575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

獺祭             愚足

2007年05月01日 | Weblog
 添付の絵は小川芋銭の「獺祭」という日本画で私が大好きな作品です。
 明治の頃までは日本各地にいたという獺(かわうそ)が身内供養をしている図です。                                    獺は身内を大切にする動物で、親が捕殺されると子の獺が毎年捕った魚を捧げて供養するという言い伝えがあります。
 牛久沼に住み反戦画家としても知られた「芋銭(うせん)」のこの絵を見てすっかり「獺」と「芋銭」のファンになってしまいました。
 早春、三日月の川岸に親を偲ぶ「かわうそ」の悲しげな姿には心うたれます。
 一方「小川芋銭」は俳句もよくしたと言われていますが、お目にかかってはいません。さぞ、素朴で諧謔味あふれた句だろうと想像します。かわりに、人々が獺と親しかった江戸時代の俳人の句を載せてみました。

   獺のまつり見てこよ瀬田の奥       芭蕉
   青淵に獺(をそ)の飛込む水の音     曾良
   魚まつる獺おぼろなり水の月       青橘
   獺の月に啼く音やくづれやな       蕪村

                             
※句については宮地伝三郎氏の「俳風動物記」を参照しました。
コメント (4)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする