映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

映画「海と大陸」

2013-11-29 19:25:01 | 映画(欧州映画含むアフリカ除くフランス )
映画「海と大陸」は今年公開のイタリア映画だ。

神保町にはよく行くので、知性の殿堂岩波ホールで上演されていることは知っていた。今回dvdのジャケットを見ながらホール前の大きな看板を思い出した。海に浮かぶ船にたくさんの若者が乗っている写真がきれいだ。ちょっと見てみようかと。。
見てみると難民がテーマのようだ。以前「ル・アーブルの靴みがき」でもアフリカからの難民のことが取り上げられていた。どうやら欧州諸国では深刻な問題なのかもしれない。考えさせられるシーンが続く。
初めて知るイタリアの孤島は美しい島だ。映画で映る海の映像からは潮の香りが漂う。それを楽しむだけでも見た価値がある。

地中海に浮かぶイタリアシチリアのリノーサ島。
そこに暮らす20歳のフィリッポ(フィリッポ・プチッロ)は、代々漁師をやってきたプチッロ家の一人息子。父親を2年前に海で亡くし、今は70歳になる祖父エルネスト(ミンモ・クティキオ)と共に海に出ている。

衰退の一途を辿る漁業から観光業に転じた叔父のニーノ(ジュゼッペ・フィオレッロ)は、船を廃船にし、老後を楽しむべきだとエルネストを諭すが、エルネストは聞く耳を持たない。また、母ジュリエッタ(ドナテッラ・フィノッキアーロ)は、息子を連れて島を離れ、息子とふたり新たな世界で人生をやり直したいと思っている。フィリッポは戸惑っていた。

夏になり、島は観光客で溢れ活気づく。一家は生活費を稼ぐために家を改装し観光客に貸すことにした。自分たちはガレージで生活することにする。3人の若者マウラ(マルティーナ・コデカーザ)、ステファノ、マルコが借りてくれることになり、同世代の3人組と交流できることにフィリッポは喜ぶ。

ある日、いつものように漁に出ていたエルネストとフィリッポは、難民が大量に乗船しているボートをみつける。2人の漁船を見て一部の難民が海に飛び込み助けを求めてきた。2人は溺れそうになっている数人の難民を助けた。難民はアフリカからボートに乗ってやってきたのだ。その中に居た妊娠中のサラ(ティムニット・T)とその息子をガレージに匿うのだが…。

(このあとネタばれ注意)
この難民はエチオピアからだ。アフリカ大陸の地中海際まできてイタリアに向ってくる。子連れの女性の夫はすでにイタリアで働いているという。以前中国からの難民船が随分と日本に来ていたことがあった。最近はあまり聞かない。日中間の緊張も影響していることもあるし、中国の経済状況が好転したからであろう。アフリカは発展を遂げているとは聞くが、貧富の差は激しい。日常生活に困る人たちが次から次へと難民となって欧州を目指している。この映画で難民を演じている女性は実際にアフリカから来た難民だという。

祖父と孫が漁に出ている時に難民が大勢乗った船を見つける。2人の漁船をみつけると難民が懸命に泳いでくる。船をみつけたときには当局に無線連絡をしているのに、泳いで溺れそうになった人たちを見ると、祖父は助けろという。それが海の掟だと言って。。そうして助けてしまうのだ。これは違法である。違法とわかっていながら、祖父は海に携わる男たちのルールを優先させる。そのために船を差し押さえられたりさんざんな目に会うのだ。

最初に難民を助けた後で取り締まり当局からさんざんな目に会ったあとで、主人公のフィリッポが自宅に泊まりに来た女の子とボートで沖合に行く。その時海を泳いでいる難民たちが大挙して二人のボートに助けを求めに来る。このシーンが一番印象的に残る。10人くらいの難民が泳いでボートに向かってくる。すでに痛い目にあっているフィリッポは懸命に船に乗せないようにする。船に乗ろうとする難民は必死だ。それなのにそれを振り切る。その後日が空けた後で、海岸に黒人の死体が漂流してきた。もしかしたら、あの泳いできた難民なのかもしれない?フィリッポは心を痛める。

難民の救済→当局の取り締まり、罰則をうける→主人公海上の難民救済拒否→救済しなかった難民死亡確認
若いフィリッポの心の葛藤が映像を通じて表現される。そして驚くべきラストに進む。
人道的問題が優先されるのか?法を優先させるのか?難しい問題だ。
財政状況は悪いといわれるイタリア当局からすると、これ以上来てもらっては困るのだ。

リノーサ島という名前は知らなかった。ここでは潮のにおいがプンプンするような映像を映してくれる。地形は美しい。
そして映像コンテとして一番美しいのは、観光ビジネスをしている叔父さんが島に来ている若者を連れて島巡りのクルーズに出ているシーンだ。
その写真に魅かれてこの映画を見たものだが、うならせられるほど美しいシーンであった。



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映画「かぐや姫の物語」

2013-11-27 10:16:42 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「かぐや姫の物語」を劇場で見た。

ネット上の玄人筋の評判は悪くない。日経新聞も★5つ、「うーん何か違うのかなあ?」と思い劇場に出かけた。日本人として生まれた子どもなら誰でも、かぐや姫の物語の概要は知っているはずだ。自分もアニメなのか?絵本なのか?はたまた幼稚園でやったのか?どこで習ったかは記憶に定かにないが、概要はわかる。ただ、本物の「竹取物語」は現代語訳も含めて読んだことはない。こうやって映画を見てみると、幼少時に聞いた話が思ったよりもしっくり来る。
アニメ画像はスケッチのようなタッチだ。ラインと輪郭がきっちりされているわけでない。特に生まれた田園地帯の画像によく出ている。予告で見たときにちょっと違うアニメだなあと思った。

むかしむかしのこと。竹取の翁は、竹林の中で光るタケノコを見つける。その中には小さな人形のような女の子がいた。竹取の翁はおばあさんと2人で暮らしていた。2人には子供がいなかったので、持ち帰るとおばあさんはものすごく喜んだ。手に取ると生まれたばかりの赤ちゃんになっていた。ふと気がつくと、ハイハイするようになり、あっという間に立って歩くようになる。一瞬にして成長してしまうのである。

「タケノコ」の愛称で捨丸という少年をリーダーにした近所の子供たちにかわいがられて、一緒に遊ぶようになっていた。最初はあっという間に成長するので、奇異に見られていたが、田園地帯のエリアで虫や動物たちと楽しく遊んでいた。一方翁は竹林で同じように光る竹を見つける。そこには大量の金が含まれていた。これは天からの授かりものと確信して、都で屋敷を購入して、3人で移り住むことにした。少女はいやがったが、いやいや付いていった。

都では立派なお屋敷に住むことになった。そこでは宮中の元女官を教育係にして、上流の習い事を学んだ。瞬く間に琴を習得し、教育係を驚かせる。美しい姫君となっていく彼女は「かぐや姫」と名づけられる。琴の美しい調べは屋敷の外の人たちをも魅了して、絶世の美女ということで都の評判となる。そのうわさは公家の高官にも広がっていった。我先に自分のものにしようとする中納言や右大臣たち5人が駆けつけてきた。かぐや姫はその高官たちの申し出に対して、条件をつけてきたのであったが。。。

自分として印象に残る映像を2つあげる。まずはかぐや姫の子供の頃の画像だ。赤ちゃんとして生を得て、おばあさんから乳をもらう。そして畳の上で縁側に向ってすっ飛んでハイハイして転落する。その部分がかわいい。気がつくと立っているのだ。この映画では赤ちゃんや幼児の画像がむちゃくちゃかわいい。現在と違って着物も着ないで裸同然で、「金太郎」のようである。小さい子がお守りにおんぶする映像も目立つ。子供が多かった昭和20年代から30年代の日本、特に田舎ではよく見る光景だった。今はほとんど見なくなった。

次は都に出た後、かぐや姫の成人を祝って三日三晩通して、かぐや姫の屋敷で宴が営まれる。盛大な宴だ。ところが、かぐや姫は姿を見せない。酔った男たちがかぐや姫を見たいと駄々をこねる。危険を感じた翁は制止しようとするが、うまくいかない。その後である。突如としてかぐや姫がかやの中から飛び出して、猛スピードで町の中を駆け抜けていく。凄い血相だ。そして住んでいた田園地帯に戻ろうとするのだ。この画像には少々驚かされる。画像のタッチが変わる。若干怖い世界に入り込むようだ。

その他も天からのお迎えのシーンなど気になる画像はいくつもあった。声優のできはよかったのではないかな?特に朝倉あきのかぐや姫の声がいい。古臭くなく、妙に現代ぽくなく好感が持てた。宮本信子もベテランらしく絶妙なテンポで演じていた。故地井武男はテレビの「ちい散歩」が好きだったので懐かしくなった。10年以上前だけど銀座「やす幸」のカウンターで地井さんが奥田瑛二と永島瑛子の3人で飲んでいるのに出くわしたのを急に思い出した。

あえて言えば一つだけ気になったのが、最終場面で捨丸のそばに突然現れて、一緒にどこかに行ってしまおうというシーンだ。その寸前に捨丸は自分の妻と妻に抱っこされているまだ幼児と思しき子供といる。それなのに2人で。。。というのが妙に不自然に感じさせられた。妻と子供と仲良くしているのに一瞬にして我を失って、かぐや姫と一緒になろうとする場面がどうもしっくりこない。浮気映画を見るのに常に嫌悪感を感じるわけではないが、この映画では、赤ちゃんや幼児の画像が妙にかわいいので、むしろこのときばかりはしっくりこなかったのかもしれない。

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映画「県庁おもてなし課」 錦戸亮&堀北真希

2013-11-25 22:10:11 | 映画(日本 2013年以降主演男性)
映画「県庁おもてなし課」は今年2013年公開の作品だ。

高知県庁には、実際に「おもてなし課」があるという。それがモデルになったのか?映画だけを見ても「阪急電車」「図書館戦争」などあたりまくっている有川浩の原作。高知の田舎が舞台だけあって、全体にホンワカムードである。

高知県は長年観光を売りにしようと、県で策を練っていたが、なかなかうまくいかない。
そこで県庁に観光促進を目的とする「おもてなし課」を発足した。それじゃどうしたらいいのと言われると、何もできない。まずは県出身者の著名人に観光特使をいらいするところからスタートした。
「おもてなし課」の若き職員・掛水史貴(錦戸亮)は、県出身の小説家・吉門喬介(高良健吾)に観光特使就任を要請した。快諾された。その後同じようにさまざまな著名人に観光特使を依頼しているうちに一月が過ぎた。ところが、吉門から何も中間報告がないではないかと叱られる。役所仕事と民間感覚のズレを厳しく指摘されてしまうのだ。

吉門は、掛水に県庁外部から女性を雇うことに加えて以前「高知県へのパンダ誘致論」を展開して県庁を追われた伝説の元職員・清遠和政(船越英一郎)に接触を試みることをアドバイスする。掛水は、民間感覚と柔軟な発想力を兼ね備えたアルバイト・明神多紀(堀北真希)を雇い、清遠の大胆な発想とアドバイスを求め、彼の経営する民宿を訪ねる。

その民宿につくやいなや、掛水は清遠の娘・佐和(関めぐみ)からいきなりバケツの水を掛けられてしまうのだった。県庁に対して嫌悪感を持っているようだった。吉門と佐和の関係が明らかになっていく中、やがて高知県全土を巻き込んだ「おもてなし課」の計画が進行するが。。。。

公務員が主役というと、「県庁の星」という映画がある。意外に面白かった。
日本全国で自分がまだ行っていない県が5つある。高知県はそのうちの一つである。観光物だから高知の雰囲気がつかめるんじゃないかな?と映画の宣伝を見て感じたが、劇場には足を運ばなかった。

わざと空気が読めないようにやっているんだろうけど、錦戸亮はすっとぼけているなあ?という印象。実際にこういう奴とは付き合いたくないタイプの役柄だ。それでも最初に民宿へ行っていきなり水をかけられるのにはビックリだ。いくら父親が以前いじめられていたとはいえ、普通はこんなことしないだろう。ムカつく女だなあと感じる。それに対して頭を下げるなんて信じられない。
なんかムカムカする映画だなあと思いながら、映像を追う。この娘の態度はなんか好かないが、対照的に堀北真希演じるアルバイトが可愛い。でもこの映画を見て高知行きたくなったとまでは感じなかった。
「高知は自然が売り」という主旨は伝わるけど、高知県民の自己満足といった感じだ。



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6年目の11月を彷徨う

2013-11-24 07:42:03 | 散歩
11月は行事が多かった。
はじめに部下の結婚式に出席した。久々に三田に行ったら終了後はしごしてのみすぎてしまった。

会社の行事も多い。
紹介をくれる方々への感謝を込めた催しを開催、ホテルに300人集めて大盛況だった。
そのあと、会議や社内監査があった後、関連業者の人たちと栃木へ一泊旅行へいく。
鬼怒川は13年ぶりだ。
帰りは東武特急の個室でくつろぐ。これも初めて、なかなか快適だ。

水戸へも行った。
茨城の販売会社には籍があるので年2回招待を受ける。ここで食べたものもおいしい。
でかい柿だ。

唐揚げが絶妙だ。


昨日11月23日は母の5回目の命日だ。
早いものだ。妻と娘と妹と高輪の寺にお参りに行った。
受験合格の祈願も込めてといったところだろうか。

そのあと目黒雅叙園にいく。ここで父と母が55年前に結婚式をあげた。当時は名門だったようだ。
住んでいた五反田の隣町だから、祖父はよく雅叙園を使っていた。
祖父母の金婚式もここでやった。盛大だった記憶がある。出席者の半分以上の方が鬼籍に入った。
和の宴会場がある昔の建物は見学できない。

久々の雅叙園は結婚式の客で大賑わいだ。自分は昔の雅叙園しか知らない。
新しい建物もなかなかすごいものだ。内装のセンスもいい。
中華を食べる。ランチ3000円と4100円があって4100円を選択した。
割と良かった。
魚の蒸しものは自分の大好物、広東料理風味付けだ。

北京ダック。小さい皮が2つ

仕上げはネギそば。他にもふかひれスープやエビチリがあり、この値段ならいける。

駅まで歩いてもいいけど、フロント前に来ている送迎バスに思わず乗ってしまう。
目の前に目黒エンペラーを見て懐かしい思いがした。

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映画「インポッシブル」 ナオミ・ワッツ

2013-11-24 06:58:07 | 映画(洋画:2013年以降主演女性)
映画「インポッシブル」は今年2013年公開のナオミワッツ主演のパニック映画だ。


2004年スマトラ沖で年末起きた地震は記憶に新しい。テレビで津波で被害を受ける光景が映し出され、その迫力に圧倒されたものであった。この映画は実際に被害に遭ったスペイン人の実話をもとにつくられた映画である。特に津波に流されてしまうナオミワッツを追いかける。大規模なセットがつくられたようで、津波の映像には迫力がある。

2004年年末、日本滞在中のマリア(ナオミ・ワッツ)とヘンリー(ユアン・マクレガー)夫妻と3人の息子はタイのリゾート地でクリスマス休暇を楽しんでいた。

しかしクリスマスの次の日、スマトラ沖でマグニチュード9.1の地震が発生。これにより発生した巨大津波は彼らの滞在するタイのプーケット海岸にまで押し寄せ、飲みこまれてしまうのだが。。。

予告もなく突然津波が押し寄せる。
津波警報という概念はないのであろうか?スマトラ沖であるから、タイのプーケットからは若干離れているはずだ。
驚異的な発展を遂げているタイだけど、この警報が出せないとなるとまだまだ後進国の域を脱せないのかもしれない。

警報がないから、普通に家族は海辺のリゾートホテルのプールで遊んでいる。
まずはナオミワッツと長男が流されるシーンが映し出される。これがすごい。

流れの強い川のような津波に2人が流される。木やいろんな障害物にぶつかっていく。普通だったら助からないだろうなあなんて思いながら、映像を追う。そして波が徐々に弱まり、助けを求めて2人が歩いていく。

他の家族3人は見つからない。

結局は助かるんだろうなあ。そう思って映画を見るわけであるから、最終オチは見える。
この映画はストーリーを楽しむというわけでないだろう。離れ離れになった被災者が自分の家族を懸命に探す中で繰り広げられる人間ドラマがポイントとなる。それにしても流されるシーンはどうやって作ったんだろうと思ってしまう。どうやらすごいセットがつくられたらしい。当然CGも使われているだろうけど、ナオミワッツは汚れ役を見事にこなしたなあという感じだ。大女優の道を着々と歩んでいる。
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映画「ラストスタンド」 アーノルドシュワルツネッガー

2013-11-17 16:09:13 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「ラストスタンド」は今年2013年日本公開のアーノルド・シュワルツネッガー主演作品だ。
知事の激務を終えて、久々に銀幕に登場した。

シュワルツェネッガーといえば、「ターミネーター」だ。得体のしれない不気味な姿で世界中に存在感を示した。
「ラストスタンド」最前線から引退したつわものが凶悪事件に巻き込まれるというパターンだ。元CIA、FBIの職員が引退しているにもかかわらず、事件にからんでしまう類の作品が数多くつくられている。似たようなパターンだ。
でもここでのアーノルド・シュワルツネッガーは老いを感じさせないファイトで十分楽しませてくれた。

元ロス市警の敏腕刑事オーウェンズ(シュワルツェネッガー)第一線を退いた彼はメキシコ国境付近の小さな町・ソマートンの保安官となり、静かな週末を過ごしていた。そんな彼にある時FBIから電話が入る。

「移送中の凶悪犯・麻薬王のコルテスが逃走、最新鋭の車を操り時速400キロでメキシコ国境に向かっている。君の街を通過するが、手をだすな」。 
しかし、軍隊並みに訓練された仲間のサポートでFBIを振り切り、凶悪犯は目前に迫る。

FBIの応援も間に合わず、十分な武器も無い中オーウェンズは眠っていた闘志を呼び起す。彼は戦闘経験の無い部下と、素人同然の仲間で≪最後の砦(ラストスタンド)≫のチームを結成。最新武装の凶悪集団に対し、第二次世界大戦時代の古い武器で闘いに挑む!!―辺境の町での前代未聞の大決戦が今始まる!(作品情報より)

今回の強敵は麻薬王である。まずは、どれだけすごい敵だということを示すところからスタートするのがアクション映画の定石だ。相手が弱くては面白くないからだ。FBIが凶悪囚の移送を図ろうとするのを、麻薬組織の巧妙な脱出作戦に厳重な護送作戦だったにもかかわらず、死刑囚を逃がしてしまうのだ。しかも、彼には麻薬組織のバックと最新の兵器を所有している。車はコルベットの1000馬力で最高時速は400KMもでるらしい。ヘリコプターと追いかけっこをしてまいてしまう。このあたりはいかにも現代のアクション映画的スピード感だ。

一方シュワルツネッガーはメキシコ国境の西部劇に出てくるような田舎町・ソマートンで、保安官として暮らしている。時計が止まっているような田舎町で町人ものんびりしたもんである。保安官たちも同様だ。以前「トラフィック」という麻薬がらみの名作があった。麻薬映画はメキシコ国境をめぐっての麻薬シンジケートとの攻防となることが多い。

でも、一体どうやって敵から守るのかと思ってしまう。

ハイテクとアナログの対決のような匂いがいい感じだ。西部劇的な要素も込められている。
相手から金をやるから国境越境を見逃せと何度も何度も言われても、シュワちゃんはいうことを聞かない。プライドだけで生きている。億単位の金額提示されたら、自分だったら素直に通してしまうような気もするけどね。



今回の監督は韓国のキムジウンだ。
あまりに凄すぎてブログ記事がアップできないでいる作品に「悪魔を見て」という韓国映画がある。「殺人の記憶」や「チェイサー」などの強烈な韓国映画にも引けを取らない凶悪な映画だ。そのメガホンをとったのがキムジウン監督だ。公開の時に気づいていれば見に行ったのであるが、シュワルツネッガーの宣伝文句ばかりに目が行って気がつかなかった。
予告編で凄味を感じてほしい。



圧巻は最後に向けてのトウモロコシ畑でのカーチェイス
これって日本では絶対無理な映像で、見応えがある。しかも、走りまくるのはコルベットだ。
一体どうやって撮ったんだろうと思わせるすごい撮影だ。
そして最後にファイトが続く。シュワちゃん若いねえ。いつも思うんだけど、何で最後に素手ファイトに戻るんだろう?
外国映画の七不思議だ。
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映画「建築学概論」

2013-11-16 20:18:36 | 映画(韓国映画)
映画「建築学概論」は今年2013年日本公開の韓国映画だ。
題名の響きに魅かれてみてみた。見てみると純愛物語でなかなかいい。

韓国ではかなりヒットしたらしい。それ自体は映画を見てみると、よくわかる。どちらかと言えば、どす黒く末梢神経を強く刺激する作品が韓国映画には多い。それに反して全体的に流れるムードが優しい。つい先日みた「陽だまりの彼女」と共通する部分がある純愛の響きだ。どちらかというと、男性が好むタイプの映画だと思う。

主人公スンミン(オム・テウン)はソウルの建築設計事務所に勤める建築士だ。ある日、事務所に一人の女性が訪問してくる。一瞬誰だか分らなかったが、大学の同窓ソヨン(ハン・ガイン)だった。彼女はチェジュ(済州)島にある自宅の設計をしてほしいと頼んできた。単なる事務所の一所員の自分にはできないと断るが、事務所の所長は受けろと言い、設計依頼を受けることになった。

スンミンは大学一年のことを回想する。
2人は同じ大学だが、学部は違う。一般教養の科目「建築学概論」は音楽学科のソヨン(スジ)も受講することができた。
「建築学概論」の講義では、教授が「自分が住むその街を知ることが重要」と教える。街を歩いて写真を撮りまくれというのだ。建築学科1年のスンミン(イ・ジェフン)は、授業で見かけた音楽科の女子学生ソヨン(スジ)と帰り道が一緒だった。ある時写真をとっている時に偶然出会い、同じ講義を受けているということで会話を交わすようになる。スンミンはソウル育ちでソヨンは済州島の出身だ。しかもスンミンは建築学科だ。ソヨンの方から積極的にレポートを一緒にやらないかと話を持ちかけられた。二人はレポートのために会うようになるが、奥手のスンミンはなかなか恋の道筋をつけることができない。。。

それから15年後に再会して依頼を受け、スンミンは現代的なデザインを提案する。ソヨンはあまりのれない。済州島に行って現地を確認し結局リフォーム工事にすることになる。ソヨンは打ち合わせをするうちに新たな温かい感情が芽生えてくる。しかし、スンミンには同僚の婚約者がいたのだが。。。

その昔、親しかった男と女が時を経て、再会するというパターンは「陽だまりの彼女」と一緒だ。しかも、忘れられない想い出が2人にはある。お互いにそういうハートフルな気持ちを持って会うようになる。「陽だまりの彼女」では2人は結ばれる。でも今回は女には亭主がいて、男には婚約者がいる設定だ。

この映画のポイントは現在の2人よりも大学一年のときに出会った2人の物語だ。
2人の俳優の選択が絶妙だ。特にソヨン役を演じたスジが抜群にいい。強めの化粧が目立つ韓国人美人女性の中では、あっさり系だ。普通の男が一番魅かれるタイプなのかもしれない。こんなかわいい女の子と知り合えたらいいなあと思いながら、韓国の若者たちは見ていただろうし、オヤジたちも自分がそうであったらよかったのになあと思ってみただろう。
スンミンも東山紀之系のしょうゆ顔だ。うぶなしぐさがいい。純愛という響きにあう俳優の起用だ。
この2人は最近見た映画ではベストカップルのような気がする。

現在と過去それぞれのカップルが中心の映画だが、2人に絡む俳優たちの使い方もうまい気がする。
特にスンミンの浪人の親友や母親の使い方は絶妙のうまさだ。浪人の親友に自分の恋を語る。この2人の会話がいかにも青春ぽい。男なら誰しもが経験した青春の1ページではなかろうか?この映画そんなに泣ける映画ではなかったが、スンミンと母親との交情の場面には自然と涙腺が緩くなってきた。それに女性はマザコンと言ってはいけない。基本的に母親は息子に優しいのだ。


ロケハンティングもうまいと感じた。ソウルの古家の選択もうまいし、15年前の2人を映しだすのに良いエリアを選択していると思う。済州島の想い出の場所もいいなあ。小学校が意外にいい感じに見えた。イ・ヨンジュ監督は建築学科出身とのこと。それ自体は映画を見ているとよくわかる。

済州島というと、日本では観光のイメージが強い。ここでリフォームする家は海の目の前で抜群のロケーションにある。海に面して全面開口のスライディングサッシを通じて、きれいに海辺の景色が見渡せる。それぞれの部屋の空間も広がりがある。でも台風の通り道にある済州島で、この家雨漏れしそうだなあ。既存の家との取りあいもうまくいきそうにないし、リビングの上バルコニーの雨仕舞は大丈夫かな?と感じさせる。オーバーフロー時に排水処理どうするのかな?これだけ空間を広げるのに構造大丈夫かな?地震来たらアウトだな。まあそんな心配までする必要ないけど。。

エンディングに向けての処理の仕方はなかなか難しいところだ。
余韻を残したのはよかったと思う。
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映画「ルームメイト」 北川景子&深田恭子

2013-11-13 18:09:49 | 映画(日本 2013年以降主演女性)
映画「ルームメイト」を劇場で見た。
これはなかなか面白い。退屈せずに最後まで見れた。
原作は未読、これは読まない方が楽しめるかも?

いきなり殺人事件の現場が映る。事件後その現場を通りすがる女性がいる。途中で二重人格の女性による凶悪な事件という印象を与える。「私という他人」のような展開かな?ところが、そうは簡単には謎解きさせないところがミソ。読みが浅かった。いくつかの伏線を映像に残しながら、ラストに向かう。おっとこう来るか!観客を騙そうとする努力を買う。ミステリとしては上質

派遣社員として働いている23歳の萩尾春海(北川景子)は、ある日交通事故に遭ってしまう。命に別状はなかったものの頭を強く打ち、片足を骨折、しばらく入院することになった。そんな春海を気遣い優しく支えてくれたのは、看護師の西村麗子(深田恭子)だった。
患者と看護師として病院で初めて会った2人だったが、なぜか互いに親近感を覚え意気投合する。春海の退院をきっかけに麗子はルームシェアを提案し、一緒に暮らしはじめる。また、面倒見のいい麗子は春海に代わって事故を起こした加害者の工藤謙介(高良健吾)と彼の友人で保険会社の長谷川伸一(尾上寛之)との交渉も引き受ける。

そんな優しい麗子に春海はすっかり心を許すのだった。2人の共同生活は順調にみえた。麗子の奇妙な言動を目にしてしまうまでは。一人きりなのに誰かと会話をしている麗子、会話の途中でいきなり口調が変わってしまう麗子。

そんな麗子の変化に対する春海の戸惑いは、次第に恐怖へと変わる。ひとつ、またひとつ、春海の周囲で不可解な事件が起きはじめるが。。。(作品情報より)

二人の美人女優の共演でなんか面白そうなミステリーのようだ。
見てみたらなかなかいけている。ヒッチコックの映画を連想するホラーといってもいい。何度も劇場でハッとさせられた。彼の映画では「北北西に進路をとれ」のマイクロフィルムなど「マクガフィン」と言うべき、小道具が使われていた。ここでも「黄色いノート」がある。それだけでなく、赤のドレスがキーになる。それによって観客を煙に巻く。自分もだまされた。

まずは深田恭子の悪女ぶりがいい。二重人格の女性を見事に演じる。怪演というべきであろう。いつもの可憐な姿だけではないのに魅かれる。こういう役を演じることで彼女が演じる役柄に幅が広がる。

北川景子もいい。こういう若手美人女優がミステリーで共演するのは珍しい。他に有名俳優が出ているわけではないから、割と低予算だったのではなかろうか?それでも映像処理の巧みさとプロットの展開のアヤでハラハラドキドキ感を十分堪能できた。
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ふぐ

2013-11-10 21:32:21 | 食べもの
取引先からの招待でフグを食べる。
てっさ

ゆずとかきの取り合わせが抜群だ。

唐揚げ、喰いかけで失礼

焼きたてのこの食感が抜群


他にも多数珍味を食べた。
記念に残しておく。
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島倉千代子死す

2013-11-08 19:56:57 | 偉人、私の履歴書
島倉千代子さんが亡くなったと報道されている。
自分よりも20以上も年上の方なのに、妙に気になってしまう。なぜだろう。


自分が子供のころ、自営だった父と一緒に実家の取引先によく集金についていった。
自宅のあった五反田から御殿山に車で向かい、八ツ山橋の横を通り品川駅前の通りに向かう。
現在の品川プリンスホテルの手前を左に曲がると、坂になっている。坂の途中に島倉千代子の家があった。
豪邸だったと記憶している。

父が「ここが、島倉千代子の家だ。すごい家だよなあ。旦那は阪神の野球選手だ。」と言っていた。
元阪神の藤本勝巳だ。品川駅のすぐそばだから遠征にもいい場所だったろう。
何度も同じところに行ったからよく覚えている。
八ツ山橋の横に森村学園があった気がする。それが山口百恵が住む高級マンションになった。
できたての時見に行った。その時、ついでに島倉千代子の家を見にいくと、そこにはもうなかった。

島倉千代子の恋人が医者だったというのは有名だ。
五反田の池上線のガード横にその眼医者があった。看板が印象的だった。
実はそのすぐそばの産婦人科で自分は生まれている。今はなんとラブホテルになっている。
失明寸前のところをその眼医者が救ったという恩義があったせいか、お金を貸してしまう。
そして島倉が借金を背負ってしまうのだ。悲劇としか言いようにない。

まさに「人生いろいろ」だ。
でも自分が一番好きな歌は「愛のさざなみ」だ。

このポップス調のアレンジがなんとも言えず、好きだ。
父も好きだった。

昭和43年暮れだ。この時自宅の中は真っ暗になりつつあった。
家長であった祖父のがんがわかったからだ。祖父と祖母はその43年9月目黒雅叙園で盛大に金婚式をやった。その直後だ。
家の中の変化は小学生の自分もよくわかった。
そして年が明け入院、4月に亡くなる。
家の中が真っ暗な時、なぜかこの歌が心に残った。

今月は母の命日で高輪の墓にいく。
全然関係ないかもしれないけど、昔島倉さんの家があったあたりで合掌しよう。
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映画「ラブクライム」 リュディヴィーヌ・サニエ

2013-11-03 09:57:33 | 映画(フランス映画 )
映画「ラブクライム 偽りの愛に溺れて」は2010年のフランス映画、日本未公開の映画だ。

現代フランスを代表する女優リュディヴィーヌ・サニエと英国のベテラン女優クリスティン・スコット・トーマスが共演する。DVDのジャケットを見ると、この2人が映っている。この映画知らないな?と気になりDVDを見てみた。ストーリーの内容は知らない。途中まで女同士の嫉妬の物語かな?と思っていて、特になんともなかった。それも女2人お互いの恨みっこが続く。それが突然急展開する。ここからはなかなか面白い。
最近公開されていたブライアンパルマ監督「パッション」の元ネタがこの映画だとは知らなかった。

ある一流の多国籍企業で若き女性幹部として働くイザベル(リュディヴィーヌ・サニエ)と彼女の上司で重役のクリスティーヌ(クリスティン・スコット・トーマス)は、互いに才能を認め合い、公私に渡って良きパートナーとしての関係を築いている。ところが、クリスティーヌが自分の代わりにイザベルをカイロに出張させ、取引先の会社の社員でクリスティーヌの恋人でもあるフィリップを同行させたことから、2人の関係は大きく変わる。

イザベルは出張先で目覚ましい成果を上げる一方、フィリップと関係してしまったのだ。これに気付いたクリスティーヌはイザベルのカイロでの功績を自分のものとして横取りしてしまう。更にイザベルがクリスティーヌに黙って進めたプロジェクトが会社に評価されると、クリスティーヌは露骨にイザベルを敵視するようになり、フィリップと別れさせた上、公の場でイザベルを激しく侮辱する。この事態にイザベルはクリスティーヌに対して殺意を抱くようになる。

ここからがミソだ。
突如イザベルが殺人をする場面が映る。これはビックリ。直前にイザベルが映画館に入る場面から急転するのだ。
しかも、殺した後、遺体に何か細工をしている。(これがその後焦点になる)
睡眠薬でフラフラになっている彼女の元を捜査官が訪れる。取り調べをしていると、彼女にはアリバイがない。
でも彼女映画館に入っていたよね。何で言わないの?と思っていた。。
しかも、彼女は自ら殺人を裁判官の前で自供してしまうのだ。これってどういうこと???。。。

それから先は言わぬが花だが、その先どうなっていくんだろう?と楽しまさせてくれる。
フランス映画らしい淡々とした語り口に好感が持てる。

リュディヴィーヌ・サニエは現代フランス若手女優の中では一番活躍していると思う。フランソワーズ・オゾン監督の「スイミングプール」でヴォリューム感あるナイスバディを見せてくれてから、気になってしょうがない女優だ。「引き裂かれた女」も見どころあった。ここでは肌の露出度は低い。気前がよかったのは20代のころばかりだけど、まだ30代なんだから少しは楽しまさせてほしい。
クリスティン・スコット・トーマスは英国人なのにフランス語うまいなあと感心した。調べると結婚相手はフランス人だったのね。それで納得。途中のベッドシーンで「凄い声」をあげていたのにはビックリ。そういえば「イングリッシュペイシェント」で共演していたジュリエットビノシュも「コズモポリス」で同じように悶えていた。いい年なのに二人とも頑張るねえ。
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映画「トランス」 ダニーボイル

2013-11-03 06:47:12 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「トランス」を劇場で見た。

ダニーボイル監督の新作だ。
「スラムドッグミリオネア」はすばらしい映画だった。そのあと「127時間」を撮り、ロンドンオリンピックの開会式の演出もやった。世間の評判は今ひとつだったが、デカプリオ主演の「ザ・ビーチ」も自分の好みだ。
今回は初期の作品同様に見ている観客を幻惑させる映画だ。


ゴヤの傑作「魔女たちの飛翔」がオークションにかけられた。競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)は万一に備えて、トラブル時に絵画を安全な場所に移す訓練を重ねていた。

競売の末、2750万ポンド(約40億円)という高値で落札が決まった。その瞬間、会場にガス弾が投げ込まれる。サイモンは、緊急時のマニュアル通り、絵画をバッグに入れて金庫へ向かった。そこにはギャングのリーダー、フランク(ヴァンサン・カッセル)が待ち構えていた。サイモンはフランクの首にスタンガンを突き付け、絵画を金庫に入れようとするが、怒ったフランクに殴り倒されてしまう。
フランクが鮮やかな手口で外へ持ち出したバッグを開けると、額縁だけが入っていた……。

病院で目覚めたサイモンは、殴られた衝撃で記憶の一部が消えてしまっていた。絵画の隠し場所も、そもそもなぜ隠したのかも思い出せない。そんな中、サイモンがフランクの一味につかまる。

フランクはサイモンの記憶を取り戻すため、催眠療法士を雇う。普段は肥満やパニック障害を治療している療法士、エリザベス・ラム(ロザリオ・ドーソン)をサイモンが訪ねる。

フランクの指示で、失くした車のキーを見つけたいと偽って治療を受けるが、その一部始終は胸につけた隠しマイクからフランクに筒抜けだった。しかし、事の次第を知ったエリザベスは、フランクにパートナーを志願。彼女の本格的な催眠療法が始まるが。。。

ネタばれなしに話をすると、こんなところまでだろう。
話が進むにつれ、意外な展開を見せていく。エリザベスも単なる療法士ではないのだ。

最初から観客をだましてやろうとする意欲に満ち溢れている映像がつづく。
何も解説がないうちに、ギャングの襲撃を受けるので、主人公がギャングとつながっていることは、想像もつかない。
そこが1回目の騙しで、あとは騙しの連発である。最後まで続く。話は単純ではない。
催眠療法で夢なのか現実なのかよくわからないようにストーリーをつないでいる。
デイヴィッドリンチで夢だか現実だかわからない映画がある。見ているものに真相を想像させようとする流れだが、ここでは観客を騙した後、そのカラクリを説明してくれる。
でも真実はなかなかわからない。そこがうまいのであろう。

映像が美しいが、きわどい映像も多い。
あわせて顧客の末梢神経を刺激する。音楽がガンガン鳴り響く。この映画は劇場で見たほうがいい映画の部類だ。

メインの3人ジェームズ・マカヴォイ、ヴァンサン・カッセル、ロザリオ・ドーソンはいずれも好演だ。その昔だったら、白人男性と黒人女性の絡みのシーンなんてありえない世界だった。
ロザリオ・ドーソンのダイナマイトボディにはビックリ。ダニーボイル監督の元彼女と言う噂があるけど、あんな女性相手にスタミナ続かないよね。別れたのもわかる。自分は無理そう。
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映画「キング・オブ・マンハッタン」 リチャードギア

2013-11-02 18:22:30 | 映画(洋画 2013年以降主演男性)
映画「キング・オブ・マンハッタン」は今年公開のアメリカ映画

ニューヨークの大富豪である主人公をリチャードギアが演じる。
投資の失敗でヤバイ状態に陥った大富豪が、浮気相手の女性と車に同乗した時に事故を起こして、彼女を死なせてしまう。
そういう二重苦にあえぐ主人公を描く。

ロバート・ミラー(リチャード・ギア)は、ニューヨーク在住の投資会社の経営者だ。
最初に華やかに妻のエレン(スーザン・サランドン)をはじめとした家族全員から60歳の誕生日を祝ってもらう姿を映し出す。しかし、ディナーが終わると愛人ジュリー(レティシア・カスタ)の家に向う。同じように祝ってもらうのだ。ジュリーは、彼が出資するギャラリーのオーナーだった。

見かけは華やかだったが、ロバートは苦境に立たされていた。監査を通すために用立てしてもらった4億1200万ドルの返済を延期してもらおうと、ジェフリー(ラリー・パイン)のオフィスを訪れる。しかし、ジェフリーは「すぐ返すといったのに話が違う。」と即刻返却するように言われる。ロバートは、ロシアの銅への投資で大きな損失を出したのだ。そのために、自分の会社をある銀行へ売却することを目論んでいた。その夜、金融会社代表のメイフィールドと交渉の席を持っていたが、そこに相手の代表は現れなかった。ロバートは焦っていた。

ロバートは、交渉のためのアポで、彼女の大切なイベントに参加する時間がずれてしまい、ジュリーとケンカしてしまう。それで仲直りに深夜にジュリーを誘って、彼女の車で別荘へ向かう。ところが、行く途中、居眠運転で事故を起こしてしまう。車が転倒し、気づくとジュリーは即死していた。そのあと車は爆発炎上。間一髪、脱出したロバートは、近くの公衆電話から黒人の若者ジミー(ネイト・パーカー)を迎えにくるように頼んだ。ジミーに口止めした後、何もなかったような顔をして自分のベッドに戻る。

事件が発覚した後、担当刑事のブライヤー(ティム・ロス)は、彼女の事業の出資者であるロバートに当日のアリバイを聞く。自宅にずっといたとロバートは答える。刑事はジュリーとの関係を問い質すが、無罪を主張するロバートに何かキナ臭さを感じる。ブライヤーは現場周辺の公衆電話の通信記録に注目する。そこで浮かび上がったのが一本のコレクトコールだ。その受信者を探り、ジミーにも接近した。

いったん出頭を要請されるが、敏腕弁護士がついていったん釈放された。黙秘する彼に、司法妨害で起訴される可能性があると迫る。一方で会社の投資責任者である娘のブルック(ブリット・マーリング)は4億ドルを超える不明金と二重帳簿に気づき、ロバートに訴えるのだが。。。

映画が始まり、題名が映し出させる。「arbitrage」(アービトラージ;裁定取引)だ。いかにも金融相場のプロが仕掛ける取引だ。全くイメージが違う。日本題は安易に付けられている。
割安を買い、割高を売る。そのポジションをそのままにして、割安で買ったポジションを売って、割高で売ったポジションを買い戻すのだ。相場の上昇下落に関わらず、そこで利益が出る。これは2つの商品の値幅が広がった時、狭まった時あるいは価格が逆転した時に仕掛ける。
日本市場でもっとも有名なのは、日経平均の現物と日経平均先物との裁定取引だろう。一日に何回もその瞬間が来て、利幅が少ないが確実に利益が出る。ただ、日経平均の現物については225採用銘柄の現物を大量に所有したり、取引しなければならず、証券会社や機関投資家レベルのプロでないと普通はできない。いずれにせよ、プロの手法だ。arbitrageが原題とすればウォール街関係者にとっては、一応見ておこうと思うのではないか?逆に「キングオブマンハッタン」の日本題では日本の金融関係者は「半沢直樹」は見ても、これは見ないだろう。

ロシアの銅相場への投資の詳細は触れられていないが、損失の穴埋めに顧客の出資金に手をだしたとなっている。おそらくはレバレッジの効いた証拠金取引で反対の動きが出て追証がでたのであろう。
いずれにせよ、お金を返す必要があるのだ。

しかも、彼女を乗せた車が横転して死んでしまう。普通であれば、警察に届けたらいい話のはずだが、こういうトラブルを起こしたことが判明したら、自社の売却話も難しくなると考えて警察に届けない。
逃げ回るのである。ここでは、主人公を徹底的に追い込むという構図になっている。最後の最後まで決着の道筋はよくわからない。昔であればこういう場合の決着は映倫の指導で必ず正義が勝つようになっていたけど、そうならないことも多いので息をつけない。

同じマンハッタンの投資家を描いた「コスモポリス」という映画を最近見たが、難しいせりふが続いて何がなんだかよくわからなかった。それに比べたらマシだが、映画自体は普通の映画という印象を受けた。

(参考作品)
キング・オブ・マンハッタン -危険な賭け-
窮地に陥るニューヨーカー


アービトラージ入門 裁定理論からマーケットが見える
裁定取引を知る
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