575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

だしぬけに ポトリと言って 落椿

2020年03月30日 | Weblog


「だしぬけに ポトリと言って 落椿」

散文のような文体。
中七の擬音も是非がわかれるでしょう。
しかし、下五まで詠み切ってからの余韻が心地よく、
落椿の息遣いまで聴こえるような佳句。

下記は中国の孟浩然が詠んだ漢詩「春暁」です。
4つの句は「絶句」8つは「律句」となり「春暁」は
絶句の5文字なので「五言絶句」といいます。

また、漢詩はリズムが出るように同じ響きの言葉を
句の最後に置きます。
「春暁」では「暁」<Gyou>「鳥」<Chou>「少」<Shou>
となり、これを「押韻」<おういん>といいます。
押韻は、俳句に大きな影響を与えたといわれています。

<白文>
春 眠 不 覚 暁
処 処 聞 啼 鳥
夜 来 風 雨 声
花 落 知 多 少

<口語訳>
春の眠りは心地よく、夜が明けたのも気づきません。
あちらこちらから、鳥の囀りが聞こえてきます。
そういえば、昨夜は雨の音がしていました。
いったい、どれほどの花が散ったのでしょうか。

とまれ、古今を問わず、春は眠気を誘うようです。
そのため、仮寝から幻想を詠み込んだ俳句も多く、
春は、白昼夢の季節なのかもしれません。

「落椿 ほどの深淵 白昼夢」 <高澤晶子>


遅足氏の代筆。駄文お許し願います。<殿>
コメント
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