575の会

名古屋にある575の会という俳句のグループ。
身辺のささやかな呟きなども。

受験子の若き我なり急ぐなよ   遅足

2012年02月22日 | Weblog
船団・中谷ドクターの診断です。
 受験生に若き日の自分を重ねて、
「急ぐなよ」というぶっきらぼうなひとこと。
受験の行き帰りから進路決定、人生そのものまで、
色々なものに対する先輩からのアドバイスだなあと思い、
とてもあたたかい気持ちになります。

ありがとうございます。
我が家のすぐ近くに大学があり、
シーズンには沢山の受験生の姿が。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

またも、またも  鳥野

2012年02月21日 | Weblog
またも、ワタシにとっての嬉しいお役目。

松田宗匠が、「中日歌壇」の小島ゆかり選に入選されたことの報告です。

すでにご存知の向きも多いと思いますが、改めて。

 ・ 一枚の肌着のように思い出を洗い直して馴染ませてゆく

洗い直せば、どの思い出も美しい。そして、自身にしっくりと馴染んでいることに気づく。
たれにでもある思い出の反芻。その表現の繊細さに驚きます。

小島ゆかりの評 「比喩が卓抜。肌着と思い出はそういえば似ている」と。

新聞紙上には珍しい誤植のあり。残念でした。

                


コメント (1)
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

起きぬ里眺め下ろして山笑う    朱露

2012年02月20日 | Weblog
     豊橋と湖西の県境多米連山標高?米。
     富士山は3776米と学校で習った。
     3を取れば多米山脈は納得するかな。
     3は取って次の7は4だと情けない。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月句会の結果です。    遅足

2012年02月20日 | Weblog
遅くなりました。立雄さんの選句も頂き、最終結果です。


題詠「寒明け」

①寒明けの不順の合間陽(ひ)の優し(立雄)亜子
②寒明けの口許ゆるむ野の仏(亜子)能登・鳥野・朱露・郁子・須美・結宇
③寒明けの色にステンドグラスあり(遅足)麗子・晴代
④便りには旅への誘い寒明けり(静荷)郁子・晴代・結宇
⑤寒明けて酒冷やで飲む心意気(朱露)鳥野・智恵
⑥寒明けて開かずの箱を開けてみる(麗子)能登・狗子・須美
⑦寒明けやクレーンの描く大円弧(晴代)朱露・麗子・亜子・静荷・立雄
⑧寒明けて母の手逃る(ノガル)子等の声(結宇)立雄
⑨足袋の穴空に突き抜け寒明ける(能登)朱露・麗子・郁子・静荷・晴代・狗子・智恵・結宇
⑩寒明けてほっと一息寒気する(ますみ)遅足
⑪寒明けて動くかに見え神のひざ(郁子)亜子・狗子・智恵
⑫腕からめ息温かに寒の入り(智恵)遅足
⑬のら猫の声もつややか寒の明け(狗子)能登・鳥野・静荷・須美・遅足・立雄
 

自由題
 
①如月や光のかけら集めおり(麗子)遅足
②春霰記憶の動く旅の路(晴代)郁子・狗子・結宇
③図書館に諸橋漢和底冷えす(結宇)能登・朱露・麗子・亜子・静荷・晴代・須美・遅足・立雄
④佐保姫の香りかシャツに陽の匂い(能登)郁子・亜子・静荷・智恵・結宇
⑤亡き父の豆の数さえ懐かしい(ますみ)鳥野
⑥鬼効果園児競っていわし食う(郁子)能登・朱露・須美・立雄
⑦手袋で両頬叩き闇に入る(静荷)晴代
⑧閂(かんぬき)の音軋ませて冴返る(亜子)能登・鳥野・麗子・郁子・静荷・晴代・狗子・結宇・立雄
⑨蛤と蛤仔(あさり)の世間話かな(遅足)麗子・亜子・狗子・智恵
⑩父の撒く豆を探して竈(くど)と井戸(立雄)朱露・須美・遅足
⑪捨てる紙拾う紙あり春の句作(朱露)鳥野・智恵
⑫湯加減を問うに恥ずかし露天岩(智恵)
⑬やせがまん裸祭の余寒かな(狗子)

次回は3月21日(水)午後1時  東鮨 
題詠は「東風」です。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

波こまか春光そこにかがやけり    岡田耿陽 

2012年02月19日 | Weblog
岸本尚毅さんの 「生き方としての俳句・句集鑑賞」を読みました。
そのなかで、ホトトギスの俳人の句集が紹介されており、
この地方では、岡田耿陽さんの句集「汐木」が採り上げられています。
岡田耿陽さんは、虚子が「三河の一商人」と紹介した人物。
私には、こんな句が好きになりました。

  すてしもの眺めてゐるや寒鴉

  石段の石ぬけてゐる落葉かな

  波来れば波の上とぶ千鳥かな

  りんどうもなくなり道はいただきへ

  妻去りし椿の下に立ちにけり

  水切ればむらさき走る蜆かな

          

写生に細やかな感性が感じられます。
妻去りし、の句は、時代を超えた愛妻ぶりが
うかがわれて嬉しい一句です。
                      
                 遅足



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春の朝血圧計の電池切れ   朱露

2012年02月19日 | Weblog
   数値が出ないので遂に来たかと覚悟。
   何の覚悟? 血圧にも見放されたか。
   フト電池切れではなかろうかと思う。
   電池交換で動いたが無論血圧急上昇。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風光る多米と私と缶ビール    朱露

2012年02月19日 | Weblog
   「風光る」が春とは心憎い季語だ。
   二月十八日早朝多米山脈から日輪。
   何百回見ても飽きないアホな私だ。
   缶ビールの下五が好きなのもアホ。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

棋譜並べ多米早春の日の出かな    朱露

2012年02月18日 | Weblog
      日の出を拝みつつ碁の記録を並べる。
      低い山頂まで二里と見たが甘いかな。
      何里だろうが登る気力も体力もない。
      名古屋へ通ってすり切れてしまった。  


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春暁や車寝るから人眠る    朱露

2012年02月17日 | Weblog
     目の前に新築プレハブが九軒ある。
     若夫婦がそれぞれ車を持っている。
     夕方まで人も車も出払ってしまう。
     言いたいことはここから始まるが。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

寒明け句会   麗

2012年02月16日 | Weblog
寒は明けてもまだまだ寒かった昨日でしたが
10名の参加でにぎやかに行われました。

   寒明けて句会の席は華やぎて

といったところでしょうか?

色んな寒明けの動きがありました。
優しい日差し、野仏の口許、ステンドグラス、旅の誘い、冷やのお酒、開かずの箱、クレーン、子等の声、足袋の穴から見える空、まだまだ寒いぞ、神さまのひざ、絡めた腕、野良猫の声など寒明けと共に色んな物が動いた感覚が面白かったです。

寒が明けたというだけでこれだけの変化が感じとれるとはなんという日本人の感性でしょうか。
そこには神も仏もおり、そして小さな穴の空いた足袋の先からのぞいた突き抜けた青空も。「足袋の穴空に突き抜け寒明ける」がトップ賞。
寒行を終えた修行僧の足袋が干されていたそうです。
能登さんのカメラマンならではの写生句には頭が下がりました。

一方、自由題ではまだまだ体感的には真冬の寒さを詠んだ句が高得点。

久しぶりのご参加の結宇さんの

     図書館の諸橋漢和底冷えす

諸橋轍次の残した分厚い漢和辞典。その冷たさと重さ。図書館に通われる作者の真摯なまなざしが伺えます。
なんと諸橋さんが直江兼次の子孫であることも智恵さんのタブレットで判明。
あの世の諸橋さんも喜んでおられるでしょう。(笑)

亜子さんの

    閂の音軋ませて冴返る

閂という文字を使ってみたかったとおっしゃる亜子さん。私は恥ずかしながらこんな字があることも知りませんでしたが、閂の重さや金属音は確かに寒さを倍増させますね。

底冷えの和室。にぎやかなおしゃべりで句会の温度も少し上がった気がしました。

     寒明けて句会の温度やや上がり    麗

来月は「東風」が兼題です。またまたどんな風が吹き荒れるのか楽しみですね。
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

春眠や道路向こうの若夫婦    朱露

2012年02月15日 | Weblog
    空き地に同じ家が十軒ばかり建った。
    全て共働きで昼間は深閑としている。
    去年まで目の前は殆ど空き地だった。
    三十年前こちらも殆ど空き地だった。

             



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

2月句会の句が集まりました。   遅足

2012年02月15日 | Weblog
いつまでも寒さの続く毎日です。
昨日、今日と少し春の足音が聞こえてきました。
題詠の寒明け、自由題、それぞれ面白い句が集まりました。
句会では、誰に春風が吹くのでしょうね?


題詠「寒明け」

①寒明けの不順の合間陽(ひ)の優し
②寒明けの口許ゆるむ野の仏
③寒明けの色にステンドグラスあり
④便りには旅への誘い寒明けり
⑤寒明けて酒冷やで飲む心意気
⑥寒明けて開かずの箱を開けてみる
⑦寒明けやクレーンの描く大円弧
⑧寒明けて母の手逃る(ノガル)子等の声
⑨足袋の穴空に突き抜け寒明ける
⑩寒開けてほっと一息寒気する
⑪寒明けて動くかに見え神のひざ
⑫腕からめ息温かに寒の明け
⑬のら猫の声もつややか寒の明け
 

自由題
 
①如月や光のかけら集めおり
②春霰記憶の動く旅の路
③図書館に諸橋漢和底冷えす
④佐保姫の香りかシャツに陽の匂い
⑤亡き父の豆の数さえ懐かしい
⑥鬼効果園児競っていわし食う
⑦手袋で両頬叩き闇に入る
⑧閂(かんぬき)の音軋ませて冴返る
⑨蛤と蛤仔(あさり)の世間話かな
⑩父の撒く豆を探して竈(くど)と井戸
⑪捨てる紙拾う紙あり春の句作
⑫湯加減を問うに恥ずかし露天岩
⑬やせがまん裸祭の余寒かな




コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

一人鍋   鳥野

2012年02月14日 | Weblog

 ・ 薔薇色の肉を剥がして一人鍋

夫に逝かれて、ままならぬことは沢山あります。

そのうちの一つが食事。味気ないものです。
とりわけ鍋物など、食べる気分にも、仕立てる気分にもなりません。

この日ごろ、立春を過ぎて季語も春とはなったものの、寒さは居座ったまま。
ふと、温かいお鍋でもと思い立ちました。

ご無沙汰で10年余。埃つぽい卓上コンロをセットして、すき焼きです。

話相手のない鍋料理、北西風の強い夜でした。

 ・ 薔薇色の肉を剥がして一人鍋 降らずじまいの雪恋いながら
コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

風光る自転車飛ばす高校生   朱露

2012年02月13日 | Weblog
    朝八時二十分目の下を黒服が疾走す。
    当方は食後二階へ上がり血圧を計る。
    血圧の高低に一喜一憂しつつ老いる。
    お前は血圧を計る為に生まれたのか。



コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする

雲割って観音堂へさす冬日     遅足

2012年02月13日 | Weblog
冬の京都に観光客を呼ぼうと、日頃は公開していない寺院の特別公開中。
今年は、大河ドラマ・清盛にちなんだ寺院が中心。そのひとつが因幡堂。

このお寺では、高倉天皇に寵愛された小督(こごう)の局の遺品を公開展示。
小督の局は琴の名手。現在の琴よりかなり小ぶりな琴でした。

高倉天皇の正妻は清盛の娘・徳子(建礼門院)。小督の局は、おじゃま虫。
清盛の圧力で泣く泣く別れます。
このエピソードは能の「小督」にもなっています。

因幡堂では、ボランティアの人たちが案内役。
寒いので火鉢2つが置かれていました。
珍しさもあって、しばらく手をあたためました。

薬師観音を祀った因幡堂は、中世には庶民の信仰を集め、
境内は市が立つにぎやかさだったそうです。
その当時をしのばせる「因幡堂」という狂言があります。

ある男、大酒飲みの女房を離縁。因幡堂で新しい女房を、と参籠。
うとうとしている男のところに、女が現れて、
「一条の橋でたたづむ女を娶れ」とささやきます。
お告げの通り、一条橋には被り物をした女が・・・
男は女の手をとって我が家へ。三々九度の杯を飲み干す女。
「大酒飲みの女に縁がある」と覚悟を決めた男。
女の被り物を取ると・・・古女房の怒った顔。
「許せ、許せ」と逃げる男。
「やるまいぞ、やるまいぞ」と追いかける女房。

  火鉢置く観音堂の古畳   遅足

お堂を出た時には、雪の降り出しそうな空から、
さっと冬の日が差してきました。


コメント
  • X
  • Facebookでシェアする
  • はてなブックマークに追加する
  • LINEでシェアする