映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

矢沢永吉 闘う63歳~カリスマ・40年目の夏NHK

2012-09-30 08:01:42 | 矢沢永吉
NHKテレビで「矢沢永吉 闘う63歳~カリスマ・40年目の夏」を放送した。


9月1日に一緒にコンサートへ行った友人から「土曜の夜出るよ」と聞き楽しみにしていた。たぶん9月1日のコンサートのシーンもやるだろうと思っていたしね。

NHKからはベテランアナウンサーの有働由美子さんが出てきた。気がつくと彼女も43歳になっていた。別に男性でもいいんだろうけど、女性の方からが多少厳しい質問でも柔らかく受け止める部分があると思う。人選もよかったのではないか。有働由美子さんは、真っ赤な洋服で登場する。これも珍しい。9月1日のコンサートへ行き、よくあるパターンだけど、ヤザワ教信者になったみたいだ。子宮の底からかっこいいと感じるなんてNHKらしからぬセリフも出ていた。

キャロルが結成されてしばらくした時NHKで「キャロル」というドキュメンタリーをやった。かれこれ40年近く前である。当時NHKディレクター龍村 仁が話題になった。番組の内容に上層部からチェックが入り思いどおりの放送でないと反発したのだ。彼はNHKを飛び出してしまう。


それでもなぜかヤザワはNHKとご縁がある。トーク番組にもたくさん出てきた。3年前には紅白まで出てしまった。85年のNHKトーク番組での映像が出てきた。インタビューは今や東京芸大教授になった日比野克彦だ。その対決で、若いヤザワは心の底から「熱い!」というより、まさに世間に対して突っ張っている怖い姿を見せる。あの攻撃的なヤザワと比較すると今は丸くなったんだなあと思った。

映像は9月1日のコンサートのシーン、観客として見ている有働由美子さんの姿を映し出す。有働さんのまわりに座るオヤジたちがいかにもヤザワファンぽいというのが笑えた。それに重ねるようにコンサート4日後に有働由美子さんが横浜市内でインタビューをしている映像が重ね合わせられる。まずは山下公園前の「ホテルニューグランド」、そして本牧のライブハウス「ゴールデンカップ」、最後にコンサートのMCにも出てきた横浜の街を見渡せる野毛山公園だ。


今年は「ラストソング」のCD発表に合わせて、なんとインタビューやラジオ出演をなんと120本もやったという。驚いた。普通であれば、ベテラン歌手になったらここまではやらない。
ヤザワは「これがプロモーションというものなんだ」と言っていた。凄いパワーだ!
この努力には敬服するしかない。
自分ももっと仕事でアクティブに動かねばならないと痛感した。

映像からいくつかピックアップしてみたい。
まずはライブハウス「ゴールデンカップ」の話だ。

キャロルから40年だけど、その前に不遇のバンド時代がある。ライブハウス特有の煙草の匂いが充満する匂いの中で初めて1000円のチップをもらってうれしかったこと。そのチップでジンライムを飲んだけど、単なるシロップ入りだったけどそれでもおいしかったという話だ。実はこの話2009年の107回目武道館でMCで話していたので印象深い。あのときは本物のライムを飲んだときにこれはジンライムじゃないと言い張ったという話をしていた気がする。

広島に7月に行った時の映像が出ていた。故郷である。
ヤザワは「ヤザワになれなかったら、帰ってこれなかった」そう言った。

「やるならとことんやる」「欲がない奴はダメ」「億万長者になりたいとバットを素振りする人間がホームランをうてるんだ」といういかにもヤザワらしい強気のトークが炸裂する一方で
「お酒飲んだらベロベロになってしまう」「かっこ悪い所見せる」というセリフと弱いところを見せる。
有働女史から「何でぶれないの?」と聞かれて「これしかないと進む。自分は不器用だ」
「何で40年間№1でいられるの?」と聞かれて「自分は臆病だからチェックを重ねつつ前に進んでこれた。」


30代くらいまでのヤザワだったらこんなセリフ言っていたであろうか?かっこ悪いところを見せないでいると無理が出るのを身体で覚えられたのだと思う。若い時と違う弱い所を見せる部分がまた魅力的じゃないかなと感じた。コンサートの準備のシーンも映し出していた。ヤザワの準備は単純でない。聴く側にとってどういう曲の長さで構成するのがベストなのか、じっくり準備しているのがよくわかった。

最後に
「今年のコンサートでやりたいことがあるんだ。ただそれってものすごく体力がいることなんだけど」
そう言っていた。何なんだろう??
年末の武道館が楽しみになってきた。
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天地明察  岡田准一

2012-09-29 20:50:07 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「天地明察」を劇場でみた。

予告編をだいぶ前からやっていた。何か魅かれるところがあった。引き寄せられるように映画を見た。非常にさわやかで爽快な印象を持った。映画館を出る時、こんなすがすがしい気分になることも珍しい。


恥ずかしながら渋川春海(安井算哲)という存在を知らなかった。大学受験は私立用で世界史、国立用で加えて政治経済だった。日本史は苦手の古文資料が多くやる気にならなかった。3年生で学んだが記憶にほとんどない。高校生の娘の教科書を広げると、渋川春海(安井算哲)の名前がある。改暦のことも書いてある。日本史を受験科目にした人はよく知っているかもしれない。重要人物である数学者関孝和は日本数学界のルーツのような人なので知っていた。数学史の本によく出てくる。彼が幾何の問題を解いた図面は何度も見たことがある。
実在の歴史上の人物を取り上げながら、それぞれの個性を生かしつつ、誰が見てもすがすがしい映画をつくる滝田監督の手腕に「おくりびと」に引き続き感心した。

江戸時代、4代将軍家綱のころの話だ。
安井算哲(岡田准一)は幕府お抱えの碁打ちの家系であった。星の観測にも興味を持っていた。反抗精神も強く、算哲は形ばかりの勝負となった囲碁に次第に疑問を抱き、別の家元である本因坊道策(横山裕)と真剣勝負を将軍(染谷将太)の前で打とうとして説教を受けた。そんな安井算哲を水戸家の徳川光圀(中井貴一)や将軍・徳川家綱の後見人会津藩主保科正之(松本幸四郎)はかわいがっていた。
また、算哲は算術にも関心を持ち、神社に奉納された絵馬に書いてある算術の問題(算額)を解くのを楽しんでいた。ある時、その絵馬の問題を鋭く解く男がいるのに気付いた。関孝和(市川猿之助)である。彼と知り合うにはどうすればいいと思い、算術の塾を訪れた。そこには塾頭とその妹で算術を解く神社に行儀見習いに通うえん(宮崎あおい)がいた。
そんな数理能力に優れる算哲を、保科正之(松本幸四郎)は暦の誤りを正す任に抜擢する。日本は中国・唐の時代の宣明暦を800年にわたり使ってきた。しかし、2日ほどずれが生じてきたのだ。中国には元の時代および明の時代に作られた暦もあった。安井算哲は元の時代の授時暦が正しいのではないかと推論を立てていた。しかし、暦は京都にいる朝廷の公家が司っていた。そこに幕府が口を出すとなると、朝廷の聖域への越権行為になるという問題をはらんでいた。
まずは新しい暦を作るというこの計画に先立ち、全国で星や太陽を観測するという作業となる。建部伝内(笹野高史)、伊藤重孝(岸部一徳)とともに長い旅に出発するが。。。


ロマンのある話だ。
豊臣一族絶滅からもずいぶんと年数を重ねているので世相も安定している時期だったのであろう。
文化学術にも目が向けられるようになっている時代だ。関孝和、安井算哲と役者がそろった時代なのだ。
朝廷が司どっている聖域に挑戦するために、3つの暦の比較で勝負をするという発想がすごい。

相手を説得するには何はともあれ、自分たちの正統性を示すための証拠を用意するというのはビジネスの世界でも同じだ。
数理的な証拠を見せ付けれると相手はウンといわざるを得ない。

岡田准一は主演の回数も増えて安定した演技。日本を代表する役者たちを相手にもまったく引けをとらない。

印象的なのは関孝和を演じた市川猿之助である。由緒ある名前を張るだけあって、力強い演技である。自分が持つ数学の天才のイメージはどちらかというともう少しボーっとした奴が多い。ここまでアグレッシブかな?という気がするが、このストーリーの流れでは当然関孝和はこのくらいのパワーがあってしかるべきだろう。一般に言われているより新しい暦を作るにあたっての関孝和の貢献度を高くしている。

本作品HPの解説を読むと藤原正彦の話が出ている。
「彼(関孝和)は授時暦も学んでいましたが、算哲と同じように改暦を目指していたかどうかは、謎です。藤原正彦著「天才の栄光と挫折 数学者列伝」の中で、ライバルの算哲が改暦をなしてから、関の業績がまるでないらしいとの話が出ています。」
藤原正彦は「国家の品格」の作者だが、彼の言っていることがいい加減というのは有名だ。
「国家の品格」にある経済学批判に関しても、実際にその本を読まずに感覚で批判しているのは明らかだ。はっきりいって超いい加減な学者の言うことだ。
安井算哲と関孝和が実際に接しているのであれば、この映画のような話が存在したと思うのが自然だろう。

朝廷には面倒な公家がいる。市川染五郎演じる公家が世俗の人たちだけでなく幕府の役人をバカにするような口調を言う。いかにもいやみったらしい。妹である松たか子は、お嬢さんの域を超えて、まさに世間の底辺で生きる女性を演じるのもうまくなったが染五郎はまだまだお坊ちゃんが抜けきれないのか、こういう役しか回らない。オヤジの松本幸四郎は貫禄があっていい感じだ。「天を相手に真剣勝負をしろ」と主人公に命令する場面はかっこいい。宮崎あおいは嫁さんにしたらいいなあと思わせる姿を見せる。

水戸光圀を中井貴一が演じるのも悪くない。テレビで見る黄門様と違い、いわゆる日本史で言われている水戸光圀の姿だ。寛容性のある光圀がワインをたしなんだり、中華料理を堪能する姿を映すのはおもしろい。そういえば日本で最初にラーメンを食べたのは水戸光圀といわれているからね。将軍役の顔を見て、見たことあるんだけど誰だったかな?としばらく考えた。そうだ。「ヒミズ」の主演のお兄ちゃんだと解るまで時間がかかった。染谷将太はこういうキャラがお似合いだ。
脇を固める岸部一徳と笹野高史は実にうまい。この2人が先頭になって、入場行進するかのごとく足を高く上げて歩く姿が滑稽だ。 そういう映画をより崇高なものにしているのは久石譲の音楽だ。予告編のときから心に残るテーマミュージックであった。天体を扱うというスケールの大きさを感じさせる。

娯楽として楽しめた。
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夢売るふたり 松たか子

2012-09-27 20:01:02 | 映画(自分好みベスト100)
西川美和監督の新作映画「夢売るふたり」を劇場で見てきた。

広島出身の美人監督西川美和の前作「ディアドクター「ゆれる」「蛇いちご」はいずれも傑作である。現代の日本映画界では実力ナンバー1とも言える彼女の新作がでるのをずっと楽しみにしていた。

公開された後、なかなか見に行けなかった。この映画も期待を裏切らない傑作だと思う。松たか子さんは新作出るたびに実力をつけているのがよくわかる。

東京の私鉄沿線で主人公夫婦(松たか子、阿部サダヲ)は居酒屋を営んでいた。九州出身の2人で切り盛りする店は繁盛していた。ある日夫が焼き鳥を焼いている時に、客の注文が来て焼き物から目を離したときに、火が燃え上がってしまった。懸命に2人は火を消そうとするが、火の粉はあがり店は全焼した。常連は大怪我はするし、2人は職を失う。

夫は料理屋の厨房人に、妻はラーメン店の店員になって働く。しかし、夫は勤め先の店主と大喧嘩、荒れた後に駅で酒を飲んでいたときに店の常連だった女性(鈴木砂羽)と駅のホームで出会う。
彼女は不倫相手の男性といつも2人で店に来ていたが、男性は危篤になってしまう。懸命に彼氏に面会したいという女性に、その弟(香川照之)は手切れ金を渡す。そのことで女性は荒れていたのであった。駅で彼女は嘔吐して夫の洋服を汚くしてしまう。

そのまま彼女の家に行った2人は意気投合し一夜を過ごす。お互いに事情を話しあった後に、彼女がもらった手切れ金を「店の資金」にしなさいよと封筒ごと渡してくれる。いったんは断るが、彼女が一発殴らせてくれという要望を受けて出て、一発殴られた後意気揚々と大金を持って家に帰る。
帰らなかった夫を探していた妻の元に、大金の入った封筒を持って帰ったのに驚く。偶然昔の友人にあって店舗開業のため借りたというが、妻は洋服が洗濯してあるので女の所に寄ったことに気づく。焦る夫、お金をもらった事情を夫から聞き終わった後で、妻はこの話はお金になると直感で思う。結婚できないハイミス女の気持ちを揺さぶってお金をいただく算段だ。

2人は高級日本料理屋に勤める。夫は板前で、妻は仲居さんだ。ある時ある姉妹がカウンターで会話しているのが耳に入った。キャピキャピの妹に対して、メガネをかけたインテリ風の姉(田中麗奈)は男に恵まれていない。自分の不遇に涙する彼女に夫は優しくする。カモと読んだ妻も加勢する。やさしくされた彼女は店に通うようになり、次第に2人の仲はちかづいていくのであるが。。。。

このあといくつかの女性に出会う。
デブの女性重量挙げ選手、男に恵まれないデリヘル嬢、子持ちの公務員などそれぞれに物語は続く。
映画のストーリーはわかりやすい。途中退屈になる場面がない。一つの話に他の話が連続してくっついていく。この接続の手法がうまい。

この映画は語りだしたらネタが尽きない。それだけ重層構造だということだろう。
最初に出てきた鈴木砂羽や田中麗奈のインテリ風キャリア女性が妻子持ちに騙されるというのはよくあるパターンである。これだけで終わってしまったら、「直球」だけの普通の映画である。そこにデブの女性重量挙げ選手、男に恵まれないデリヘル嬢、子持ちの公務員といった「変化球」を加える。それぞれの変化球にはくせがある。簡単にはいかない。しかも、結婚詐欺を働こうする側にも大きな心理的な変化が出てくる。当然夫の心理に変化が出てくると、妻の方もおかしくなる。 細かいしぐさに女性監督目線の細工を加える。
直球のみだとストーリーが読めるが、迷彩がかなり散らばっている。結果を聞けば、誰もがそうなるのかと思うが、上映途中は意外にわからない。一時間強たった後で、映画の展開どう決着付けるのかと思った。 次にどうなるんだろうと想像するのが楽しい!そういった中、第三の人物も登場させ収束に向かう。多少強引だがうまい。

それでも最後の終わり方は西川女史にも迷いがあったのであろう。
以前見た「ゆれる」の終わり方にはっとした。あのエンドと余韻の残し方はすごい。
今回は松たか子をクローズアップさせる。個人的にはちょっと違うかなあという印象だ。
どうせなら成瀬巳喜男監督「乱れる」ラストで高峰秀子が見せたような表情がよかったと自分はおもう。
だからといって悪いわけじゃないけど。。。

松たか子は「ヴィヨンの妻」で居酒屋のおかみさんを実にうまく演じた。こんな女性がいたら毎日通いたくなるようなおかみさんだ。今回のスタートもその姿だ。でも今回の方が少しずるさを見せる。もともと松本幸四郎の娘で典型的白百合女子のお嬢さんの彼女が、社会の底辺に近い所で彷徨う女性を演じている。凄いギャップだが、結婚もしている大人の彼女からしたらワケないことかもしれない。

その他の配役についてもみんなうますぎるし、配役が実にうまい。阿部サダヲはまさに適役であろう。安定感がある演技を見せてくれた。三枚目キャラがいい。
鈴木砂羽は「スープオペラ」も同じような感じだったが、こういうキャリア女性役を演じると抜群にうまい。美人なんだけどなぜか売れ残ってしまったという女性割とよくいる。田中麗奈も30を過ぎてこういう役で役柄の幅を広げなければならない。いい転機になったと思う。


デブの女性重量挙げ選手には驚いた。実際にバーベルを持ち上げるのをみて本物の重量挙げ選手が演じているのかと思った。いろんなコメントを読んですごい役作りをしたと聞いてに再度びっくりだ。
木村多江は職業安定所の相談員として出てきて、香川照之と同じでちょっとだけの友情出演の形かと思っていた。それが意外な形の展開に変わっていった。この迷彩にはやられた。松たか子、木村多江の白百合女子高の先輩後輩コンビの葛藤が見せ場になる。

映画を見ていて、故伊丹十三がよみがえってきたような錯覚を覚えた。
いずれにせよ西川美和監督の才能に脱帽だ。
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幸せの行方 ライアン・ゴズリング

2012-09-26 19:16:04 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「幸せの行方」はライアン・ゴズリングとキルスティンダンストの若手人気俳優による2010年の作品だ。ジャケットからはラブストーリーを想像させたが、実際にあった失踪事件に基づくサスペンス物だった。

法廷で老いた主人公が尋問を受けるシーンに、回想シーンが重ね合わせられる展開だ。
主人公デイビッド(ライアン・ゴズリング)への尋問でニューヨークで不動産業を営む富豪の御曹司であることがわかる。タイムズスクウェアの周辺を所有しているらしい。その主人公は父(フランク・ランジェラ)の反対を押し切り、平凡な家庭の女性ケイティ(キルスティン・ダンスト)と恋に落ちる。2人は結婚し、ニューヨークを離れて、幸せな生活を送っていた。しかし、子供を欲しがる妻に反して、夫は拒絶する。そして、父親はそんな息子をニューヨークへと連れ戻し、父の仕事を手伝うことになる。そのころからデイビッドは、次第に奇妙な行動が目立ち始めていく。。。

法廷尋問の中で主人公は母親のことを聞かれる。7歳の時にむごい死に方をしたようだ。そのことでトラウマが残っている。心を病んでいたのである。

普通そうに見えるのに、実は凶暴性のある二面性を持っているというパターンはよくある。この映画は実話に基づくという。しかも、当本人がまだ存命だという。日本で言えば三浦和義事件のようだ。これもすごい話だ。
途中までは普通のラブコメと大きく変わらない。その昔はやったディスコミュージックなど時代に合わせた音楽の選択もいい。途中からはともかく暗い。終盤にかけその暗さを増していく。結婚相手へのDVも極端になると見ていられないくらいだ。しかも主人公は変質者の様相を呈する。ライアン・ゴズリングは「ドライヴ」で影のある男を演じた。キャラにあってうまかった。精神が錯乱している姿を演じて、ここでもうまいんだけど、この役は酷だなあ。
変な映画見ちゃった。
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映画「クロエ」 ジュリアン・ムーア

2012-09-24 06:00:23 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
映画「クロエ」はリーアムニーソン、ジュリアン・ムーアの2大スターが中心になったサスペンススリラー映画である。官能サスペンスといってもいいだろう。

夫の浮気調査を依頼した若い娼婦が夫と近づくことで揺れ動く妻ジュリアン・ムーアがクレジットトップだ。自分の視点からすると、彼女何でこんなことするのかなあ?と思うことばかりだ。若きマックス・シエリオットが美しき裸体を見せると同時に、ジュリアン・ムーアまで熟女ヌードを見せるのが見どころか。
悪女ものとしてドキドキを期待すると、肩すかしを食うかも?

舞台は雪がちらつくカナダトロントだ。
産婦人科医キャサリン(ジュリアン・ムーア)は、大学教授の夫デイヴィッド(リーアム・ニーソン)とピアニスト志望の一人息子マイケル(マックス・シエリオット)と3人で暮らしていた。

妻は夫の誕生日を祝おうとサプライズパーティを企画する。妻は大勢の招待客を自宅に招いたが、夫は飛行機に間に合わず帰れない。妻は落胆する。その翌日、何気なく見た夫の携帯から、教え子との浮気を疑わせるメールを発見する。彼女は不安を抑えられなくなる。
妻は偶然知り合った、若く美しい娼婦クロエ(アマンダ・セイフライド)に夫を誘惑させ、夫がどんな行動を取ったか報告させることにしたのだ。クロエは夫に接近する。夫は若い彼女に引き寄せられる。予想外に進展する2人の仲に戸惑う妻、そしてクロエは次第に魔性を発揮してくるのであるが。。。。

トロントの冬の街がきれいだ。雪がうっすらと舞う。以前ナイアガラに行くときにこの空港に離着した気がするが、自信がない。主人公夫婦が住む家が凄い。天井高3m以上あると思われる居住空間に、断熱性の高い木製サッシを使う。日本ではあまり見られないラグジュアリー空間だ。

カメラが追うジュリアン・ムーアは夫とは普通の夫婦関係だ。しかし、夜の生活もなくなってこれで大丈夫かと疑心暗鬼になっている。そんな時倦怠感を乗り越えようとバースデイパーティを企画するが、何も知らない夫は教え子との交流で帰らない。
バカだな!!この女性はと思う。ちゃんと言わないと男は外で何があるかわからない。言っておけばちゃんと準備するのは男だ。どんなに仕事の用事が入っても、家を優先させるはずだ。彼女も婦人科の開業医だ。仕事を持っているが、勤め人とは違うんだ。
そのずれがすべての始まりだ。

その上浮気調査を若い女性に依頼する心理もわからない。普通であれば、罠かと思って男が引く場合もあるが普通であればドンドン引き込まれていく。当たり前だろ!

それにしても気前よく脱ぐジュリアンムーアには驚く。他の映画でも拝見しているが、上品な肢体だ。ポルノやAVじゃないので寸止めにしているが、大胆だ。若い頃だったら単なるババアのヌードと思うだろうが、同世代だけに何か違うムラムラ感があるのは年をとったせいだろうか?

起承転結の最後の方がちょっと軽い気がした。「悪魔のような女」「危険な情事」や「エスター」の悪女ものに映る激しい終盤を途中期待したのに「アレ?」という感じだった。それが残念だ。

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長崎佐賀出張3(伊万里)

2012-09-21 22:02:41 | 散歩
翌日は有田経由で伊万里へ向かう

佐賀牛の昼飯を食べた


その後
大川内山へ向かう。
「秘窯の里」と言われるらしい。
ここは鍋島藩の丸秘の窯処だ。まず目を奪われるのは中国の山水画を思わせる山の美しさだ。




関所跡もあった。
鍋島藩はここでとっておきの陶器をつくったという。



和のテイストが非常にいい感じだ。
もみじの木が多く、紅葉時期は比類なき美しいところだと想像できた。





中国の水墨画のように美しい山

ここで賀来千賀子と細川茂樹が撮影を行っていた。
テレビの2時間ドラマという雰囲気だ。
離婚直後の女はきれいだというけど確かにそうだ。こっそり写真を撮ったけど
さすがに公にはできない。
ここの謎めいた雰囲気はロケにはピッタリだと思う。

鍋島家といえば渋谷東急本店裏の日本有数の住宅地松濤~神山町の大地主だ。
少しづつ土地を切り売りしていった話はよく聞いたが、現当主はどれだけ残しているのであろう。



伊万里の街を走ると、和瓦をどの家も新しい瓦に葺き替えているようだった。
おそらくは陶器でこの街はみんな潤っているんだろう。そう連想できた。
こんなに日本瓦が新しい街は全国どこにもない。佐賀は金持ちが意外にいるのかもしれない。
陶器はどれも高すぎ、その方面には全く関心のない自分は手ぶらで帰った。
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長崎佐賀出張2(中華街~思案橋)

2012-09-21 21:31:32 | 散歩
夕食は長崎中華街へ行く。
江山楼という名前だ。


これら6品全部が前菜だ。
ここまでレベルが高い前菜を出す店は東京の高級店でも記憶にない。












ふかひれスープ
は蟹肉と貝柱が入り具一杯でおいしい。


豚肉蒸しもの四川風の味付けだ。


海の幸炒め物は正統派の広東料理風味付け
あっさりでいい感じだ。

大エビのケチャップ炒め(ケチャップはどうかな?)

このあとのアマダイ料理はちょっと口に合わない。
長崎流肉料理はいい。


ちゃんぽん
先日天草で驚異的なちゃんぽんを食べた後だけに
驚きはないが、隠し味が効いているスープはなかなかだ。

皿うどんの方が上品な味でおいしい。

デザート
この大きな団子にはビックリ、こんなの見たことがない。
もう一品プリンまでついた。それもおいしい。

腹いっぱい食い過ぎた。いい店だと思う。
女給がおばあさんで耳が遠いのが難点

長崎中華街は夜の提灯がきれいだ。


思案橋の飲み屋街を歩く




「どうすりゃいいのか思案橋~」
長崎ブルースを口ずさみながら夜は更ける。
2次会で美人ママとホステスのレベルには驚いた。

地方都市はいいなあ
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長崎佐賀出張1(市内~軍艦島クルーズ)

2012-09-21 21:31:16 | 散歩
長崎に出張した。

20年ぶりの長崎だ。
大村空港から中心部へ直行する
中心部のめがね橋




橋から少し歩いたところに老舗「吉宗」がある。
ここで昼食



元祖茶碗蒸しだそうだ。
こんな大きな茶碗蒸し食べたことがない。


2100円也
お客さんが行列をなしていた。




軍艦島ツアーにいく。
長崎港を出発する。最高のクルージングだ。


三菱重工の工場を横目に見て30分ほどすると軍艦島が見えてくる。
1974年に石炭鉱山が閉山となり、それからは無人島だ。
確かに離れてみると軍艦に似ている。

こんな小さい島になんと昭和30年代は5000人も生活していたらしい。
人口密度が世界一というのも確かにわかる。
これは凄い。

島にある廃墟の建物を見ると、子供心に見た五反田にあった星製薬の廃墟の建物を思い出した。
(今はTOCビルになっている)

三菱の造船所だ。
三菱のマークの白い部分でテニスコートの大きさがあるという。


軍艦島クルーズガイドの説明が実に巧みだった。軍艦島に住んでいたという。
そのガイドが長崎の港へ着くときに乗客と一緒に「万歳三唱」をした。
ここでガイドは「バンザイ」でなく「マンザイ」といった。その話を聞いて広田弘毅の話を思い出した。
城山三郎「落日燃ゆ」のベストセラー小説で、東京裁判で絞首刑になった元首相広田弘毅の一生を取り上げている。その広田が刑執行の前に同じ刑を受ける軍人へあんたが万歳三唱の音頭をやりなさいと言い、「マンザイ」といったと伝えられている。漫才ととらえた城山三郎は文官ながら絞首刑となった広田の痛烈な冗談と小説に書いているが、どうやら間違いのようだ。単なる九州流「万歳三唱」ということだけなのだ。
この話は小学校の時、感想文で児島襄著「東京裁判」を取り上げた時以来知っている話なので、40年来の謎が解けた気分となった。少し興奮した。
その話をガイドにしたら博学のガイドも知らなかった。

女神大橋という凄い橋がかかっている。
この下をくぐって軍艦島へ行った。

眺めは最高だ。
造船所を60メートルの高さから眺める。


お腹がすいてきた。
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5年目の雑感3(野田総理と反ポピュリズム)

2012-09-17 07:53:30 | Weblog
政治が一層混迷してきた。

民主党、自民党いずれも党首選を控えて、論戦を重ねている。それぞれが仮に選挙になった時どう生き残るのかをポイントに施策を考えているので、それぞれに矛盾があると言わざるを得ない。
自分は前回2009年の選挙では、民主党を外した。むしろ嫌いな方だ。それでも自分は野田総理の政局運営は世間一般の評価とは逆に評価してきた。現実的な路線を歩んでいるからである。大飯原発も再稼働、TPPも参加表明、消費税はアップ決定というのはいずれも本来の民主党の政策とは逆である。そういう面倒な話を一部議員の離脱があったとはいえ党内をまとめて成立させたことには敬意を表する。

しかし、衆議院、参議院選挙が近づいてくるにつれ、民主党のクズたちがハチャメチャなことを言うようになった。それに押されたのか、2030年に原発を停止するなんて不合理な話をもちだした。総理官邸を囲んで原発再稼働に反対するデモが起きた。まさに現実を知らない頭の悪い人たちのデモである。もし仮に電気料金をあげるといえば猛反対する。(あまりにもバカな人たちなんで空いた口がふさがらない。)政府から上がっている資料には倍以上に電気料金をあげないと原発がなくなったら合わないというデータが出ている。野田総理はわれわれよりも原発の必要性をよく知っているであろう。
それなのに残念である。

民主党は前回選挙で官僚主導から政治主導へと公約してトライしたが全く駄目だった。
われわれは税金を支払って、公共のために仕事をする公務員を雇っているといって良いと思う。そうであるから、その血税で仕事をしている公務員を政治家が使いこなせないというのは職務怠慢だ。それに民主党議員もバカではないから少しづつ気づいてきた。大きく政策転換した。当然マニフェストとは異なる。でもそれでいいのだ。政治は一寸先は闇だ。その時点で最善策が打ち出せればいいのだと思う。

左翼系○新聞は相変わらず原発反対で読者を増やそうと熱心である。でもこれまでのこのクズ新聞の歴史を見ても、共産主義、北朝鮮、自衛隊、学生運動、消費税いずれも時間がたつとともに全て自説を変えてきた。今回もいずれ同じだろう。どちらかというと、民主党は今せっかく原発再開で政策を進めているんだから、そのままやればもう少し世間のまともな人たちの支持が集められるのにどうかしていると思う。

ナベツネこと読売新聞主筆渡辺恒雄氏の本「反ポピュリズム論」を読んだ。
巨人軍に関することや政治の抗争に関することなどで嫌われやすい人だが、まともな本だった。
大衆迎合の政治になりすぎてしまったと批判する。一部を除いて概ね自分も同意見だ。

1918年のイギリスのロイドジョージの選挙と小泉郵政選挙とに類似性がある話に、ヒトラーと橋下徹を実にうまく重ね合わせる。しかも、1933年のヒトラーの全権委任法と橋下の「白紙委任論」に類似性を見つけるところが絶妙にうまい。またブレインの大前研一の助言で橋下が脱原発から脱皮した話も書いてある。これについては自分も同じように書いたが、橋下自身も計画停電その他による関西の混乱を危うく避けられてよかったと思っているところだろう。
左翼系○新聞の原発論を夢物語とするのは、新聞販売のライバルだけに大げさになるが、確かにその通りだ。長期連載「プロメテウスの罠」などで、遠隔地でも放射能の影響を受けていると左翼系○新聞が恐怖をあおる報道が印象操作という指摘はまったくその通りだ。世間にはこの新聞がまともだと思っている人がたくさんいる。意図的に不安をあおることで日本つぶしをしてはならない。
ただ、新自由主義だという一言で小泉政権および竹中大臣を批判するのは的が外れている。たぶんこのオヤジのことだから小泉ラインと喧嘩でもしたんだろう。そこだけは冷静でない。竹中大臣が銀行をぶっ潰そうとしているのを麻生を通じて阻止したというのは大げさだ。また、社会保障投資こそ最良と言っているところが、大きな政府を生み、税制支出を増やしてしまうことになることとナベツネは思わないのであろうか。ハイエクとフリードマンの本をじっくり読んでもらいたいものだ。

いずれにせよ野田さんには今まで通り「反ポピュリズム」を貫いてほしい。
もう少し頑張れ
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美しい妹  マリオン・コティヤール

2012-09-16 22:25:23 | 映画(フランス映画 )
映画「美しい妹」は今やオスカー俳優となったフランスのマリオン・コティヤールの2001年の主演作品だ。

マリオン・コティヤールは、ここ最近でも「ダークナイトライジング」「ミッドナイト・イン・パリ」「コンテイジョン」と配給収入が大きい作品に次々登場する。年齢も30代半ばで女優としては全盛という感じだ。おそらくあと5~7年くらいはアメリカのメジャーで活躍するだろうし、ギャラも10億単位でもらうようになるだろう。

そんな彼女がフランスでは人気女優だけど世界的にはまだ名が知られていなといった時期に撮られた映画だ。アッと驚いたのは彼女の美しい裸体が拝めるということ。年齢は当時25歳だし、多少今の方が気品があるが、女性としては美しい姿を見せる。日本で言えば、早乙女愛や中山麻理がその清純さから脱皮して初めて見せた裸体を見た時と同じような強い印象を与えるバディである。これは男性としては一見の価値がある。

舞台はパリだ。
一卵性双生児で生まれた姉マリーと妹リュシー(マリオン・コティヤール、一人二役)がいる。妹リュシーはメジャースターになることを夢見ている。そのためには自分の身体を武器に売り込むことも厭わない。恋人一筋の姉のマリーは、内向的な性格で化粧もほとんどしない。
ある日妹に歌手としてデビューするチャンスが訪れるが、歌の才能がない彼女は、姉に代役を押しつける。だが、渋々ステージに立った姉がアパートに戻ってみると、妹が玄関前で亡くなっていた。妹の遺体を前に警察から事情聴取を受けた姉は、自分はリュシーであり、死んだのは姉のマリーだと答える。。。

双子が出てくる映画というと、二卵性は多いが、一卵性は少ない。思いつく範囲では岩下志麻主演「古都」が連想される。なり代わりというと横溝正史の映画だろうか。
最初この映画がはじまってすぐは、理解するのが難しく展開がよくわからない。途中でジワリジワリ分かってくる。一卵性の双子姉妹って仲がいい。自分の妹の友人で双子姉妹がいた。子供のころ、片方の女の子が大けがをしたときにもう一人がそれを見てワンワン大泣きしていたのを40年以上前ながら思い出す。普通はそうだ。でもこの映画では片方が死んだにもかかわらず、何も嘆かず自分の正体を反対だと言い張る。このことあるかよ!と一瞬思うが、意外にあるかもしれない。
片方が幸せで片方が薄幸であればなおのことありうる。かなりのレアケースだがその場合にこうなるという映画なのかもしれない。

しかし、映画の展開はB級にしてはちょっとわかりづらい。どちらかというとBGMのように見るのがいいのであろう。映像はマリオン・コティヤールを中心に彼女に絡む黒人と白人の男両方を追う。映される映像はきれいなんだけど、ちょっと合わないかなあ?
ただ男性マリオンファンは男として?必見だ。

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釣りバカ日誌  西田敏行

2012-09-16 07:19:42 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「釣りバカ日誌」第一作目を見た。
シリーズ化となって松竹の看板となる作品だ。

どんなシリーズものでも第一作目がある。寅さんもそうだ。ここのところ冴えない映画ばかり選択しまって空振り続きでブログ更新もままならなかった。見ていなかった映画「釣りバカ日誌」のDVDを手に取った。昭和の最後に近づきつつある東京の街と浜ちゃんをみながら気持ちが和らいだ。

舞台は高松だ。
サラリーマン・浜崎伝助(西田敏行)は鈴木建設の万年平社員だ。釣りキチで仕事よりも釣り優先、マイホームもつくった上、愛妻みち子(石田えり)にその日釣った魚を家に持ってかえり捌いて食べるというのが楽しみという生活を送っていた。
ところが、高松から東京本社へ転勤を命じられた。何で奴が?と上司の所長(名古屋章)はできの悪い社員の栄転に驚く。釣り好きの伝助は品川のマンションに引っ越した。そこは釣り船の船着き場のそばだった。配属先の鈴木建設の営業三課で課長(谷啓)をはじめとしたメンバーに歓迎された。しかし、次第にお気楽で仕事をしない主人公の影響が蔓延し、課長はイライラしだす。
そんな時昼に主人公はデパート屋上の食堂で一人の老人(三国連太郎)と知り合った。元気のない定年後のオジサンと思った主人公はその老人を慰めた。そして自分が好きな釣りを彼にすすめ、一緒に釣りに行く約束をした。品川から釣り船に乗る。主人公に餌を釣り針に通してもらいながら、老人はビギナーズラックで思いもよらず釣れた。その日老人は主人公の家でもてなしを受け、気がつくと泊ってしまった。また釣りに行きたいと老人は教えてもらった電話番号を会社からかける。老人は主人公が勤める鈴木建設の社長だったのだ。自分の会社の社員であることを知るが、すぐには言えない。。。。。

品川から釣り船に乗って、スーさんこと三国連太郎が「こんな東京の風景を海から見たことないよ」というシーンがある。そこで映し出される東京湾から見た東京の風景はまったく違う。映画は昭和63年の上映、映し出されるのが昭和62年の光景だとすると、25年前の風景だ。株式のウォーターフロント相場はまさに63年から平成にかけてだ。まだ期待の世界だったのだ。

今の海辺に立ち並ぶビル群を見れば、こうも変わってしまうのかと思う。しかし、東京の地価が取引上で一番高値を付けたのは昭和62年秋に国土法による土地取引届け出制になる前だ。一番土地が高かった時代の風景と今と比較すると奇妙な感じがする。


この映画を見ると、昭和63年の女の子ってこんなんだったのかな?と思ってしまう。まずはメイク、石原真理子ばりに眉毛を濃くするメイクがはやっていた。出てくる女性がみんなそうなんで驚く。髪型も今と比べると洗練されていないような印象だ。当時人気だった山瀬まみも出てくるがちょっと違和感を覚えてしまう。石田えりは熟女路線系のヌードになる前だ。割と痩せている。中身には強烈なバディが隠されているのであるが、気さくでこんな奥さんだったらいいなあと、見ている人に感じさせる浜ちゃんの奥さんを演じている。明るい。わりといいと思う。

脇を固める名古屋章、谷啓、鈴木ヒロミチ、園田裕久がいい。この連中を見ていると昭和ってよかったなあと思う。もちろん西田敏行はエンジン全開でまだ若いし、三国連太郎の味わいもいい。
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アリス ウディアレン

2012-09-12 22:39:09 | 映画(洋画 99年以前)
映画「アリス」はウディアレン監督ミア・ファロー主演の90年の作品だ

このころウディアレンの作品には必ずと言っていいくらい彼女が出演していた。
ファンタジータッチで話が展開するニューヨークマンハッタンの主婦の物語だ。

ニューヨークマンハッタンが舞台だ。
高級アパートメントに住む上流家庭の主婦アリス(ミア・ファロー)は、夫ダグ(ウィリアム・ハート)と可愛い娘に囲まれ、何不自由なく暮らしている。女友達と買い物をしたり、おしゃべりを楽しんだりで有閑マダムとして過ごしていた。
ある日、原因不明の背中の痛みをおぼえたアリスは、女友達に勧められて「名医」といわれるドクター・ヤン(ケイ・ルーク)をチャイナタウンに訪ねる。そこでアリスはヤンに不思議な薬をもらう。それは次々に奇妙な効き目をあらわす。昔のボーイフレンドのエド(アレック・ボールドウィン)の幽霊に会ったり、突然大胆な気持ちになって、前々から気になっていた中年男性ジョー(ジョー・マンティーニャ)をデートに誘ってしまったり。またあるときは薬を飲むとたちまち透明人間になってしまったりする。。。。

映画はマンハッタンで撮影され、ニューヨークの匂いがプンプンする。
クラリネット基調のディキシージャズや1930年代系の音楽に加えて、セロニアス・モンクのムーディなピアノとウディアレン好みの音楽がずっと流れ続ける。そんな中、主演のミア・ファローは軽快なマシンガントークを続ける。ウディアレンは今回出演していないが身代わりのようなウディらしいトークだ。
同じくウディの昔の恋人ダイアンキートンがときおり一緒に仕事をするのに対して、ミア・ファローはその養女がウディとできてしまったことでずっと関係がよくないようだ。ずっと後の作品だけど、「アメリ」のオドレィトトゥの匂いを感じた。お茶目な演技は見ていてほのぼのする。
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デンジャラス・ラン デンゼルワシントン

2012-09-09 21:29:27 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「デンジャラス・ラン」を劇場で見た。
黒人オスカー俳優デンゼル・ワシントンと若手有望株ライアンレイノルズの共演である。

「グローリー」「トレーニング デイ」で2度アカデミー賞を獲得したデンゼル・ワシントンが、世界中で指名手配されている元CIAエージェントを演じたスリリングなアクション映画だ。アクション映画といえば、今年に入って映画「ドライブ」を見た。鋭いカーアクションが売り物のスピード感あふれる傑作であった。しかし、これはその作品をスピード感で上回る凄まじいアクション映画だ。末梢神経にもグイグイ触れていくシーンが続き、2時間を全速力で駆け抜ける。
日本では絶対に制作不能の凄い映画だ。

CIAが世界中に設置している、重要情報保持者の身柄を確保して尋問するための隠れ家がある。それを「SAFE HOUSE」という。それが原題だ。
南アフリカのケープタウンが舞台だ。
映像は一人のCIA職員マット(ライアンレイノルズ)を映す。彼はケープタウンで一人その「SAFE HOUSE」の管理を任されていた。普段は仕事がなく、恋人と遊び呆けていた。
そのケープタウンの米国領事館に、一人の男が出頭した。

敵国に機密情報を流したとされる、36ヶ国で指名手配を受けた世界的犯罪者トビン・フロスト(デンゼル・ワシントン)だ。彼はかつてCIAの中でも屈指の腕を持つ伝説のエージェントであった。天才的な頭脳を持ち話術に長け、暗殺の腕も超一流という。
その彼がCIAの隠れ家にゲストとして連行され、取り調べの拷問がはじまった途端、鉄壁のはずの隠れ家が重装備の何者かにより襲撃される。味方が次々殺される中、隠れ家を管理している新米CIAのマットは、フロストから選択を迫られ、やむなく隠れ家から一緒に脱出する。

こうしてマットは危険すぎる男フロストの身柄を守るために彼とともに逃走を繰り広げる。

迫力あるカーチェイスもさることながら、格闘シーンも出演者が大けがをしてしまうのではと心配するくらい強烈な激しさだ。途中で味方と敵の境目がわからなくなる。それにつれ登場人物の精神が錯乱する。それでも、デンゼルの頭脳が先を読む。わけのわからない敵に加えて、CIAの本部も攻撃のミッションを出し続ける中、息もつかせない緊迫の心理戦も見どころだ。アクション映画といいながら、脚本のうまさも絶妙だ。

オスカー受賞作品「トレーニングデイ」のデンゼルワシントンはロス警察の悪徳警官を演じた。あのときも交通係からまわった新米刑事イーサンホンクとのコンビであった。そのパターンは一緒だが、今回先輩後輩といってもデンゼルワシントンはCIAに追われる身だ。それでも新鋭ライアンレイノルズをずっと引っ張り続ける。プロと新米の対比は「リーサルウェポン」や黒澤明の「野良犬」同様警察アクションの定番に近いが全くイコールでないのがミソだ。裏にはCIAの汚職問題が顕在する。

この監督ダニエル・エスピノーサの手腕は凄い。それに加えて「ボーン」シリーズの撮影監督オリバー・ウッドと編集リチャード・ピアソンが加わる。この両者がスタッフとしているのが大きい。
この仕事はまさにプロ集団の結晶だ。
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ロボジー ミッキーカーチス

2012-09-09 05:57:35 | 映画(日本 2011年以降主演男性)
映画「ロボジー」は「スウィングガールズ」「ウォーターボーイズ」の矢口史靖監督による今年初め公開のコメディ作品だ。

映画の宣伝ポスターをみて、ロボットという文字に一瞬近未来物という連想が入った。ポスターにはロボットの顔しかなかったからだ。むしろハイテク映画の印象を持つ。でも実際にはまったく違ったテイストだった。要は着ぐるみのように中に老人が入り込むお笑い物だ。これは面白い。
映画を見ていて、次どうなるんだろうなあと思わせ、飽きさせない。主人公は五十嵐信次郎ということだが、実は往年のロカビリーの帝王で音楽プロデューサーだったミッキーカーチスの本名だ。彼はスットボケた老人を演じさせたら天下一品だ。その演技と木村電器社員3人の取り合わせが実にうまく楽しいコメディになっている。

家電メーカー木村電器の社員小林(濱田岳)、太田(川合正悟)、長井(川島潤哉)は「長太短」のヘッポコ3人組だ。木村社長(小野武彦)から流行の二足歩行ロボット開発を命じられる。近く開催されるロボット博での企業広告が目的だった。しかし、彼らは家電の知識はあってもロボット開発の知識などなかった。ロボット博まであと1週間という時期になって、制作途中のロボット「ニュー潮風」が勝手に動き出し、窓から階下に転落して大破してしまう。
そこで思いついたのはロボットの中に人間を入れてごまかす計画。ロボットの外装にぴったり収まる人間を探すため、チラシで着ぐるみの募集をした。ところが合格採用した男には金属アレルギーがあった。そして独り暮らしの老人73歳の鈴木重光(五十嵐信次郎)が選ばれる。
ロボット博では各社から様々なロボットが出品されていた。そんな中「ニュー潮風」が登場、木村電器の社員の期待とは反対にロボットは様々なパフォーマンスをしてしまう。ロボットオタクの女子学生・葉子(吉高由里子)はローカルテレビのバイトで来ていたが、撮影時の混乱で事故に巻き込まれそうになる。そこを助けたのがロボット「ニュー潮風」だ。マスコミに報道されて一気に有名になるが。。。。

先週ヤザワのコンサートの感想を書いたら、ものすごいアクセスがあった。そのあとに「ロボジー」を見て、アップしようとしたら、ミッキーカーチスと矢沢永吉の関係を思い出し、ヤザワファンに怒られるのでは?と妙に気遅れしてしまった。40年前フジテレビの「リブヤング」を見ていた音楽プロデューサーミッキーカーチスは、キャロルの演奏を一目見て気に入り彼らをデビューさせる。当時ミッキーカーチスの名は知られていたから、メンバーは大喜びであった。しかし、後年その契約内容があまりにもメンバーに不利な内容で問題となる。コンサートでいう40年というのはミッキーカーチスによってはじめられた40年だったのだ。

そんな彼がこの映画に登場するとは全く知らなかった。

反則を犯した主人公がひやひやもので諸事を切り抜けるパターンはたまにある。当然そのドラマはスリルと笑い両方を盛り込むことができる。この反則が「殺人」とかであれば、もっと暗い。いずれどうやってばれるかともっとひやひやするが、これはそんな大それたものではない。それでも結末をどうもってくるのか、意外に予測が立たないものだ。目が離せない。そしてスマートな展開に持っていく。実にうまい。

ここでは吉高由里子の使い方がうまかったと思う。途中から彼女の動きが映画のストーリーのキーポイントになる。ロボット工学の講義の話や本気で木村電器の3人がロボットを作ろうとする姿にはニヤニヤさせられた。
楽しい作品である。
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矢沢永吉 40周年コンサート BLUE SKY3

2012-09-02 17:25:43 | 矢沢永吉
自分の40年の音楽活動の歴史には2年半のキャロル時代を含むという。

そして「涙のテディボーイ」を歌い始める。
オールドファンにはたまらない。
ここで自分は一つ勘違いをした。この曲のメロディーラインがいかにもジョニー大倉のタッチなので、ジョニーの歌だったような気がした。家に戻って確認したら、歌っているのは矢沢永吉だった。
「矢沢さん作詞しないの?」といわれるけど、「自分は涙のテディボーイで懲りた」なんて話をしていた。作詞矢沢永吉の最後の曲だそうだ。

そしてそのあとヤザワが革ジャンに着替える。そして琵琶型のベースに持ち替える。そしていう。
「キャロルから一人メンバーを呼んでいる。」
ほんの一瞬の沈黙であったが、「涙のテディボーイ」での自分の錯覚で、もしかしてジョニー大倉とも思ったら呼ばれたのはリードギターウッチャンこと内海利勝だった
3度目の背筋ぞくぞくだった。思わずウッチャンと自分は叫んでいた。最高の感動だ。

中学時代、一緒にキャロルを追いかけていた数人の少年が自分のまわりにいた。エレキでなく普通のアコースティックギターを懸命に練習した。でも不器用な自分には悲しいかな無理だった。その時ウッチャンによく似た同級生がいた。彼は器用にウッチャンのコピーをした。それを聞きながらウッチャンのギターソロがいつの日か弾けるようになりたいと思ったものだった。ウッチャンは憧れだった。そして、テレビ番組ギンザナウのレギュラーだったキャロルを聞きに銀座三越の屋上を並んだものだ。

そういう記憶が激震のように甦り、2人の共演
「ファンキーモンキーベイビー」と「ルイジアナ」を一緒に懸命に歌った。
確かにウッチャンのソロだ。このメロデイラインは耳にこびりついている。
500回いや1000回くらいは聞いている。
年齢層が比較的高い会場だっただけに、自分と同じような感動にしびれた人が多いようだった。

余韻もさめやまないときに
「逃亡者」に移る。ランナウェイという歌詞でヤザワ節を歌う時、ようやく平常心に戻る。
続く「アイラブユーok」はソロ最初のシングルだった。

MCで最初の想い出の続きを語る。
広島から出てきて、横浜に行き伊勢佐木町から日ノ出町を歩いていき、山を登り、横浜を見渡せる展望台に行った。そこで自分がやれるのかなあと思いにふけった話をした。もう一度同じ展望台に行ったが、最近行ったらその展望台はなくなったという話であった。
その話を聞いて、とっさに黒澤明監督の映画「天国と地獄」を連想した。ロケは横浜を中心にされた。主人公の自宅がある場所は横浜一帯が見渡せる高台にある。映画では天国なのだ。あの映像にある横浜と同じような風景を見てヤザワは「自分がこのままやれるのかなあ」と思ったのかと想像した。


そして「サムバディナイト」カラオケの定番だ。
軽くタオルが上げられるノリのいい「Wonderful Life」以前武道館でヤザワがバイクを走らせたなあ。
旅をしている時に聞くと快適な「PURE GOLD」と続きいったん幕を閉じる。
最後は花火が舞い上がり、素晴らしい演出だ。

アンコールは
比較的最近のロックンロール「最高なROCK YOU」からスタート
昨年はこの一曲のためにジャンプスーツのお姉さんたちが踊りに来ていたけど今回はなし。

そして遠目にギターリストがギターを替えるのを見て「HAHA」だなあって
いつものパターンでタオルが飛ぶ
6万を超える観衆のタオル投げはさすがに凄いなあ!と思っていたら突然中断
「バンバン」という銃声の音で中断して、オープンカーに乗っているヤザワが懸命に逃げる。
そして気球に乗ってコンサートの舞台に戻る。
さすがに気球の上は怖いのか、どことなくヤザワの歌声もぎこちない。

そして「トラバス」でもう一度タオル投げ
気が付かなかったが、隣の友人によると、トラバステープは今回飛んでいない模様だ。
これで終了と思った時、まだもう一曲
最後にバラード「SO LONG」で終了した。じっくり盛り上げてくれた。

代表曲でやっていないのは「苦い雨」くらいじゃないかな。このライブをそのままベストアルバムにしてもいいくらいだ。最後だけが盛り上がるのではなく、中盤戦の充実がレベルを引き上げている。40年の集大成という意味では素晴らしいコンサートだった。たぶんツアーコンサートはいつも通り新曲中心なんだろう。年末の武道館最終日はみっちり予習していこうと思う。

友人と反省会をやりながらも矢沢の歌の余韻に浸りぱなしだった。汗をかいているせいかビールのうまさは最高だった。ヤザワコンサートは何度見ても面白い。何度見ても新鮮な発見がある。いつ見ても同じような所でうならせられる。本当にすばらしい。

70歳までは少なくてもやってよ!

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