映画とライフデザイン

大好きな映画の感想、おいしい食べ物、本の話、素敵な街で感じたことなどつれづれなるままに歩きます。

5年目になって思うこと2 (橋下原発容認と民主党反主流派のバカ)

2012-06-06 06:06:52 | Weblog
5月20日付で橋下徹が原発を容認しつつあることを書いた。
その後最終的に事実上容認とすることを認めた。

この転向は極めてすばらしい。
自分が反対を言い続けたのにもかかわらず、現実的な判断で関西へ電気をもたらした。
これは素晴らしい判断だと思う。
今日6日の日経新聞によると次のように書いてある。
関西府県民の生活や医療、経済活動に大きな影響が及ぶため「原発リスクより停電のリスク回避を優先した」と橋下氏は説明した。

前回5月20日の自分のブログにも書いたが、計画停電というのは大変だ。
車を走らせても信号は点灯していない。おそろしくて運転できない。
真っ暗になったら、自宅で何もできない。やる気がしない。
経済活動が停滞するというレベルではない。

これに対してニュースによれば、鳩山由紀夫や小沢一郎はじめとした反主流派は100名以上の反原発署名を集めたという。
バカとしかいいようにない。
日本人って何で正論に対しても正気なフリをしてnoを言い続ける人がいるのだろう。
空いた口がふさがらない。

橋下徹の理論は基本的に自分の主義に一致していた。
最近日本のバカな論客(例えば藤原正彦など)から市場原理主義と嫌われるミルトンフリードマン的考えが強い。フリードマンの名著「資本主義と自由」「選択の自由」に近い考え方だ。ある意味小泉純一郎の思想に通じる部分もある。
それなのに原発に対する考え方はしっくりこなかった。でも転向してよかった。
小沢、鳩山軍団が次回大幅に議席を減らすのは間違いなさそうだ。
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ファミリーツリー  ジョージクルーニー

2012-06-03 12:08:24 | 映画(洋画 2010年以降主演男性)
映画「ファミリーツリー」を劇場で見た。

「サイドウェイ」での人間模様の描き方の巧みさが印象的なアレクサンダーペイン監督が久々にメガホンをとる。ハワイを舞台にした人間ドラマである。名監督の新作とそれなりに良い評判をみて見に行ったが、正直うまくまとまってはいるけれど。。。という印象だ。

ハワイオアフ島で主人公(ジョージクルーニー)は弁護士、もともとはハワイの先住王族の血を引くかなりの財産家であるが、資産に手をつけないでつつましく生活してきた。その主人公の妻がモーターボートで事故に遭い意識不明の昏睡状態となった。医者からはもう二度と意識は戻らないといわれて、安楽死を勧められる。17歳の娘(シャイリーン・ウッドリー)と10歳の次女の二人の娘がいた。
10歳の娘は屈託のない子で、17歳の姉貴は反抗期に入っていて扱いが難しい。今は全寮制の私立学校に通っていた。その長女に母親が意識が戻らないということで、生命維持装置を外すことになるとの話をした。ショックを受けた彼女は落胆する。そしてそのあとに母親が浮気をしている場面に遭遇したことがあったという告白を主人公にする。
驚いたのは主人公だ。夫婦共通の知人に真相を確認したうえで、浮気相手を探し出そうとする。しかも主人公はカウアイ島にある先祖代々受け継がれてきた広大な土地を売却するかどうかという問題も抱えていた。浮気現場を見た娘を連れだしていくうちに、浮気相手の勤め先を確認することができたのであるが。。。


ハワイが舞台なので、アコースティックギターでアロハスタイルの音を奏でさせて心地のいいバックのもと、ストーリーを進めていく。服装もアロハシャツや軽装で涼しそうだ。主人公やその友人たちが住む家はアメリカンスタイルのきれいな家で映像的には楽しめる。
そこでのストーリーの起伏は大したことはない。むしろ日常の延長的な感覚で静かに進めていく。


この映画での監督のうまさを感じたのが、登場人物のキャラクター設定だ。
まずは10歳の娘、いきなりジョージパパが日系人と思しき母娘にイジメのクレームを受ける。真相は友人の女の子が早熟であそこの毛が生えてきたのをジョージの娘がクラスのみんなにばらしちゃったという他愛のない話だ。若干向こうの方が早熟なんだろうか?ビキニに砂を入れてバストの豊満さを見せようとしたり、エロビデオを見たがったりするキャラは面白い。
村上春樹の「1Q84」の主人公2人が初めて手をつないだのが10歳だ。本来は純粋なキャラの設定で描くべき年齢だ。10歳って小説でも映画でも性的要素が入ってくる手前の存在だ。その女の子にわずかながら性的要素を加える。アレクサンダーペインはそのあたりはよく承知しているはずだ。この女の子の存在が最後まで映画にいいスパイスを与えている。
次に2人の娘とともに浮気相手探しに同行する長女の友人の少年、世間のTPOが全く分かっていなくて、ボケているジョージの妻の母親の振る舞いを笑ったりして、妻の父親になぐられたりしている奴だ。うっとうしい奴なんだけどなぜか憎めない面白い存在を中間点に挿入する。彼がいることで起きる化学反応もアレクサンダーペイン監督のうまさだろう。
そして妻の父親だ。頑固じじいを地で行ったキャラだ。頑固ぶりを前面に出したオヤジだけど、先立つ娘への愛情を上手に表現している。映画の中で唯一ジーンとくる場面だ。

この3人と浮気相手夫婦の存在により、この映画は普通の映画じゃない味わいが持てるようになっている気がする。長女役はきれいだし、ジョージクルーニーはうまいけど、脇役の巧みさがなく彼だけの存在であればこの映画はもっと凡作になったであろう。
ウディアレンとペドロ・アルモドバルの凄すぎる2本を見てしまった後だけに少し物足りない気もした。


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