575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

5月例会の結果です。

2006年05月18日 | Weblog
575の会5月例会の結果です。

長良さん追悼句

長良なる鵜匠優しき縄捌き(朱露)
句会部屋一隅照らす人が逝き(麗子)○
葉桜や諧謔の句の作者逝く(亜子)
駅までの俳句談義や春暮るる(立雄)○○○○○○
友逝きて常盤木落ち葉頻りなる(静荷)
しばらくの春風とゆく長良川(遅足)○
世を嘆き水あふるるや長良川(能登)○
真っ直ぐな彼の人逝きて川流る(童子)

   


竹林にみどりの風が吹き抜ける(麗子)○
トンネルを抜けても木曽の緑かな(亜子)○○○
尺取の来て席ゆずる緑かな(愚足)○○○
緑立ちいつしか添うて四十年(立雄)○
亀鳴くも緑の亀は黙(だんま)りで(鳥野)
海向きて鵜の緑眼を動かさず(雅子)○○○
緑濃き愛染の山赤岩寺(せきがんじ)(朱露)
百の木に万のみどりやおらが国(能登)○○
さみどりの風の頭にぶつかりぬ(遅足)○○○
筆抛りて子ら新緑の中に消え(愚足)○
緑児の指さす先や若楓(ほたる)
万緑の持ち重りする夕べかな(静荷)○○○○
嘘一つ八手の緑また太る(鳥野)○
新緑や家移りの子を訪ひにけり(ほたる)○
母の日や一日腰折り青田中(童子)

   

番外 緑陰を我がもの顔に裏の猫(立雄)
   春過ぎて直情の人往きにけり(立雄)
   笑み湛え警句辛辣長良さん(立雄)
   微笑んで警句洒脱の長良さん(立雄)
    長良川
   大河野に出でてつくれる笑窪かな(遅足)

   

次回は6月28日(水)午後6時 安田屋 題は「蛍」です。

   

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5月例会の投句

2006年05月17日 | Weblog
5月例会の句が集まりました。
今回は、長良さんを偲ぶ句と、題詠は「みどり」です。

 長良さん追悼句

長良なる鵜匠優しき縄捌き  
句会部屋一隅照らす人が逝き 
葉桜や諧謔の句の作者逝く  
駅までの俳句談義や春暮るる 
友逝きて常盤木落ち葉頻りなる
しばらくの春風とゆく長良川 
世を嘆き水あふるるや長良川 
真っ直ぐな彼の人逝きて川流る

 みどり

竹林にみどりの風が吹き抜ける
トンネルを抜けても木曽の緑かな
尺取の来て席ゆずる緑かな    
緑立ちいつしか添うて四十年   
亀鳴くも緑の亀は黙(だんま)りで
海向きて鵜の緑眼を動かさず   
緑濃き愛染の山赤岩寺(せきがんじ)
百の木に万のみどりやおらが国   
さみどりの風の頭にぶつかりぬ   
筆抛りて子ら新緑の中に消え    
緑児の指さす先や若楓       
万緑の持ち重りする夕べかな    
嘘一つ八手の緑また太る      
新緑や家移りの子を訪ひにけり   
母の日や一日腰折り青田中

         

番外 緑陰を我がもの顔に裏の猫(立雄)
   春過ぎて直情の人往きにけり(立雄)
   笑み湛え警句辛辣長良さん(立雄)
   微笑んで警句洒脱の長良さん(立雄)
   大河野に出でてつくれる笑窪かな(遅足)

今日の天気予報はのちのち






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草藻

2006年05月16日 | Weblog
時々、見かける草です。
草藻という名の通り、綺麗な緑です。
帰化植物で、繁殖力が強く、どんどん増えて
いるらしいとのことです。

平和公園自然観察会に初めて参加して
教えて頂きました。
ほととぎすの鳴き声も聞くことが出来ました。
しばらく前から聞かれるようになったとのこと。

  みどりからみどりと言わぬもの生まる  

(平和公園自然観察会はアクセスできます。)   

                 





  
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老いて元気なのは。          愚足

2006年05月15日 | Weblog
 絵門さんも元気ですが、女性(俳人)はもっと元気。

   老いながら椿となって踊りけり     三橋鷹女
   蛍の夜老い放題に老いんとす      飯島晴子
   今生のいまが倖せ衣被         鈴木真砂女
   人の言ふ老いとは何よ大金魚      桂 信子

         
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老醜をぶらさげ春を喜々として  絵門

2006年05月14日 | Weblog

老醜・・・いやな言葉である。
最近、写真を撮ってもらうのも嬉しくない。
鏡を見るのも遠慮気味である。
とはいえ、こればかりはどうしようもない。
ま、いいか、そんなこと!男は顔じゃないーなんてネ。

でも、春はやっぱり嬉しいね。年齢に関係なく。
色気だって、まだまだ現役でっせ!
いやはやー。
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桃のなか別の昔が夕焼けて  中村 苑子

2006年05月13日 | Weblog
難解句に挑戦。第二弾です。

作者の中村苑子は、高柳重信とともに、
俳句評論を発行。

  黄泉に来てまだ髪梳くは寂しけれ
 
私の好きな句です。
桃の句では、

  翁かの桃の遊びをせむと言ふ

が、あります。さて???      

  
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夏立つや瀬音並木に寄りはなれ  晴

2006年05月12日 | Weblog

中京大学の俳句講座に参加されている「晴」さんの句です。
小川の音が、時に並木に近づき、時には遠く聞こえる。
そんな音の風景が見えてきます。
先生は「夏立つ」という季語にピッタリで、良い句と評されました。

夏というと、6・7・8月と思っていましたが、俳句は陰暦の世界。
夏といえば、立夏(今年は5月6日)から立秋(8月8日)の前日までの三ヶ月。
さらに、これを3つに分けて、初夏・仲夏・晩夏というそうです。

夏という漢字。
もともとは、飾りをつけた大きな面をかぶって舞う人を象ったもので、
季節とはなんの関係もなかったそうです。
大きな覆いで下のものをカバーするという意味から、
大きな家、大民族を意味することとなり、
夏は中華の人々を指すようになったといいます。

そして、草木がさかんに繁って大地をおおう季節をも現すようになったそうです。


夏立つは、木立の間から日の光がもれ、瀬音もやさしく聞こえてくる季節ですね。
この句は名古屋のことじゃないそうです。
名古屋にも、こんな句が生れる水辺があるといいですね。
 
                          遅足

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俳句にサプライズは無用。         愚足

2006年05月12日 | Weblog
 長谷川櫂氏の俳句入門書に次のような事が書かれていて成る程とと思いました。
 
 良い句には「はっとする驚き」がある。この驚きは「吃驚仰天サプライズ」ではなくて「はっと気付くこと」である。
 そのためには①それが作者だけではなく読者の心の中にもひっそりと眠っている事。②それをまだ誰も言葉にした事がないこと。
 この作者の発見と読者の共感こそが良い句の条件である。
 
 そしてその例として俳句を楽しむ学生の句と蕪村の句を並べて述べて「はっと気付く」ことの違いを説明していました。

   春の海くまなく波の立ちてをり       前田茉莉子

   春の海終日のたりのたりかな        蕪村  
                 
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縹色  麗

2006年05月11日 | Weblog
縹色。「はなだいろ」と読み、
藍染めの浅葱と藍の中間くらいの濃さの色だそうです。

名古屋駅前に建設中の「ミッドランドスクエア」(トヨタビル)の
ロゴの色が深縹(ふかはなだ)とか。
日本には素敵な色の名前がありますね。水浅葱、瑠璃色、若竹色など。
久しぶりに「色の手帖」という本を引っ張り出して眺めてみました。
今日の私の心の色は「藤色」かな?皆さんはいかがですか?人生色々。
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古い釘抜いても抜いても桜咲く   鳴戸奈菜

2006年05月11日 | Weblog
この句について先生の読みをお聞きしました。

古い釘を抜いても抜いても、なくならない。
そのように桜は咲くのである。

ポイントは、桜が、古い釘に喩えられ、
マイナスのイメージで詠まれている点です。
桜は、日本の伝統的な美意識の象徴として
否定的に捉えられています。

桜に象徴される日本の伝統的美意識は、
古い釘のように抜いても抜いてもなくなることがない。
桜は不死鳥のように咲く。

ざっと、こんな意味です。
ちょっと物事を斜に見た句だったんですね。
全然、違って読んでいました。

でも、読み方の正解は、ひとつではなく、
無理なく読めれば、それも正解のひとつだそうです。
少し安心!

    (文責・遅足)    

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さくらんぼ

2006年05月10日 | Weblog
わが家のさくらんぼです。植えて数年経っています。
去年は、赤くなったら、すぐにヒヨドリに食べられてしまいました。
今年は紐で防御しました。

さくらんぼは季語。桜桃とも書きます。
桜桃とは、中国原産の別種シナミザクラの漢名とのこと。

 茎右往左往菓子器のさくらんぼ   高浜虚子

私の好きな句

 恋文の起承転転さくらんぼ     池田澄子

 さくらんぼ笑(えみ)で補ふ語学力 橋本美代子


写真を撮った後、試食。ふふふ?    

好きな句があったら紹介して下さい。



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色彩は人を元気にする  絹谷幸二

2006年05月09日 | Weblog

色彩は人を元気にします。青丹によし・・・と歌われた奈良、
今日では古色に包まれていますが、
当初は、黄金や朱・紫・青と、色彩にあふれる元気な都でした。
一方、半世紀前の戦争の時には、色彩は奪われ、
国防色一色の単調な鉛色となりました。
そしてレクイエムの白黒の世界へと導かれて行く様です。

色は喜びの歌であり、動植物は生きるために美しくあるのです。
人は黄緑野菜を食して健康に。
色彩を目から取り込むことによって脳が活性化し、
生きる元気を取り戻すことが出来るのです。

 (色彩は人を元気にする  画家の絹谷幸二さんの講演より)

昨年、聞いた講演の骨子です。


庭に鉄線が咲きました。クレマチスとも言うんですね。

 鉄線   クレマチス

名前が違うと、同じ花には思えませんが・・・

鉄線の好きな句を紹介して下さい。


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白泉の色              愚足

2006年05月08日 | Weblog
 「九条の会」に関わり始めてから戦争に関わる短歌や俳句が気になるようになりました。

 「戦争が廊下の奥に立っている」や「銃後といふ不思議な町を丘で見た」 

 などで有名な渡辺白泉の俳句を探していたら、次のような句に出会いました。

   「赤く、青く、黄色く、黒く戦死せり」
   「赤の寡婦青の寡婦黄の寡婦寡婦寡婦」
   「柿と書籍戦場まぼろしに青き」
   「白き日に蕪をのせてゆきし舟」

 白泉にとって「色」は戦争の何かを伝える重要な言葉のような気がしますがどう思われますか。
            
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なんじゃもんじゃの木

2006年05月07日 | Weblog

名古屋城のなんじゃもんじゃの木です。
東海地方など、生息地が限られた植物らしいです。
ヒトツバタゴとも言われています。
なんじゃもんじゃの木のほうが、なんとなく
人懐っこい感じがします。
どちらが好きですか?

どちらが好きといえば、次の2つの句のうち
どっちが良いと思います?


 枝豆に塩たっぷりとふりしなか

 枝豆の真白き塩に愁眉開く

                 


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テレビ放送は映画の二の舞?

2006年05月06日 | Weblog

昨今のインターネットの普及と技術の進歩は目覚しいものがあります。
どうも、インターネットがテレビを呑み込みそうです。
一番の技術革新は、ブロードバンドなど映像や音声を送る技術の革新でしょう。

このままいけば、テレビ塔などの放送設備は不要になりそうです。
インターネットで放送を見る時代が、そこまで来ているらしいです。

瀬戸に作ったデジタル放送タワーは無用のものとなるのでしょうか?
アナログ放送は法律によって終了が決められているのですが、
アナログとともにデジタルも終了ということには、ならないでしょうね?

ちょっと俳句とは関係のない話題ですが。
「電波利権」という本を読んで気になったものですから。


 テレビ塔失せるが如く吹雪けり   長良

この句を思い出してしまいました。

               

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