映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「十九歳の地図」 中上健次

2021-05-31 21:23:15 | 映画(日本 昭和49~63年)
映画「十九歳の地図」は1979年(昭和54年)の作品

「十九歳の地図」は和歌山出身の奇才中上健次原作の映画化である。平成のヒトケタ年代に和歌山市内で仕事していたことがあり、中上健次作品はいくつか読んでいる。ただ、この映画を知らず何故かご縁がなかった。amazon primeにあるので、何気なく観てみたらこれが面白い。


和歌山出身で、新聞配達をしながら東京の予備校に通う青年が、ちょっと変わった同僚の先輩とともに様々な出来事に出くわす物語だ。柳町光男監督は鹿島を舞台にした根津甚八主演の「さらば愛しき大地」を観ている。
「地図」というのは新聞配達で担当するエリアのお手製地図で、そこにチェックを入れている。ちょっと気に入らないことがあると、お手製の地図に×をつけていくのだ。

映画がはじまって、すぐさまロケ地が東十条から王子にかけてのエリアであることがわかる。ちょっと驚いたが、昭和の時代に短期間住んだこともあり、今でも王子名主の滝周辺をたまに散歩するので馴染みが深い。最近の映画だったら、あえて住所を隠すところであるが、電柱などから露骨に住所が見えるようになっている。


吉岡まさる(本間健二)は和歌山から上京してきて、住み込みで新聞配達をして予備校に通っている十九歳の青年だ。体力勝負でつらい仕事なので、予備校にもあまり行ってはいない。吉岡は配達区域の地図をつくり、それぞれの家に名前を書き込み配達で気に入らないことがあると×印、ムカつく度合いで×印2つなどとランクをつけチェックしている。その×が増えると公衆電話から嫌がらせの電話をかけたりしているのだ。


吉岡の同室には30代の独身男、紺野(蟹江敬三)がいて日ごろは仲良くしている。ホラばかり吹いていてダメ男の紺野は、自殺未遂の末、片足が不自由になった女(沖山秀子)をマリアと呼んで親しくしている。でも、金回りの悪い紺野は、亭主づらをしたいがあまりにひったくりや強盗を繰り返すようになるのであるが。。。

⒈中上健次
和歌山でも新宮出身である。紀伊半島の南側で和歌山市から特急で3時間半もかかる三重県との県境だ。その近くの那智熊野はいわば日本の聖地で歴史がある。歴史が長い処はどこも被差別問題があり、路地といわれるエリアの住民を描いた中上健次の作品にはその色が濃い。若松孝二監督が晩年に撮った千年の愉楽は中上健次作品らしいどんよりした雰囲気をもつ。

「十九歳の地図」の作品発表は1973年で、芥川賞候補になった。中上健次は高校を出て上京して浪人生活をしている。その時の心情を書いたものなのであろう。結局は大学へは行っていない。運良く評価されて、その後1976年「岬」で芥川賞を受賞するのだ。映画化は1979年と若干ブランクある。

⒉新聞配達配達員の悲哀
単調な肉体労働でもある。自転車にも乗るであろうが、1人あたりの配達数は多い。ずっと走りっぱなしだから体力も使う。雨の中もあくせく走っていくのだ。

ここでは我々が知ることのない新聞販売店の世界も描かれる。早朝に起きて、早朝のラジオ放送を聴きながら配達のトラックから新聞の束を新聞店の中に運び、配達員が自分が配る新聞にチラシを入れ込む。手際良くやる必要がある。


あと、重要な仕事は集金だ。どんな業種でも回収というのは嫌な仕事である。店の中に各配達員の棒グラフがある。集金業務での回収率によって給与の支払いに滞りが出ることもありうるというのだ。非情だ。毎日配達しているのに、「オレはとっていないよ」と集金時に言われることもある。逆に、「大変ね」と集金に行った時にお茶やケーキが出ることもある。その時に奥さんに「お国はどこ?」なんて言われるのだ。

そんな台詞を聞いて、自分の母を思い出した。見るからに田舎から出てきたばかりの寿司屋やそば屋の出前にそんな風に声かけていたなあ。でも、気に入らないこともあってその家に主人公は×をつける。ちょっとひねくれている。

⒊王子から東十条エリア
中十条とか王子本町とか具体的に地名が出てくる。映画上映時はまだ埼京線ではなく、赤羽線十条駅と京浜東北線東十条駅の間あたりのエリアから以前板橋のガスタンクがあった辺りまででロケ地が散らばっている。今でもごちゃごちゃ入り組んでいるところは多い。京浜東北線の線路沿いから一気に高台になる。ガケに建っている家も多い。

王子駅から坂を上がった飛鳥山公園展望台があったのも映像に出てくる。ここから西ヶ原、滝野川方面と王子駅前も映し出す。もちろんこの展望台も今はない。今はあの汚い外部をカーテンウォールで隠しているが、駅前に「女の世界」というキャバレーがあった。一瞬だけど、それも映す。貴重な映像だ。


「十九歳の地図」の原作は未読であるが、設定の場所はこのエリアではないようだ。中上健次の履歴を見ても、北区付近に住んだ形跡はない。柳町監督がロケハンで選択したようだ。でもこのエリアをあえて選択したのも「王子スラム」があるからかもしれない。

⒋王子スラム
今だったら、大騒ぎになる表現も多い。主人公も配達エリアを示す地図に「王子スラム」と書く。しかも、そのスラム地帯が映像に出てくるのだ。廃品回収のクズ屋とかがある掘立て小屋が立ち並ぶ。まさに昭和を甦らせるすごい貴重な映像だ。もちろん今は跡地すらない。


昭和40年代前半、母が流産したことがあった。自分にとって妹になり損なった子の霊を祀る寺が王子にあった。母と一緒に品川から京浜東北線に乗って王子駅を降りて、今は公園になっている石神井川の横を歩いた時にショッキングな場面に出くわした。ハン◯ル文字の回覧板のようなものがあって、汚い掘立て小屋が並んでいた。もう50年以上経つが、この光景は鮮明に脳裏に焼き付いている。

今回この映画に出てくる「王子スラム」を見て、まったく同じように見えた。「王子スラム」の場所は王子駅と東十条駅の中間地点にあたり、場所は違う。こんなに色んなところにスラム街があったのかと改めて驚く。映画では在日の人たちの会話も出てくる。柳町監督がその辺りは意識している気がした。
コメント (2)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「明日の食卓」 菅野美穂&尾野真千子

2021-05-30 06:41:18 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「明日の食卓」を映画館で観てきました。


「明日の食卓」ではの久々映画登場の菅野美穂、ここのところの活躍が著しい尾野真千子に加えて高畑充希の3人の女優がメインで登場するという。期待して映画館に向かう。
それぞれに石橋ユウという10才の男の子を持つ3人の母親が、家族に起きる諸事に悪戦苦闘するオムニバス映画的作品である。ほぼ同時進行で動くが3人は交わらず、別々の話として独立している。


結果的にはイマイチであった。
予備知識がなく映画を観たが、原作はあるという。男がすべて悪いというように捉えて女性受けを狙ったように思えるセリフとストーリーは、たぶん女流作家だろうなあと思ったら、案の定そうだった。脚本も女性である。男性から見ると、あまりに不自然なセリフと展開でちょっとあきれた。久々の期待外れであった。残念。

⒈菅野美穂
夫はカメラマンで、男の子2人の家族の専業主婦である。兄弟ケンカを静めるのに母親はおおわらわだ。子育てをブログで公表していて、アクセスも多く世間のママたちに支持されている。そういう中で、フリーのライターになるチャンスを得る。

家事との両立は難しいが、何とか頑張る。そんな時に、夫が今までレギュラーだった仕事からおろされる。夫にも子育てに協力をと頼んできた。しかし、仕事がなくなってからもあまり協力的でない。むしろ、妻に子育ては母親の仕事で何で家にいないんだともいう。まったく家族がかみ合わなくなるのだ。


菅野美穂も二児の母親となり、若干雰囲気もお母さんぽく変わった。男兄弟だけの母親は何かと子育てが大変である。そんな母親像をうまく演じていると思う。でもツッコミを入れると、やがて離婚に向けて進んでいくが、この父親は失職までの話から言えば、もうちょっと理解があってまともな人物のような気がする。でも、突然変異させて修羅場をつくり強引に離婚に結びつけようとしているのに、ちょっとストーリーに無理があるように見える。

⒉尾野真千子
富士山の見える静岡の街で、遠距離通勤を選んだ夫が母親宅の隣りに一戸建てを建てて、成績優秀な息子ユウと暮らしている。義母(真行寺君枝)からはお互い干渉せずに暮らそうと言われている。

いわゆる「よい子」の息子が、一緒によく遊んでいる混血の少年をいじめていると、先方の母親からクレームの電話が入る。自分の息子に限ってと思い確かめるとそんなことはしないと息子に泣かれる。どうも別の子がいじめているらしい。でも、学校に呼ばれて事情を聴かれる。そこで初めて息子が別の子に指示していじめさせていることがわかる。しかも、息子は薄ら笑い。そのあと息子が義母を虐待する場面にも出くわすのである。


尾野真千子も風俗嬢やキャバクラ嬢をやって生計を立てるシングルマザーなんて役柄が続いた。それぞれ面倒そうな役だった。今度が姑との軽い葛藤はあれど1番普通そうな母親に見えた。結局は息子の異常性が浮き彫りになるし、夫のマザコン性をあえて強調させるいかにも女性っぽい話に仕上がっている。ただ、ここでツッコミ入れると、最後に向けて母子一緒に泣いたりしているけど、実は最後まで息子ユウの異常性は解決していないのだ。この後神戸で起きた変態惨殺的事件犯しても不思議でない。


⒊高畑充希
大阪在住でコンビニで長時間勤務して、それ以外の時間は工場で働く。同様にユウという息子がいる母親だ。金銭的にギリギリでやりくりするもっともシングルマザーらしいシングルマザーだ。自分の母親(烏丸せつこ)からの援助は受けないと突っ張っている。金がないくせにこういう女ってよくいるよね。


弟がいて、誕生日を狙ってやってきて結局はカネをせびる。ない袖はふれないが小遣い銭を渡す。でも、そんな時に工場からリストラされてしまうのだ。あなたなら若いから勤め先はあるでしょうというばかりに。しかも、そんな窮地に弟がいない隙にやってきて通帳を持ち逃げする。息子の同級生の母親からはデリヘルやらないかと言われ、断るとあんたはカッコつけていると罵倒される。

こういうのはこの手のシングルマザーストーリーにはよくある話かもしれない。確かにこれだけじゃ一本の映画は作れないけどね。


そんな3つの話を交差させて上に、突然同じユウという名の息子を持つ服役囚の大島優子を少しだけ登場させる。映画を観終わった後もここで登場させる意味がさっぱりわからない。いずれにせよ、ストーリーを広げながら全部辻褄が合わない中途半端な作品にしてしまった感がある。女性監督の西川美和監督作品とは大きなレベル差を感じる。

⒋烏丸せつこと真行寺君枝
自分の若い頃はいい女として相当もてはやされた2人である。
烏丸せつこには自分たちの世代はあの巨乳に相当お世話になったと思う。大杉漣の遺作「教誨師にも支離滅裂な死刑囚として出ていた。元クラリオンガールの面影はもうない。ずいぶん年とったなあと思ったけど、今回も同じだ。逆に、いわゆるコテコテ大阪弁話すナニワのオバちゃんが実にうまい。同じような役柄あったら、また指名されるんじゃないだろうか?


真行寺君枝は自分の家の近くにある高校に通っていた。切れ長の目で「ゆれるまなざし」にみんなドキドキした。でも、村上春樹のデビュー作の映画化風の歌を聴けは申し訳ないが、イマイチだった。出てくるカフェがショボすぎて、読んでいてビールを飲みたくなるような小説の雰囲気がまったく出ていない。それでも、その後地味にいろんな作品にも出ているし、ヌードにもなった。あの真行寺君枝が認知症じみた義母の役とはお互いに年取ったなあと言いたい。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「アンダードッグ」森山未來&瀧内公美&北村匠海

2021-05-28 21:27:58 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「アンダードッグ」は2020年日本公開


長丁場の作品「アンダードッグ」をようやく観る。誰もが傑作と認める百円の恋監督武正晴、脚本足立紳のコンビが再度ボクシングを題材として制作した映画である。昨年の年間トップとしてあげる人も多い。前編後編それぞれ2時間を超える。前編は芸人ボクサーとの対決、後編は児童養護施設育ちで這い上がったボクサーとの対決が中心となる。ともかく長い。

寺山修司原作で菅田将暉主演のボクシング映画あゝ荒野も前後編に分かれる。前半戦の方が躍動感にあふれ、本来は後半のラストに向けて盛り上がるはずであったが、逆にだれた印象を持った。逆にこの映画の場合は、前半戦に八百長まがいの設定があったせいか馴染めない部分もあり、むしろ前半戦よりも後半戦のほうが数段良く見えた。

落ちぶれた格闘技選手というのはプロレスのレスラーのように映画の題材になりやすい。ただ、それだけでは面白くない。メインのキャストそれぞれ人生に葛藤がある。主人公末永が妻に息子を連れて逃げられたり、ライバルになる大村が児童養護施設出身でグレていて過去にとんでもない事件を起こしていたり、末永に挑戦するお笑い芸人宮木もスター俳優の父との確執があったり、ストーリーに重厚さはある。


長時間のドラマ仕立てで配信するのが基本だったというが、二本の映画にせずに140〜150分程度の一本にまとめて欲しかったな。もちろん後半に厚みを持たせながら盛り上げるように。そうすればもっと良かった。

一度は手にしかけたチャンピオンへの道……そこからはずれた今も〝かませ犬(=アンダードッグ)〟としてリングに上がり、ボクシングにしがみつく日々をおくる崖っぷちボクサー・末永晃(森山未來)。幼い息子・太郎には父親としての背中すら見せてやることができず“かませ犬”から“負け犬”に。一抹のプライドも粉砕され、どん底を這いずる“夢みる”燃えカスとなった男は、宿命的な出会いを果たす。

一人は、 “夢あふれる”若き天才ボクサー・大村龍太(北村匠海)。児童養護施設で晃と出会いボクシングに目覚めるが、過去に起こした事件によってボクサーとして期待された将来に暗い影を落とす。

もう一人は、夢も笑いも半人前な “夢さがす”芸人ボクサー・宮木瞬(勝地涼)。大物俳優の二世タレントで、芸人としても鳴かず飛ばずの宮木は、自らの存在を証明するかのようにボクシングに挑む。三者三様の理由を持つ男たちが再起という名のリングに立つとき、飛び散るのは汗か、血か、涙か。(作品情報引用)


⒈末永(森山未來)
元日本ランキング1位まで登りつめている。頂点直前にタイトルマッチで敗れた。妻(水川あさみ)は息子を連れて飛び出している。その息子はボクサーとしての父親を尊敬している。母親に隠れてTVで父のボクシング姿を見ている。未練もあり妻と復縁したい希望を持つが、バクチ好きの父(柄本明)と一緒に暮らす。


仕事はデリヘル嬢を溜まり場から送迎する運転手だ。キャバクラなんかでも、「送り」の運転手に送ってもらってと話には聞くが、そういう運転手が登場人物になるストーリーってあまり見たことがない。送る風俗嬢の中でも親しいシングルマザーのデリヘル嬢(瀧内公美)がいる。


そんな末永に、プロボクシングのライセンスを取ったお笑い芸人との試合がTV局から持ちかけられる。ギャラに目が眩んで、ボクシングジムの会長も無理やり勧める。でも、会長は終わったらボクシングをやめろと言う。相手になるお笑い芸人の宮木も所属ジムの先輩に厳しく鍛えられながら彼なりに頑張って試合に臨む。

⒉大村(北村匠海)
下位から上りつめていこうとするボクサーだ。すべて1ラウンドで相手をKOしている。家族に恵まれなかったのか?児童養護施設で育った。その時一緒だった女とずっと付き合って女は懐妊している。もともとは育ちの悪い奴にありがちに、不良グループの一員として悪さをたくさんしてきた。

実は、末永が飛び鳥を落とす勢いだった時に施設に来たことがある。その時生意気盛りだった大村が向かっていこうとして、あっさり返りパンチを喰らう。その時から末永が弱くなってもずっと追いかけていた。いつかは復讐してやろうと。


そんな大村も悪さの度を超していた時期があった。相手を半殺しにする目にも合わせていた。やられたことに長い間恨みを持っている男もいる。それが、突然遭遇する。そのことでストーリーが大きく急旋回することになる。

⒊デリヘル嬢明美(瀧内公美)
末永が運転手をやっているデリヘルで働いている。娘がいる。夜もくっついて、末永の車で待っている。いつも指名してくれる男は車椅子生活だ。金はありそうだ。男は母親の溺愛を受けていて明美はチップをもらっている。男はいたせないので、バイブで責められて明美はアヘアヘ言っている。そんな女が運転手の末永を誘惑する。

でも、この女も恵まれない。家に男がいるけど、度を超したDVだ。自然と幼児虐待にも向かう。後編の中でも重要な要素となる。


瀧内公美も大胆な濡れ場をこなした火口のふたりからいい女優になる素地を固めつつある。けだるい売春婦的雰囲気が表面に湧き出ている。かわいい娘がいながらもあまりに人生に恵まれず悲嘆する女にもなり切る。まさに適役だ。

⒋前編
そんなキャラクター3人とプロに挑戦するお笑い芸人ボクサーがいる。前編では、お笑い芸人ボクサーがジムの先輩にランキング1位に挑戦して勝てるわけないだろうと言われながら、末永に挑戦する。末永もTVディレクターから1回くらいダウンしたら面白くなるからやって見てと言われている。でも、決して強いわけないボクサーの挑戦は話としてはまったく面白くない。いくらパンチで倒れて立ち上がっても前半戦はどうものれない。


⒌後編
でも、そんな八百長じみた試合を戦って、一度はボクシングから足を洗おうとした末永が後半そもそもドツボに落ちているプライベート生活がむしろ悪い方向に進んでいく。その昔施設にいた時に末永のパンチでやられたことでの復讐に燃える大村の姿も追っていく。ボクシングどころじゃなかった末永も挑戦を受けて立ち上がる形になっていく。

でも、大村もここでとんでもない怨念に呪われる。末永が運転手をやっているデリヘルもグチャグチャ。ストーリーらしくなるのだ。映像にぐっと引き寄せられる。いろんな葛藤をそれぞれ通過して、対決に向かう。その始まる前の高揚感は「百円の恋」に通じる。

正直、芸人の話は弱めて後半戦中心に組み立ててくれればよかった気がする。
いずれにしても、しっかり鍛えられた身体に自らを仕上げた俳優たちはすごい!
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「罪の声」 小栗旬&星野源

2021-05-26 18:18:42 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「罪の声」は2020年公開


映画「罪の声」は公開の時にはあまり引き寄せられなかった作品である。DVDで見てみると割とおもしろい。グリコ森永事件を連想させるが、一連の食品毒物混入事件の中でもハウス食品への脅迫事件が近い存在である。事件の途中経過と80年代の時代背景をもとに作られたフィクションだ。当時の事情を丹念に調べながらできているのがよくわかる。原作は未読だが、おそらくは読み応えあるのではないか。

グリコ森永事件の時には自分は社会人になっていた。まだ、大阪には異動になっていないので、関西は怖いところだなあと思っているだけだった。ここでは、元警察官、ヤクザ、相場師、学生運動経験者などが揃って事件を企てている設定だ。確かにこれだけのスタッフがいないとできなかった脅迫事件なんだろう。登場人物は多いが、映像はわかりやすく事件をまとめている。

平成18年、大日新聞記者の阿久津英士(小栗旬)は既に時効となっている未解決事件を追う特別企画班に選ばれた。事件の真相を追い取材を重ねる中で、犯人グループが脅迫テープに3人の子どもの声を吹き込んだことが阿久津の心に引っかかる。


一方、京都で亡くなった父から受け継いだテーラーを営み家族3人で幸せに暮らす曽根俊也(星野源)は、ある日父の遺品の中から古いカセットテープを見つける。何となく気に掛かり再生すると、聞こえてきたのは確かに幼い頃の自分の声であるが、それはあの未解決事件で犯人グループが身代金の受け渡しに使用した脅迫テープと全く同じ声でもあった。

真相を知りたくなり、事件に絡んでいる叔父の歩んだ道を追いかけていく。調べていくと、俊也の他にも脅迫テープに声を使用された子どもがいることがわかる。そうやって調べていくうちに、まったく別方向で動いていた阿久津と曽根の距離が徐々に接近していく。そして出くわすのであるが。

⒈事件に関与する人たち
曽根(星野源)本人が叔父に頼まれて、子供の頃身代金受領のための道筋を録音するわけである。何でこんなことに巻き込まれたのか真相を追う。

ちょっと突っ込むと、小学校くらいで本人に記憶がなかったのかなあ?子供心に世間をあれほど騒がした事件なら気づくはずだと思うなあ。まあいいだろう。同じように録音した姉弟がいて、そちらはその後かなり悲惨な状況となっている。


取材をすると、ヤクザやら、株式相場関係者など様々な人物が絡む。実際のグリコ森永事件では身代金は奪えていない。でも毒チョコやハウス食品事件でいえば、毒シチューを入れたとして世間を恐怖に陥れるのだ。会社の評価が下がり業績も悪化すると、空売りで儲けようとしていたなんて話もある。でも、一定量以上空売りしておいて、買い戻しとなったら、いくらこの当時に架空名義の口座が多かったとはいえ、特定できるようにも思える。


そんな風にツッコミどころだらけだけど、おもしろい。しかし、例によってこの時代設定によく出てくるのが、学園紛争上がりのクズだ。まさしく主人公曽根のおじさんがその1人。もともと学生運動で日本をよくしようと高い志を持っていて、国家への復讐で事件を主導したなんていう今の日本を社会主義思想に誘導してダメにしている世代ならではのセリフである。

⒉星野源
星野源は京都で仕立て屋を営んでいて、ある日突然カセットの存在に気づくという素人なのに、たどたどしく事件関係者をまわって歩く。性格的にこの役柄には適役かも。

新垣結衣とくっつく話で今や日本中の男性諸氏からの羨望の眼差しをうけている。仕事に手がつかないだろうからとガッキー休暇としたIT会社もあるらしい。ただ、それでブーイングというわけでない。ひたすらいいなあと思うだけである。誰もが性的な欲望というより、あの新垣結衣にやさしくされて癒されたいという気持ちなんだろう。よくわかる。

正直いい年こいても自分もうらやましい。彼女かわいいからなあ。結婚しても別にいいけどね。

⒊キャスティングがすばらしい
小栗旬と星野源のダブル主演でそれぞれは普通で可もなく、小栗旬の上司役の孤独のグルメ松重豊、古舘寛治もそれなりの活躍。それよりも、事件の真相を追う人探しの中で、思わず懐かしくなる人たちが多数でてくる。佐藤蛾次郎やかしまし娘の庄司照枝を見ると思わず唸ってしまうし、柔道家として桜木健一はまさに昔の名前で出ていますという感じ。我々小学校時代には「柔道一直線」でクラス中のヒーローだった。


一体どこで出たっけと思うが、宮下順子の名前には背筋に電流が走る。反体制派としての宇崎竜童と梶芽衣子の使い方もうまかった。キャスティングについては絶妙としかいいようにない。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「生きちゃった」仲野大賀&石井裕也

2021-05-24 22:58:27 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「生きちゃった」は2020年公開


久々の石井裕也監督作品茜色に焼かれるは良かった。監督の前作「生きちゃった」は不義理して見ていないのに気づき、DVDで見てみる。映画のポスターでの仲野大賀の泣き面がなんかイヤな感じだったので、スルーしたが、意外にイケる。

作品情報によれば「香港国際映画祭(HKIFFS)と中国のHeaven Picturesが共同出資し、各映画製作者に同じ予算が割り当てられ、「至上の愛」をテーマに映画製作の「原点回帰」を探求するというコンセプトのもと、アジアの名だたる監督たちが各々映画作りを行う。」
見たらわかるが、低予算映画である。それでも、映画を愛する石井裕也組というべき俳優陣が集まっている。

主演作が続く仲野大賀に加えて、ここのところ活躍が目立つ若葉竜也や元AKBの大島優子がメインキャストで、脇役陣も地味に揃っている。幼稚園児の娘がいる幸せな家庭が、妻の不倫がきっかけで一気に崩壊して、夫婦共々転落していく姿を描く。捨てられた男という意味では泣く子はいねえがと設定が類似している。夫の方もズタボロだが、妻の大島優子の役がめちゃくちゃ支離滅裂なイヤな最低女である。


幼馴染の厚久(仲野太賀)と武田(若葉竜也)。そして奈津美(大島優子)。学生時代から3人はいつも一緒に過ごしてきた。そして、ふたりの男はひとりの女性を愛した。30歳になった今、厚久と奈津美は結婚し、5歳の娘がいる。ささやかな暮らし、それなりの生活。


だがある日、厚久が会社を早退して家に帰ると、奈津美が見知らぬ男と肌を重ねていた。その日を境に厚久と奈津美、武田の歪んでいた関係が動き出す。そして待ち構えていたのは壮絶な運命だった。(作品情報より)

⒈仲野大賀
泣く子はいねぇがでは、生まれたばかりの娘がいるのに、酒飲んでの醜態で妻に愛想を尽かされる役であった。今回は、可愛い5才の娘がいるのに妻に不倫されて別れる役だ。せっかく可愛い妻をめとったのに逃げられるという意味では共通している。本当にムカつく話なのに、ともにその妻に対して、えらい剣幕で怒ったりはしない。


本当はもっと言いたいことあるんだろうけど言えない。自分だけが悪いんじゃない。「何だお前」と最低の女どもに言いたいところだろう。でもしない。そういうキャラに合っている。ただ、どっちにしても「本当のこと言えたためしがない」という仲野大賀の役柄に感情流入してしまうなあ。

最後に向けては一世一代の勝負に挑むということでは「泣く子はいねえが」に似ている。

⒉大島優子
ちょっと前までAKBのクイーンだった訳で、今もってもファンだって大勢いると思う。でもそんなに活躍していないよね。最近よくいるかわいい若奥さんモードを出していたのに一気にエロモードだ。30すぎて女優に軸足置くなら仕方ないだろう。いつプライド潰されて脱ぐのかな?


ただ、この大島優子が演じるこの役柄は最低の女だ。自分が不倫している姿を見られてもあんたが悪いとばかり開き直る。そして、その浮気男と一緒になるのだ。でも、この男はまともに働かない。そうなると、きわどい女を売る世界に向かうのだ。

それにしても、最近の映画はすぐ風俗系に女を落とし込む。尾野真千子はキャバ嬢やったと思えば、今度は口で奉仕する風俗嬢だ。大島優子もホテトル嬢、生活のために口で奉仕もする。おいおい日本の女みんなそっち系になっているみたいだな。

⒊意外な伏兵
ストーリーはよくあるダメ男落ち込みパターンにのめり込むだけかと思ったら、意外な伏兵を石井裕也は映画に放つ。麻薬に狂ったことがある仲野大賀の兄役だ。映画を見ている時、マジに是枝監督かと思った。ソックリである。

最後までそう思ったけど、韓国人のようだ。だからセリフ話さなかったんだね。兄が起こす事件で転機を迎えて、その後もう一度ターニングポイントをつくる。露骨なシーンは作らず最悪の場面を連発する

90分強に簡潔にまとめた中でも、意外性を詰め込んで驚かせてくれた。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「茜色に焼かれる」 尾野真千子&石井裕也

2021-05-22 22:47:46 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「茜色に焼かれる」を映画館でみてきました。


「茜色に焼かれる」石井裕也監督の新作である。川の底からこんにちは以来追いかけていた監督であるが、最近は題材に関心を持てずロードショーは行っていない。「舟を編む」が好きだ。今回は、コロナ禍での撮影と尾野真千子がシングルマザーを演じるという予備知識だけで公開早々観に行った。都内で上映館が少なく満席である。

高齢者運転による事故で犠牲になった夫と死別してシングルマザーとなった主人公が、中学生の息子と2人なんとか生きていこうとする姿を描く。オダギリジョー演じる夫が高齢者運転の犠牲になるシーンは明らかに現在裁判になっている「池袋の老人暴走事件」を意識している。

石井裕也作品独特のユーモアを持ちながら、いくつもの逸話を重ねていく。いかにも今の世相で取り上げられていそうな話が多い。でも、思想や政治的な要素はなく長時間飽きさせない映像を堪能できた。1年を通じてたぶん上位に評価される作品となるであろう。


葬儀の席に参列しようとする主人公田中良子(尾野真千子)が遺族と関係者にお焼香を止められている。7年前ブレーキとアクセルの操作を誤った加害者である老人の運転で夫(オダギリジョー)が犠牲になった。当事者に謝ってもらえないという理由で慰謝料の受領を拒否して、今後請求しないという示談書にもサインしている。それなのに弔問だ。

家賃2万7000円の公営団地で、中学生の息子純平(和田庵)と2人で住み、ホームセンターで働き慎ましい生活をしている。その一方で、家族には内緒でスペシャル専門の風俗で働いている。夫側の義父が住む施設の費用を支払い、夫が外につくった女の子どもの養育費まで支払っている。一度潰したカフェをもう一度やりたいと思っている。お金はいくらあっても足りない。

息子が学校で突然いじめっ子グループから交通事故の慰謝料をもらっているくせに、税金で補填する公営団地に住んで、しかも母親は売春婦だとからかわれ暴力まで振るわれる。母親にはそのことは言えない。Yシャツに血がついているのを見て、きっといじめられているのではと良子は学校側に強く抗議するが、教員は親身になってくれない。そんな時、良子は偶然に中学校の同級生と再会して心が和む。


ある時、風俗店の同僚ケイ(片山友希)に誘われて飲みに行った時に酔いつぶれてしまい息子が迎えに来る。その際、ケイと息子が意気投合する。ケイに接近しようとするが、どうも良からぬ筋の男と付き合っているのを恐る恐るつけていくのであるが。。。

⒈池袋暴走殺傷事件
高齢者運転による事故が多発している中でも、この事件は最も象徴的な事件となっている。亡くなった母子はじめ被害者の方々は本当にお気の毒である。100キロもスピードが出ているわけだからブレーキとアクセルの踏み間違いが推測される。でも、この事件があった後で、加害者は逮捕されていない。現在裁判進行中である。世間は呆れてものが言えないといったところだ。

政治にしろコロナ対策にせよ良い悪いが世間で言われる。現政権への批判も強いが、野党が政権をとったら大変なことになると、菅政権をかばう人も多い。ただ、池袋事件の加害者に対して腹が立たない人は、左右両派のどちらにもいないだろう。それくらい日本国民の敵といった象徴的存在だ。

「茜色に焼かれて」でも、オダギリジョー演じる夫を車でひいた老人の設定をあえて同じように元上級官僚として、あの事件を思い起こさせる。妙に観客の我々に同情心を起こさせる。ただ、この映画では加害者が亡くなって盛大な葬儀を執り行って多くの参列者が来ているとしているが、現実的にはこうはならないんじゃないかなぁという気がした。


⒉風俗嬢と尾野真千子
尾野真千子の作品は多々あれど、ハズレはない。最近の「ヤクザと家族」ではキャバクラ嬢を演じたが、ここでは口でいかせる風俗嬢となる。ちょっと前多かった普通の主婦って感じではない。


実は、この主人公ってちょっと変人である。交通事故で被害者の遺族となった訳だから、当然保険経由で賠償金が支払われるのであるが、加害者が謝らないという理由でカネを受け取らない。しかも、加害者の死顔を見てやろうと葬式に行く。

こういう人っているのかなあ?しかも、義父の施設の費用の大部分を負担した上に、夫が外腹でつくった子の養育費まで支払う。それでいて、風俗で働いている。設定に無理がある気もするが、あえてここまで大げさにしている。生活苦で食いぶちを風俗に求めるシングルマザーは少なくないだろう。でもコロナじゃ怖くて男どももいかないからきびしいよね。


⒊女体神社
渋谷のセンター街が出てきたと思ったら、川のそばを自転車で疾走したり、風俗店は北関東の匂いもする。東和銀行の店舗外のキャッシュコーナーも出てくるからこの舞台はは群馬かな?なんて思うくらいロケ地はバラバラだ。まあ、ロケハンも大変だからそんなところに統一性持たせるのは無理かな?と思っていたら、神社の境内が出てくる。見たことあるところだ。


この神社の境内に似たところあるなと見ていると、詰めの部分でもう一度出てくる。あれ?これって女体神社じゃないの?と気づく。その後すぐさま氷川女体神社の文字が見えてやっぱりそうかと思う。浦和の奥の奥で、いつも参拝している神社である。派手さは皆無、でも家族で行く。免許取り立ての娘と神社近くの公園までドライブで追随した。

埼玉勤務の時、イマイチ乗り切れない営業マンが行って成績向上を祈ることで知った神社だ。御利益はあった。氷川神社が男の神社で、女体神社が女を祀る。こんなところで出てくるとはびっくり。偶然に主人公が中学校の同級生と神社で再会するが、浦和といっても超辺鄙なこの場所で会うというのは絶対にあり得ない場所だ。

そう言えば、石井裕也監督は埼玉県出身ということに気づく。キネマ旬報ベストテン1位の「夜空はいつでも最高密度の青色だ」よりはこっちの方がいいと思うなあ。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「ジュディを探して」 

2021-05-20 20:57:31 | 映画(洋画:2019年以降主演男性)
映画「ジュディを探して」は2018年アメリカ公開

Netflixもいい作品ばかりではない。ハズレを引きっぱなしでうんざりしてしていた時に偶然見つけたコメディだ。主演はハングオーバー」のエド・ヘルムズでお相手は人気若手女優のアマンダ・サイフリッドである。


日本未公開である。アメリカのコメディは日本で流行らないと思われていて、アメリカで2億7000万ドル世界で4億ドル以上のものすごい興行収入だった人気作品「ハングオーバー」も危うくDVDスルー寸前だった。もしかして掘り出し物かとみてみる。

TVのワイドショーの観客として拍手して日銭を稼いでいた男が、ある日突然誰もが知っている有名人になって生活が一変し、そのために大好きなジュディと会えなくなり懸命に探すという話である。

コロナ禍では見なくなった存在だが、TVのワイドショーや通販番組ではスタジオに見学者たちの集団がいる。うなずいたり、拍手したりする存在は万国共通のようだ。その参加料で日銭を稼いでいるのが主人公だ。米題は直訳すると「拍手男」、まさにその通りの男が突如有名人になってしまうというコメディである。評価はイマイチのようだが、お気楽にみる分には悪くない。


エディ・クランブル(エド・ヘルムズ)は通販番組のサクラとして生計を立てていた。エディはガソリンスタンドで働いているジュディ(アマンダ・サイフリッド)に好意を抱いている。

スティラーマンは夜の人気ワイドショーのキャスターだ。街の誰もが見ている番組で、観客で参加している1人の男が、ヒゲをはやしたり顔を変装したりして色んな番組に出演しているが、実は同一人物であると番組で紹介する。そして、この男を探してくださいと呼びかける。スティラーマンの番組で取り上げられたことで、エディは思わぬ注目を集めることになった。

しかし、ジュディのTVは壊れていて、エディがワイドショーで騒がれていることに気づかなかった。たまたま、デートするチャンスを得て博物館で恋をささやき合う。エディはウキウキだ。そんな中、エディの拍手仲間のクリスが同じような類いだとわかり、先に番組に紹介される。クリスと街を歩くと、TVの男だと周囲は大騒ぎで動画にもとられてしまう。


番組のクルーがエディの身辺を執拗に嗅ぎ回った結果、ガソリンスタンドに好きな女性がいるらしいと、ジュディが追いかけられる。とばっちりでジュディが解雇されてしまい、ジュディの行方がわからなくなる。エディはガックリだ。騒がれたTVと一線を置いていたエディも逆にTVを利用してジュディを探そうとするわけであるが。。。

⒈変装がバレる
よくもまあ、こんなやつに注目したのかと思うけど、あらゆる番組に変装して出演している。普通はワイドショーの観客がどうあろうと、どうでもいいような気もするが、キャスターは注目する。別に悪いことやっているわけではない。色んな公開放送のワイドショーを狙って出て行く奴って日本でもいるかもしれない。


ここでは変装がバレることが話のネタにされている。

⒉一般人が有名人に
一昔前と比較すると、TVをみんな見るわけではない。今日のNHKの発表によれば、10代20代は半分も1日に15 分以上TVを見ていないという。ワイドショーの人気キャスターと言ってもピンとこないでしょう。でも、ハリウッドが舞台のこの映画で、このキャスターには影響力がある。こんなつまらないネタでも一躍有名になる人物がいるのだ。地域性が高い米国ではあり得るのか。

街で主人公に出会うと、みんな動画を撮る。スターのようだ。そして、いきなりyoutubeにアップしてみんな大騒ぎ。それ自体がネタになる。そんな騒動である。どうでも良いストーリーかもしれない。でも、気はまぎれる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「空に住む」 多部未華子&青山真治

2021-05-15 20:54:23 | 映画(日本 2019年以降主演女性)
映画「空に住む」は2020年公開の青山真治監督作品


都内映画館も都の矛盾だらけのご指導でやったりやらなかったり、ついついこっちもAmazonやNetflix頼みとなる。いくつか見た中で自分とテイストがあったのが「空に住む」である。青山真治監督作品には好きなのも嫌いなのもある。「空に住む」も独特のおっとりしたムードが流れる。展開と雰囲気自体は自分の頭にすんなり馴染む。キネマ旬報と映画芸術のベストテンに共通して入る作品はよくできた作品が多いと何度も言ったが、「空に住む」もその1つである。

都会のタワーマンションに突如1人で暮らすことになった編集者の女の子が同じタワーマンションに住む超有名俳優と偶然知り合い接近する顛末である。大人のおとぎ話のような流れも持つ。ファンタジーではない。それでも、こんなこと夢物語で絶対ありえないだろうとは思わせないストーリー展開だ。


郊外の小さな出版社に勤める直実(多部未華子)は、両親の急死を受け止めきれないまま、叔父(鶴見辰吾)夫婦の計らいで大都会を見下ろすタワーマンションの高層階に住むことになった。

長年の相棒・黒猫ハルとの暮らし、ワケアリ妊婦の後輩(岸井ゆきの)をはじめ気心のしれた仲間に囲まれた職場、それでも喪失感を抱え、浮遊するように生きる直実の前に現れたのは、同じマンションに住むスター俳優・時戸森則(岩田剛典)だった。ひょんなきっかけで2人は急接近するのであるが。。。


⒈偶然の出会い
たまたまエレベーターで何回か出会って会話を交わすようになる。マンションの外には大きな広告看板に時戸の顔がクローズアップされている。話すようになり、直実も有名俳優だと気づくと、ちょっとビビってしまう。そんな時戸から「オムライス」が食べたいと言われて、時戸が直実の部屋に初めて入るきっかけができる。会話の相性もいい。そんな感じで徐々に接近しても、直実は自慢することなく誰にも言わない。自分だけの秘密の恋を育んでいる。


⒉多部未華子と直実
演じる直実のキャラクターはわりと好感が持てる。突如両親が交通事故で亡くなってしまう。父の弟の叔父さんは姪を心配して、所有のタワーマンションに住んでみたらと言われて住むけど、他の居住者のようなセレブではない。偉そうに突っ張るわけでもない。

直実は両親が亡くなっても泣かなかったという。勤めている出版社も地味だ。でも、その出版社には個性的な人物が大勢いる。みんなお金儲けには縁遠そうな人物ばかりだ。

とは言っても、別の男との間でできた子をはらんでいるずるい若妻の後輩もいて相談相手になっている。叔父さんには美人の妻がいるが、子どもがいないので、やたらつきまとう。直実には少々うっとうしい存在になりつつある。


そういう対となる女性を青山真治が映像に放つ。主人公直実の存在感が浮き彫りになる。実際にこんな女の子だったらスター俳優も好きになってしまうのもよくわかるキャラクターになっている。

⒊青山真治
久々の長編映画である。多摩美大の教授という職もあるせいか寡作である。被差別エリアの家庭環境が複雑な人間関係を描いた共喰い荒井晴彦の脚本が引き立ち、きわどい作品だった。今回はどちらかというと、故三浦春馬主演の「東京公園と同じようなおっとりしたテイストを持つ。でも、その前の「サッドヴァケイション」は意味不明であんまり好きじゃないなあ。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「ヤクザと家族」綾野剛&舘ひろし

2021-05-09 17:25:32 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「ヤクザと家族」は2021年公開の日本映画


公開時に観ようか迷った映画である。これも早々にNetflixのラインナップに入ってきた。地方都市でぐれていた青年がヤクザの道に進み、暴力団抗争に巻き込まれて懲役刑を受ける。出所後、反社への取締りで以前の勢いを失った組に戻っていく姿を描く。反対勢力との激しいドンパチに焦点を当てるというよりも、世間の反社への風当たりの強さの中でギリギリしのいでいく暴力団員や堅気になった元組員の姿をクローズアップする。

思ったよりも面白かった。飽きずに見れた。

主人公の綾野剛はここでも安定した演技を見せる。舘ひろし演じるヤクザの親分も悪くはない。化学コンビナートがある海に近い架空の町煙崎市が舞台だ。映画のエンディングロールで富士市が舞台だとわかるが、途中では街を特定させる要素はない。

富士市が舞台であれば、富士山が映し出されていても良さそうだが、映ってはいない。そりゃそうだよね。今のご時世ではヤクザの抗争が繰り広げられる街とは全国に言われたくないよね。でも、井筒監督の「無頼静岡が舞台だったな。静岡にそういう素地があるのであろうか?

1999年、派手な金髪に真っ白な上下で全身を包んだ19歳の山本賢治(綾野剛)は、悪友の細野(市原隼人)・大原(二ノ宮隆太郎)と連れ立っては、その日暮らしの悪さをしていた。ヤクザの息のかかった売人から覚せい剤を横取りしたりしていた。


そんなある日、山本は行きつけの焼肉屋に居合わせた柴咲組組長・柴咲博(舘ひろし)を中国系のチンピラの襲撃から救った。その後柴咲にお礼で呼び出され組に来ないかと誘われたが断る。店を営む愛子(寺島しのぶ)の亡き夫は柴咲の弟分でもあった。後日、山本と仲間が侠葉会の若頭・加藤(豊原功補)と若頭補佐の川山(駿河太郎)によって報復され港に拉致されリンチを受ける。たまたま先日柴咲組長からもらった名刺を見て、その時点では組同士手打ちしていたのでかろうじて助かる。


一命を取り留めた山本は柴咲と再度会う。柴咲はがケン坊と呼んで優しく手を差し伸べてくれたことをきっかけに、二人は親子の盃を交わし、山本はヤクザの世界へ足を踏み入れた。

2005年、柴咲組の一員となった山本は、細野や大原とヤクザの世界でのし上がっていた。そんな中、街を二分する因縁の相手・侠葉会との争いは激化していた。その日も柴咲組の配下にあるキャバクラの店内で勘定高いとイチャモンつけ揉めていた川山と山本とがやり合いになる。その時、傷の手当てをしてくれたホステスの由香(尾野真千子)に、山本は惚れ込み、堅気の学生だった由香にむりやり近づいていく。


しかし加藤の差し金で車に乗っていた柴咲が襲われ、代わりに運転手だった舎弟の大原が犠牲となる。緊張の場面となったが、刑事・大迫(岩松了)はこの件で復讐しないよう柴咲組に釘を刺す。
それでも山本は、子分の敵討ちと柴咲組を守るために、加藤たちがいる店へ単身乗り込む。川山の背後から拳銃を構えたとき、包丁を握った柴咲組若頭の中村(北村有起哉)がその横を追い抜いたのであるが。。。

2019年、山本が獄中から出てきたのは14年後。そこで山本を待ち受けていたのは、暴対法の影響で存続も危うい状態に一変した柴咲組の姿だった。組長もがんを患い元気がなく、シノギにも四苦八苦していた。一方で、愛子の息子・翼(磯村勇斗)は22歳になり、ヤクザと一線を置きながら半グレの道に入り、夜の町を仕切っていた。子どものころから知っている山本を慕っていたのであるが。。。


ヤクザ映画のテイストも変わってきたと言っても良いだろうか?井筒和幸監督「無頼」は長期にわたる時代の流れを映し出すが、この映画はスタートが1999年と比較的最近だ。「無頼」でも反社への取締りが厳しくなってきたことが軽く取り上げられていたが、ここでは露骨だ。ある意味、西川美和監督「すばらしき世界の題材も役所広司演じる主人公が元ヤクザである。落ちぶれたヤクザを取り上げるのが一つのトレンドになるかもしれない。

井筒監督「無頼」は登場人物が多すぎで、訳がわからない感じであった。ここでは登場人物を妙に広げすぎず、わかりやすい。題材的にも、堅気になった市原隼人やムショに入る前に関係を持って今は公務員になっている尾野真千子を絡ませる。ヤクザと一線を置きながら、実質はそのものの半グレの青年も取り上げているので、現在の世相でありえそうな話としている。両作品を単純に比較すると、この作品が良くできているのがわかる。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

映画「AWAKE」 吉沢亮

2021-05-04 18:09:54 | 映画(日本 2019年以降主演男性)
映画「AWAKE」は2020年日本公開


人工知能とプロ棋士との対決には以前から関心を持っている。「AWAKE」は公開後スケジュール合わず観れなかったが、早速Netflixのラインアップに入ってきて助かる。

「AWAKE」将棋の奨励会からドロップアウトした青年がCPU将棋の開発に進路を変えて、奨励会時代ライバルだった棋士と戦うという話である。人工知能が将棋やチェスと対決する話は好きな方なので、ストーリーに没頭する。敗者復活戦的な話というのは、大抵、下から這い上がった方のサクセスストーリーが多い。しかし、この場合は実話としてのCPU将棋の弱点にプロ棋士が分かっていても突くのかという論点を絡ませている。ただ、あくまでフィクションなので、ストーリーにもうひとひねりあってもよかったのに感じさせる映画である。

英一(吉沢亮)は、かつて将棋連盟の棋士養成機関である奨励会で棋士を目指していた。長き奨励会生活の末、英一は入会時からライバルだった陸(若葉竜也)に残留がかかった試合で敗れ、プロ棋士への道を閉ざされる。


そして、普通の学生に戻るべく大学に入学したが、周囲となじめない学生生活を過ごしていた。ある日、英一は父親がパソコンで遊んでいたコンピュータ将棋が指す独創的手筋に目を奪われる。CPU将棋のプログラミングをやってみたいと思い、英一は大学の人工知能研究会の部室に飛び込む。

研究会の主のような先輩・磯野(落合モトキ)から、プログラミングの基礎本を全部暗記しろと渡され、CPUの道に入り込む。気がつくと、強いCPU将棋を作りたいとプログラム開発にのめり込んでいた。徐々にソフトの形ができていった数年後、自ら生み出したプログラムをAWAKEと名付けた。CPU将棋同士の他流試合でも勝てるようになってくる。CPU将棋の大会で優勝したawekeは、棋士との対局である電王戦の出場を依頼される。その相手棋士が若手新鋭として活躍するかつてのライバル、陸と知ったのであるが。。。


⒈人工知能と将棋
シンギュラリティには関心があるし、人工知能の開発者が書いた本山本一成「人工知能はどのように名人に超えたのか」は読んだことある。わかりやすく人工知能が理解できた。まず、CPUは考えるだけの展開を探索し、局面を評価する。評価の良いものから、順番に次の展開を探索する。(山本  p27)この映画でも、勝負でまずかったところから評価のポイントを変えていくようなセリフがある。でも、機械学習と言われた時代から、ディープランニングという進化した姿に変わっているのだ。


2014年以前はプロ棋士が打っていた手をお手本に評価の精度を向上させていた「教師あり学習」だったのが、教師を必要としない「強化学習」により、実際にあり得そうな局面で6〜8手進めてみて、結果が良かったのか悪かったのかを調べ、その結果が良かったかどうかをフィードバックして、評価の部分を微調整する。そうした積み上げで現在では約一兆の局面を調べていく。そうしていくうちに人間同士ではあり得ない手筋が出てくる。(山本 pp.123-128)

まあ、すごい話である。その後、プロ棋士の佐藤名人が2017年に敗北する訳である。


⒉チェスの世界チャンピオンとIBMコンピュータとの対決
もう随分と経つが、この対決を新聞で読んだときには、興奮した。人間は要らぬ感情が入ってしまい、正確さを欠くものである。コンピュータは億の手筋から選択するという当時の記事を見て、これができればビジネスで色んなことに応用できるなとすぐさま思ったもんだ。でも、結局何もできなかった。

当時のチェス世界チャンピオン カスパロフの書いた体験記は実に面白い。IBMチームとの凄まじい心理戦という印象も受けた。カスパロフもCPUの裏をつく。チェスだけでなく、将棋や碁もいずれはCPUに軍配が上がる様になるのでは?でも複雑なゲームだからそうは簡単に負かせないだろうと当時言われていた。でも、CPUが人間を凌駕する時代はすでに来てしまっている。


⒊父子家庭
主人公英一は父子家庭である。母親がなぜいないのかは語られない。小学校の時、父子一緒に将棋盤で指すのがスタートで、町の将棋道場で無敵になり、そう簡単には入れない難関の奨励会に入る。当然、日本中の腕自慢が集まるわけで、そこを抜け出すのは容易でない。結局ドロップアウトしてしまう訳だ。

21才で入った大学では酒場で他の学生と大げんか、父親が警察へ引き取りに向かう。でも、そんなことが続いても父親は横で優しく見守る。妙に説教じみたことは一切言わない。他の人はどうこの映画を見るかわからないが、この父親が見ていて良い感じだった。

⒋超越した頭脳の持ち主
伝説の受験指南書の著者有賀ゆうが著書「スーパーエリートの受験術」の中でこう言っている。「世の中には頭の良い人っている。頭の良し悪しは関係ないと言っている人は屈辱的な思いをしたことがない人だ。」能力でかなわないと思ったのは、小学生までに頭をフル回転した人として「灘、御三家の出身者、将棋の強い人、そろばんの有段者」という人たちをあげている。灘や御三家の全員がすごいわけではないだろうが、地方公立高校出身で東大理3出の有賀ゆうの言うことには経験としての実感がこもる。そういう一歩抜けた頭脳レベルの奨励会出身者が将棋ソフトを本気つくったらそれは凄いだろうと思わせる話でもある。

コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

ベストムービー100と監督

2021-05-03 10:51:33 | 映画 ベスト
このブログももうすぐ丸13 年だ。自分なりのベストムービー100を選んでみる。
一般的な評価でなくあくまで自分が好きな映画である。

作品優先というより監督を100人列挙する。作品だけで100本選ぶなら入るべき作品もカッコで記載
上位3位は固定だが、それ以外は順位通りでない。一般の人から見てなんでと思う作品は多いと思う。でも好みは好み
(なお、今後編集される可能性は高い)
はアジア、は日本,は欧州映画

⒈アラビアのロレンス デイヴィッドリーン
⒉ブルースブラザーズ ジョン・ランディス
⒊天国と地獄 黒澤明
⒋殺人の記憶 ポンジュノ(パラサイト)
⒌水を抱く女 クリスティアン・ペッツォルト
⒍ショーンシャンクの空に  フランク・ダラボン(グリーンマイル)
⒎仁義なき戦い  深作欣二
⒏リバーランズスルーイット  ロバートレッドフォード(ナチュラル)
⒐情婦 ビリーワイルダー
⒑ダークナイト クリストファーノーラン
11.ザプレイヤー ロバートアルトマン
12.近松物語  溝口健二
13.赤ちゃん泥棒  コーエン兄弟
14.花様年華 ウォンカーウァイ
15.スラムドックミリオネア ダニーボイル
16.男はつらいよ夕焼け小焼け  山田洋次
17.いつか読書する日  緒方明

18.ヒストリーオブバイオレンス デヴィッド・クローネンバーグ
19.春夏秋冬そして春 キムギドク(嘆きのピエタ)
20.その土曜日、7時58分  シドニールメット(評決)
21.ブラックブック ポールヴァーホーヴェン
22.カリブの熱い夜  テイラー・ハックフォード
23.チェイサー  ナ・ホンジン
24.パブリックエネミーズ マイケルマン(コラテラル)
25.love letter 岩井俊二
26.異人たちとの夏  大林宣彦

27.LAコンフィデンシャル  カーティスハンソン
28.浮草  小津安二郎
29.夜  ミケランジェロ・アントニオーニ
30.存在の耐えられない軽さ  フィリップ・カウフマン

31.ブラックスワン ダーレン・アロノフスキー
32.愛の勝利を ムッソリーニを愛した女 マルコ・ベロッキオ
33.ゴーストライター ロマンポランスキー

34.マネーポール ベネット・ミラー
35.スクールオブロック リチャード・リンクレイター(6才の僕が大人になるまで)
36.ローラーガールズダイアリー ドリューバリモア
37.灼熱の魂  ドゥニ・ヴィルヌーヴ
38.ミッドナイトインパリ ウディアレン
39.きっとここが帰る場所 パオロ・ソレンティーノ
40.ゆれる 西川美和
41.カリフォルニア ドールズ  ロバートアルドリッチ
42.ゼロダークサーティ キャスリンビグロー
43.ラブソング ピーターチャン
44.ホーリーモーターズ レオンカラックス
45.みなさんさようなら  中村義洋
46.ゴッドファーザー フランシスコッポラ
47.バベットの晩餐会  ガブリエル・アクセル
48.キャプテンフィリップス  ポール・グリーングラス
49.ザドライバー ウォーター・ヒル
50.浮き雲 アキカウリスマキ(ルアーブルの靴みがき)
51.そこのみにて光輝く 呉美保
52.ピアノレッスン ジェーン・カンピオン
53.ベニスに死す ルキノ・ヴィスコンティ
54.インターステラー クリストファーノーラン
55.運命じゃない人 内田けんじ
56.百円の恋 武正晴

57.ラブ&マーシー 終わらないメロディー  ビル・ポーラッド
58.ホワイトゴッド コルネル・ムンドルッツォ
59.レヴェナント アレハンドロ・ゴンサレス・イニャリトゥ
60.ブリッジオブスパイ  スティーブンスピルバーグ
61.ザコンサルタント ギャヴィン・オコナー
62.LA LA LAND デイミアン・チャゼル
63.スリービルボード マーティン・マクドナー
64.シェイプオブウォーター ギレルモ・デル・トロ
65.あさがくるまえに カテル・キレヴェレ
66.ビジランテ 入江悠
67.ナチュラルウーマン セバスティアン・レリオ
68.暗殺の森 ベルナルドベルトリッチ
69.ある船頭の歌 オダギリジョー
70. 冷たい雨に撃て、約束の銃弾を ジョニートー
71.愛人ラマン ジャン=ジャック・アノー
72.薄氷の殺人 ディアオ・イーナン
73.はちどり

74.ある画家の数奇な運命  フロリアン・ヘンケル・フォン・ドナースマルク
75.帰れない二人 ジャ・ジャンクー
76.ジョーカー トッド・フィリップス
77.キャロル トッド・ヘインズ
78.ゴーンガール  デヴィッド・フィンチャー
79.パッション ブライアンデパルマ
80. 恋のゆくえ/ファビュラス・ベイカー・ボーイズ スティーブ・クローブス
81.さよなら渓谷  大森立嗣
82.グッドウィルハンティング ガス・ヴァン・サント
83.インドシナ レジス・ヴァルニエ
84.乱れる 成瀬巳喜男
85.にっぽん昆虫物語 今村昌平
86.セックスチェック第二の性  増村保造
87.遠雷 根岸吉太郎

88.男と女 クロードルルーシュ
89.チェンジリング  クリントイーストウッド
90.ロストハイウェイ デイヴィッドリンチ(マルホランドドライブ)
91.ジャッキーブラウン クエンティーノタランチーノ
92.恋人たちの食卓  アンリー
93.LOVERS チャンイーモア

94.冷たい熱帯魚 園子温
95.めまい アルフレッドヒッチコック
96.スイミングプール フランソワーズオゾン
97.レオン リュックベンソン

98.赤目四十八瀧心中未遂  荒戸源次郎
99.私が生きる肌  ペドロアルモドバル
100.亀は意外と速く泳ぐ 三木聡


本当にこれで良いのであろうか?とずっと思い続けるのであろう。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする