575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

推敲のチエックポイント・9 ~ダメなら捨てる~(等) 

2017年04月02日 | Weblog
私の「推敲のチエツクポイント」も最終回になりました。最後は”ダメなら捨てる”です。

これまで句作に当たって例えば写生なら”大きな風景から詠みたいものだけを取りだし、あとは捨てること”をはじめ、これを句にするには”不要な言葉を省略せよ”などと、とに角「捨てる捨てる」を強調して来ました。
しかしいろいろ捨てても”ダメなものはダメ”と、勿体ない思いを残しながら思い切って全部捨ててしまうことが必要です。

ではどんな句を捨てるのか・・・、
①類想、類句がありそうな句
②単なる報告だけの句
③発想が平凡な句
④一人よがりな句
⑤単なる季語の説明だけの句
⑥安易な擬人化、比喩だけの句
⑦観念的な表現の句
などです。思い当たる句が多いですね。

でも”ああ全部捨ててしまった”と悲観することはありません。”捨てた句の山こそ宝の山”だと思います。つまり最近の俳句は「一物仕立て」より「二句一章」の句が多く、異なる二つの要素を組み合わせることで、句に厚みや意味の深さ、新鮮なひびきをもたらすからです。ですからダメな句として捨ててしまった句でも、
季語との取り合わせを変えることにより、思いもよらぬ良い句になることがあります。
先回私が学習院俳句会で出句した句が、季語を変えて甦ったとご紹介した通りです。

俳句を”季語+それ以外の「俳句の素」”と考えれば、捨てた俳句の山には宝物の「俳句の素」ががいっぱい転がっているのです。取り合わせを新しくすることで、駄句を良句に是非変えて下さい。

今回”推敲のポイント”という拙いシリーズを書かせて頂き、皆さんに大変ご迷惑だったと思いますが、私自身にとっては大変良い勉強になり、お陰で私の俳句力もグーンと向上しました??有難うございました。

先週故郷の金沢へフト思い立って行って来ました。春休みとあって若い人達や外国人など、大勢の人達で街は
一杯でした。私は幼馴染とも65年ぶりに会いました。その折の駄句です。

 面影の友と再会六十五年
 椿咲く格子の坂は「あかり坂」  (等)

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