映画「「ベルナデット 最強のファーストレディ」を映画館で観てきました。
映画「ベルナデット 最強のファーストレディ」はカトリーヌ・ドヌーヴが、シラク大統領夫人ベルナデットを演じる女性監督のレア・ドムナックの作品だ。大学の第二外国語がフランス語で、フランス語が堪能な友人もいるので他の欧州の国よりもフランスには親しみがある。パリの街を楽しむのにパリオリンピック中継で街が映ると身を乗り出してみたし、フランス映画も好きだ。
その割にはフランスの現代政治とカルチャーに関しては詳しくない。メジャー俳優を除いては俳優の名前も覚えていないし、大統領以外の政治家は知らない。それなのに、予告編で大統領夫人が「時代遅れ」「気難しい」と側近に酷評されるシーンに興味を持つ。早速観に行ってしまう。
ベルナデット・シラク(カトリーヌドヌーヴ)は、夫ジャック・シラク(ミシェル・ヴュイエルモーズ)を大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府のエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘(サラ・ジロドー)からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。
だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケ(ドゥニ・ポダリデス)と共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!(作品情報 引用)
おもしろかった。現代フランス史の裏側も見れて楽しい。
エピソードが盛りだくさんなのもいい。スムーズにエピソードがつながり不自然さがない。しかもコミカルなタッチで軽快だ。女性監督による女性向きに作られている映画に見受けられるが、男性ファンもすんなり受け入れられる。シラク大統領はものすごい親日家であることも映像で示してくれる。日本の陶器を作る工程動画に夢中になっている姿が映り、愛犬も「スモウ」と名付けるのだ。
ジャック・シラク大統領はミッテラン大統領に選挙に敗れて苦杯を舐める時期を経てようやく1995年大統領になる。普通であれば、ベルナデット夫人はファーストレディでもてはやされるのに、周囲の人気がなく娘のクロードが秘書役で前面に出るのだ。
ベルナデットが何かおかしいと思っていた時、夫人の参謀となったベルナールに周囲の評価として「時代遅れ」「冷たい」「気難しくて話しづらい」と面と向かって指摘される。そこからベルナデットの変貌が始まる。参謀ベルナールの「ご自分を解放すれば、道は開けます」との言葉で行動がかわる。服装もシャネルスーツから現代風にイメージチェンジだ。
⒈シラク大統領の浮気
ダイアナ妃がパリで事故死したのはあまりにも有名だ。亡くなった時に方々から問い合わせがあったけれども、シラク大統領が行方不明で連絡がつかない。職員が懸命に探してようやく連絡がつくと、先方には女の声が聞こえる。どうやらイタリアの女優といるようなのだ。ベルナデット夫人は数日部屋に閉じこもってしまう。ひたすら謝るシラクなのだ。思わず吹き出してしまう。
ヒラリークリントンが大統領夫人だった頃に、フランスに来てベルナデット夫人と行動をともにする。それがTVに映し出されて何も知らないシラク大統領は画面を見て驚く。クチの悪い連中が、夫が浮気する同士仲がいいと陰口をきくシーンにも笑ってしまう。
⒉ベルナデット夫人の政治センス
ベルナデット夫人が周囲から酷評を浴びている頃から、政治的センスは抜群だった。大統領就任後に周囲の取り巻きが今のうちに議会を解散して選挙に臨んだほいがいいとシラクに進言すると、ベルナデット夫人は大反対。でも取り巻きの言う通りにすると選挙で与党は惨敗。最近の日本と似た話だ。シラク大統領はアタマを抱える。
その後大統領再選の頃、フランス国内で極右政党が勢力を伸ばしていた。ベルナデットが気にしていたのにもかかわらず、取り巻きは楽観視して相手にしていなかった。結局、極右勢力が票を伸ばして決選投票となってしまう。その頃には、ベルナデット夫人への周囲の信頼は厚くなり人気が急上昇したので、シラクの切り札として選挙勝利へと導く。
⒊宿敵サルコジを大統領選で推すか?
後の大統領サルコジはもともとシラクの子分だったのに、大統領選挙で反対側勢力につく。シラク一家はカンカンだ。ベルナデット夫人の著書のサイン会にサルコジが現れても、皮肉たっぷりのコメントを本に書いて追い出す。
大統領在任末期となった頃シラクは脳卒中で倒れてしまう。もう限界だ。何とか踏ん張っているが、サルコジも勢力を伸ばしている。でも、シラクはサルコジだけは応援したくない。そこで登場するのが、ベルナデット夫人だ。サルコジが当選した後も対立していると、シラク家に意地悪をする可能性がある。シラクもスネに傷がたくさんあるので文句つけられる可能性がある。そこでベルナデット夫人は今後のことも考えてサルコジに急接近するのだ。県議会議員として人気のあるベルナデット夫人が自分の味方になるのはサルコジにとっても都合がいい。
このあたりのベルナデット夫人の気持ちはよくわかる。うまい!新任の責任者は前任者の否定から入ることが多い。あとのことを考えて動くベルナデットのセンスを感じる場面であった。サルコジを応援するメンバーの中に自分の妻がいるのをTVで見てシラクはビックリ。こんなシーンの数々がおもしろい。現代フランス史がわかってタメになる。フェミニスト映画という女性が多いけど、自分はそう思わない。
映画「ベルナデット 最強のファーストレディ」はカトリーヌ・ドヌーヴが、シラク大統領夫人ベルナデットを演じる女性監督のレア・ドムナックの作品だ。大学の第二外国語がフランス語で、フランス語が堪能な友人もいるので他の欧州の国よりもフランスには親しみがある。パリの街を楽しむのにパリオリンピック中継で街が映ると身を乗り出してみたし、フランス映画も好きだ。
その割にはフランスの現代政治とカルチャーに関しては詳しくない。メジャー俳優を除いては俳優の名前も覚えていないし、大統領以外の政治家は知らない。それなのに、予告編で大統領夫人が「時代遅れ」「気難しい」と側近に酷評されるシーンに興味を持つ。早速観に行ってしまう。
ベルナデット・シラク(カトリーヌドヌーヴ)は、夫ジャック・シラク(ミシェル・ヴュイエルモーズ)を大統領にするため、常に影で働いてきた。ようやく大統領府のエリゼ宮に到着し、自分の働きに見合う場所を得られると思っていたが、夫やその側近、そして夫の広報アシスタントを務める娘(サラ・ジロドー)からも「時代遅れ」「メディアに向いていない」と突き放されてしまう。
だが、このままでは終われない。参謀の“ミッケー”ことベルナール・ニケ(ドゥニ・ポダリデス)と共に、「メディアの最重要人物になる」という、華麗にして唯一無二の“復讐計画”をスタートさせる!(作品情報 引用)
おもしろかった。現代フランス史の裏側も見れて楽しい。
エピソードが盛りだくさんなのもいい。スムーズにエピソードがつながり不自然さがない。しかもコミカルなタッチで軽快だ。女性監督による女性向きに作られている映画に見受けられるが、男性ファンもすんなり受け入れられる。シラク大統領はものすごい親日家であることも映像で示してくれる。日本の陶器を作る工程動画に夢中になっている姿が映り、愛犬も「スモウ」と名付けるのだ。
ジャック・シラク大統領はミッテラン大統領に選挙に敗れて苦杯を舐める時期を経てようやく1995年大統領になる。普通であれば、ベルナデット夫人はファーストレディでもてはやされるのに、周囲の人気がなく娘のクロードが秘書役で前面に出るのだ。
ベルナデットが何かおかしいと思っていた時、夫人の参謀となったベルナールに周囲の評価として「時代遅れ」「冷たい」「気難しくて話しづらい」と面と向かって指摘される。そこからベルナデットの変貌が始まる。参謀ベルナールの「ご自分を解放すれば、道は開けます」との言葉で行動がかわる。服装もシャネルスーツから現代風にイメージチェンジだ。
⒈シラク大統領の浮気
ダイアナ妃がパリで事故死したのはあまりにも有名だ。亡くなった時に方々から問い合わせがあったけれども、シラク大統領が行方不明で連絡がつかない。職員が懸命に探してようやく連絡がつくと、先方には女の声が聞こえる。どうやらイタリアの女優といるようなのだ。ベルナデット夫人は数日部屋に閉じこもってしまう。ひたすら謝るシラクなのだ。思わず吹き出してしまう。
ヒラリークリントンが大統領夫人だった頃に、フランスに来てベルナデット夫人と行動をともにする。それがTVに映し出されて何も知らないシラク大統領は画面を見て驚く。クチの悪い連中が、夫が浮気する同士仲がいいと陰口をきくシーンにも笑ってしまう。
⒉ベルナデット夫人の政治センス
ベルナデット夫人が周囲から酷評を浴びている頃から、政治的センスは抜群だった。大統領就任後に周囲の取り巻きが今のうちに議会を解散して選挙に臨んだほいがいいとシラクに進言すると、ベルナデット夫人は大反対。でも取り巻きの言う通りにすると選挙で与党は惨敗。最近の日本と似た話だ。シラク大統領はアタマを抱える。
その後大統領再選の頃、フランス国内で極右政党が勢力を伸ばしていた。ベルナデットが気にしていたのにもかかわらず、取り巻きは楽観視して相手にしていなかった。結局、極右勢力が票を伸ばして決選投票となってしまう。その頃には、ベルナデット夫人への周囲の信頼は厚くなり人気が急上昇したので、シラクの切り札として選挙勝利へと導く。
⒊宿敵サルコジを大統領選で推すか?
後の大統領サルコジはもともとシラクの子分だったのに、大統領選挙で反対側勢力につく。シラク一家はカンカンだ。ベルナデット夫人の著書のサイン会にサルコジが現れても、皮肉たっぷりのコメントを本に書いて追い出す。
大統領在任末期となった頃シラクは脳卒中で倒れてしまう。もう限界だ。何とか踏ん張っているが、サルコジも勢力を伸ばしている。でも、シラクはサルコジだけは応援したくない。そこで登場するのが、ベルナデット夫人だ。サルコジが当選した後も対立していると、シラク家に意地悪をする可能性がある。シラクもスネに傷がたくさんあるので文句つけられる可能性がある。そこでベルナデット夫人は今後のことも考えてサルコジに急接近するのだ。県議会議員として人気のあるベルナデット夫人が自分の味方になるのはサルコジにとっても都合がいい。
このあたりのベルナデット夫人の気持ちはよくわかる。うまい!新任の責任者は前任者の否定から入ることが多い。あとのことを考えて動くベルナデットのセンスを感じる場面であった。サルコジを応援するメンバーの中に自分の妻がいるのをTVで見てシラクはビックリ。こんなシーンの数々がおもしろい。現代フランス史がわかってタメになる。フェミニスト映画という女性が多いけど、自分はそう思わない。