575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

雪形ウォッチング  鳥野

2011年05月17日 | Weblog
信州大町の友人からのお誘い。
残雪の五竜岳を背景に咲き盛る「霞桜」を見にきませんか、と。

ならば連休明けに、と手配しました。
サクラを見るには遅いかな、と気にしながら。

ところが、お目当ての名木。蕾は固く色づいてもいません。
やっぱり信州の春はこれから。

かわりに「雪形ウオッチング」を楽しみました。

安曇野から白馬村へと続く北アルプスの斜面に、残雪と岩肌が描く雪形。
年によって違う寒暖の訪れを、知らせてくれる農作業の指標、と伝承されて来ました。

五竜岳の武田菱、白馬岳の代かき馬、小蓮華の仔馬、白馬乗鞍の尾長鳥、爺ヶ岳の種まき爺さん、常念岳の常念坊、東天上岳の達磨。蝶ヶ岳の蝶は胴の部分に黒い線が入ったら出来上がり。
どれも、山里の人たちが待ちかねています。

友人のガイドは詳細で行き届いて、感謝の旅でした。

 ・ ひと夜さの明けて雪形くっきりと白馬の春の足取りたしか

                       鳥野
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5月句会の投句が集まりました。    遅足

2011年05月17日 | Weblog
あの日から、もう2ケ月。季節はすっかり夏模様です。
津波からの復興は、いまだ始まったともいえない状態。
原発の対策は、一歩も前に進んでいません・・・
被災地のみなさんの笑顔には勇気を頂いています。
私も一日一笑を心がけています。

       

今回も力作が集まりました。

題詠「夏めく」

①マネキンの装い初夏を競い合う
②夏めくや揺れる真珠の耳飾り
③はつなつの桜並木は自転車で
④牛の瞳(め)に被曝の大地夏兆す
⑤夏めくや美白につられまたひとつ
⑥化粧塩跳ねるがごとき夏めく夜
⑦名刹の廊下の軋み夏きざす
⑧夏めけば病ひ一年(ひととせ)巡りかな
⑨夏めいて もひとつはずすシャツの胸
⑩夏めきて出会いし人の香の残る
⑪初夏の瑞枝拡ぐる水辺かな
⑫夏めいて彼女と歩く山の裾

自由題

①ほうれん草軸赤きまま老ひの伴(とも)
②生真面目に今年もひそりぎぼし咲く
③マニキュアに星座を描く薄暑かな
④止まるも泳ぐも揃ふ鯉幟
⑤薫風や蔵に古筆の日記みる
⑥えんどうの豆飛び出して夕支度
⑦わが愛すバラ科のなかに妻はあり
⑧打つ手なく盤上に藤降りしきる
⑨歓声の回転木馬夏来る
⑩旧姓で呼ばれふり向く新樹光
⑪つき出しのサイコロのごと冷奴
⑫あの年は蚫剥がして終りけり 

明日の句会は、どの句が顔を見せるのでしょうか?
楽しみです。

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