生きることば あなたへ瀬戸内 寂聴光文社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆「MARC」データベースより◆
瀬戸内寂聴の著作の中から、自身が選んだ珠玉の文章を集める。
思いわずらって眠れない時、誰かに苦しい胸のうちを打ち明け、聞いてほしい時、ひとりで泣きたい時、心のこもった言葉に慰められる小さな本。
【読んだ理由】
瀬戸内 寂聴作品。
【印象に残った一行】
「みんながよくしてくれて、ほんとうに幸せで、今が極楽。でも、今が幸せだから、こんないい人たたいと別れて江ひとりで死んで往くのがさびしいし、心細い」
生きている与えられた時間に、思い残すことなく人をたっぷり愛しておかなければとしみじみ思います。
自分の記憶ぐらい自分本位に都合よくまげて覚えこんでいるものはなく、自分の行動と心理くらい、麻のように乱れこんがらがっているものはなく、自分の心の奥くらい、堅い殻でしっかりかくし秘めているのものはないのです。
人は一度この世の旅に送り出されたが最後、いやでも前しか進めない運命を担わされています。
万物流転の法則のなかでは、ひとりの人間の運命など、目にもはいらぬゴミみたいなものです。
「忘己利他」(もうこりた)「己を忘れ他を利するものは慈悲の極みなり」
【コメント】
生きるとは「無常」の大海のなかを彷徨い、漂うことか。そしてひとり灰になる。