ウクライナもロシアもキリスト教国です。キリスト教の正教という同じ宗派です。
そこで今日はキリスト教の無力さを示すウクライナの戦乱を書いてみたいと思います。キリスト教の無力さを考えてみたいと思います。
ウクライナの宗教は、東方正教会(ロシア正教)72%、東方典礼カトリック教会(ロシア正教の礼式でカトリックを受容)14.1%、プロテスタント2.4%、カトリック1.7%、イスラム教0.6%、ユダヤ教0.2%、その他9%となりました。2003年の統計です。
ですからウクライナ人の大部分、90%以上はロシア正教を信じているのです。「汝殺すなかれ」と教えるキリスト教を信じているのです。
ウクライナとロシアの教会の写真を示します。
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1番目の写真はウクライナのキエフにある聖ヴォロディームィル大聖堂です。。
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2番目の写真はモスクワにあるロシア正教会の総本山、救世主ハリストス大聖堂です。
さてロシア正教の歴史です。ロシアには東ローマ帝国からキリスト教が伝えられ、正教会が多くの信徒を獲得しました。そしてピョートル大帝の時代には正教会に対する国家管理が強化されました。
一方、プロテスタント教会は西欧との接触により15世紀以降ほとんどすべての教派がロシアへ入ってきました。そしてルター派やペンテコステ派も存在しています。
何故ロシアは同じキリスト教のウクライナへ武力侵攻をしたのでしょうか?何故殺し合いを続けているのでしょうか?
キリスト教の無力さを露呈しているのです。
そこで私の宗教的な体験を書いてみたいと思います。体験してわかったキリスト教の無力さです。
私はカトリック教徒です。ところがドイツに住んで、ドイツの教会のミサに何度も出るという体験をしてみるといろいろな事が分かりました。
多くのドイツ人は口角泡を飛ばしながら大声で議論するのが好きです。そんな印象を持っていた私が一番驚いたことは彼らが教会に来ると「青菜に塩」という様子で静かに頭を下げ、いろいろと反省している様子なのです。この光景を見て私はドイツ人に人間としての親近感を感じたのです。
それで気がついたのですがキリスト教国にも信心の篤い人もいるし、全然信仰心の無い人もいることです。
戦争になると彼等は平気で教会を破壊します。教会には銃撃戦の弾の跡が残っているのです。同じことをロシアはウクライナでしているのでしょう。
多くのウクライナ人もロシア人も習慣としてクリスマスや復活祭にだけ教会に行く場合もあります。
これが西洋の文化の基底をなすのがキリスト教の実態なのです。
ウクライナ人もロシア人も同じ人間です。彼らも日本人と同じように良いこともしますが悪いこともします。
仏教に輝きがあるようにキリスト教も輝いています。しかし戦争が起きてしまうと闇の世界になります。
もう一つ私がつくづくが感じることは欧米の教会が立派なことです。立派過ぎて圧倒され、威圧感を感じることもあります。
ケルンの大聖堂と中で祈っている人々の写真を示します。私はこの様に巨大な教会には威圧感を感じ、好きになれません。しかし中で祈っている人々の様子を見ると親近感を感じるのです。
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このケルン教会の教区の人々は戦後すぐに疲弊した日本のカトリックの東京大司教区を経済的に援助してくれたのです。敗戦で自分たちが苦しいのに東京大司教区を助けてくらたのです。
ですから私共のカトリック教会には「ケルン・ディー」といものがあり、毎年感謝の祈りを捧げます。こんな事情で現在、私はケルンの教会を感謝の気持ちでも見守っています。
ロシアのウクライナへの武力侵攻とミサイル攻撃はキリスト教の無力さを証明してます。しかしロシア人にもキリストの教えを思い出してもらいたいのです。ウクライナ人もロシア人もキリストの教えを思い出して一刻も早く平和になるように祈っています。
今日はロシアもウクライナもキリスト教の同じ宗派の正教の国であること説明しました。そして同じ宗教を信じているのに何故ロシアが武力侵攻し、さらにミサイル攻撃を続けているか書きました。それこそがキリスト教の無力さを証明です。しかし私は一刻も早く平和になるように祈っています。
それはそれとして、今日も皆様のご健康と平和をお祈りいたします。後藤和弘(藤山杜人)