夏には大きな葉っぱで一面緑の蓮田も土色になって、陽が短くなるとレンコンの収穫が始まります。いつものように、隣のじゅんちゃんとひろしくんと学校の帰り道、遠くの方でお父さんが泥だらけになってレンコンを掘っていました。 私が大きな声で「おとうさーん」と呼んでも気がつかないので、今度は三人でもっと大きな声で呼びました。するとお父さんは仕事の手を止めて手を振ってくれました。 三人でお父さんの近くまでかけて行くと、お父さんはにこにこ笑って掘りたての大きなレンコンを見せてくれました。 ひろしくんが「おじさんとこでとれたレンコン大好き。うちのばあちゃんもおいしいってほめてたよ。」と言うとじゅんちゃんも「私もレンコンのてんぷら大好き。」と言うので二人に掘りたてをお土産に持たせてくれました。ひろしくんもじゅんちゃんも大喜びで帰っていきました。
泥ともに掘出されたる蓮根かな 正岡子規
蓮掘の美事な蓮をひき出しぬ 村上鬼城
顔上げてからかはれをり蓮根堀 高野素十
蓮堀りが手もておのれの脚を抜く 西東三鬼
※作文と絵は「まち・みち・だより15号」より
泥ともに掘出されたる蓮根かな 正岡子規
蓮掘の美事な蓮をひき出しぬ 村上鬼城
顔上げてからかはれをり蓮根堀 高野素十
蓮堀りが手もておのれの脚を抜く 西東三鬼
※作文と絵は「まち・みち・だより15号」より