575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

芹摘むと細き流れへ母屈む  佐保子

2020年03月22日 | Weblog


摘み草という私にとっては馴染みのない昔からの風習が
水辺にあるセリ、その細い流れに向かって母が屈むという
光景を描くことで一気に具体性を帯びました。
「細き流れへ」という描写があるだけで屈んだ母の小ささ、
年老いてはかなげな感じも想像して選句しました。

そういえば、
私も母と矢田川の土手で
ヨモギを摘んだことがあったと思い出しました。
草餅をつくってくれたのです。
そのときの母は、何とも頼もしく見えました。
プライスレスで見事に付加価値をつけ
おやつをつくるのですから
さすが、戦中をかいくぐってきただけのことはある。
知多四国のお遍路途中、
野蒜を見つけて道をはずれ、
嬉々として積み草をするお年寄りもしかり
生命力にあふれています。

今の人たちにはちょっと足りないエネルギー、
政府や新型コロナのせいばかりにしていませんか?
        少々反省  郁子









コメント
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