おっ、こんなのもありか、と嬉しくなった句。
朝顔やおもいを遂げしごとしぼむ 草城
山本健吉氏は俳句鑑賞歳時記で「・・・こういう概念的な表現で、凋む朝顔の本性をとらえていると言うべきか」と述べていますが、わたしには、エロスそのもの。
さて、朝顔はどのような想いを遂げたのでしょう。
すでに膾炙されていることでしょうが、草城にはこんな句もあって驚きました。
ミヤコホテル10作
けふよりの妻と来て泊つ宵の春
夜半の春なほ処女(おとめ)なる妻とおりぬ
枕辺の春の灯しは妻が消しぬ
をみなとはかかるものかも春の闇
バラ匂ふはじめて夜しらみつつ
妻の額に春の曙はやかりき
うららかな朝のトーストはづかしく
湯あがりの素顔したしく春の昼
永き日や相触れし手は触れしまま
失ひしものを憶へり花ぐもり
(クックッ、勝手にしやがれ)ですよね。
句壇は「俳句研究」に載つた作品を真摯に受け止め、賛否交々。
一種のオーケストラ的効果 不死男
これは遊び 万太郎
連作の見本になったら大変 秋櫻子
はかなくもあわれなるおっちょこちょいの姿
等々。
明治34年生まれの草城が、昭和9年に発表したこの10句、なるほど新興俳句とはこのようなもの、斬新な句とは、としみじみ考えさせられました。
かいつぶりさびしくなればくぐりけり
好きです。
朝顔やおもいを遂げしごとしぼむ 草城
山本健吉氏は俳句鑑賞歳時記で「・・・こういう概念的な表現で、凋む朝顔の本性をとらえていると言うべきか」と述べていますが、わたしには、エロスそのもの。
さて、朝顔はどのような想いを遂げたのでしょう。
すでに膾炙されていることでしょうが、草城にはこんな句もあって驚きました。
ミヤコホテル10作
けふよりの妻と来て泊つ宵の春
夜半の春なほ処女(おとめ)なる妻とおりぬ
枕辺の春の灯しは妻が消しぬ
をみなとはかかるものかも春の闇
バラ匂ふはじめて夜しらみつつ
妻の額に春の曙はやかりき
うららかな朝のトーストはづかしく
湯あがりの素顔したしく春の昼
永き日や相触れし手は触れしまま
失ひしものを憶へり花ぐもり
(クックッ、勝手にしやがれ)ですよね。
句壇は「俳句研究」に載つた作品を真摯に受け止め、賛否交々。
一種のオーケストラ的効果 不死男
これは遊び 万太郎
連作の見本になったら大変 秋櫻子
はかなくもあわれなるおっちょこちょいの姿
等々。
明治34年生まれの草城が、昭和9年に発表したこの10句、なるほど新興俳句とはこのようなもの、斬新な句とは、としみじみ考えさせられました。
かいつぶりさびしくなればくぐりけり
好きです。