575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

消えし浜海ほおずきを吹きし日よ  晴代

2019年09月15日 | Weblog

海ほおずきとは、巻貝の卵のことです。
私の子供の頃には、女の子たちが、
鬼灯と同じように、口に含んで鳴らして遊んでいました。
縁日や海辺の駄菓子屋で売っていたそうです。

作者の故郷は伊勢の海辺と聞いています。
海岸は、見渡す限りの白砂青松。
夏には海水浴。海ほおずきでも遊んだそうです。

しかし何時の間にか海岸は埋め立てられました。
コンビナートなどの工場地帯が出現。
海も空も汚れていきました。
そして四日市公害裁判の判決が出た日。
コンビナートの煙突は沈黙。
中継車から見た空は綺麗でした。

公害対策は進み、喘息で苦しむ人は激減しましたが、
白砂青松の海岸は戻りませんでした。

しかし、作者の目には今も伊勢の海が見え、
海ほおずきの音が聞こえているんでしょうね。(遅足)
コメント
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