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道央(北海道中央部)の糠平湖に流入するタウシュベツ川にかけられた幻想的な橋が静かな人気を呼んでいる。
この橋はタウシュベツ橋梁と言う、コンクリート製のアーチ橋で、僅か数年ではあるが、かってはこの橋を士幌線が走って居たのである。
糠平湖の下流側には水力発電所のダムがあり、降雨によって糠平湖に流れ込む水量や水力発電の量によりこの糠平湖の水面が大きく変わり、毎年秋ごろからこの橋が完全に水没してしまうようである。
このような環境から士幌線も対岸に移されたが、その線も既に廃線となってしまった。
今年は少雨であったこと、更に例年にない暑さであったことより、水面が非常に低く、橋梁の姿は湖面より高く、しっかりとその姿を眺める事が出来る。
この水中に没してしまう、世にも稀な橋は過酷な環境の変化で、やせ細り、風化しているが、その湖面に浮かぶその姿が実に幻想的な世界を生み出している。
今年は前述の理由により、お盆の時期に水没せずにその姿が見えることから、例年になく観光客が多く、近くの温泉が満室だったようである。
さて、その姿を見に行こうと思ったが、国道から熊出没注意の看板が掲示されている荒れ地の林道の脇道を入り、ガタガタ揺すられながらやっと湖面近くの空間に出られる。其処から更に木が倒れ浸水しかかった悪路を歩き、ようやっと湖岸に出られる。
そんな所にあるだけにようやく辿り着き、目の前の湖面に浮かぶアーチ橋の姿には感動さえ覚えた。
その詳細はアーチ橋を訪ねる に掲載した。