谷吾郎)を指名して福岡に送った。誰が襲撃してくるかわからない極めて厳しい状態だ。。。。

清丸の周りにいる連中が突如襲ってくる。
留置場の刑務官のみならず、看護婦もあやしい。
まだ留置されて間もないうちから、警察側の身内から良からぬ考えを起こすものがすぐさま出てくる。

当初は航空機での移動を検討するが、すぐにSPが却下する。きわめて危険だからだ。
そして車での輸送を図る。何台もの車が一緒に移動する中で、どの車にいるかを特定できないようにする。それでも内部情報が漏れたのか、特攻隊のような機動隊員が車に飛び込んでくる。
反撃するSPたちだ。不死身の強さを見せるが、大きな装甲車が再度押し寄せる。
それでも一つ一つ捌いていくわけだが、難関は次から次へと押し寄せる。

護送車での移動から新幹線に方針転換だ。この列車に乗車するという予告なしに小倉駅から乗車する。
そして、車掌に乗車している車両を無理やり閉鎖させる。
そこでも一筋縄には行かない。おかしいと気づいたヤクザ筋が狙う。
懸命に抵抗するSP2人と警視庁の刑事2人と福岡県警の刑事1人だ。
でもこの直後に最初の悲劇が起きる。

その後も新幹線の線路に障害物がおいてあったり、途中駅で少女を人質に清丸を引き渡せという奴が出てくる。これでもかという波状攻撃だ。

そんな展開は見ていて飽きない。アメリカのアクション映画に比べればという気もするが
日本映画でこの程度まで見せてくれれば十分だろう。

でも途中から少しだれる気がする。
主演のSPにミスが目立つ。当初見せていた完璧さがそんなにもろいものなのかと思ってしまう。
タクシーがなぜ検問を通るのかも理解できない。しかも、最後の到達点に向けての肝心なところを見せない手法は気に入らない。


大沢たかおの「終の信託」の検事役には思わずうなった。映画を見て何て憎たらしい奴だと思った。
見ている我々にも敵意を抱かせる名演技であった。もちろん、この作品も悪くはない。
でも何か抜けているような気がするのと、これはありえないという場面がいくつかあり違う印象を持った。

松嶋奈々子も大ブレイクした「家政婦のミタ」のあと、いい作品に出会えたと思う。途中オバさん扱いされたり、プライドが傷つくような場面あるのがかわいそう。
藤原竜也クンは良くがんばった。変態犯の役が毎度のことながらうまい。
ラストの場面で1人しゃべる場面がある。山崎努の「天国と地獄」での狂気に迫るトークを知っているので少し物足りない。でも当代きっての名俳優だ。結婚するらしいね。おめでとう。

それでもこの映画それなりには楽しめた。
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映画「96時間 リベンジ」

2013-05-30 19:12:02 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「96時間 リベンジ」は今年正月明け公開のアクション映画だ。

前作「96時間」では、リーアム・ニーソンがパリを舞台に強烈なアクションを見せてくれた。今回は犯罪組織から復讐を受ける。リュックベッソン製作らしさがにじみ出るスピード感がいい。
歴史あるイスタンブールの雑踏の中で見せるカーアクションはなかなかスリリングだ。


前作でコテンパンにされたアルバニアの犯罪組織が復讐計画をたてているシーンが映し出される。
パリで誘拐された娘を救った元CIA工作員のブライアン。娘のキムに車の運転を教えたりして、日常を過ごしていた。
どうも娘には新しい彼氏が出来たようだ。そわそわする父親の姿を映す。
ある日、元妻のレノーアが再婚相手との関係が悪くなっていることを知り、気晴らしとして仕事のために訪れるイスタンブールへキムと二人で来ないかと誘う。
その後、イスタンブールでの仕事を終えたブライアン。旅行を決めたレノーア達も合流し、家族との時間を楽しもうとする。
そんなある日、ホテルのロビーでキムと別れ、レノーアとバザールを見物しようとした際、ブライアンは誰かに狙われていることに気づく。そして、バザールに向かう途中、何者かに尾行される。一旦、レノーアと別れ追っ手を倒していくブライアン。

だが、レノーアが捕まり人質となってしまう。
レノーアの身を案じて抵抗をやめ、自らも捕まる直前、キムに部屋へ隠れるようにと連絡する。
連行された場所で、キムを誘拐した組織のボスが自らの息子と部下たちを殺された恨みから家族へリベンジすると告げられるブライアン。それを阻止すべく、レノーアの救出とキムの保護という同時ミッションに挑む。


データを見るとなんと3億ドルを超える大ヒットである。
これは凄い!オヤジアクションがこんなにアメリカで受けるなんて、日本との国民性の違いを感じる。

イスタンブールが舞台だ。
「007スカイフォール」の舞台にもなっていたが、あの細い道を追跡しあう姿にはハラハラさせられる。この街とアクション映画との相性は抜群にいい。
歴史上ビザンティウム→コンスタンティノープル→イスタンブールとまさに世界史の中核都市である。
オリンピックで東京のライバルになっているが、大陸諸国からするとどっちがなじみがあるかというと
向こうの方が圧倒的に親しみがあるだろう。ちょっと心配だ。

アルバニアはヨーロッパの移民が絡む映画ではいつも悪の窟扱いを受ける。
今回もアルバニアの犯罪組織という話で、印象悪くするとクレームが来てもいいものだが
何せ滅茶苦茶な国なんだろう。
欧州の最貧国といわれているだけあって、政治も不安定、経済も詐欺師が暴れまわる。
でも文句言わないのかなあ。人がいいのかな?

いずれにせよリーアムニーソンよく頑張るよ。
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桜田淳子現れる

2013-05-29 20:10:42 | 音楽
桜田淳子を久しぶりにテレビで見た。

サンミュージックの相沢会長の葬式に現れたのだ。
さぞかし周りは騒然としたことであろう。

同世代である。
日曜日の「スター誕生」はいつも見ていた。彼女が出ていたのもついこの間のように覚えている。
花の中三トリオで最初にヒットを飛ばしたのが森昌子で、そのあと桜田淳子が人気が出てきた。
わざとらしさがなんかイヤだったけど、嫌いではなかった。
最後にブレイクする山口百恵に人気を奪われたけど、高校にあがってから少しきれいになった。

「はじめての出来事」はいい曲だ。
まさにはじめてのヒットチャート№1になった時は何かうれしくなったものだ。
「口づけのそのあとで。。。」と始まるこの歌はよく口ずさんだなあ。
奇妙なドキドキ感があった。

「十七の夏」や「夏にご用心」もいい曲だ。

でも徐々に姿を消していく。。。
そして統一教会の合同結婚式のころは毎日のようにテレビのワイドショーで大騒ぎだったなあ。

そんな彼女が少し太めになって現れた。
全然きれいじゃないけど、昔の恋人に出会うようなときめきを感じた。


そういえば2月に森田健作の知事選挙決起会に縁あって自分が出席した時、相沢会長スピーチしていたな。
テレビで見るよりも小柄な方で、スピーチはあまりうまくなかった。
でも3ヶ月であの世に行くなんて。。。

桜田淳子に本当にビックリだ
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映画「恋のロンドン狂騒曲」 ウディ・アレン

2013-05-27 05:11:10 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「恋のロンドン狂騒曲」は、ウディ・アレン監督が「ミッドナイト・イン・パリ」を発表する前年にロンドンで撮り上げた群像コメディだ。少し遅れてから日本公開、劇場には行かなかった。
40年間連れ添った老夫婦とその娘夫婦という2組の男女が、それぞれに結婚生活の破綻を迎えた中で新しい恋に振り回される姿をコミカルに描く。アンソニー・ホプキンス、ナオミ・ワッツ、ジョシュ・ブローリン、ジェマ・ジョーンズ、アントニオ・バンデラス、フリーダ・ピントと超一流キャストだ。

ある夜突然、死の恐怖に襲われたアルフィ(アンソニー・ホプキンス)は、それ以来若返りの特訓に励み、挙げ句の果てには妻を捨て、金髪のコールガールを恋人にする始末。
一方長年連れ添った夫に去られ、茫然自失のヘレナ(ジェマ・ジョーンズ)は、占い師のインチキ予言だけが心の拠り所に。
そんな折、アルフィ&ヘレナの娘サリー(ナオミ・ワッツ)と、一発屋作家ロイ(ジョシュ・ブローリン)との夫婦関係にも危機が勃発。サリーは勤務先のギャラリー・オーナーのグレッグ(アントニオ・バンデラス)に胸ときめかせ、ロイは自宅の窓越しに見かけた赤い服の美女・ディア(フリーダ・ピント)の虜になっていく。
(作品情報より)


ウディ・アレン監督作品には一つのパターンがある。自分または自分の分身になる男が好き勝手にしゃべりまくるというパターンで、そこに飛びきりの美女をはべらせる。その会話は別の人間が演じていても、いつもウディアレン流の言葉遣いなのである。

今回は珍しくそういう男がいない。
アンソニー・ホプキンスにしろジョシュ・ブローリンにしろウディ独特のトークが出ていない。2人には若干ワルを演じさせる。
一発屋作家ロイはもともと医者だった。作家になった医者って日本にも多い。加賀乙彦や安部公房みたいな難解な言葉を駆使するようなタイプもいれば、渡辺淳一のような軟派もいる。最初いい作品を出したが、一発屋に終わっている。編集者に持ち込んでも却下される。ちょっと高尚になりすぎという編集者の言葉だ。悶々とした日々が続いている時に、ポーカー仲間で物書きの男が事故に巻き込まれる。死んでしまったという情報だ。実は彼が書いた作品を事故の前に見せてもらっていた。事故で死亡という情報で、こっそり彼の自宅に忍び込んで書いた作品を盗んで発表してしまうのだ。。。。

ウディ作品「マッチポイント」では主人公に殺人を犯させている。でも結果として主人公を助ける。その昔であれば、映倫もうるさかったせいか、絶対にどこかで捕まる。ところが、ウディはその方向に持っていかない。意外性のある決着に持ち込む。その展開があるので、ここでもどう決着をつけるのかが楽しみに思えてくるのがミソだ。

一発屋作家の前にヒッチコックの「裏窓」ばりに自宅窓際に遠目に見つめる美女が現れる。インド系の美女だ。ナオミワッツのような美女がいるのに別の女なんてありえないと思うのが普通だが、妻が望んでいる懐妊を夫が受け入れないという事実で夫婦間が今一つよくなっていない。そのはまり方も面白い。

アンソニー・ホプキンスも古妻がいるのに「自称女優」でどうみても娼婦の女をはべらせる。

しかし、女は金がかかるものだ。こればかりは万国共通の真理。いつの間にか没落の一途をたどる。
この映画ではどちらかというとだらしない男に焦点が合っている。ジョシュ・ブローリンも「LAギャングストーリー」で見せる硬派の警官とは真逆で見ていて面白い。

ストーリーは少しづつ登場人物に変化球を投げさせ終盤に向かう。ウディらしい展開だ。
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映画「ドリームハウス」 ダニエル・クレイグ

2013-05-26 21:46:43 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ドリームハウス」は2011年のサイコサスペンス映画だ。


007の「ジェームスボンド」ダニエル・クレイグが美人女優レイチェル・ワイズと結婚していたとは恥ずかしながら知りませんでした。その2人が結婚するきっかけになったのがこの映画である。
ジャケットをみると、ホラー系の雰囲気が漂う。見てみるとちょっと違う。
終盤は物足りないけど中盤戦の意外な展開にはけっこう驚く。

ウィル・エイテンテン(ダニエル・クレイグ)が出版社を辞めるシーンからスタートする。美しい妻(レイチェル・ワイズ)と二人の娘たちとともに平穏で幸せな生活だ。円満退社で今後も小説執筆に専念しようとしていた。
新しく移り住んだ家で奇怪な話が続く。娘が幽霊らしきものを見たとおびえたり、自宅の地下に侵入した少年少女たちが怪しげなミサを行っていた。驚く主人公

実はこの家で5年前に殺人事件が起きていたことが判明する。しかも、犯人の容疑をかけられたのは殺された家族の父親で、事件後精神を病み、逮捕に至っていないのだという。家族を守るために地元警察に相談するも、まったく相手にされないウィルは、独自に事件の捜査を開始した。5年前の事件の真相を知る隣人のアン(ナオミ・ワッツ)に協力を求めたが。。。。衝撃の事実が判明するのだ。

『ドラゴン・タトゥーの女』『007 スカイフォール』とヒット作が続くダニエル・クレイグからすると、少しテイストが違う。いかにもサイコスリラーらしい展開に翻弄される姿を披露してくれる。普通の家庭人の顔は別人のようだ。表情が若干違う美人女優が2人登場する。レイチェル・ワイズとナオミ・ワッツだ。特にナオミワッツは自分がファンなだけに思わず食い入るように見てしまう。



サイコスリラーの定石通り、ダニエルが予想以上の障害にぶつかる。いつもは不死身のアクション見せるけど、ここでは普通に姿を映す。この映画では起承転結の「承」あたりでその場面が出てくる。わりと早い。おっとどうなるかと思わせる。
でも最後に向かってもっと狂わせると良いんだけどなあ。
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娘との勉強再開3

2013-05-26 07:41:40 | 家族
全然勉強しない子供も高校3年生になった。5月末なのに部活もう少しやるらしい。
予備校や塾は行っていない。
というよりも生まれて今まで行ったことはない。

であればどうはじめるか。
まずは学校定期テストでいい点を取るようにテスト勉強をするのが一番手っ取り早いような気がする。
受験勉強といっても特別の勉強をするわけではない。
それが実力向上に直結する気がするのである。
でも全然始める気配がない。困ったなあと思っていたが、さすがに試験直前は少しはやる気になった。

現状を垣間見ると、受験では社会で高得点をとって国語、英語ボチボチで逃げ切りの作戦しかない。
今回のテスト範囲は明以降日清戦争前の中国、帝国主義の時代など割と広い。
世界史は一週間で4時限ある。これくらいやってもらえると確かにいい。進み具合も早い。

先生が授業で使っているプリントがある。
これは山川出版の教科書などのパクリでなく、自家製だ。割とまとまっている。まとめの間に穴埋めの問いがある。これに重要用語の穴埋めを加える。
穴埋め問題を多く作るのだ。用語はライオン社「世界史試験5分前」という本から選択
この本名前は胡散臭いけどツボをつかんでいて意外に優れ物だ。



最初に読むことからスタート
答えを読む。音読を2回から3回する。
人名 ピンク、事件 緑、地名 オレンジ、その他重要 黄色、年号 青
以上のマーカーを引く。色分けは重要単語を浮き彫りにする効果がある。
すぐに全部頭には入らない。でももう一枚用意した穴埋めを解かせる。
できなかったところはチェックする。
その後でもう一回読む。

このセットを数回もやる。
毎日やればもっと効果あるのだが、試験寸前まで何もやっていない。

書いて覚えてというが、書き出すとものすごい時間がかかる。タイムアウトになる。
しかも書いて覚えられるかというと、覚えている状態には意外になっていない。

まずはプリントをマスター
その後に山川の「世界史総合テスト」をやる。
プリントで知識を入れ込むが、実際には世界史の問題形式は違う。
問題をやりながら、別の方向から知識を整理する。

両方やれば、少しはましになる。
試験では割とスラスラ答えられたようだ。でもよくよく聞いてみると、ヴァとヴォを間違えたりしている。なかなか得点をあげるのは難しい。
結果8割、平均5割。問題分析したら先生自分のプリントに書いていないことまで出した。ヒデエ
ちょっとボケているかも?まあ上出来か
前は6割取れなかったから。。。

有賀悠はこう言う
「小中学生が漢字を覚えるのに書き取りをさせることがある。。。。先生や親は覚えさせようとして同じ漢字を30回くらい書かせようとする。ところがそうやってもいっこうに書けるようにならない人がいる。これは単に真似ているからだ。3回ほど書いてみたら、書けるかどうか試して、そこで書ければとりあえずok、書けなければ、また3回ほど書いてみて覚えたどうか試してみればいいのだ。。。」

それでも忘れる。

「スペルを読んだら訳を読み、数十個読んだら初めからスペルを読んで訳を思い出そうとする。初めで読んだ単語は、後の単語を読んでいくことで、意識がいったん外れるという状態ができている。これが大事なのだ。一つの単語に時間をかけ、もう大丈夫と思って進んでも。。。。一度意識が離れたら、思いだせるかどうかは定かでない。思いだす訓練をしていないから当然のことだ。初めに戻って思い出せなければ、訳を見て「ああそうだった」と思うので、大きな刺激が脳に行く。思い出せた単語に印をつけ、すべての単語に印がつくまで繰り返す。。。」

天才のいうことは違う。
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映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」

2013-05-22 17:20:53 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ビル・カニンガム&ニューヨーク」を劇場で見た。
ずっと気になっていたドキュメンタリーだ。


ニューヨーク・タイムズのカメラマンであるビル・カニンガムを追う。84歳になってもマンハッタンの街に自転車を漕ぎ出し、ファッショナブルな人々の姿を撮っている。
こんな人物がマンハッタンにいたのか!という驚きで身震いした。
期待を裏切らないすばらしい映画である。

ニューヨーク・タイムズ紙の人気ファッション・コラム「ON THE STREET」と社交コラム「EVENING HOURS」を長年担当するニューヨークの名物フォトグラファー、ビル・カニンガム。
ニューヨークの街角で50年以上にもわたりファッショントレンドを撮影してきたニューヨークを代表するファッション・フォトグラファーであり、ストリートファッション・スナップの元祖的存在だ。しかし、彼自身については謎につつまれており、親しい業界人でさえ彼のプライベートを知る者はほとんどいない。そんなカニンガムにリチャード・プレス監督が8年がかりで撮影交渉し、撮影と編集に2年、通年10年の制作期間を経て完成した本作で、カニンガムの知られざる私生活や仕事ぶりが初めて明かされた。

雨の日も風の日もニューヨークのストリートに自転車で繰り出してはファッションスナップを撮り続け、夜になればチャリティーパーティーや社交界のイベントに出かけて行き、ときにはパリのファッション・ウィークにも遠征し撮影する。その鋭いセンスと独自の着眼点が、世界中のファッション・ピープルから注目され、84歳の現在でも現役ファッション・フォトグラファーとして多大な影響を与え続けている存在だ。
(作品情報から引用)


大きなハプニングはない映画だ。途中で謎を持たせて、どんでん返しをするような映画でもない。
でも面白い。ここまで変わった人物は珍しい。日本でいう職人肌だ。

仕事着はブルーの作業着姿だ。音楽の殿堂カーネギーホールの階上にある小部屋に50年以上も住んでいる。狭い部屋には風呂もない。これまで自分が撮り続けたネガや資料が放り込まれている事務キャビネットに挟まれて生活している。
食には関心がない。いつも軽い食事で済ませている。
独身だ。ゲイではないかと疑われるが、その気配もない。恋もしたことがないという。
シンプルな私生活で、ひたすら面白いもの、カッコいい人たちを撮ることに生きがいを感じている。若いアートディレクターがうんざりするほど、執拗にレイアウト変更を要求する。
毎日が楽しそうだ。仕事以外のことには全く無頓着で、しかも無欲だ。

彼は芸術性の高い写真を撮るカメラマンでない。いわゆるパパラッチとも違う。有名人は撮らない。仮にとっても、服を撮るのであって、その人物を撮るわけでない。そこが違う。若い美女だけに焦点を合わせるのではなく、熟女を通り越した老女がファッショナブルに着飾るものまで撮ってしまう。

2つほど感銘を受けた彼の言葉を書く。
「美を追い求めたるものは、必ず美を見いだす。」

「服を見る時のポイントは実際に着る人がいるかどうかだ。。。着る女性がいない服には興味がない。」

思わず聞いてうなった。
検査okで最高の気分で見れた映画だった。
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映画『ムースの隠遁』 フランソワーズ・オゾン

2013-05-22 08:31:20 | 映画(フランス映画 )
映画「ムースの隠遁」はフランソワーズ・オゾン監督による2009年の作品
ロードショーどころかなぜかDVDにもしばらくならずにいた作品だ。
何でだろう?

若い女性の主人公ムースとルイと仲の良い恋人同士であった。ルイはヘロイン中毒で2人で楽しむこともあった。

ヘロインを使用しすぎたためにルイは死んでしまう。ムースは運良く助かる。ところが妊娠していることがわかる。男性側のルイの母親は堕ろして欲しいと希望し、ムースもそれを受け入れようとした。

しかし、海の近くの田舎の家に隠れて子どもを産もうとする。ルイの弟のポールが彼女のことを気にかけていて、彼女のところにやってきて一緒にしばらく暮らすことになる。

いつものフランソワーズ・オゾンほどは面白くない。
それなんでdvdスルーとなるのは仕方ないだろう。

ここで気になるのは元の恋人でなく、その弟ポールの存在だ。

これがやけにかっこいい。ゲイを自称するフランソワーズ・オゾン監督が彼を利用して楽しんでいる印象を受ける。今一つ何か残らない作品
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お休み明け

2013-05-21 22:33:05 | Weblog
ブログをしばらく休んだ。
先日大ケガをしてしまった。玄関前でちょっとした弾みに転んで、コンクリの角に後頭部をぶつけてしまった。
痛いと言う感触はあったが、起き上がってみたら流血だ。洋服が血だらけだ。
どうも頭が割れているらしい。タランティーノの映画のようだ。
あまりの血で救急車を呼んで、病院に向かった。
早速CTで断層写真で確認だ。
ホッチキスのようなもので傷口をとめた。

深夜にタクシーで帰宅したが、翌日診察に来てくれという事で会社は休んだ。
予約を取ったが、ものすごく待たされた。
診察を受けたら、特には問題なかった。

それから悶々とした日が続く。
病院にいったときは包帯を巻かれたが、翌日すぐ取れた。
なので髪の毛に隠れて、大きな傷があることはわからない。
知らん顔をして、会社に出社している。傷があることすらまわりに言っていない。

そんなうちに娘に39度を超える高熱が出た。
翌朝熱が下がったが、その後再度40度もの高熱となる。下痢もひどい。
自分が変な菌を持ってきたのであろうか?
あわてて日曜日の急患にもぐりこむ。
いったいどうなっているんだ。

ちょうど娘も中間テストだ。
今日から始まった。昨日は世界史まじめにやった。
勢いで自分も覚えた。気分は林則徐だ。
入試を目の前にして親子ともども前途多難だ。
気がつくと、家のDVDレコーダーが壊れた。映画も見ていない。

あした自分の検査あるけど大丈夫かなあ??

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千葉稲毛を散策

2013-05-13 05:30:34 | 散歩
千葉市の稲毛浅間神社の隣におもしろい建物が2つある。

清朝最後の皇帝かつ満州国皇帝となった宣統帝溥儀の弟溥傑が住んだところである。
彼は日本の皇族と遠縁にあたる嵯峨家から嫁浩をもらった。
溥儀には子供がいなかった。「男色」説、「不能」説両方ある。そんなこともあり、弟溥傑の家系で男子の誕生が期待されていた。その新婚時に住んだ家だ。

古いので今となってはごく普通の家に見える。

清朝皇帝の略系図
18世紀の清朝黄金時代を経て、19世紀前半嘉慶帝の時代から少しづつ衰退、道光帝時代からは列強に侵略される。咸豊帝のあたりから複雑になる。女傑西大后が権力を握り、清朝滅亡に向かう。


嵯峨家の系図を明治天皇、大正天皇をからめてつくった図
この図には明治天皇の実母中山慶子一族や明治天皇の妾で大正天皇の実母柳原愛子の名前も出ていて
少し一般に出回っているのとは違う「正直な」略系図で嵯峨家の位置を示す。


書はすごい。

それなりには立派な和室だが、このくらいだったら一般家庭にもあるかも


応接
溥儀が周恩来首相と1960年代に一緒に撮った写真がある。これは意外だった。
「ラストエンペラー」の末期にこういう上層部との関わりがあるとは思ってもいなかった。
中国史の意外な側面だ。


さすがに庭は立派だ。
今は14号線を隔てて埋め立てになっているが、昔は海、夏は海水浴場になっていたらしい。


このすぐそばに浅草名物「神谷バー」の創始者神谷伝兵衛が大正時代につくった洋館がある。
こういうスタイルは貴重な存在

一階の応接

2階の和室


「電気ブラン」という飲み物は浅草名物、別においしいというわけではないが。。
「神谷バー」はいつ行っても観光客で混んでいる。
その創始者だ。清朝の溥傑の家と違って重要人物というわけではない。
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矢沢永吉 オールタイムベスト発売

2013-05-12 14:03:58 | 矢沢永吉
矢沢永吉「ALL TIME BEST ALBUM」が遂に発売される。

本屋まわりに散策する神田駿河台下交差点にこんな看板があった。
こんなの見ていると気分がHIGH!になる。

「なぜ、矢沢永吉は錆びなかったのか」
すごい言葉だ。

リ・マスターリングとのこと。
聴いてからコメントを書きたい。

[ 収録楽曲 ]
DISC-1
01. チャイナタウン
02. ウイスキー・コーク
03. YES MY LOVE
04. アリよさらば
05. アイ・ラヴ・ユー,OK
06. 黒く塗りつぶせ
07. ROCKIN’ MY HEART
08. 東京
09. バイ・バイ・サンキューガール
10. スタイナー(Introduction)~逃亡者
11. YOU
12. あの夜・・・
13. 雨のハイウェイ

DISC-2
01. 棕櫚の影に
02. 苦い雨
03. もう一人の俺
04. ROCK ME TONIGHT
05. 心花よ
06. 長い黒髪
07. Loser
08. Risky Love
09. 時間よ止まれ
10. ロックンロールドラッグ
11. レイニー・ウェイ
12. 親友
13. ラスト・シーン
14. SOMEBODY’S NIGHT

DISC-3
01. 共犯者
02. コバルトの空
03. HEY YOU・・・
04. IT’S UP TO YOU!
05. Still
06. ONLY ONE
07. 背中ごしのI LOVE YOU
08. サブウェイ特急
09. バーボン人生
10. A DAY
11. サイコーなRock You!
12. 居場所
13. 鎖を引きちぎれ
14. PURE GOLD

好きな歌あげたらきりないけど
それぞれのDISCで自分の好きな曲2曲づつ選択
DISC-1では「チャイナタウン」と「東京」
DISC-2では「苦い雨」と「棕櫚の影に」
DISC-3では「A DAY」と「PURE GOLD」

最後が「 PURE GOLD」で終わるのがいいよね。
この歌旅に行くような感じが強くて好きなんだけど、彼のキャリアがまだ続くという意味を感じてうれしい。

昨年は40周年コンサート年末武道館よかったなあ。

今年はどうなるんだろう?


自宅のバラもきれいに花を咲かせた。
また今年もヤザワの季節が来たのだ。
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6年目の雑感2

2013-05-11 05:37:18 | Weblog

東京オリンピック招致の件で猪瀬知事の失言があった。
「イスラムはけんかばかりしている」
トルコの悪口もいった。人の悪口をいうのが仕事だった猪瀬知事は元来の癖が出たのだろう。
そこをしっかり突くのがニューヨークタイムスだ。さすがという感じだ。

ここですごいと思ったが、安倍総理だ。
ロシアをはじめとした諸外国訪問のあとで、トルコを訪問した。
当然外務省の事務方がしっかり根回しをしたとはいえ、猪瀬知事の尻拭いをして謝罪
そして「イスタンブールに開催地がなったとしても我々は喜ぶ」といった。

そのあと、強豪を打ち破ってトルコの原子力発電所のプロジェクトを日本の会社に確定させた。
これはアッパレだ。新聞によれば、中国に十中八九決まっていたプロジェクトだという。
運営を原子力発電では最強のフランス企業を引っ張り出し成功させた。
ブレ過ぎていた末期の民主党ではありえない話であろう。

安倍さんは運が強いとも言える。

世間はアベノミクスで大騒ぎだ。
これまでも、民主党の時もそれぞれの内閣発足時は支持率は高かった。
でも続かない。何でか?
基本的に景気を復活できなかったわけだ。

自分は何度か金融政策の重要性をブログに書いた。
アメリカのFRBがバーンナンキ議長の下、大量のマネーを供給しているのに
日本はケチケチしていた。
(それにしても「文芸春秋」で金融緩和の大御所浜田先生と自分が大嫌いな藤原正彦が対談して、あの新自由主義嫌いの「国家の品格」の藤原正彦がバーンナンキの金融緩和を称賛しているのには呆れた。いかにもインチキ野郎と言ってやりたい。このやり方が藤原がけなすミルトンフリードマンのやり方って知っているのであろうか?バカだから知らないかも?)

何でアメリカの真似が出来ないものかと思っていた。
一時民主党政権下でも白川さんが金融緩和をした。
昨年春株価は一時的に復活したが、すぐ元に戻った。

徹底的に市場へ資金が流入できなかったからだ。
閾値を越えない投資は、全く意味のないものになることが多い。

仕事においてもそうだろう。
小出しに少しづつ資金を投入しても全く意味のないことが多い。
こういうときは一気にせめていくしかない。昨日は一日会議でそんな話をしていた。
景気反転をどうビジネスチャンスに生かすのか?自分の懐も豊かにせねば。。。

それにしても昨日のドル円相場の100円の強行突破はビックリだ。
自分は為替はやらないからいいけど、おそらくは100円手前のあたりで99円台円買い97円台円売りの往復で張っていた奴らは度肝を抜かれたであろう。100円前後くらいにロスカットポジションが大量に張られたはずだから、損切りの続出だろう。フリードマン博士じゃないけど、市場から退場するくらいの人もいるかもしれない。

昨年末の決算予想と違い企業の決算がよくなっているわけであるから、当然経済も高循環。ボーナスもカットされない。この相場まだまだ続くなあ。
ここしばらくおとなしくして割と映画を見ていた。ワインを3日に2杯飲んだだけだ
何とか総会など来週からオフィシャルな飲み会が増える。


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映画「LAギャングストーリー」 ショーンペン

2013-05-09 05:43:57 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「LAギャングストーリー」を劇場で見た。


ショーンペンの出演作は欠かさず劇場で見るようにしている。
自分の昨年ベスト「きっとここが帰る場所」も彼の作品だ。自分の感覚では、ハズレはない。
今回は1949年のロス警察とギャング集団との徹底対決を描く。
テンポがよく、話もわかりやすい。適度にどぎつくて、ショーンペンのあくの強さをライアンゴズリングのキャラで和らげる。なかなかいける映画だ。

1949年のロサンゼルスが舞台だ。
ニューヨークのブルックリン生まれのギャングのボス、ミッキー・コーエン(ショーン・ペン)は、麻薬、銃、売春でこの街を牛耳り、さらにはシカゴから西の広い地域の賭博も仕切っている。また、彼の影響力は政治家や警察内部にも深く浸透していた。取り締まることはほとんど不可能だった。
ジョン・オマラ巡査部長(ジョシュ・ブローリン)はコーエンの売春窟に潜り込み、コーエンの手下を無理やり収監したが、あっという間に釈放だ。落胆していたところ、市警本部長から密命が下る。それは、少数精鋭の極秘部隊を結成し、ミッキー・コーエンの組織を隠密裏に壊滅せよ、というものだった。
極秘部隊の話を聞き、ジョン・オマラ巡査部長の臨月の妻は激怒した。それを夫がたしなめジェリー・ウーターズ巡査部長(ライアン・ゴズリング)はじめL.A.市警の「はぐれ者たち」による極秘チームが編成された。彼らは警察バッジを外し、法に縛られることなくギャング顔負けの手段でミッキー・コーエンの一味に立ち向かっていく。


「はぐれ刑事」たちはコーエンの家に盗聴器を仕掛け情報をキャッチする。そしてコーエンが牛耳る賭博場,競馬のノミ屋をめちゃくちゃにしだす。最初コーエンもシカゴなどのマフィア組織の仕業と読んでいた。自警団かギャング同士の争いと見せかける。


そのたびごとに怒り狂うコーエンは、部下は始末し、自分が賄賂をあげた警察官はボコボコにする。それにしてはおかしい。徐々に真相をよんでいくようになるが。。。。

昨年はオカマのロッカーを演じていたショーンペンが強面のギャングのボス役に180度急転換する。暴力的な性格もうまく表現される。政治家、警察に対して賄賂で買収をして、悪いことをしても捕まらないギャングだ。部下たちがしくじると全く容赦なく消していく。怖い怖い。
映画はじまっていきなりリンチにする男の手と足をしばり、前後にある車それぞれに鎖をつなげ別方向に引っ張って身体を分断するという凄いシーンを見せていく。そのあとの処刑?も容赦ない。
ショーンペンの映画ではその背景、美術が凝られていることが多い。当然1949年のロスの模様を再現したこのセットは見事だ。

ジョシュ・ブローリン演じる巡査部長は軍隊帰りでケンカ好き、コーエンのアジトにも涼しい顔をして潜り込み子分たちをボコボコにする怖いもの知らずだ。しかし、どんなに頑張っても政界や法務、警察に通じているコーエンにはかなわない。今回は思う存分ボコボコにできるのがうれしくてしかない。

危険な業務に従事することになった巡査部長に代わって仲間たちを選んだのが奥さんというのがミソだ。人事考課のいい人だと買収されてしまい、ちょっと勇み足気味の警察官を選んだほうがうまくいくと奥さんがアドバイスするのはなるほどと思った。
自分のイメージではアンタッチャブルというより「ディックトレイシー」の主人公にダブる男だ。

近年の活躍が目立つライアン・ゴズリングも無難にナンパ系巡査を演じていた。男前の彼はしっかりコーエンの情婦グレイス(エマ・ストーン)と付き合いだす。男臭い映画に彼女が色を添える。「アメイジング・スパイダーマン」の時とは違う大人の色気だ。
どちらかというとラブコメ系の色男のイメージがあったライアンも「ドライヴ」のハードボイルド系キャラが定着してきた。今後この手の映画の出演が増えてくるであろう。

三者三様、それぞれに見せ場がある。
同時に他の4人にも見せ場を与えている。特に無線の傍受にあたるオタク的な役柄がいるところが変化球だ。見ようによっては黒澤の「七人の侍」を彷彿させる。同じような時期を描いた「LAコンフィデンシャル」との違いは、そういう役割を持たせる男たちが増えることかな。

楽しめる映画である。
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映画「バッドアス」 ダニー・トレホ

2013-05-08 05:38:31 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「バッドアス」は2012年公開のアメリカを舞台にしたバイオレンス・アクションだ。

バスの中で若いチンピラ風の男にからまれた初老の男が逆に素手で殴り倒して撃退し、その映像が YouTubeにアップされ話題騒然となった実際の事件があった。
それをもとに映画がつくられた。

正義の味方って映画にしやすい。スパイダーマンだってバットマンだってみんなそうだ。彼は覆面をかぶっているわけではない。素顔のままで悪党に立ち向かう。

まずは主人公フランク・ベガ(ダニー・トレホ)を紹介する。
ハイスクール時代はアメリカンフットボールの名選手で将来を約束した恋人もいた。出征したベトナムではジャングルで6年戦った後、捕虜になってベトコンたちから散々な目にあう。電気椅子攻めにも耐えた。しかし、帰還したら恋人は結婚して、なろうと思った警察官になれず、職もなく食うに困って街でホットドックを売りはじめたらそれが本職になってしまう。
でも今は商売敵も多く、うまくいかない日々が続く。

ある日、彼の人生を一変させる事件が起こる。バス内で2人組の若い不良男に絡まれている老人がいた。男の一人が立てつく老人を殴ろうとしたら、横から老人を助け2人組をボコボコにする。その映像がネット画像にアップされ、フランクは「バッドアス」として一躍街の英雄になる。


フランクには黒人の親友がいた。一緒にいたフランクの家からタバコを買いに出て2人組の悪党にからまれ殺される。親友は市長の汚職にかかわる重要なデータを持っているので狙われたのだ。事件の後、警察はまともに捜査しない。フランクは苛立ちを覚え2人組を自ら探そうとする。
現場で写真付きのペンダントをみつける。写真の女性を割り出し、犯人の周辺に近づいていく。犯人の周辺にはマフィアが絡んでいて大騒ぎになるが。。。

単なるオヤジが正義の味方になり、悪党に素手で向かう姿はかっこいい。
超能力を持っているわけでもない。単に喧嘩が強いだけである。
治安の悪いアメリカではこういう人が一気にヒーローになってしまう。そこが日本と違うところだ。
傑作「ヒストリー オブ バイオレンス」を連想した。あの映画では主人公は以前はマフィア系で再度狙われるという設定だったが、今度は素人だ。

相手はマフィアである。そう簡単には攻略できない。この手の映画の定石通り、逆襲を受ける。そこで主人公はむごいことをやる。
黒幕を教えろとばかり、悪党の一人の手をもって、ディスポーザーに突っ込むのだ。これは強烈だ。
日本はあまり普及していないが、アメリカの家庭では生ごみ処理に必須だ。口を割らないとディスポーザーに何度も手を入れる。当然血まみれだ。もちろん模擬なんだけど、えげつない。

あとは大型バスのカーチェイス、これも豪快だ。猛スピードでカーブを曲がると、ケツがふらふらだ。街の中を追いかけ合って、ビルの中に飛び込んだりして2台ともぐちゃぐちゃだ。これもグロテスクだ。

こういう見せ場を作りながら、90分を走り抜ける。
普通に娯楽として見る分にはいいんじゃないといった感じだ。

バッド・アス
普通の親父がいきなり英雄に
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映画「華麗なるギャツビー」 ロバートレッドフォード

2013-05-07 05:25:24 | 映画(洋画 89年以前)
映画「華麗なるギャツビー」はスコットフィッツジェラルドの原作を映画化した1974年の作品だ。
ロバート・レッドフォードとミア・ファローという当時の人気スターの共演

原作「グレートギャツビー」は1920年代を象徴する名作として末長く読まれている。村上春樹による新訳は読みやすい。ロングアイランドの豪邸やパーティの描写など華やかな印象もあるが、基本は悲哀を含む恋愛小説である。事の顛末がシェイクスピアの悲劇を思わせる。やはりこの原作は映画で見ると、なおのこと冴える作品だ。
映像は若干古いが、ロケで使った豪華な住まいや派手なパーティの映像でたのしませてくれる。

1920年代のアメリカが舞台だ。
ニック・キャラウェイ(サム・ウォーターストン)の一人称で語られる。
証券会社に勤めるニックはニューヨーク郊外のロングアイランドに住んでいる。湾をへだてて向かい合ったところに住む富豪トム・ブキャナン(ブルース・ダーン)とニックはイェール大学での同窓で、トムの妻デイジー(ミア・ファロー)はニックのいとこだった。トムは自動車修理工の妻マートル(カレン・ブラック)と不倫関係にあった。トムの浮気癖は直らず夫婦生活はうまくいっていなかった。

ニックの自宅の隣で豪華な邸宅を構えるジェイ・ギャツビー(ロバート・レッドフォード)は頻繁にパーティーを催していた。社交界の話題はギャツビーに集中していたが、彼の身分は謎に包まれていた。
ニックはギャツビーからパーティに招待を受ける。

数多くの招待客がざわめく賑やかなパーティーの途中、給仕に「ちょっとこちらへ」と呼ばれる。連れて行かれた部屋にギャツビーがいた。隣人ということで特別待遇を受けたのだ。
その後食事をしたりしてギャツビーの人となりを知るようになった。ギャツビーは第1次大戦に参加し、陸軍少尉となった彼はデイジー(ミア・ファロー)と知りあった。2人は激しい恋におちたが、ギャツビーは軍の命令でフランス戦線へ派遣されてしまったのだ。

2人はニックの仲介を得て8年ぶりに再会した。(ちなみに小説では5年ぶりとなっている)
デイジーはギャツビーの愛情に感激した。
ギャツビーがフランスへ発ったあとデイジーが結婚した。当時貧しかったギャツビーではなく富豪のトムを選んだのだ。デイジーとトムはギャツビーのパーティに招待された。デイジーへのギャツビーの振る舞いを見て夫のトムは不信感をいただいた。一方ギャツビーは再びテイジーの心をとり戻す決意を固めていたのだが。。。

まさに全盛時のレッドフォードである。中学生の時「追憶」を劇場で見て魅かれ「スティング」を見に行った。そのあとでこの映画見た。きらびやかな印象が強かったが、男女の恋の機微がよく理解できていなかった。今こうして見ると、女のずるさを強く感じる。



1920年代ハーディング、クーリッジ、フーバーの共和党政権時代は1929年まで「永遠の繁栄」と言われた。当然バブリーな人たちも多い。それを象徴する映画だ。ギャツビーは派手なパーティを開く。一体いくらかかるんだろうと思わせる豪華なパーティだ。今の日本であれば人件費、飲食代ふくめ1回2000万円以上はかかるであろう。大げさでなく月に1億円はかかる。さすがにそんなことする人はいない。しかも、ロングアイランドのような海辺の高級住宅地は日本の都市部には存在しない。

ギャツビーは酒の密売をやっているというセリフがある。1919年から33年までアメリカでは禁酒法が布かれていた。これは「酒を飲むのが違法だったのではなく、売買が違法だった」ということだ。であるから酒を飲むシーンが数多く出てきても不自然ではない。ただ、この映画のように飲みまくる人たちがいれば密売は大儲けできるはずだ。

いくつもの恋愛が絡み合う。
この映画のテーマも男と男の競い合いだ。浮気症で妻に目もくれないかった男が、ライバル出現とともに妻が気になる。妻は完全にとんでいる。普通だったらそのまま持っていかれそうな恋なのに。。。
デイジーは「彼もあなたも愛しているわ」と言ってしまう。
決断をするには、自分にも子供がいる。ついつい中間的な言葉を発してしまう。ずるいなあと思うけど、仕方ないのかな。ただその先にとんでもない悲劇が待っている。


この物語の重層性はそれだけにとどまらない。シェイクスピアの物語のような悲劇ともいえる構造が長く読み続けられている本質であろう。
ミアファローのデイジーの演技を味わいながら、ずるい女の何人かを連想した。

個人的にはニックの恋人役を演じたロイス・チャイルズがよく見えた。ボンドガールをつとめたことのある美人だが、何より声が渋い。低音の魅力で百戦錬磨の恋の達人といった風格をもっていた。


レオナルドディカプリオによる新作は本当に楽しみである。特に華やかなパーティ場面は予告編で見てもすごそう。修羅場の場面をキャリーマリガンがどうしのぐのかも関心がある。1974年の作品でも多少原作と違う部分がある。どう料理されているのであろうか。

グレート・ギャツビー (村上春樹訳)
村上春樹の新訳を楽しむ


華麗なるギャツビー
アカデミー賞でビジュアル系の賞を独占したきらびやかな美術に注目
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