575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

門松の雌雄は?            草女

2007年12月28日 | Weblog
11月の下旬にはホームセンターでもう門松を販売していた。高さ80センチほどの小ぶりだけれど本格的なものであった。ところがその一方に「右」と表示された紙が貼ってあった。「えっ 門松に右と左がある!!」と驚いたが、きっと竹の組み方の違いで左右があるんだと勝手に解釈して立ち去った。
 ところが翌日の新聞に門松の写真が載っていたので良く見るとどの門松も竹の並び方は同じではないか。 
それでは 門松の左右とは?
「日本植物文化誌」など色々な本に当たってみたが、門松の左右についての記事は見当たらない。そこでネットで調べてもらうと次のような情報が載っていた。

 「門松には左右があり、それは飾る松の雌雄によって決められる。
 本式の門松は向かって右側に雌松を、左側に雄松(葉が短くて細い)を配置し左右 一対で飾る。」
 「クロマツの別名がオマツでアカマツの別名がメマツ。雌雄の松を飾り子孫繁栄 を願う。」

とも記されている。しかし植物に関する手持ちのどの本にもそうした記述は見当たらない。そのうえネットに記された「雄松=葉が短くて細い」というのは完全な誤りで、それは雌松の特徴である。
 その後スーパーなどに行くたびに「門松」を観察しているが「雄松・雌松」の組み合わせの物に出会う事はなかつた。
 ところがである、この話を「植物の観察仲間」にしておいたところ、地元での門松飾りだと言って、雄松・雌松ばかりか雄門松には白い葉牡丹、雌門松には赤い葉牡丹という念の入った証拠写真が転送されきた。

 門松は本来正月に神様が降り立つ「依代」の役目で一対で無くて良いし、松でなくても常緑樹ならば良かったのである。
 それがいつしか、当初の素朴さが失われ、松竹梅、一対、実物飾り、雌雄etcと華美になり装飾性や縁起性が競われるようになったのかもしれない。でもそこには商魂も垣間見える。

   幾霜に心ばせをの松飾            芭蕉
   雑巾のほしどころなり門の松         一茶
   菜の花に門松立てて安房郡          富安風生
   門松や藍師の青き石畳            江藤駿吉
   日本一高き駅なり松飾            橋本美代子

※ この一年読みにくい文章にお付き合いいただきありがとうございました。
  来年も宜しくお願いいたします。

 
コメント (3)
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