575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

ポチ子の時間  麗

2006年10月19日 | Weblog

以前このブログで紹介した「ミーナの行進」という小説の中に
世界4大珍獣のひとつ「コビトカバ」が出てきます。
主人公のミーナちゃんは身体が弱いのでコビトカバ「ポチ子」の背中に乗って学校へ行くのです。
想像するだけで楽しくなってきた私は東山動物園にこのコビトカバがいることを知り、秋晴れの中、
このかわいいカバに会いに行ってきました。

小説の中で「ポチ子は人間で言うと何歳ですか?」という女の子の質問に、
獣医さんは「ポチ子はポチ子の時間を生きているからその質問は成立しませんな」と答えるくだりがあります。なんだかしんとした気持ちになりました。

さて、東山動物園には2頭のコビトカバがいます。
こちらは「小夏」という93年に来園した20才のメス。この年齢は獣医さんの説にはあてはまりませんが
「小夏は小夏の時間を生きている」のですね。
干し草を噛む様子は見ていて飽きませんでした。

お風呂でも飼えそうなかわいいコビトカバ。また見に行ってくださいね。
大きいカバの横のひっそりしたカバ舎に住んでいますよ。

       秋日和カバにはカバの時間あり  麗
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10月句会の結果です。

2006年10月19日 | Weblog
題詠
柿噛んで千年祟る臍固め(朱露)○○
父眠る白磁の皿の柿熟るる(遅足)○○○○
村中の雀集めて柿熟るる(龍次) ○○○○○
柿もいだ従兄もいつか古希となり(晴代)○○○
棒切れの柿に届かずトボトボと(立雄)○○
ふるさとの柿いっぱいの宅配便(麗子)○○○○
里の柿はたらく義母の頬染める(郁子)○
豆柿や何処かに故郷あるような(ほたる)○○○
天日萎え渋柿日毎に色を成す(静荷)○○
柿ひとつ梢に残し村暮るる(亜子)○○○○○○○○
照る柿の絵を古里と定めけり(愚足)○○○○○
熟柿一つテーブルにあり値踏みする(鳥野)○○
鳥も来ず落ちて潰れし熟柿かな(能登)○



自由詠
木犀の金はらはらと零れけり(愚足)○○
萩叢を括りて今日の客を待つ(鳥野)○○○○○○
古都の月蒼林かなた鴟尾の座す(能登)○
裏通り金木犀の落つるのみ(郁子)○○
晩学の本積むばかり熟柿食ぶ(亜子)○○○○○○○
濡縁に萩の花降る数奇屋かな(立雄)○○
曲がり角ぬっと人影秋の暮(晴代)○○○
踏み入れば道遥かなる花野かな(朱露)○○○
秋日和カバにはカバの時間あり(麗子)○○○○○○
和菓子屋の柿ヘタ上に並べけり(ほたる)○○
いわし雲水平線で海に浮く(龍次) ○○○○
十六夜の月コンドルは飛翔せり(静荷)○
友去りて一句を残す山河かな(遅足)○○○




番外
種なしの柿あらがえず口の中(麗子)
金木犀窓開けてみる五六日(愚足)


次回は11月15日(水)午後6時 安田屋です。
            題詠は「霜月」です。

     




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