映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

エレジー  ペネロペ・クルス

2009-10-31 05:28:57 | 映画(洋画:2006年以降主演女性)
ペネロペクルスとベン・キングズレーのオスカー俳優の共演で、娘ほど年下の美女にときめく老人の恋を描く。ペネロペが大胆に美しい裸体を見せ、老大学教授の心を揺さぶる設定である。「ガンジー」や「シンドラーのリスト」とは違った一面を見せるキングズレーがいい。

キングズレーは大学教授で文学論?を教えていて、テレビでもコメントをする立場である。離れて暮らす息子はいるが独身。有能なビジネスレディの恋人がいるだけである。その彼が教室に現れた一人の美女学生ペネロペ・クルスに心を動かされる。試験が終わるまでは学生との交流は禁じられていて、終了後のパーティーで二人は接近する。二人で一時を過ごすようになった後、キングスレーは今までと違う嫉妬心が芽生えたのに気づくが。。。。。

どんなに年をとっても、男は良い女と知り合ったら、主人公と同じように強烈な嫉妬心が芽生えるものである。毎日電話したり、逢っていないときがすまない。誰かと逢っているんじゃなかろうかと心配する。恋のはじめの数ヶ月の強烈なときめきである。老齢になっても変わらないそのときめきをキングズレーがうまく演じる。

ペネロペは大胆にその裸を見せる。30中盤になっても美しい完璧な裸体は熟女という範疇ではなく、芸術的だ。これではまらない男はいないだろう。

あと二人の脇役に注目。大ベテランのデニスホッパーと最近の映画での活躍が目立つパトリシア・クラークソンである。デニスホッパーはキングスレーの友人の詩人を演じる。キングズレーがペネロペにはまっていく話を聞く友人である。そこには昔デニスが見せた荒々しさはない。枯れ切った魅力である。
最近の映画での熟女の代名詞のような姿が見事なパトリシアは、50才前後の主人公のセックスフレンドを演じる。この存在は映画の中では非常に重要な位置を占める。黒い下着をじょじょに脱いでいく姿はどきどきさせる。趣味は分かれると思うが、60過ぎの男性にはドッキリする存在ではないか?自分はまだその域に達していないけれどね。
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就職斡旋依頼

2009-10-30 06:22:21 | Weblog
月曜日会社の関連会社の社長さんたちと飲み会だった。
いつもお世話になっている不動産業者の息子さんはN大の4年で就職活動しているけれど決まらない。最初は父親と同じ道には行かせたくないと、不動産関係を受けずにいた。相当受けたらしいが通らない。たいへんだ。そうしているうちに結局不動産関係をまわりだした。
飲んでいるときに私の知っている不動産業者に入れてくれないか?と依頼を受けた。キャバクラで酔っているうちに忘れていた。三流大学生というキャバ嬢は、まわりはほとんど就職決まっていないといっていた。

火曜日会社の事務部門の連中とのみに行った。
3年目の女子社員と事務部門の責任者と一緒に中華へ行った。
昨日不動産屋の社長に就職依頼を受けたよ。と話をしたら、女子社員の弟がまだ就職決まっていないことが判明した。C大の4年で、メーカー中心にまわっていたけれど、どこも内定でないとのこと。N大よりは若干レベルは上であるが、決まっていないのは深刻だ。少々驚いた。

昨日月曜日飲んだ不動産屋の社長から電話がかかってきた。その後どうかって?
あわてて某賃貸中心の不動産業者の役員に電話した。
そうしたらむしろリストラをしようとしている時に、新卒は無理ですねとの弁が返ってきた。その話をしたら残念そうだった。別の親しい中小広告会社の社長に同じく就職斡旋の電話をした。非常にきびしそうだ。ずっと状況が良いという会社もかなりやばくなってきた。どうやらもう少しきびしい状況が続きそうだ。

正直民主党が政権をとって、非常に心配である。目を向ける方向が全然違うからである。企業業績を回復させて、賃金水準の回復を図るという概念がない。
強制的に最低賃金を1000円までアップさせるというマニフェストがある。これはそうなったら誰も人なんて雇わない。むしろリストラは加速されるだろう。強制的な雇用よりも、企業業績を回復させて、自然に雇用ができるような経済政策が必要と思われる。

確かに内需拡大は重要であるが、私はむしろ円安政策が一番だと思う。実際、韓国の大手サムスン電子と現代自動車は驚異の決算を発表している。これはすべて30%を超えるウォン安によるものだ。輸出企業の決算は徐々に回復しているが、まだまだ賃金回復するまでの水準ではない。ここから手をつけるのが一番ではないか?
でも民主党はまったく関心がない。

これは大変なことになった。
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10月は飲んだなあ

2009-10-29 06:30:53 | Weblog
10月は外での飲み会が11回あった。
映画もブログも休みがちになった。会社関係がほとんどであった。その気になったらお誘いなどがまだまだあったが先送りにしてもらった。これで今月は酒抜きにする。
会社の各部署とのが5回、会社全社の集まりの後の飲み会1回、関連会社との懇親会が4回、昔の部署仲間との交流が1回
これでもずいぶん抑えたんだけどつらいなあ。技術の部署にいる部下から、肝臓に効くといって彼が処方箋で出してもらった薬をもらった。確かに効く。どうもそれでγーGTPが4分の一になったらしい。

それに加えて先週娘の中間テストがあった。娘は塾には行かないので、コーチのようについて勉強した。寸前の土日は朝から夜までつきあった。5教科で470点かけるくらいの答案が返ってきて、それはそれでよかった。父親と違って、科目にむらがない。でも間違った問題は、こんな問題二度と見ないだろうなあという、入試とかには出ないつまらない問題だった。

一つ感じるのは、公立中学の英語や数学の進み具合がものすごく遅いということだ。もっとどんどん進んでしまえばと思うのに進まない。数学は簡単で20分時間が余ったと娘は言っていたが、平均点は低かった。このあたりに問題があるのかもしれない。でも娘のタイプは中学で伸びるタイプであるから公立中学に進む方が良いと思っていた。その決断は間違いないと思う。周りは塾に行っているようだ。むしろできなくて行っているようだ。父母が勉強を教えられないから仕方ないのかもしれない。効果のわりにお金はかかりそうだ。自分も来年遠方への転勤がないことを祈る。
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上海家族

2009-10-28 21:32:05 | 映画(アジア)
原題は「shanghai woman」である。上海のある母子の物語。女性監督らしい視点で上海の家族を映し出す。

夫婦と15歳の娘のある家族。旦那が女をつくって2年、別れられずにいることが耐えられずに、小学校の教員である妻は娘と一緒に家を出る。主人公の実家に帰るが、その母は出もどりの娘をあまり歓迎していない。また、弟夫婦もいて窮屈であった。彼女は妻に死なれた李さんという男性と知り合い、子連れ同士で結婚する。性格のよい李さんに引かれたからだが、結婚してみるとけちな男性であることがわかる。。。。。

何てことない話だ。ただ、現代の中国の一般家庭生活のホームドラマは少ないので、興味深く見れた。一般の上海人たちがどういうところで生活して、どういうことを考えているのかがよくわかる。タッチは女性監督らしい仕上げ方だ。男たちがみんなだらしないいやな男に仕上げすぎたのはちょっとやりすぎの気もした。
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一周忌を終えて

2009-10-26 06:46:34 | 家族
昨日父と母の一周忌を一緒にやった。
父は昨年7月に、母は11月に亡くなった。日程の設定および一緒にやるべきかを考えたが、結局間の日を取って昨日やった。

あいさつ文を早めにつくって発送。7月に父の一年なので、どうしたものだろうと思われないように早めに送った。ここ数日は途中の段取りのことで、母の姉妹たちが静岡からくるので、親戚が立ち寄る品川の自宅から高輪の寺までどう輸送するか?寺から五反田の昼食の場所までどう移動するか?タクシーの手配は?お布施はいくら包んでどの封筒に入れようか?お土産は何を買おうか?と頭をひねらせた。

頭が興奮しているせいか、土曜日は財布をなくしたのでは?と1時間ほど大騒ぎをした。残高があるキャッシュカード3枚とクレジットカード一枚が入っている。お布施は別にしてあったので現金は少なかったがひやりとした。ひょっとしてペットボトルを買ったコンビニに落としたのでは?と探しに行こうとまでして外へ出たら、妻がタンスの所で発見した。ネクタイをたんすに入れようとしたときにタンスへ置いたらしい。まさかここには置かないだろうと思ったのが失敗であった。あってほっとした。本当になさけない。昼間は娘が自転車の鍵をなくしたとのことで大騒ぎをしたらしい。二人ともだらしないと妻はおかんむり。

49日での中華と違って昨日の食事はあまりおいしくなかった。和食は実に難しい。かなりお金をかけないと良いものにありつけない。しかも、酒を飲む人が少ないのに和食というのはどうも不自然になる。中華が一番気が楽だし、高級店でよいものを提供できる。やはり東京の法事では中華が定番だと思う。いずれにせよ、一周忌がすぎてほっとした。少し落ち着けるかもしれない。
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不毛地帯

2009-10-24 19:56:25 | 映画(日本 2000年以降主演男性)
不毛地帯がテレビで始まった。2回目を終えて、早くも戦闘機選定の話に入ってきた。最初にこの小説を読んだのは、大学2年生のときだった。スケールの大きさに圧倒された。政財界が裏で絡み合う姿に驚かされた。ずっと書棚においてある本だ。

元日本軍大本営参謀だった瀬島龍三さんをモデルにしているのは、あまりに有名である。瀬島さんは商社マンとして、伊藤忠商事の会長まで上りつめた後も、中曽根政権のブレインとして政府直轄の審議会の委員等を務めた。
この小説を読んだとき、なんと商社マンはかっこいいものかとあこがれた。
主人公のライバル商社マンの鮫島は、国会証人喚問で有名な日商岩井の海部八郎元副社長をモデルにしている。読んでいると、むしろ行動力あふれる鮫島の方が好きになった。
残念ながら、大学卒業時には、実家の家業に近い仕事を選ぶのが家族も喜ぶかと思い、商社マンの道はあきらめた。結局は実家も商売をやめてしまって、そのままサラリーマンを続ける今、あらためてあこがれる世界だ。

シベリアでの捕虜生活は第一回で終えて、第二回からは商社マンとしての主人公の話にしている。シベリアでの話はあまりに暗すぎるので、これはこれで良いのかもしれない。
唐沢寿明は商社マンというイメージは強いが、元陸軍参謀とするとイメージが違うかもしれない。でも他は適役がそろっている。社長の原田芳雄や里見常務の岸部一徳はまさに適役だ。岸部は元タイガースのイメージから完全に脱却した。いつも期待にこたえる演技を銀幕で繰り広げている。小雪の秋津千里はちょっと違うかなという気がするが、これからに期待である。天海祐希の銀座のママは実にかっこいい。こんなに良い女がいるなら多少高くても通ってしまうかもしれない。意外に水商売系の役は少ない彼女だったが、これから増えるかもしれない。同じように水商売役が似合う米倉涼子と競わせるような役とかやったら面白いだろうなあ。

これから先が実に楽しみだ。
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ベンジャミン・バトン  ブラッド・ピット

2009-10-22 21:07:14 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
ブラットピット主演作品。生まれたときから死ぬまで、普通の人と反対の年のとり方をする。「テルマ&ルイーズ」のころの若い風貌から、きついメークの年寄りの姿まで演じる。ストーリーにこれといったおもしろさはなく、暇つぶしに見る映画といった印象。

死ぬ間際の元妻ケイト・ブランシエットの回想シーンからはじまる。
横で娘がブラットピットの昔の日記を読み込む。
ブラットは第一次大戦の後1918年ボタン製造の金持ちの家に生まれる。生まれると同時に母親は死ぬ。子を取り上げた父親はあまりの奇形に捨て子にしてしまう。黒人の夫婦に拾われる。そこは一種の老人施設であった。周りの老人たちと比べてもおかしくない風貌であった。そこで元妻ケイトと知り合う。そのまま生涯の付き合いとなるが、単なる幼馴染であった。
もともと老人的な衰えで歩けないのが、成長していく彼は、次第に歩けるようになっていく。少しづつ若返っていくようだ。何気ないきっかけで船会社で人を雇っているのをみて、働くことになる。
17歳のとき育った家を出て行くが。。。。

時計軸を全く正反対にする。生まれた後の1920年代のアメリカの映像はいつもながら美術がしっかりしている。日本でここまで戦前の風景を映像化することは困難ではなかろうか?やはり古い住宅が残っていることが日本と違うところだ。1900年代前半でも住宅のレベルは高い。

ブラットピットはかなりの若作りまでする。ケイトは一瞬彼女とわからないくらいの若い姿を見せる。二人とも思い切り変身する。性格の背景も良くわかりやすい。
でもすごいと思わせるところあまりないなあ。
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居酒屋兆治 高倉健

2009-10-18 19:59:35 | 映画(日本 昭和49~63年)
昭和58年の降旗監督高倉健コンビ作品。山口瞳原作である。函館の居酒屋の店主を高倉健が演じて、その店と彼に絡む人たちの物語を描く。よくも集めたと思わせるような名脇役がそろっている。大原麗子、伊丹十三、東野英治郎をはじめ鬼籍に入った人も多く、なつかしい感じがする。ストーリー展開の面白さよりも、函館の町の匂いをかぎながら、名優の演技を見るという作品だ。

高倉健は函館で加藤登紀子とともに居酒屋を営む。もとは地元の高校野球部のエースで、地元の造船所に就職したが、会社のリストラを担当することになり、仲間の首切りはできないとやめて居酒屋をやるようになった。お店には野球部でバッテリーを組んでいた親友の田中邦衛を始め、多彩な顧客がきている。大原麗子とは若いころつき合っていたが、お互い貧しく、彼女に結婚話がきて地元の牧場に嫁ぐのを黙って見守るしかなかった。大原麗子はそれが今でも不本意である。そんなあるとき、その牧場で火事が起きた。そして大原麗子は函館の町から失踪する。昔付き合っていた高倉健が何か知っているのでは?とかんぐる人もいるのだが。。。。。

高倉健はヤクザあがりの設定が多いが、ここでは堅気の設定。多彩なお客が多い店の店主役を楽しく演じている印象。田中邦衛もいつもどおりの安定した演技。こんな友人がいたら人生もっと楽しかったろうなあと思わせる好人物を演じる。加藤登紀子の妻役も適切である。

大原麗子の存在は脚本的には非常に微妙な感じだ。元恋人を思いつめる流れがストーリー的に不自然さを感じさせる設定。全盛時だけあってその美貌も絶頂だが、もう一つひきつけられない。しかし、ちょっと驚いたのは、彼女の晩年とどこかダブるところがあるところだ。映画を観ながらつい先ごろの話をダブらせてしまった。

伊丹十三が高倉健の先輩で地元のタクシー会社の副社長役で出てくる。居酒屋で執拗に高倉健に絡む。元々はインテリのキャラである伊丹がめずらしく与太者を演じている。ヤクザではないが、監督のときにつくったヤクザ排除映画の配役を思わせるようないやな役だ。どちらかと言うと高倉健のほうが風貌はそのものだけに不思議な感じだが、これはこれで良いのかもしれない。この翌年「お葬式」を作り、名監督の道を歩んでいく。その前の作品だけに貴重な映像。調べたら、伊丹十三、宮本信子夫妻の媒酌が山口瞳と確認してちょっとびっくり。

あとは悪役の鑑のような佐藤慶、場末のバーのマダム役がまさに地でいけてしまうちあきなおみ、「蒲田行進曲」でブレイクする前の平田満、すっとぼけながらまだ頑張っている大滝秀治、昭和30年代の飲んだくれ親父役が水戸黄門をやって貫禄がついた東野英治郎、うだつの上がらない男をやらせると天下一品の小松政夫。良い人そろえたなあ!!!本当感心する。

山口瞳のエッセイはよく読んだ。粋人で良いタッチの文章だった。今でも書棚にずいぶんとある。競馬にもグルメにもまさに人生の達人のようだった。映画の中で居酒屋の客で出てくるのはほんのご愛嬌。さぞかし名優に囲まれて楽しかったことであろう。
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ワルキューレ  トム・クルーズ

2009-10-17 20:50:25 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
第二次世界大戦のドイツ軍、連合軍やソ連軍に劣勢となったころ時の総統ヒトラーの暗殺計画を企てた大佐がいた。その暗殺計画の首謀者の話をトム・クルーズ主演で描く。実話に基づくらしい。

アフリカ戦線で敵からの空中戦に車で爆撃を受けて片手ともう一方の片手の指と片目を失ったトム・クルーズ大佐。彼は軍の幹部とヒトラー暗殺計画で軍の勢力を把握しようと試みる。

どうもドイツの長ったらしい名前は苦手だ。大学もフランス語選択だったので、ドイツ語のなじみが薄い。その覚えにくい名前とあわせて、こっそり暗殺計画を立てているので、こそこそした動きでストーリーの大意がわかりにくかった。
いきなり戦闘場面が出てきて、トムクルーズ大佐が爆撃で負傷する場面が出てくる。ここはかなりリアルな戦闘場面だが、その後はそういうシーンは出てこない。ヒトラー暗殺計画の実行まではテンポがゆるく、だらけるような気がした。
ドイツの話なのに英語で展開する不自然さをドイツ人はどうとらえるのであろうかと思った。
実際の主人公シュタウフェンベルク大佐はヒトラーが写っている写真の左端の190cmを超える長身の男性で、トムは逆なので遺族も不自然に思ったであろう。

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その土曜日、7時58分 シドニー・ルメット

2009-10-11 20:16:42 | 映画(自分好みベスト100)
80歳をすでに超えている巨匠シドニー・ルメット監督のすさまじい傑作である。シリアス物ではここ数年のベスト3に入ると思う。キャスティングが適切で、俳優の得意な分野を熟知し選ばれたフィリップ・シーモア・ホフマン、イーサン・ホンクいずれも良い。題材がかなり強烈な話だが、アメリカでは起きそうな事件。序盤からハラハラさせ、心臓どきどきしながら110分を観きった。感動するというよりジェットコースターのようなアップダウンに揺れ動かされた。

いきなり宝石強盗の場面が出てくる。最初にフィリップ・シーモア・ホフマンの濡れ場シーンが出た後なので、フィリップが強盗したのかと錯覚させる。強盗に対抗して、店を預かる女性がピストルで強盗を撃ちぬく。そして強盗は女性を撃ち返したが、強盗はとどめの一発を女性に撃たれる。それを外で待機していた仲間のイーサンホンクが見てあわてて車で逃げていく。
フィリップとイーサンは兄弟。エリート会計士のフィリップと比較すると、離婚後の慰謝料の支払いも遅れがちのイーサンは明らかに金に困っている。ところが、フィリップも取引先の会計の不正処理が判りそうで、それを埋め合わせるためにお金が必要だ。フィリップはイーサンに強盗を提案する。それはなんと二人の実家が経営する宝石店であった。強盗されても保険が補填するので大丈夫だから、我々は盗んだ宝石を換金してお金を返済すれば良いと。。。。。

時間軸を後ろに前に動かしていく中で、ようやく大筋が見えてくる。最初はどうしたんだろうと思うが、次第に目が慣れてくる。強盗に失敗すると同時に最愛の母親を負傷させたことでフィリップとイーサンはうろたえる。

フィリップ・シーモア・ホフマンは「カポーティ」の演技でオスカー主演賞をもらった。個性派監督の作品の味付け的な存在が完全にメジャー化した。今回は「ミッションインポッシブルⅢ」の悪役ぶりの流れをくんでいる。これからはむしろ悪役的キャラが得意になっていく気がする。
イーサンホンクは、ちょっと気の弱い男を演じさせるとうまい。そのときに対照的なキャラが反対にいると映える。うまくいった例が「トレーニングデイ」のデンゼルワシントンとの対比である。気弱なところがある新米刑事の性格描写が実にうまかった。あの映画ではイーサンホンクの引き立てがあったからワシントンはオスカーを取れたのだと思う。
頑張ったのが、フィリップの妻役マリサ・トメイである。美しい裸体を何回も見せるセックスシーンが再三あるが、この映画の中では重要な位置を示す。調べてみて撮影当時42歳だと確認して驚いたくらいのバランスの良いナイスバディだ。このバディに幻惑されない男はいないであろう。ある意味体当たりでこの映画に取り組んだのであろう。敢闘賞ものである。

それにしても、大ベテランシドニールメット監督の健在ぶりには驚く。「十二人の怒れる男」はもう50年前である。よくもまあ現役でいられるものだ。ただただ感心した。「狼たちの午後」「ネットワーク」「評決」など歴史的に残る彼の作品と比べても引けをとらない映画構成のうまさを感じる。
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ザ・クリーナー サミュエル・L・ジャクソン

2009-10-10 21:04:11 | 映画(洋画 2006年以降主演男性)
サミュエル・L・ジャクソン、エド・ハリスの2大男優にセクシー度№1のエヴァ・メンデスが絡むアクション物?サミュエルは殺された死体を始末して、部屋をきれいにする仕事をしている元警察官の掃除屋を演じる。

サミュエルは室内清掃の仕事を請け負っているが、実際には警察からの依頼で殺人事件の後始末で部屋を掃除する仕事をやっている。血だらけになっている地獄絵のような部屋を掃除するわけである。元警察官で、娘と二人で暮らしている。
いつものように警察からの依頼を受け、高級邸宅に向かう。そしていつものように銃撃された跡始末をする。ところが、翌日その邸宅に鍵を返しに行くと、その邸宅の住人エヴァ・メンデスは何で来たのかときょとんとした顔である。依頼書をよく見ると名前が違っていて、担当警察官は実在しなかった。やがてその邸宅の主人が行方不明になっていることがわかるが。。。。。

ストーリーの概略に書かなかったが、このほかにエド・ハリス演じる刑事とサミュエルの娘の黒人少女が重要な役割を演じる。黒人少女はローレンスフィッシュバーン主役の「ドリームカムトゥルー」で英語スペル大会の全米チャンピオンになった女の子である。引き続き好演である。もしかして大女優になるかもしれない素質を持つ。エドハリスは「ヒストリーオブヴァイオレンス」や他作品の狂気じみたえげつなさがここではない。主人公の元同僚の刑事を演じる。しかし途中で急展開を見せる。

こういう職業ってあるんだなあと思う。映画「おくりびと」で葬儀屋につとめた本木が山崎努社長に言われて、死体の始末に最初に行く場面を思い出した。本木があまりのえげつなさに吐きまくっているシーンだ。それを思い出す。主人公はマスクをして、死体にからみつくウイルスや殺菌消毒を最初にして、特殊洗剤で部屋の中を掃除していく。アメリカで実際にある仕事だそうだが、1回10万は最低もらわないと割が合わないだろうなあ。人のやらない汚いことをすれば儲かるということだろう。

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クワイエットルームにようこそ  内田有紀

2009-10-07 21:13:31 | 映画(日本 2000年以降主演女性)
内田有紀が離婚を経て、演技をレベルアップさせた作品。宮藤官九郎が相手役でなんかうっとしい役である。「下妻物語」「嫌われ松子」などの匂いをさせるムードで精神病院が舞台のコメディ映画。

雑誌のライター内田有紀は、締め切りに追われている。今日も締め切りに間に合わそうとしてあたふたしていたが、気がつくと病院のベッドにいる。手足を拘束されている。何でそこにいるのか?と思っている矢先に看護婦のりょうが現れる。「ここは精神病院だ。」と言われ内田は唖然とする。どうやら睡眠薬を飲みすぎたようだ。2日間寝続けてきて目を覚ましたばかりである。
彼氏の宮藤官九郎に言わせると朝ぶっ倒れているのに気づき、あわてて救急車を読んだばかりのようだ。気がつくと、周りには訳のわからない言葉を発する女性たちが大勢いた。まさにそこは隔離された精神病棟だったのだ。

最近では「チェンジリング」でアンジェリーナジョリーが精神病棟に入れられる役を演じた。これはまさしく冤罪のようなもので、むしろアンジェリーナが実際におかしくなった役を演じた「17歳のカルテ」の方が近い感じがする。病院中には奇妙な人たちがたくさんいる。それぞれに個性があって実に面白い。

でもそれだけではなく、内田有紀がなぜこんなことになってしまったのか?その人生を振り返るところが面白い。バカ騒ぎばかりが大好きなモデル上がりの女の子がまじめな男と結婚して別れ、雑誌のライターになるのは、ちょっと不自然に見えるが、話自体は不自然でなく進んでいく。離婚を経た内田有紀は実にうまくこの役を演じる。松尾監督が彼女を意識してこの話を作ったのではと思わせるくらいの適役である。

宮藤の個性が面白く、コメディとしてみるとなかなか楽しい作品である。
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飲みすぎシール

2009-10-06 20:54:31 | Weblog
10月に入ってから飲みが続いている。
映画どころではなく、飲みすぎで調子が悪い。
今日は一日死にそうだった。この年にして若手社員と一気飲みをしてしまった。金曜日はセクハラカラオケで女子社員と「青春アミーゴ」を歌った。

肝臓も限界が来ている??
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FXの雑誌

2009-10-02 06:18:25 | Weblog
FXの雑誌「FX攻略.COM」を買った。

書店で何気なく立ち読みをしていたら、FXの専門雑誌が売っていた。
FXや株に関する攻略本を書いている著者たちがたくさん寄稿していた。
ものすごいたくさん戦術が書いてあるので、買ってみた。

驚いたのが、損切りに関して、いろんな人がその重要性を訴えていること。
一昔前のナンピン志向から比較すると、時代が変わった気がする。

当然レバレッジを強烈にかけるFX取引ではロスカットなくしては相場で生き残るのは難しいと思う。わずかの変動でもうけることガでいる反面、逆方向に行ったらあっという間に元本をなくしてしまう。
最近は大学も大きな損失をデリバティブ取引でこうむっていると伝えられる。一任勘定に近いことかと思うが、レバレッジと簡単にいうが、その調整は非常に難しい。自分自身、本業専門で相場には手を出していない。たまにはこういう話も面白い。仕事する上でも参考になる。

損切りについて語られるが、その内容自体はほとんど目新しいものではなかった。古今東西の相場本にのっているような話である。むしろ掲載している人は相場でもうけるのではなく、それを語ってもうけているんではなかろうか?というお粗末な話もあった。

ただ、一人だけもしかしたらこの人本当に相場が強い人かもしれないと思わせる記事があった。「相場は安く買って高く売る」それがすべてだ。ということを強調していた。その通りだ。
しかも、彼はスタートはレバレッジ1から始めろといっている。あとは、「手仕舞いの方が重要ではなく、仕掛けがもっと大事だ。」と解く。「エントリーが正しいほど、クローズが間違っていてもかつ確率が高い。」なるほどと思った。ナンピンも完全否定しない。話だけを聞いているとこの人が一番相場を知っている気がする。山口佑介という男だ。
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サマリア キムギドク

2009-10-01 06:45:05 | 映画(韓国映画)
援助交際をテーマにしたキム・ギドク監督の作品。高校生の女の子二人がテーマの中心と思しきところから、その親の奇妙な復讐劇に途中で展開が変わる。秋の枯葉が美しいソウルが舞台。これもまた不思議な映画である。

高校生の二人の女の子は、ヨーロッパ旅行を目指して援助交際でお金をためている。ジェヨンが援助交際をして、もう一人のヨジンがホテルの外から見張りをする役割だ。何度か警察の手入れをすれすれのところでのがれていたが、あるとき警察の手入れから逃れることができずにジェヨンはホテルの窓から飛び降りようとする。懸命に止めたが、彼女は飛び降りる。頭を強く打ち重傷で病院に運ばれた。ジェヨンが援助交際で知り合い気に入った男をヨジンが連れて行くが間に合わず死ぬ。その後、親友を亡くし失意のヨジンはジェヨンが援助交際した男たちに会い、一人一人にお金を返していき、彼女を追悼しようとする。彼女の父親はあるとき援助交際している場面を偶然見つける。父親は警察官である。援助交際した場面を見つけると、父親はコテンパンに男たちをたたきのめすが。。。。

早い段階で一人の女の子が死んでしまって、どう展開するのかと思ったら、途中から焦点が父親にうつる。刑事の父親は腕に自信あるから、娘の売春行為の後に、売春の相手をコテンパンにやっつける。実際にはお金を返していく行為であるから厳密には売春ではないが、真実を知らない父親が狂気のように男に接する。

何かむなしいエレジーである。女の子は二人ともかわいい。弓にも登場するジェヨンの無邪気な笑顔は頭にこびりつく。「春夏秋冬そして春」のできのよさにキム・ギドク監督作品をほとんど見た。でも最初に見た「春夏秋冬そして春」の出来が抜群だと思う。
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