575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

駒 草               草女

2008年08月22日 | Weblog
この夏乗鞍畳平の植物観察に参加した。今年は雪が多く遅くまで残っていたほどなので、7月下旬でももハクサンイチゲ、ミヤマキンバイ等が一面に咲いていた。
 お花畑から少し上がったガレ場にはコマクサが沢山美しい花をつけていた。人の手が加わっているそうだがおかげで株は数多くあった。
 ケシ科コマクサ属の多年草。高山植物の女王と呼ばれているのは、白味がかった細かい葉と赤紫色の花の調和が美しいからだろう。
 以前高峰湖近くの湿地で、案内人が3メートルはあるフエンスの中のコマクサを指して、「人から守るためです。」と説明してくれたことがあるが、この草は盗掘しても観賞用に育てることは不可能なのだ。というのは、この草は砂が常に動くような砂礫地でないと生きていけないし、地下には50から100㎝にもなる根を持っていて移植不能である。
 この草は,全草に麻酔性アルカロイドを含み有毒である。しかし御嶽山では御駒草と呼ばれ、干したものを霊薬として御嶽神社で売っていたが、今では御嶽山の駒草は採り尽くされ他山のものに頼っているという。
 駒草は花の形が馬の顔に似ているので名づけられとは知っていたが、接写の写真を見てビックリ、馬が唇を捲くって嘶く顔そのものではないか。
 それにしても、日本語に「駒」という語があって良かったとしみじみ思う。馬草ではこの花の美しさも、霊薬の効果も薄らぐではないか。
 さて、畳平の案内人はマイカー規制されてからこの地の高山植物が確実に増えてきているとうれしそうに話してくれた。
 でも、そういうことなら排気ガスの只中で生活してい私たちは大丈夫なのしら?

   岩昃りそめて駒草昃りけり      森田  峠
   駒草や蔵王荒膚なすところ      福永 耕二
   すぐ動く駒草好み岩の風       宮津 昭彦

★タイトルをクリックして写真を拡大すると駒の顔が迫ります。
コメント (1)
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