575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

1972年  麗

2006年10月05日 | Weblog
皆さんは1972年という年にどんな思い出がありますか?
昭和47年、ミュンヘンオリンピックの年です。
私は小学校の2年生でした。物心ついた初めてのオリンピックで
まだ白黒テレビ。男子バレーの優勝がかすかに記憶にあります。

そんな1972年の芦屋が舞台の小説、小川洋子著「ミーナの行進」。
とても心が暖かくなる甘酸っぱいお話です。
小説では、身体の弱い小6の少女「ミーナちゃん」が主人公とともに
日本男子バレーを懸命に応援するシーン、ミュンヘンでイスラエルの選手
がテロに襲われるシーン、川端康成の自殺などあの時代を象徴する事件が
次々と出て来ます。劇中劇ならぬ小説中小説とでもいいのでしょうか?
小さなマッチ箱の中にミーナちゃんが書き紡ぐせつないお話も、
とてもせつなく何とも言えぬ郷愁に包まれます。

寺田順三氏の挿絵も本の内容にぴったりです。挿絵を見るだけでも楽しい本です
よ。秋の夜長、お勧めの一冊です。
コメント (2)
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