575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

2022年 575の会②

2022年12月31日 | Weblog

今年投句いただいた自由題トップ賞の句です。

どの句も素晴らしく今も強く印象に残ります。勉強させていただいたと同時に味気ない日常をじんわり優しく包んでくれたり

迷ったときの指針を授けてくれました。

 

◆一月

 独り居の花一輪の淑気かな  亜子

◆二月

 読み終えぬページに残る寒さかな  晴代

◆三月

 啓蟄や花丸つけし退院日  麗子

◆四月

 すりおろすりんごの香り妻つつむ  遅足

 病める人わがままばかり春の昼  佐保子

 花筏自由と平和どこまでも  泉

◆五月

 白南風にましろき妻をとられけり  遅足・健太

◆六月

 青と黒空半分の走り梅雨  竹葉

 梅雨入りや全ての重み抱え込み  麗子

 捕らわれし兵の童顔梅雨寒し  亜子

◆七月

 夏の雲車椅子押し投票所  佐保子

◆八月

 病む君のわがまま残暑ながながし  竹葉

◆九月

 朝ごとの雲との対話秋涼し  亜子

◆十月

 香りナビ角を曲がれと金木犀  竹葉

◆十一月

 大泣きの保育カートや落葉道  郁子

◆十二月

 眠られぬ日々連なりて十二月  能登

 

 

2022年は一文字漢字「戦」が表すように、ソ連によるウクライナ侵攻が世界中に大きな課題をつきつけました。

平穏な暮らしがいかに脆く崩れ去ることか、恒久平和を維持するにはどれだけの努力が必要か。

答えどころか糸口さえみつからず、能登さんの句にあるように眠られぬ日々は年を越えても続いていきそうです。

それでも光をもとめて少しづつでも明るみのほうへ・・

諦めずに新年を迎えたいと思います。 一年間ありがとうございました。  郁子

 

 

コメント (3)
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