早足で春を迎えると思ったら、急ブレーキがかかって、日本海では大雪、カレンダーが逆戻りして、ここの所、寒さがぶり返してきた。それでも平均気温と言うが、今までの温かさに体が順応し、寒さが身にしみた。
何時もの仲間から、Fさんが組織の呪縛を解かれ、我々と同じ、人生の第2コーナーを迎える。お祝いを兼ねこの機会に今や真っ盛りの梅の木の下で酒盛りをしようということであった。
しかし、その日に限って前夜から皮肉にも冷たい雨が降る、生憎の天気の朝を迎えた。但し、多少の雨も飲み助には一端決めた宴には揺るぎなく、そのまま決行し、高尾駅に集結した。
家に出る頃は激しい雨も上がり、徐々に日も差すなか甲州街道筋を西下し、川原宿へ向かう。街道の様子が一変し、自然に包まれるなか、昔の街道筋を思い起こされる様な風情に包まれる。
小仏の関所を通り、その関所跡に甲州路に行き交う旅人の気分に完全に置き換わる。山道を歩き駅から1時間弱、山を見上げると中央道と圏央道の接点となる無粋なICの姿が見えてくる。その付近の梅林の公園に辿り着く。
既に幾つかの集団が車座になって、宴もたけなわで宴会が始まっている。
我々も日溜まりの一角に宴席を作り、日本酒で酒盛りが始まる。
組織から外れ、新たな世界へ、どう軟着陸していくか?晴耕雨読の世界に野菜作りと収穫の喜び、大きく変わりつつある環境にどう生きていくか、話しが弾むと共にアルコールのピッチが上がり、5人の酒豪でたちまち1800mlの日本酒はは一気に空けてしまう。
宴もたけなわであったが、宴席を惜しみつつ撤収、フラフラと心地良い酔いに浮かれながら、帰路についた。
未だ五体満足で飲めることに感謝しつつ、自然の中での晴れやか舞台に包まれ幸せな1日であった。