575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

春光の日毎に力増しにけり   岡副佐代子

2016年02月12日 | Weblog
句集「春光」の一句です。
作者は、昭和3年、名古屋生まれ。
初めての句集だそうです。
好きな句をあげてみます。

  蓬摘むうすむらさきの茎寄せて

  葉桜に音なき雨の蒼さかな

絵が趣味の方とあって、モノを見る目が確かです。
しかも、見えないような色を発見しています。
耳も鋭敏です。聞こえない音を聴きます。

  さわさわと青空を汲む新茶かな

  雪と雪触れ合ふ音の静かなる

長年、読書に親しんでみえたということ。
色を発見して、音を聞く。
それを研ぎ澄まされた言葉で表現できる方です。

  水澄めば水の底まで風の音

好きな句の一つ。絵では描けない景。
言葉の魔術、詩としての風の音です。  遅足

コメント
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