575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

戦争が始まる頃の心太    朱露

2011年05月30日 | Weblog
    冬はおでん夏は心太の屋台が来た。
    心太はトコロテンで海草から作る。
    疎開先の真鶴で心太や蚫を採った。
    私コンニチあるは心太と蚫のお蔭。

              

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冷水に焼酎垂らし想を練る    朱露

2011年05月30日 | Weblog
    焼酎に冷水垂らすでは想所ではない。
    昔仕事が終ると屋台で焼酎と焼き鳥。
    足下を冷たい夜風が吹き抜けて行く。
    「さあ矢でも鉄砲でも」と焼酎元気。

              



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名刹の廊下の軋み夏きざす 狗子

2011年05月30日 | Weblog
鴬張りの廊下を連想しました。
歩くと、キュッキュッと鶯のように廊下が鳴く。
二条城や知恩院が有名なようです。
鴬張り、というには見立てですね。
卑俗なものを優雅なものに見立てて楽しむ。一種の比喩。
江戸時代の町人文化を支えていた美意識のようです。

作者によれば、この名刹は、奥浜名湖の井伊谷にある龍潭寺とのこと。

井伊谷は、井伊一族の出身地。幕末の大老・井伊直弼の祖先の地。
井伊一族は、南北朝時代には南朝方に組して負け組。
その後、今川氏に仕えて桶狭間で負け組。
徳川家康に仕えて、ようやく運が開けて、
徳川四天王の筆頭となり、彦根の大大名に出世しました。

この井伊一族に縁の深い龍潭寺。
廊下を歩けば、軋む音がして、素足にひんやりした感触が・・・
耳と肌で感ずる夏ですね。
きざす、という言葉がとても効いています。

                    遅足

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