今朝、日本人の西洋文化輸入の大間違い という記事を書きました。その中で哲学と宗教の関係と、2者の間の明確な違いを書かなかったので補足いたします。
哲学は宇宙で起きるあらゆる現象の法則性を考え、いろいろな宇宙観を提案します。
一方宗教では、神が宇宙をどの様にして作ったかとか、神と人間のあいだの契約や宇宙の法則を教えます。仏教でも宇宙の全ての物体は、人間も含めて「空」であると教えます。従って高等宗教はそれぞれ独自の宇宙観を提示しています。
それぞれの教義は哲学の一種と分類出来ます。キリスト教的哲学とか佛教的哲学と呼べば分かり易いですね。そのような宗教的哲学を信仰の対象にすれば、その哲学は宗教に変わります。従って、宗教書は信仰を強める方法の教えも、祈り方も、儀式の方法も含んで書いてあります。
結論を簡単に言ってしまえば、宗教の教義は哲学の一種類と分類出来ます。宗教はその哲学を信仰することです。信仰が有るか否かでその哲学の一種が宗教に変化するのです。
それでは富士山の頂上からご来光を拝むのは哲学でしょうか?宗教でしょうか?
拝むかぎりにおいて、それは宗教です。富士山に登らないで、そして自宅からも朝日を拝まない人もいます。しかしその人が太陽が地上を照らすお陰で生物が生きて行けると考えていたら、それは哲学の一種ですね。あまり緻密ではありませんが、それは一つの宇宙観になっています。
神社を参拝するのも宗教行為です。しかし神道は普遍的な宇宙観を完全な形では提案していません。哲学的な考えがあまり含まれていません。
高等宗教と原始宗教の違いは普遍的な宇宙観を提示しているか否かによって分類します。神道は原始宗教、そして仏教は高等宗教と呼ぶのはこのような理由によりますね。
哲学と宗教の違いを何時も明確にして置いた方が混乱が起きなくて良いと思いますが。貴方のご意見はいかがでしょうか?