春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

網笠の向こう見えるのものは

2006-01-15 00:19:00 | 野次馬見物

車の安全祈願は順番待ちも無く、スムースに御祓いが出来た。
参拝客は景気に左右されるようであり、景気の悪い時こそ、神・仏頼みで、混みあうのが通例のようで、祈願での待機待ちが短かかった今年は多少景気が良いのかも知れない。
そんな安全祈願のお正月元旦、朝の七時台であったか、素足に草鞋を履き白い脚半を巻き、法衣を纏い網笠を被るといういでたちでのご住職が高幡不動駅前でご覧の姿で立っていた。
その法衣と編笠の出で立ちは大変目立つ。
深めに被り覆い隠された網笠越しに表情を伺うと、かなり人生経験積まれた方のようにも見える。
未だ、客足は少ないが、時間の経過と共に参拝客が増えて来ると、駅に繋がるこの道は物凄い雑踏になり、恐らくご住職の周辺も人ごみの渦になる。
これも一つの修行なのであろうか、御不動さんをお参りした不特定多数の人に対して托鉢を行うが、その変わった出で立ち姿に珍しさで、まじまじと見ていく者、全く無関心な者など、ご住職の前を通りすぎていくだけである。
ご不動さんでお参りすれば、もう用済みとばかりで御布施をする人は余り見かけられないのは殺伐とした世相の反映なのであろうか。
しかし、そんな中にあって、心頭滅却の心境なのであろうか、殆ど身動きせずに姿勢よく立ち、平然とお経をあげ、勇気ある姿に、何か心響く。

昨年辺りから、続いた 乳幼児など弱者に牙を向けた犯罪。人の目を欺く、建物の偽装設計。
年配者相手に騙す成り済まし詐欺。あの手、この手で大量にばら蒔かれるスパムメール等々。
油断も隙もない世相である。
個人的には新しい家族も迎えたり、孫の成長振りにとても嬉しいことでもあったが、落とし穴もあり総てが順風満帆ではなかった。
険しく、厳しくざらついた世界に、一々抗することなく、世俗から一歩距離を置き、平然とするご住職の姿に、まさしく何か超越するもの感じる。
法衣を纏い網笠の向こうに何が見えるのか、伺って見たい。

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