武器よさらば (新潮文庫)アーネスト ヘミングウェイ,Ernest Hemingway,高見 浩新潮社このアイテムの詳細を見る |
【一口紹介】
◆出版社からの内容紹介◆
苛烈な第一次世界大戦。イタリア軍に身を投じたアメリカ人青年フレドリックは、砲撃で重傷を負う。
病院で彼と再会したのは、婚約者を失ったイギリス人看護師キャサリン。
芽生えた恋は急速に熱を帯びる。だが、戦況は悪化の一途を辿り、フレドリックは脱走。
ミラノで首尾よくキャサリンを見つけ出し、新天地スイスで幸福を掴もうとするが…。
現実に翻弄される男女の運命を描く名編。
◆著者◆
(1899~1961)シカゴ近郊生れ。1918年第1次大戦に赤十字要員として従軍、負傷する。
’21年より’28年までパリに住み、その後スペイン内戦、第2次大戦にも従軍記者として参加。
’52年『老人と海』を発表、ピューリッツア賞を受賞。’54年、ノーベル文学賞を受賞。’61年、猟銃で自裁
【読んだ理由】
「読んでおきたい世界の名著」(三浦朱門編)を読んで。
【コメント】
解説によれば、「本書のタイトルはイギリス16世紀後半の詩人、ジョージ・ピールがエリザベス女王に捧げた詩"Farewell to Arms"から採っている。原詩では、年老いた騎士が主君への奉仕の一線から引退しようとする心境がうたわれているのだが、ヘミングウェイは”武器よさらば”という余韻に満ちた言葉の響きに魅かれたのだろう。それと英語のArmsには、もちろん"腕”という意味もあるから、原詩と離れた原題からは、愛する人のたおやかな腕に別れを告げる意も仄かに伝わってくる。そのことも、ヘミングウェイは意識したにちがいない。ちなみに、彼が最後まで残した他のタイトル候補は次に四つだという。---The World's Room(世界の部分)、Night and Forever(夜よ永遠に)、A Separate Peace(単独講和)The Hill of Heaven(天国の丘)。結果的に、彼は最良の選択をしたと言っていいにではあるまいか。」とあった。