海ほおずきとは、巻貝の卵のことです。
私の子供の頃には、女の子たちが、
鬼灯と同じように、口に含んで鳴らして遊んでいました。
縁日や海辺の駄菓子屋で売っていたそうです。
作者の故郷は伊勢の海辺と聞いています。
海岸は、見渡す限りの白砂青松。
夏には海水浴。海ほおずきでも遊んだそうです。
しかし何時の間にか海岸は埋め立てられました。
コンビナートなどの工場地帯が出現。
海も空も汚れていきました。
そして四日市公害裁判の判決が出た日。
コンビナートの煙突は沈黙。
中継車から見た空は綺麗でした。
公害対策は進み、喘息で苦しむ人は激減しましたが、
白砂青松の海岸は戻りませんでした。
しかし、作者の目には今も伊勢の海が見え、
海ほおずきの音が聞こえているんでしょうね。(遅足)