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「鶯に 笑み浮かべるや 道祖神」
道祖神は石仏。一見擬人法に思われます。しか
し、道祖神の多くは笑みを浮かべた男女の双体
像です。鶯と道祖神の絶妙な組み合わせに拍手。
道祖神は、紀元前の中国で祀られていた道の神
「同祖」と日本の道の神が融合したといわれて
います。道祖神の呼び名は地方によりさまざま。
道陸神<どうろくじん> や障の神<さえのかみ>
が一般的ですが、今昔物語では賽の神<さいの
かみ>という名で登場します。ところで、道祖
神と俳句の関わりといえば奥の細道。序文に記
されています。しかし、芭蕉はあまり道祖神に
興味がなかったのか以降触れていません。
道祖神の目的は、村の子孫繁栄や厄災の侵入防
止といわれています。しかし、外観を見る限り
子孫繁栄の意味合いが強く、男女の握手や抱擁
など夫婦和合を表した像が散見されます。現在、
長野県安曇野には約400体の道祖神があるとい
われ、その多くは男女が笑みを浮かべた素朴な
双体像。
ところで、名古屋の洲崎神社は道祖神を祭神と
しています。須とは砂浜の意。昔、洲崎神社の
周辺は海浜だったようです。洲崎神社の主祭神
は古事記に登場する建速須佐之男命<スサノオ
ノミコト>。江戸時代、洲崎の天王祭は東照宮
の祭と並ぶ二大祭でしたが、現在は例祭と提灯
祭のみ。洲崎神社へは新洲崎橋バス停下車。徒
歩3分。
「立ちよれば 木の下涼し 道祖神」<正岡子規>
遅足氏の代筆にて駄文お許し願います。<殿>