映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「ブルークラッシュ」 ケイト・ボスワース

2014-12-24 06:13:06 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
映画「ブルークラッシュ」はハワイを舞台にした2002年のサーファー映画だ。
女性の天才サーファーが子供のころからあこがれていたサーフィン大会に出場しようとする姿を、恋物語とあわせて描いていく。


取引先にサーファーがいて、彼と飲みながらサーファー映画談議になった時にこの「ブルークラッシュ」の話が出た。自分は「ビッグウェンズデイ」は不滅の傑作だと思っている。脚本家として名高いジョン・ミリアスはサーファーで、彼によるストーリーも味があるが、大波にのりまくるサーファーの映像が実に素晴らしい。それが好きなら一度見てみたらという話でこのDVDを手に取った。ジャケットは何度も見たことがある。健康そのものの明るそうなサーファー女性がニッコリ笑っているものだ。でも見る気になれなかった。

しかし、見てみてビックリとはこのこと。絶好の巻き波をとらえて水中から映す映像は本当に素晴らしい!


ハワイのオアフ島ノースショアが舞台だ。
プロ・サーファー志望のアン・マリー(ケイト・ボスワース)は、親友のエデン(ミシェル・ロドリゲス)とレナ(サノー・レイク)、妹のペニー(ミカ・ブーレム)の4人で、サーフィン漬けの毎日を送っている。小さな頃から天才サーファーと呼ばれたアンは、サーフィン大会、「パイプ・ライン・マスターズ」で優勝するという夢があった。ノースショアは、パイプラインと呼ばれる大きな巻き波で有名だ。
しかし大波に巻かれて海底のサンゴに打ち付けられおぼれかけたサーフィン中の事故がきっかけで、アンは恐怖心が残っていた。。


それでも大会出場を決意するアンだが、バイト先のホテルで出会ったプロ・フットボールのスター選手マット(マシュー・デイヴィス)と恋におちる。アンは彼に夢中になっていき、サーフィンを忘れかける。そんな彼女に対し、親友二人はもう一度夢を思い出させようとする。自分の本分に目覚めたアンは、大会に出場することにしたが。。。

正直ストーリーはどうってことない。
ケイト・ボスワース、ミシェル・ロドリゲスという2人の若手女優を起用している。2人は現在ではメジャーになってしまったが、当時無名だった。その2人を中心に海の上で繰り広げられる映像が凄すぎる。


パイプラインにのまれないようにサーファーがダイナミックに波にのるシーンはスピード感にあふれ、見ている方が思わず手に汗握るという感じになる。しかもこの10M程度はあろうという大波は日本では台風の時くらいにしか来ないだろう。それだけではない。波にのまれて海の中でもがくシーン、海中でサンゴに足をからまれてしまうシーンなど海の中の映像もよく撮れたなあと感心してしまう。

これ以上語るよりも映像をみたほうがいい↓


 
まさにこの撮影はプロの仕事、恐れ入りました。
見ているだけで元気が出てくるなあ!
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きみに読む物語

2011-07-18 19:29:36 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
DVDショップでいつも気になっていながら、きっかけのなかった「きみに読む物語」を見た。ジーナローランズ、ジェームスガーナーのかつての主演級の二人に昔話を語らせる。レイチェル・マクアダムスとライアン・ゴズリングの若手カップルの恋物語もさわやかで感動する訳ではなかったが後味は良かった。

認知症で療養生活を送る老婦人ことジーナ・ローランズの元に、一人の老人ことジェームズ・ガーナーが通ってくる。物語を読み聞かせる。それは1940年の夏、南部の小さな町で始まる物語であった。17歳の富豪令嬢アリーことレイチェル・マクアダムスを一目見て地元の製材所で働く青年ノアことライアン・ゴズリングは一目ぼれする。遊園地の観覧車で男友達と同乗している彼女のもとに飛び乗り「デートしてくれなければ飛び降りる」と脅かしデートを約束する。その後2人は強い恋の吸引力にはまっていく。

しかし、両家の家柄の差はあまりに隔てがあり、大学進学をする彼女は親の指示でニューヨークに行くことになる。別れるのがいやな彼は365日毎日彼女に手紙を書くが、一通の返信もないまま第2次世界大戦が始まり、出征することになるが。。。。

2人が知り合い、恋の吸引力にデートを重ねるシーンがさわやかだ。ひと夏の恋をテンポよく映した映像がいい。舞台になった南部の町が美しい。イントロのシーンからうならせる。いろいろ調べてみると、サウスカロライナ州のシーブルックアイランドというところのようだ。彼女がもともと同じ州のチャールストン市に住む御令嬢という設定でヴァケイションで来るということらしい。
映画っていいもんだ。死ぬまでおそらくはいくことはないと思われる素敵な町に連れて行ってくれる。白い水鳥(渡り鳥)に囲まれた池(川?)のまわりをボートでデートする場面の映像美はなかなかいい。あとは個人的趣味で、黒人ジャズバンドが演奏するクラブのシーンがいい。そこで彼女の親子が踊りまくるシーンが良かった。デュークエリントンバンドを意識しているのであろうか?ものすごく楽しそう!!ビッグバンドジャズの鳴り響く中ドレスアップしてあんなところで踊りまくってみたいものだ。


正直涙腺は刺激されなかった。でも若い二人にさわやかさは感じた。
やさしさに包まれた話だと思う。


この年になってまだまだ頑張るジーナローランズの迫力ある姿には貫禄を感じた。今回の監督はせがれ、「グロリア」のどすこいおねえにダブる姿と若い彼女のルックスには若干ギャップがあるがこれはこれでいいのかな
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アザーズ ニコールキッドマン

2011-02-06 17:24:02 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
映画「アザーズ」は英国チューダー調の古いお屋敷を舞台にしたスリラー映画だ。トムクルーズが題材を買い制作にあたる。当時妻だったニコールキッドマンが主演した。屋敷の中の部屋から、奇妙な物音が聞こえ家族が混乱していく姿を描く。殺人が次々におきるというような血にまみれた映画ではなく、サイコスリラーというべき恐怖心理の妙に入り込む作品だ。



第2次世界大戦末期の英国、主人公ことニコール・キッドマンと、アレルギー体質のため太陽光線を浴びることのできない娘アンと息子ニコラスは、チューダー様式の広大な屋敷の中で親子3人で暮らしていた。夫は出征した後帰ってきていない。そんなある日、老婦人と言葉を喋ることのできない女性、庭師の老人の3人が、屋敷の使用人として招き入れられる。
ある時、子供の泣き声がするのに二コールが気づく。息子が泣いていると思って駆けつけると何もない。娘かと思うとそうでもない。どうしたのか?と不安に思うニコールキッドマン。その後も屋敷の中で、他人の足音や話し声が響き渡り、ショパンのピアノソナタが聞えるという現象が頻繁に起きはじめる。誰かが勝手に侵入しているのではとニコールキッドマンはおびえるのであるが。。。。



ヒッチコックの「レベッカ」も同じように急勾配の切妻屋根のチューダー様式の洋館が舞台となった。あの作品は白黒であった。しかも、怖い使用人がいて不気味だった。今回はカラー作品、あえて子供を太陽アレルギーの設定にすることで、部屋の中を暗いままにする。その方がスリラーのムードが出るからであろう。子供を操りながら恐怖感におびえさせようとするが、さほど怖くはない気もする。脇役たちにあまり恐怖感をいだかなかったせいであろう。

ニコールキッドマンは2001年のこの作品くらいから主演が目立つようになった。まもなくトムクルーズと離婚し、それと同時に美しさにどんどん磨きがかかっていった気がする。90年代初期のころは若い魅力はあるけれど、ちょっとアカぬけないように自分には見える。そんな美しくなっていく彼女を見るだけでもいい気がする。
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マルホランド・ドライブ  デイヴィッド・リンチ

2010-11-29 20:29:37 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
解釈が何通りにもできる映画ってある。
日本でいえば黒澤明の「羅生門」(原作は芥川の藪の中)のように何通りにも解釈できる。
鬼才デイヴィッドリンチ監督「マルホランドドライブ」はまさにその最頂点に立つ映画である。彼の「ロストハイウェイ」も同じようなタッチであるが、この映画の方が凄味がある。魔都ハリウッドを舞台に一人の女優志望の女性が事件に巻き込まれる。そこには「イヴの総て」「サンセット大通り」などハリウッドの裏舞台に注目した映画と同じ匂いがする。奇怪なムードを全面に出すと同時にエロチックな匂いで味付けさせて最高の映画としている。独特の世界を持つデイヴィッドリンチ監督の最高傑作だ。



真夜中のマルホランド・ドライブ。車の助手席に座る女ことローラ・エレナ・ハリングは、突如運転手に殺されそうになる。ところがその時若者の車が暴走してきて、車は激しく激突される。車が燃え上がると同時に女は車から一人で去っていく。
叔母を訪ねてハリウッドにやってきた女優志望の主人公ことナオミ・ワッツは、部屋にいたリタと名乗る女を叔母の友人と思い込んでしまう。それは車から立ち去った女ローラ・エレナ・ハリングであった。彼女はハリウッドの坂を下りて、高級アパートの一室に忍び込んできだ。ところが叔母からの電話ではそんな女性はいないと、問いただすと彼女は記憶をなくして部屋に紛れ込んだのであった。同情したナオミは彼女の記憶探しに乗り出す。一方で女優への登竜門のオーディションが大成功するが。。。

あえてネタばれにして、この映画の秘密に迫る展開にしても面白いとおもった。でも実際映画を見直してみても難解で何が真実であるのかよくわからない。夢の中にいるような世界である。かといってオカルトやファンタジー系でもない。これがリンチワールドといわれるところだろう。もっとも監督も見るものを幻惑させるような展開にあえてしているのではないか。

二人の対照的な美人を登場させたことがこの映画の魅力の一つである。

ナオミ・ワッツはこの映画をきっかけに、スターへの道のりを一直線に進んだ。現在42歳、この映画は30代前半のころだったはずだ。見かけよりもかなり若く見える。スレンダーな体にかわいい顔が特徴だ。ブロンドヘアが50年代くらいのハリウッドスターを連想させる。ヒッチコック監督「知りすぎた男」のドリスデイが似ている?割と映画では脱ぐシーンが目立つ。「21グラム」でもショーンペンと交わった。ここではもっと驚かせるシーンがある。


ローラ・エレナ・ハリングはナオミ・ワッツと対照的な豊満なバディを持つ美しい女性である。ハリウッドスターという設定が似あう。元ミスアメリカでメキシコ系で、たとえれば叶姉妹の妹風ゴージャスな雰囲気だ。彼女も映像で驚かせる。ナオミとローラの関係は複雑に絡み合って、正直今もよくわからないが、観ている分にはかなり楽しまさせていただいた。デイヴィッドリンチ監督は豊満なバディを持つ女性がお好きなようだ。他の映画でも同様に頻繁に豊満な裸体の映像を見せる。

芥川龍之介の「藪の中」は何度読んでも真相はわからない。この映画の真実も同様に藪の中であろう。
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ダンサーインザダーク 

2010-10-11 06:10:06 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
カンヌ映画祭パルドールの名作ということであったが、暗そうなので観なかった。
このまま観ないつもりであったが、カトリーヌドヌーブ好きがこのまま観ないのは不自然と映画を観た。
予想通り暗かった。最後に向けては、行き場がないというよりも本人の気持ちが理解困難であった。

アメリカの片田舎。チェコからやってきた移民ことビョークは、女手一つで息子を育てながら工場で働いている。ミュージカル好きで、友人ことカトリーヌ・ドヌーブと劇の練習をしたり映画を観たりしていた。ビョークは遺伝性の病気のため視力を失いつつあり、息子も手術を受けないと同じ運命をたどるのだ。息子に秘密にしつつ、節約をして手術費用をこつこつ貯めていた。しかし彼女の視力は弱くなり、ついにはそのせいでミスが重なり、工場をクビに。しかも貯めていた金を、親切にしてくれた警察官に無心される。彼は浪費癖の妻のせいで金欠状態だったのだが。。。。

手持ちカメラ中心の映像は、一時代前のアマチュアの映画のようだ。手持ちカメラでは「仁義なき戦い」のような成功例はある。あの映画の躍動感は一歩ぬけている。舐めるように主人公を追いかけ、途中からミュージカルの要素を出す。なぜかそこだけは普通の映画らしくなる。主人公が観る映画館のシーンに出てくる昔の映画もミュージカルで、きっと監督が大好きなのであろう。哀しい映画を少し和らげようとしたのであろうか?

この映画を評価しようとすると、どうしてもネタばれになる。
後半戦に向けての展開は書かないが、ちょっとやるせない。
個人的には合わない映画であった。
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あなたには言える秘密のこと  サラ・ポーリー

2010-09-04 05:55:10 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
「あなたには言える秘密のこと」はいかにもミニシアターぽい作品である。しかもスペイン映画だ。ジャケットを見るとティム・ロビンスの顔がある。彼の映画は非常に相性がいいので観た。主演のサラ・ポーリーの孤独なキャラが印象に残る。海上油田掘削所という特殊なロケ地で、さまざまなキャラの男を登場させ映画に変化球をつけ、手持ちカメラ中心の撮影でリアル感を出す。全体的に流れるムードがやさしい映画だ。

工場で働くハンナことサラポーリーは、働き者ではあるが孤独な毎日を送っていた。彼女の過去は誰も知らない。全く休まないハンナを見た上司は、彼女に無理にでも休暇を取るように勧め、ハンナはある港町にやって来る。そんな時に入った中華料理屋で、至急看護婦が欲しいと携帯で話す男を見かけ、ハンナは自分は看護婦だと告げる。ある海上油田掘削所で火事が起こり、重傷を負った男性を看護する人が必要だという。ハンナはすぐにヘリコプターで採掘所に向かう。
患者のティム・ロビンスは重度の火傷を負っており、ハンナは黙々とロビンスを看護する。ロビンスは時には強引に何とかハンナ自身のことを聞き出そうとする。何も語らなかった彼女も徐々に心を開いていくが。。。。



サラポーリーが魅力的だ。美しいブロンドの髪をした美しい女性だが、心を閉じていて人と交わらない。この孤独な雰囲気が実にいい。ジーパンにラフな格好の彼女からでてくるムードに異様にひかれる。我々のまわりにいそうな普通の子だ。改めてプロフィルを見てあっと驚いた。「アウェイフロムハー」の監督ではないか。このブログでも監督としての彼女の才能を絶賛した。なんだ彼女だったのか!



ティムロビンスといえば「ショーシャンクの空」だろう。でもコーエン兄弟の「未来は今」やロバートアルトマンの「ザ・プレイヤー」も好きだ。非常に相性がいい。彼も監督をやる。
そんな才能のある二人が組んで悪い映画ができるはずがない。妙に心にしみわたる映画だ。

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永遠のアフリカ  キム・ベイシンガー

2010-07-28 13:48:19 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
キムベイシンガー「炎のランナー」のヒューハドソン監督と組みアフリカロケで描く実話ものである。ケニアをロケにして、空中からの撮影を連発しながら広大なアフリカ大陸の中で野生動物と共存する姿を描く。いくつかのヤマ場はあるが、たんたんと流れていく。編集も中途半端で、突っ込みは弱い気がする。

イタリア女性のキムベイシンガーは幼い息子のいるシングルマザーである。ある時友人と車に同乗しているときに交通事故にあってしまう。事故車の運転手であった男性が大けがをした彼女に同情、二人は恋に落ち結局再婚することになる。彼は昔からアフリカに移住したい希望があった。連れ子になる息子の了解もえられて、ケニアに移住することになった。
現地の黒人たちと同化して暮らすようになるが、本来密猟を取り締まる立場なのに夫は一度友人と猟に出ていくとなかなか帰らない。息子は蛇と戯れるのが大好きになっていく。夜には野生のライオンや象が住居をおそったりして、アフリカの生活は大変であるが。。。。。



自伝が基になっているという。夫がどうにもならないぐうたら男という訳ではない。取り巻きも極端におかしくはない。普通である。話の起伏は少ない。
舞台がアフリカであるためか、流れているムードはゆったりしている。

最近は南アフリカを題材とする映画が量産されているので、アフリカの映画も珍しくはなくなった。その昔はハンフリーボガードとキャサリン・ヘップバーンの主演による「アフリカの女王」が代表的であった。オスカー作品でアフリカが舞台のシドニーポラック監督、レッドフォード主演の「愛と哀しみの果て」はちょっと長すぎる。途中でかなりだらける。しかし、ボガードの時代より撮影技術が進んだせいか、平面からだけでなく、空から鳥瞰的にアフリカ大陸の自然と動物たちを映像でとらえている。アフリカをとらえる映像の基本は「愛と哀しみの果て」とこの作品に大きな差はない。似ている要素が多い。

キムのほかでは2人有名な俳優がいる。一人はダニエル・クレイグである。現在のジェームズボンドである彼がまだメジャーになっていないころで、夫の狩猟仲間を演じる。特に大きな活躍ではない。あとはエヴァ・マリー・セイントだ。「波止場」でのマーロンブラントの相手役であり、ヒッチコック監督「北北西に進路をとれ」で謎の女を演じている。キムの母親役でおばあちゃん役を演じた。これはなかなか良かった。

(参考作品)
永遠のアフリカ
キムベイシンガーがアフリカに移住


愛と哀しみの果て
アフリカ生活といえばシドニーポラックの作品

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トランスアメリカ

2010-05-09 22:28:18 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
もし消息不明の父親が現われて、その父親がオカマになっていたなら?。。。。
オカマの父親と男娼の17歳の息子がひょんなことで一緒に旅に出るというロードムービーである。テーマにドキッとするが、内容はほのぼのとしたいい映画である。

主人公フェシリティ・ハフマンは性転換手術を受けようとしているオカマの男性である。これから車でロスに向かおうとしていたところ、警察から電話が来る。「あなたの息子が拘留されているので引き取りに来るように」と。今はオカマで女性にはまったく関心がないが、大学生のころただ一人だけ関係を持った女性がいた。どうもそのときの子供らしい。しかし、自分の正体はばらさずに教会から来ていると言う。とりあえず保釈の申請をしたあと、彼と一緒に手術を受けるロスに向かうが。。。。



オカマの主人公が本当は男なのか女なのか最後までわからなかった。フェシリティ・ハフマンは女性でなかなかの好演だ。彼女の実の夫は個性豊かな怪優ウィリアム・メイシーだ。
主人公の息子ケヴィン・ゼガーズは美少年である。こういう青年が突然現われれば、嬉しくなるであろう。でも今の自分の姿を見せて、堂々と自分が父親とは言えない。そういうジレンマに悩まされながら、映画は進んでいく。まさに珍道中で、次から次へと妙な出来事に出くわす。おもしろい映画と思うと同時に心温まる。
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エデンより彼方に ジュリアン・ムーア

2010-02-03 21:56:04 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
紅葉がこんなに美しい外国映画って観たことがない。しかもジュリアン・ムーアが美しい。アメリカ東部のハートフォードに暮らすごく普通の主婦が家庭崩壊に出くわす話だ。美しい風景と美術がすばらしくゴールデンエイジのアメリカを素敵に描いている。

1957年アメリカ東部の都市に暮らすジュリアン・ムーアは夫が電器会社の重役で恵まれた生活をおくっていた。地元の新聞にも幸せな主婦として紹介されていた。そんなある日夫が仕事で帰りが遅くなるという知らせが来る。気を利かせて夕食を会社に届けに行った。ところが、夫の部屋に入ると夫が見知らぬ男性と抱き合っているところに遭遇する。。。

ここから映画は2方向に渡ってストーリーが展開される。お抱え黒人庭師であるデニス・へイスバートの存在もからみ、じっくりとジュリアン・ムーアとその家族を中心に描いていく。

色彩感覚がすばらしい。秋から冬にかけてのアメリカ東部の街を舞台にして美しい紅葉を前面に出していく。実にきれいだ。その色を基調に衣装も赤系のウォームカラーだ。登場人物に乗車させる50年代の自動車も色合いがきれいだ。ジュリアン・ムーアは薄い水色、パトリシア・クラークソンにはオレンジピンクの素敵な色の車に乗せる。ともに美しい。


しかし、黒人人種差別と男性同性愛の題材が中心になってきて、話が徐々にいやらしくなっていく。ホームドラマにとどまらない悲しいサガを描く。主要な登場人物がみな良い。「マンデラの名もなき看守」でマンデラ役を演じた黒人俳優デニス・へイスバートがここでもすばらしい。ジュリアン・ムーアと二人で黒人バーに入るシーンが素敵に見えた。

ディテイルにこだわった映画だ。衣装、美術そして音楽も実に50年代を見事に模写している。映画音楽を大ベテランエルマー・バーンスタインに託しているのも良い。彼は50年代すでに当代きっての映画音楽の大家だった。グレゴリー・ペックの「アラバマ物語」がダブルところがあると思ったが、その音楽もエルマー・バーンスタインだった。エルマーはこの映画の2年後亡くなる。製作者はそこまでこだわってこの映画をつくった。そういう小技が利いたところに脱帽する。
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ドミノ キーラ・ナイトレイ

2010-01-22 21:24:53 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)


トニースコット監督によるキーラナイトレイの異色作である。可憐な彼女にしては非常にめずらしい賞金稼ぎを演じる。ストーリー展開が複雑でよくわかりづらい。ちょっとなじみづらい映画だが、暴れん坊のキーラナイトレイの振る舞いを見ているのは楽しい。

最初に顔がキズだらけのキーラナイトレイとFBIの心理捜査官ルーシー・リューが取調室で話すシーンが出てくる。そこでキーラはこれまでの人生を回想する。キーラは有名男優ハーヴェイの娘として生まれた。父親は早死にしたために母親ジャックリーンビセットに育てられた。母親は再婚、寄宿学校でも、若くしてなったファッションモデルのコミュニティでも周りとそりが合わず常に突っ張っている。気に入らない相手を次から次に殴り飛ばす。そんな時賞金稼ぎのセミナーをやっているのを見つけて参加する。そこでノウハウを勉強して、講師のミッキーロークらと一緒に実際に賞金稼ぎに乗り出すが。。。。

キーラナイトレイはこの作品にでたとき、まだ20歳だった。そう考えるとすごいとしか言いようがない。アクションも激しくどきどきものだ。しかもヌードを披露する。ボリューム感はないが、体当たりで賞金稼ぎ仲間の一人とのラブシーンを撮る。ライバルとも評されるスカーレット・ヨハンソンはヌードにもなっていないし、こんな激しいアクションは見せたことはない。そう考えると、キーラにとってもう少し注目されてもいい作品だ。

その他にもクリストファー・ウォーケンや「アメリカンビューティ」のミーナ・スヴァーリなど豪華キャストでみな演技も悪くはないけど、ちょっと見づらい映画だった。BGMのようにずっとバックに流してキーラを追いかけているのが良いのかも?
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セルラー キム・ベイシンガー

2010-01-16 06:00:19 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
大好きなキム・ベイシンガーの作品なのにジャケットの雰囲気がホラー映画のように思えて観ていなかった。でもこれはなかなかのアクション映画の傑作だ。トランスポーターのジェイソン・ステイサムを極悪警察官にしたて、脇役の鑑のような怪優ウィリアム・H・メイシーを老警察官役にして思いっきり活躍させる。スピード感とテンポのよさに驚く。

ロスの高級住宅街に住む富豪の妻キム・ベイシンガーは高校の生物の教師。彼女の家に突然暴漢が乱入し、メイドを殺してキムを誘拐する。暴漢たちのリーダーはジェイソン・ステイタムだ。屋根裏の部屋にキムを監禁した後、ジェイソンは部屋にある電話をぶち壊して彼女が外部と連絡が取れないようにする。一人になったキムは壊れた電話のコイルをつなぎ合わせて、発信させる。電話がつながったのはのんきな若者の男性だ。キムは助けてくれと叫ぶが、男性は携帯電話の相手が冗談で話していると思う。ところが電話の先のざわめきにこれは本当の誘拐だと感じ、警察に飛び込む。そこにはウィリアムメイシー巡査がいる。忙しそうにしている彼はとりあわないが。。。。

映画のテンポが良い。文明の利器携帯電話を使って、登場人物をロスの街を縦横無尽に走らせる。キムはやっとの思いで壊れた電話を修復するが、会話が切れてしまうともうつながらない。しかも、相手先の携帯電話は電池切れになったら使えない。交信が途切れるかどうかとハラハラさせる。ジェイソンの親分リュックベッソン映画ばりのハラハラである。
監督はスタントマン出身だという。であるからファイティングシーンもカーチェイスもなかなかの迫力である。それも見ものだ。

キムベイシンガーは恐怖を連想させる映画がお得意である。でもここではあまり目立たない。良い味を出しているのは携帯がつながった相手クリス・エヴァンスとウィリアム・H・メイシーだ。メイシーはすっとぼけたような顔をしているので、個性派監督に好かれる。「マグノリア」「ブギーナイツ」のアンダーソン監督や「ファーゴ」のコーエン兄弟などだ。海藻パックで顔を塗ったりして、いつものおバカキャラかと思わせながら、はっとさせられるようなガンアクションを見せる。むしろここではアクションのプロであるジェイソン・ステイサムを食っている。ここまで活躍するとはびっくり。
そういう意外性もあるからこの映画スパイスが効いて面白いのであろう。

ここで何度も書いているが、ロス市警の警察官ってなんでこうも汚職で映画に取り上げられるのであろう?
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エイプリルの七面鳥 ケイティ・ホームズ

2009-11-26 06:17:12 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
いわゆる感謝祭が過ぎた。thanks giving dayをテーマにした映画の一つである。トムクルーズの奥さんケイティホームズがごく普通の女の子を演じる。

ケイティホームズはニューヨークで家族と離れて一人暮らしをしている。黒人の恋人が一人いる。もともと仲が良くなかった彼女の母親パトリシア・クラークソンががんにかかっている事を聞き、ニューヨークのアパートに感謝祭の日に招待する。ケイティは七面鳥のローストを恋人と一緒に調理しようとする。ところが、オーブンが壊れていた。焼けないことに気づき、同じアパート内の住人の中をオーブンを貸してもらおうとあたふたと歩き回る。一方パトリシアをはじめとした家族は一緒になってニューヨークに向かいはじめるが。。。。

1時間20分程度の小品である。そんなにいろんなことは語らない。ニューヨークのアパートに居住している一癖のある多国籍の住人たちとの関わり。仲たがいしても強く残っている親との絆。それらを短い時間で語っていく。
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ジェシカ・アルバ ダンス・レヴォリューション 

2009-07-19 19:15:38 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
またまた元気印の映画。ジェシカアルバが踊りまくる。

夜はクラブで、昼はニューヨークで街の子供たちとダンスを踊っているジェシカアルバが、プロのダンサーになろうとする。なかなかチャンスがつかめないが、あるプロデューサーの引き立てでチャンスをつかむ。ところが、美人の彼女をプロデューサーは自分のものにしようと考え、彼女を口説いた。仕事だけの付き合いと考えていた彼女は拒絶する。プロデューサーは腹を立て、彼女を今の仕事からはずそうとするが。。。。


映画の一つのパターンとして、上昇志向の女性が上役に取り入り、一気に駆け上っていくパターンがある。「イヴの総て」がその典型である。この映画では、引き立ててくれた人からの誘いを断る。このパターンもよくある。そこからの復讐戦が見モノである。でも、ジェシカアルバのようなかわいい子がいて、口説かないのもゲイを疑われてもおかしくないかも???
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チアーズ  キルスティン・ダンスト

2009-07-19 11:50:36 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)
スパイダーマンの恋人キルスティン・ダンストが、チアリーダーとして全米チアリーディング大会を目指す。躍動的なチア・アクションのシーンが多く、気分が高揚する映画である。

全米チアリーディング大会で実績のある高校の最上級にキルスティンダンストが進級して、キャプテンになる。厳しい練習を始めたとたん、メンバーの一人が練習中負傷する。補充のオーディションでは、自薦の多数の応募者の中、器械体操の名手の転校生が際立っていた。他のメンバーは態度のでかさに嫌がるが、キルスティンが強く推薦してメンバーになる。しかし、練習になって転校生はこんな動きは他の高校のコピーだといい、黒人が多い高校の練習を見学する。なんと自分たちが踊っているダンスと同じではないか。。。。

若い俳優が多く、エネルギッシュである。撮影当時はまだ20歳になっていないキルスティンダンストがかわいい。ライバルの黒人チアリーダーもかっこいい。今回この映画を見て、現代のチアリーディングが実にアクロバットな世界だと思った。バック転連発で、オリンピックの体操競技のように大暴れしまくる。非常に高度な動きである。キルスティンの高校の場面もすごかったが、黒人中心の高校生たちの動きはいかにも超絶技巧ですごかった。 美術も明るいトーンの色合いで、気分よく映画を見ることができた。
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エリン・ブロコビッチ  ジュリアロバーツ

2009-05-24 20:53:43 | 映画(洋画:2000年以降主演女性)

ジュリアロバーツがオスカー主演女優賞を受賞した作品。環境汚染訴訟で大手企業から3億ドルの多額の賠償金を原告に勝ち取らせた法律事務所の一所員の行動力あふれる姿を描く。

ジュリアロバーツ
は夫のいない3人の子供の母親。自動車追突事故で大怪我をしたにもかかわらず、まともな賠償金が受け取れなかった。そのときのうだつのあがらない弁護士の事務所に入り込む。入所後、ある地域の汚染についてのファイルに目を留める。被害を受けた人たちの話を聞いて、PG&E社の仕業と判断してウラをとりに行く。PG&E社側は代理人を立てて和解に持ち込もうとする。弁護士はそれで決着しようとするが、職員のジュリアロバーツは徹底抗戦を主張する。。。。。

実話に基づく話である。法廷モノとも違う。弁護士以外の法律事務所の人間の活躍を描いた作品って他にはないのではなかろうか?気が強くかんしゃくもちの主人公の性格をジョリアロバーツがたくみに演じる。600人以上の原告たちの事情をすべて知りつくし、ドブ板営業的な動きを見せるところはブロコビッチ本人に敬服する。

スティーヴンソダーバーグ監督の映画はあまり相性が良くない。この映画もジュリアロバーツの活躍以外はそんなに凄みは感じない。まあまあってとこかな?

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