575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

かもめ食堂空色の扉の冬籠  黒田杏子

2007年12月09日 | Weblog

以前に「かもめ食堂」という映画がありました。
知人がビデオを貸してくれたのを観ました。

舞台はフィンランド。
鮭を食べるフィンランドの人なら、
おにぎりの味を分かってくれるはず、という思い込みから
「かもめ食堂」を始めた日本人の女性。(小林聡美)
そこへ2人日本人女性(片桐はいり・もたいまさこ)が加わる。
日本の好きな少年以外、全く、客が来なかった食堂が
満席になるまでを淡々としたタッチで描いた作品。
女三人の個性がとても面白かった。
(男三人なら、こうはならない。)
最後は、フィンランドのお客さんも、おにぎりを食べる。
同じ窯の飯を食う。食べる文化を感じさせてくれる映画でした。

    

見終わって、かもめ、は季語なのか?と気になった。
どうも季語にはなっていないようです。
かもめといえば、この句。

 かもめ来よ天金の書をひらくたび  三橋敏雄

天金の書というのは、本の上の切り口が金で装飾されたもの。
ボードレールのような詩の本を開く。
そのたびに、かもめよ、飛んで来い。
私を遠い世界に連れていってくれ。
青春ですね。

私には、黒田さんの句のほうが合っています。
空色の扉が効いていますね。

   冬かもめ霧のおくより霧の声   遅足





コメント
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