鴬張りの廊下を連想しました。
歩くと、キュッキュッと鶯のように廊下が鳴く。
二条城や知恩院が有名なようです。
鴬張り、というには見立てですね。
卑俗なものを優雅なものに見立てて楽しむ。一種の比喩。
江戸時代の町人文化を支えていた美意識のようです。
作者によれば、この名刹は、奥浜名湖の井伊谷にある龍潭寺とのこと。
井伊谷は、井伊一族の出身地。幕末の大老・井伊直弼の祖先の地。
井伊一族は、南北朝時代には南朝方に組して負け組。
その後、今川氏に仕えて桶狭間で負け組。
徳川家康に仕えて、ようやく運が開けて、
徳川四天王の筆頭となり、彦根の大大名に出世しました。
この井伊一族に縁の深い龍潭寺。
廊下を歩けば、軋む音がして、素足にひんやりした感触が・・・
耳と肌で感ずる夏ですね。
きざす、という言葉がとても効いています。
遅足