映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」を映画館で観てきました。
映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」は911のテロの首謀者の補助をしたとして捕らえられた男をジョディフォスター演じる人権派弁護士が弁護する話である。ジョディフォスター主演作品は久しぶりに観る。ついこの間「クーリエ」で見たばかりのベネディクトカンバーバッチが共演する。ベネディクトが出演するので英国系かな?と思いきやBBCが製作に関わって、英国のケヴィンマクドナルド監督がメガホンをもつ。
ビンラディンを探し出して殺害する話を描いた「ゼロダークサーティ」でも被疑者への水責めの拷問が描かれる。ここでは被疑者の冤罪を晴らすと言うよりも,被疑者に対するアメリカ当局の常識外れのきつい拷問に焦点が当てられる人権擁護の映画である。現代世界史の裏側を描く国をまたいだスリリングな展開は日本映画では見られないスケールの大きさが醸し出される。
911テロの2ヶ月後2001年11月アフリカのモーリタニアでモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)が拘束される。ビンラディンと親しく、NYテロの航空機の操縦士をアルカイダにスカウトした疑いがかけられている。拘束後裁判は一度も開かれていない。生死さえ不明であった。キューバのグアンタナモ収容所で投獄生活を何年も送っていた。2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はスラヒの弁護を引き受ける。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。
時を同じくして、テロへの報復で政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。起訴事実を固めるために調査が始まる。一方で開示請求でようやく政府からナンシーに許可がでた機密文書は、重要な部分がほとんど黒ペンで消されていて何もわからない。ナンシーは隠された部分を公開するように法廷に問うのであるが。。。
⒈ジョディフォスター
2度もアカデミー主演女優賞を受賞している現役女優はほかにヒラリースワンクくらいしかいない。「タクシードライバー」の子役時代からジョディフォスターとの付き合いは長い。それでも、久しぶりに映画館での再会だ。ラブコメディは全く似合わず犯罪の香りがよく似合う。名門イェール大出身でインテリ女が得意である。「インサイドマン」でも弁護士を演じたが、ここでも人権派弁護士である。適役といえる。
ブロンドというよりプロレスのフレッドブラッシーばりの銀髪というべきヘアに黒いサングラスがよく似合う。童顔だったジョディからするとむしろ老け役といえる。円熟味を増してきた。こんな弁護士を相手側にしたら面倒だろうなあという怖い女性で、一度喰いついたら離さないこの役柄はうまい。
⒉アメリカでどう評価されるのかなあ?
どうしても「ゼロダークサーティ」と比較してしまう。さまざまな事件に関係するイスラム教絡みの被疑者を徹底的に拷問により調べ出し、ビンラディンの居場所をパキスタン内で突き止め秘密裏に飛行機で他国侵入して殺害するスリリングな映画だった。
西アフリカのモーリタニアで生まれ育ち、優秀でドイツの大学で電気工学を学んだモハメドゥ・スラヒはビンラディンと近い筋だったのは確かだ。しかし、テロに関わったことは否定している。自白を強要されたとは言うもののこればかりはわからない気がする。
ジョディフォスター演じるナンシーには「テロの弁護をするとテロの支持者と思われる。」と言う台詞がある。ナンシーが裁判の法廷に向かう際に「911を忘れたのか」というプラカードを持った人に囲まれているのを見るとなんとも言えない気分になる。
911のあとすぐは米国をあげて報復ムードは強かった。大量破壊兵器があるという前提でイラク戦争に駆り出されたアメリカには、大義名分が本当に正しかったの?という疑念があるだろう。それだけにビンラディンと付き合いがあったイスラム教徒というだけでテロに絡らんでいる疑念の映画も今やつくれてしまうんだろう。でも、BBC中心に強引につくった感じもして自国の米国人にとっては複雑な映画ではないだろうか?
確かに拷問シーンは想像を超える。作品情報には例によってリベラル系の人のアメリカ政府を非難するコメントが目立つ。でも、国家機密書類に関する消し込みは当然のことでコメント者のレベルがちょっと低いなあという気がする。
映画「モーリタニアン 黒塗りの記録」は911のテロの首謀者の補助をしたとして捕らえられた男をジョディフォスター演じる人権派弁護士が弁護する話である。ジョディフォスター主演作品は久しぶりに観る。ついこの間「クーリエ」で見たばかりのベネディクトカンバーバッチが共演する。ベネディクトが出演するので英国系かな?と思いきやBBCが製作に関わって、英国のケヴィンマクドナルド監督がメガホンをもつ。
ビンラディンを探し出して殺害する話を描いた「ゼロダークサーティ」でも被疑者への水責めの拷問が描かれる。ここでは被疑者の冤罪を晴らすと言うよりも,被疑者に対するアメリカ当局の常識外れのきつい拷問に焦点が当てられる人権擁護の映画である。現代世界史の裏側を描く国をまたいだスリリングな展開は日本映画では見られないスケールの大きさが醸し出される。
911テロの2ヶ月後2001年11月アフリカのモーリタニアでモハメドゥ・スラヒ(タハール・ラヒム)が拘束される。ビンラディンと親しく、NYテロの航空機の操縦士をアルカイダにスカウトした疑いがかけられている。拘束後裁判は一度も開かれていない。生死さえ不明であった。キューバのグアンタナモ収容所で投獄生活を何年も送っていた。2005年、弁護士のナンシー・ホランダー(ジョディ・フォスター)はスラヒの弁護を引き受ける。ナンシーは「不当な拘禁」だとしてアメリカ合衆国を訴える。
時を同じくして、テロへの報復で政府から米軍に、モハメドゥを死刑判決に処せとの命が下り、スチュアート中佐(ベネディクト・カンバーバッチ)が起訴を担当する。起訴事実を固めるために調査が始まる。一方で開示請求でようやく政府からナンシーに許可がでた機密文書は、重要な部分がほとんど黒ペンで消されていて何もわからない。ナンシーは隠された部分を公開するように法廷に問うのであるが。。。
⒈ジョディフォスター
2度もアカデミー主演女優賞を受賞している現役女優はほかにヒラリースワンクくらいしかいない。「タクシードライバー」の子役時代からジョディフォスターとの付き合いは長い。それでも、久しぶりに映画館での再会だ。ラブコメディは全く似合わず犯罪の香りがよく似合う。名門イェール大出身でインテリ女が得意である。「インサイドマン」でも弁護士を演じたが、ここでも人権派弁護士である。適役といえる。
ブロンドというよりプロレスのフレッドブラッシーばりの銀髪というべきヘアに黒いサングラスがよく似合う。童顔だったジョディからするとむしろ老け役といえる。円熟味を増してきた。こんな弁護士を相手側にしたら面倒だろうなあという怖い女性で、一度喰いついたら離さないこの役柄はうまい。
⒉アメリカでどう評価されるのかなあ?
どうしても「ゼロダークサーティ」と比較してしまう。さまざまな事件に関係するイスラム教絡みの被疑者を徹底的に拷問により調べ出し、ビンラディンの居場所をパキスタン内で突き止め秘密裏に飛行機で他国侵入して殺害するスリリングな映画だった。
西アフリカのモーリタニアで生まれ育ち、優秀でドイツの大学で電気工学を学んだモハメドゥ・スラヒはビンラディンと近い筋だったのは確かだ。しかし、テロに関わったことは否定している。自白を強要されたとは言うもののこればかりはわからない気がする。
ジョディフォスター演じるナンシーには「テロの弁護をするとテロの支持者と思われる。」と言う台詞がある。ナンシーが裁判の法廷に向かう際に「911を忘れたのか」というプラカードを持った人に囲まれているのを見るとなんとも言えない気分になる。
911のあとすぐは米国をあげて報復ムードは強かった。大量破壊兵器があるという前提でイラク戦争に駆り出されたアメリカには、大義名分が本当に正しかったの?という疑念があるだろう。それだけにビンラディンと付き合いがあったイスラム教徒というだけでテロに絡らんでいる疑念の映画も今やつくれてしまうんだろう。でも、BBC中心に強引につくった感じもして自国の米国人にとっては複雑な映画ではないだろうか?
確かに拷問シーンは想像を超える。作品情報には例によってリベラル系の人のアメリカ政府を非難するコメントが目立つ。でも、国家機密書類に関する消し込みは当然のことでコメント者のレベルがちょっと低いなあという気がする。