今から4万年頃前から2万年前までの2万年もの長い間、旧石器時代の日本人は国中に棲息していたナウマンゾウを集団で襲って、殺して、食べていたのです。
その歴史的な事実はナウマンゾウの解体現場に残った骨とともに、解体に使った石器が多数発掘されたので明らかになったのです。
特に野尻湖は毎年春先に水が減少し湖底が現れ、ナウマンゾウの化石が多数出てくることで有名です。
発掘は専門家によってもなされましたが、1962年から一般参加者も交えて18回も発掘作業を行って来ました。発掘の成果は、「野尻湖ナウマンゾウ博物館」に分かり易く展示してあります。私も6年前に野尻湖の湖畔の宿に泊り、この博物館を訪問しました。兎に角展示が良く出来ていて人間がナウマンゾウを食べていたことが確信できました。
「野尻湖ナウマンゾウ博物館」というキーワードで検索するとこの博物館の詳細が出ています。
旧石器時代の人が作った石器は日本各地から多数出土します。しかし何を食べて、どのような生活をしていたかという問題を明快に示してくれる博物館は貴重な存在です。訪問して見て、その問題の提起の重要性に感動しました。我々は昔の人々の生活の実態を知らな過ぎると思います。
貴方は奈良時代や平安時代の農民の家や生活の実態をご存知でしょうか?
天皇や貴族の華麗な生活ぶりは学校で習いますが、農民が縄文時代と同じような縦穴住居に住んで、赤貧洗うような生活をしていた事も記憶しておくべきと思います。
歴史の真実を大切にし、自分の毎日の生活を大切にしたいと思います。私は我々の先祖が象を殺して食べていたことも忘れません。その決心をするためにわざわざ野尻湖へ一泊の旅をしました。
下に野尻湖ナウマンゾウの写真を示します。
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一番上の写真は野尻湖ナウマンゾウ博物館の外にあるものです。
ナウマンゾウの化石は全国から発掘され、数十万年前から北海道から九州、沖縄まで繁栄していたことが分かっています。
しかし二万年前に絶滅しました。アジア大陸から移り住んできた我々の祖先が食べ尽くしたようです。野尻湖周辺ではナウマンゾウを捕り、解体した現場から多量の骨と解体に使った道具が一緒に出てきたのです。
この種類の象の化石は北海道や静岡県で多く出ています。野尻湖の象は4万年前から2万年前の地層から出ますが、これは日本に棲んで居た象のうちで一番新しい象の化石です。関東地方にも当然棲んでいたと思いますが、化石が出ません。強い酸性の関東ローム層の土が動植物を溶かしてしまうので化石の出にくい土地なのです。
こんな初歩的な知識を得て、俄然、「地質学」という学問に興味が出てきました。
日本に地質学を教えたのは明治8年に、お雇外国人として来日したハインリッヒ・エドモンド・ナウマン博士です。
彼は伊能忠敬の労作の日本全図に従って全国を歩き回り、日本の地質図を始めて作った学者です。そしてフォッサマグナやナウマンゾウ化石などを発見し、日本の地質学を作り始めた人です。
左の彼の写真はWikipedeaから転載させて頂きました。
先日、見学してきたつくば市にある産業総合技術研究所の地質標本博物館はナウマンが設立に尽力した地質調査所のその後の博物館なのです。
日本全土の土や岩石がどういう成分で出来あがっているか?どのような結晶で出来ているか?それらが何億年、何万年の間にどのように動いてきたか?
そして雨風に流されてどのように変化して来たか?
このような問題を体系的に研究する科学分野を地質学と言います。地質学を勉強すると自然に化石のことが分かるのです。動物の骨が石に変化しやすい土壌に埋まれば化石になります。ですから化石の出やすいところは限られるのです。
左の写真は先日、つくば市にある地質標本館で私が撮って来た写真です。この醜悪な展示物に感動してしまったのです。
良くご覧下さい。黒っぽいん岩石の層が左上へ向かって90度折れ曲がっているのです。三陸海岸から持ってきた巨大な岩石標本です。
長い年月の間に地球の内部の動きによって表面の固い岩石も曲がってしまうのです。岩石がアメのようにグニャリと曲がったのではありません。岩石は弾力性の無い硬い結晶から出来ています。従って曲る場合には結晶と結晶の間の粒界に微細は割れ目(マイクロ・クラック)が多数出来て、次第に岩全体が曲がって行くのです。
岩が曲がる、島が海面から出て、移動する。大陸が離合集散する。壮大な自然現象を解明するためにも微細な結晶の研究が役に立つのです。学問研究の醍醐味ですね。(終わり)
象は結構走りは早いと聞きます。危険です
それでも絶滅したのは、肉が美味しかったのでしょうか?
10-20人程度が食べるにはあまりに大きすぎると思います
シベリアの凍結マンモスを食べたいものです
イノシシも美味しかったと思います。
鹿も象も不味かったと思いますが、象が獲れるのが1ケ月に一度くらいの上、当時は皆が飢えていたので結構美味しく感じたのでしょう。
ナウマン象が絶滅したのは気候変動による寒冷化のためではないでしょうか?
想像していると面白いですね。
それが絶滅せずに生きながらえているのですから「マズイ説」が優勢かもしれません