春夏秋冬ライフ

四季の変化に向き合い、目の前に起きる様々な出来事を目の丈で追ってみた。

ポンコツ車の車検

2009-06-04 15:22:00 | もう、あぶないぞ~
◇すりきれたポンコツ車の検査
毎年恒例のポンコツ人間の車検で近くの市立病院でしっかり、いたぶられた。
自宅から森を越え、中央公園の小道を行くと、深い木立の間に病院の姿が見えてくる。


年老いたポンコツ車はすりきれながら、漸く走っているので、何を指摘されても仕方がない程に年取ってしまった。
先日の友人の法事で生れた対話に、「毎年検診を受けているのに、急速に体全体に転移し、医者も手遅れであった」なんて良く聞かれる言葉である。
普段、五感から伝わる、痛い、かゆい、だるい、熱っぽい、などなど自覚のないまま、実は体が蝕まれていることは良く聞く、だからこそケアーが必要と思い、自ら重く、辛い車検に臨まなければならず、鬱モードになってしまう。

◇白衣の看護婦の姿に臨戦モード
公園の一角から病院に入り、忙しそうに走り回る白衣の看護婦の姿に病人モードにスイッチを入れる。


毎度のことながら難所はなんといってもレントゲンの宇宙遊泳である。
台の上に乗り、垂直に水平に、或いは棒で思い切り腹部を突かれるなど、リモコン操作で弄ばされる。

◇宇宙遊泳にバリュウム飲み
体がまっさかさまで、体をひねろとか、早くまわせとか、息を止めて動かさずとか、無理難題を矢継ぎ早に言ってくる。神経を張りつめ、聞き耳をたて、スピーカーから流される音声に忠実に応答しようと応えるが、中々思うようにならない。
ガラス越しのおにいちゃんの命令は絶対的、矢継ぎ早に出てくる命令に、全く、殺す気かよとおもうばかりである。
上手くもないバリュウムも途中でゲップをしたため、もう一度やり直しに、レントゲン技師が持ってくるお代わりカップが恨めしく、流石が気力も萎えてしまった。
台上に大きな体を持て余しながら、必死に激闘し、ギブアップ寸前、ようやく「終わりました」の合図が何よりも待ち遠しい言葉であった。
ロボットが進化する時代に、台に乗ったら、自動化プログラムで意のまま姿勢制御出来る筈なのにと思うが、貧乏行政配下の病院にそんなことを期待することは無理なのだろうか?
「こんなことで参っても、命の補償はないよ~」
「三途の川を渡りたくなければじっと我慢の子、身を守るのは辛いよ~」
白い結集の排泄に、家へ帰っても、敗戦処理は未だ続く。
居連れにしても、数値化されたデータが3週間後に渡され、ポンコツ車の廃棄処分か存命かドライに宣告される。
昨今の天候同様に鬱の気分は暫く続きそうである。
市立病院での車検を終わり、3週間後に判定結果を貰う。使い古した車体だけにあちこちガタがあるのは覚悟の上であるが、今年も何とか穏便にと思うのが心情である。

◇赤紙の召集令状
しかし、やっぱり赤紙の召集令状が来た来た。尿蛋白、尿潜血と腎臓系に異常傾向が見られる。
今では余り見かけられないが、さしずめ車のエンジンの排気系の不具合で白煙を上げながら、廻りに迷惑をかけ、猛烈な爆音を立て、ポンコツ車を無理きり走らせて居るようなものであろうか・・・。


◇告知されることに覚悟は良いか?
担当窓口へ行き、症状と宣誓書を書かされる。
大事な事かも知れないが、当人の健康状態に留まらず、告知はしても良いか、身元の連絡先は、身内に癌の死亡者はと身辺調査は洗いざらいに、患者さんの病気の軽・重に関わり無く、まるで断末魔の末期患者のごとき質問攻めに、気分まで鬱に陥れられる。

◇数分の御高説受領に半日待機
各診療科の待合と、一階フロアーにも広々とした待合がある。
各診療科には案内表示盤あり、自分の受付番号が出れば、「中待合に入りなさい」と言うメッセージとなる。肩を寄せ合う狭い場所だけに、大変窮屈なので、出番間近は此処で待機し、それ以外はフロアーでのんびり待っている。
検査、往診に僅か数分であるが、残りの数時間(約半日)は待ち時間を覚悟しなければならず何時も追われる生活から、たっぷり待つことの世界に、どう過ごすか、戸惑いながら半日である。
小水を取って精密検査を実施し、医者から判定結果を貰い、その後対策の指示を受けるが、幸いにして、数値が低く、経過鑑査に留まった。

車の如く、ブレーキパットのごとく、消耗品は交換出来るが、人間車検は使い廻しの効かない世界だけに、全うすることしかないようである。
春先、勢いのあった楽天、野村監督の、再生工場も息切れしてエンストしたように、象徴的な出来事であった。
言ってみればこれだけの事であるが、朝9:00に行ってたった数分のお医者様のご高説を頂くだけで、病院を後にしたのは15:00近かった。
終わっても、待合で大勢の患者さんが、待っている。一人で何百人?を相手に満遍なく何処まで往診出来るのか、激闘するお医者さんに医療の最前線であった。


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